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5.魔導師殿の昼と夜
5-5
くすんだ色に視界は染まり、それとは対象的にいつもの台所の風景――個々を描く輪郭がよりシャープになっていく。
今までなにもなかった空間に線が生まれ、像を結んだ。気がつけば両手鍋の蓋の上に、なにかが「いる」。
――小人。体長二十cmもないその生きものは、蓋のツマミに腰掛け、ムスッとした顔でイズーを見上げていた。
「ちっ。見つかっちまったな。まあ、時間の問題だと思ってたけどよ」
ぎょろっとした緑色の瞳と、鷲鼻に大きな口。そしてキンキン響くその声は――間違いない。火をかけた鍋を放置し、寝入ってしまったイズーを起こしてくれたのと、同じ声だった。
「まったく、てめえ、なにもんだ? でっけえ図体の中に、妖力(ようりき)がぎっしり詰まってやがる。こんな人間がいるなんて、見たことも聞いたこともねえぜ」
「妖力」とは、自分のいた世界で言うところの「魔力」のことだろうか。
そう当たりをつけながら、イズーは小人に尋ねた。
「おまえはその両手鍋の関係者か?」
「おうよ」
「ほほう……」
このような生きものを見るのは初めてだ。イズーは高い背を屈め、小人をまじまじと観察した。
小さな体に、艶やかな金髪は長く、くるりと外向きにカールされている。その上品な髪型は、小人の荒々しい喋り方にあまりに不似合いだった。
だいたいちゃきちゃきと淀みなく日本語を話すのに、なぜ金髪碧眼なのだろう。
そういえば問題の両手鍋は、フランス製だった。鍋が舶来品であることが、小人の見た目に影響しているのだろうか?
「俺は魔法使いのイズーだ。おまえの名は?」
「魔法使いぃ? 怪しい野郎だな……」
小人は胡乱な目つきでイズーを睨んだ。
怪しいという点では、小人という存在だってどっこいどっこいではないか。しかしイズーは黙っておいた。
「それに、俺に名前なんかねえよ!」
「じゃあ質問を変えよう。おまえはいったい何者なんだ?」
小人は小さな胸をぐぐっと反らした。
「俺はこの鍋の付喪神様だ!」
「つくもがみ?」
初めて聞く言葉に、イズーは首を傾げた。
「なんだよ、おまえ! 俺たちの姿が見えるほどの妖力を持ってるくせに、付喪神も知らねえのかよ! 失礼な奴だな!」
プンプン怒りながらも、小人は親切に説明してくれた。
こちらの世界では、長い年月損なわれることなく形を保ってきた物には、命が宿る。
人智を超えた不思議な力によって生まれた彼らのことを、「付喪神」と呼ぶそうだ。
「長い年月というのは、どれくらいだ?」
「昔は百年くらいだったそうだけどよ。今は消費サイクルっつーのがみじけえから早まって、例えば俺なんかは、この家に来て四年目で命を授かったぜ。家電の奴らなんかは、もっとはええ。二年生き延びられれば、たいてい付喪神になれる」
「ほー」
小人改め「両手鍋の付喪神」は、ふと恋人のことでも語るかのような、うっとりした顔つきになった。
「俺の主(あるじ)の嬢ちゃんは、社会人になって初めて貰ったボーナスで、俺を買ってくれてな。それはもう大事に大事に使ってくれるんだ。美味いものができれば喜んで、俺を褒めてくれるんだぜ。『あなたのおかげ』って。可愛いじゃねえか」
「主の嬢ちゃん」とは、風吹のことだろう。
付喪神の表情は一転、険しくなった。
「そんな俺の、大事な主のうちに! てめえみたいな木偶の坊が転がり込んで来やがって! この家の付喪神たちは、みんなてめえのことなんざ、認めてねえんだからな! 主になにか酷いことでもしてみやがれ! 絶対に許さねえからな!」
どうやらこの付喪神は、イズーに敵意を持っているらしい。だからあの日も鍋を使わせてくれなかったし、言葉遣いも好戦的なわけか。
「うん、まあ、その忠誠心の高さには感心するが、鍋になにができるんだ?」
別に馬鹿にするつもりもなく、純粋に疑問に思い、イズーは尋ねた。
聞き返されるとは思わなかったのか、付喪神は答えに窮している。
「そりゃあれよ……! なんだ、その……。ま、まずい飯を作ってやる!」
「うーん。それは風吹も巻き込まれて、つらいんじゃないのか?」
計画の問題点を指摘されると、付喪神はハッと虚を衝かれた顔をして、身長の割に大きな頭を垂れた。
「どうせ俺は非力だよ……。メシを煮炊きするくらいしか、能がねえからな……」
「あ、いやいや。それは十分立派な能力だと思うぞ、俺は」
「うるせえ、黙れ! 敵に慰められるなんて、ますます惨めになるじゃねえか……」
しょんぼり肩を落としている付喪神に、イズーは顔を近づけた。
「俺は本当にそう思っているんだ。だから今日は是非、おまえの力を借りたい」
「は?」
付喪神は訝しげに細い顎を上げた。
「風吹が――おまえの主がな、体調を崩したようなんだ」
「そりゃあ一大事じゃねえか!」
付喪神の顔色が変わった。やはり彼の主に対する想いは、一際強いようだ。
「そうなんだ、大変なんだ。だから俺は風吹が元気になるように、消化が良くて温まる、そしてなにより美味いものを食べさせてやりたい。――協力してくれないか?」
「……………………」
付喪神はしばらく黙って考え込んでいたが、やがて「しょうがねえな」と不機嫌そうにつぶやき、姿を消した。
イズーはつい先ほどまで付喪神がどっかり座っていた鍋の蓋に、手を伸ばした。持ち上げてみれば、嘘のようにあっさり鍋が開いたではないか。
『焦げつかせでもしたら、ぶっ殺すからな!』
「心得た。――もう料理中、居眠りはしない」
鍋から聞こえてきた物騒な脅し文句に、イズーは神妙に頷いた。
夕飯の支度は終わったから、居間で休憩することにする。
とりあえずテレビを点けたが、見ることなく、昼間の幻燈の話を思い出した。
「まったく愚かな話です。来たはいいが、まさか帰ることができないなんて。『異界の扉』が一方通行だったとは……。言い訳するわけではないですが、空間転移に使う魔法陣は往復ができるでしょう? それと同じように考えてしまっていた……」
幻燈の声には痛みを堪えるような揺らぎがあった。
「ふーん……」
イズーも元の世界には一度も戻っていない。こちらでの生活が充実していて、そんな気には一切ならなかったのだ。
試しにあの日「真紅城」地下で唱えた呪文を口にしてみる。
すると指の先――空中に、出っ張りが現われた。「異界の扉」を呼び出すための台座、そこに生えていたあの取っ手だ。
しかし出てきたのはそれだけだった。取っ手は、しかもぼんやりとしていて、幻かと見紛うほど儚い。
「……! 同じ魔法使いといえど、クララは――妻にはできなかったのに……」
「俺は一度召喚したものは忘れず、手法や触媒をだいぶ端折って再現できる」
「さすが唯一の『魔導師』殿といったところですか……」
「ま、だがここは魔力が薄い。完璧な扉を呼び出すのは無理なようだな。――今は」
久しぶりに「異界の扉」と再会し、驚愕していた幻燈は、しかし目の前に現れたのは扉の一部だけと知るや、大きく息を吐いた。
「ホッとしているようだな、武僧」
先ほどの仕返しとばかりに、イズーはニヤニヤと笑いながら煽った。
「……!」
幻燈は苦虫を噛み潰したような顔になり、しかし素直に負けを認めるかのように下を向いてしまった。
「仰るとおりです。私は帰りたくない……。無責任にも全てを投げ出し、こちらの世界で妻と子供たちと平穏に暮らしたいと思っている。――この地を築いたのは、私とは縁もゆかりもない人々だと言うのに、恩恵だけは享受して……」
偉大なる聖職者の懺悔を受け止めるのは、さすがに邪悪なる最恐の魔導師殿の役目ではないだろう。
――軽い気持ちでからかったのに、効き過ぎた……。
咳払いしてから、イズーは早口で言った。
「ま、いいんじゃないか。誰がどこで暮らそうと自由だし。恩恵だなんだと言うなら、これから返していけばいいだろう。ほらなんだ、こっちは勤労と納税が義務だって言うんだから、バリバリ働いて、ジャンジャン税金を納めれば。こっちの世界にとって、おまえは十分有益な存在だ」
イズーのヘタクソな、あまりに慣れていない励ましを聞いて、幻燈は笑みを漏らした。
「そうですね……。私がこちらの世界の人々にできることも、きっとたくさんあるでしょう。――だけど」
続く言葉には察しがつく。
「故郷を見捨てていいのか?」
「魔王が消えたあと、人間同士の醜い争いが勃発し、荒廃しきった祖国を、忘れるつもりなのか?」
自身の正義心から発せられたその問いに答えられず、幻燈は押し黙る。
イズーはそんな彼を、まるっきり他人事(ひとごと)のように眺めた。
――聖職者というのは大変だな。
正しくあらねばならない。
自分勝手に、これからもそう生きていく自分とは大違いだ。
わずかに同情し、だからイズーは告げるのをやめた。
――完全なる「異界の扉」を、呼び出すことはできるのだ。
だがそれを伝えて、目の前の僧侶の苦悩を増やすことになんの意味があるのか。
平和で豊かなこちら側を知ってしまった以上、元いた世界へ帰還するなんて、そうそう決断できまい。
ならば、黙っていてやるべきだ。「もう帰れない、道は絶たれた」と、たとえ嘘でも思い込ませてやろう。
――俺はこんな甘っちょろい男だったろうか?
変化した自分を意識しつつ、イズーはショコラクッキーフローズンの最後の一口を飲んだ。
今までなにもなかった空間に線が生まれ、像を結んだ。気がつけば両手鍋の蓋の上に、なにかが「いる」。
――小人。体長二十cmもないその生きものは、蓋のツマミに腰掛け、ムスッとした顔でイズーを見上げていた。
「ちっ。見つかっちまったな。まあ、時間の問題だと思ってたけどよ」
ぎょろっとした緑色の瞳と、鷲鼻に大きな口。そしてキンキン響くその声は――間違いない。火をかけた鍋を放置し、寝入ってしまったイズーを起こしてくれたのと、同じ声だった。
「まったく、てめえ、なにもんだ? でっけえ図体の中に、妖力(ようりき)がぎっしり詰まってやがる。こんな人間がいるなんて、見たことも聞いたこともねえぜ」
「妖力」とは、自分のいた世界で言うところの「魔力」のことだろうか。
そう当たりをつけながら、イズーは小人に尋ねた。
「おまえはその両手鍋の関係者か?」
「おうよ」
「ほほう……」
このような生きものを見るのは初めてだ。イズーは高い背を屈め、小人をまじまじと観察した。
小さな体に、艶やかな金髪は長く、くるりと外向きにカールされている。その上品な髪型は、小人の荒々しい喋り方にあまりに不似合いだった。
だいたいちゃきちゃきと淀みなく日本語を話すのに、なぜ金髪碧眼なのだろう。
そういえば問題の両手鍋は、フランス製だった。鍋が舶来品であることが、小人の見た目に影響しているのだろうか?
「俺は魔法使いのイズーだ。おまえの名は?」
「魔法使いぃ? 怪しい野郎だな……」
小人は胡乱な目つきでイズーを睨んだ。
怪しいという点では、小人という存在だってどっこいどっこいではないか。しかしイズーは黙っておいた。
「それに、俺に名前なんかねえよ!」
「じゃあ質問を変えよう。おまえはいったい何者なんだ?」
小人は小さな胸をぐぐっと反らした。
「俺はこの鍋の付喪神様だ!」
「つくもがみ?」
初めて聞く言葉に、イズーは首を傾げた。
「なんだよ、おまえ! 俺たちの姿が見えるほどの妖力を持ってるくせに、付喪神も知らねえのかよ! 失礼な奴だな!」
プンプン怒りながらも、小人は親切に説明してくれた。
こちらの世界では、長い年月損なわれることなく形を保ってきた物には、命が宿る。
人智を超えた不思議な力によって生まれた彼らのことを、「付喪神」と呼ぶそうだ。
「長い年月というのは、どれくらいだ?」
「昔は百年くらいだったそうだけどよ。今は消費サイクルっつーのがみじけえから早まって、例えば俺なんかは、この家に来て四年目で命を授かったぜ。家電の奴らなんかは、もっとはええ。二年生き延びられれば、たいてい付喪神になれる」
「ほー」
小人改め「両手鍋の付喪神」は、ふと恋人のことでも語るかのような、うっとりした顔つきになった。
「俺の主(あるじ)の嬢ちゃんは、社会人になって初めて貰ったボーナスで、俺を買ってくれてな。それはもう大事に大事に使ってくれるんだ。美味いものができれば喜んで、俺を褒めてくれるんだぜ。『あなたのおかげ』って。可愛いじゃねえか」
「主の嬢ちゃん」とは、風吹のことだろう。
付喪神の表情は一転、険しくなった。
「そんな俺の、大事な主のうちに! てめえみたいな木偶の坊が転がり込んで来やがって! この家の付喪神たちは、みんなてめえのことなんざ、認めてねえんだからな! 主になにか酷いことでもしてみやがれ! 絶対に許さねえからな!」
どうやらこの付喪神は、イズーに敵意を持っているらしい。だからあの日も鍋を使わせてくれなかったし、言葉遣いも好戦的なわけか。
「うん、まあ、その忠誠心の高さには感心するが、鍋になにができるんだ?」
別に馬鹿にするつもりもなく、純粋に疑問に思い、イズーは尋ねた。
聞き返されるとは思わなかったのか、付喪神は答えに窮している。
「そりゃあれよ……! なんだ、その……。ま、まずい飯を作ってやる!」
「うーん。それは風吹も巻き込まれて、つらいんじゃないのか?」
計画の問題点を指摘されると、付喪神はハッと虚を衝かれた顔をして、身長の割に大きな頭を垂れた。
「どうせ俺は非力だよ……。メシを煮炊きするくらいしか、能がねえからな……」
「あ、いやいや。それは十分立派な能力だと思うぞ、俺は」
「うるせえ、黙れ! 敵に慰められるなんて、ますます惨めになるじゃねえか……」
しょんぼり肩を落としている付喪神に、イズーは顔を近づけた。
「俺は本当にそう思っているんだ。だから今日は是非、おまえの力を借りたい」
「は?」
付喪神は訝しげに細い顎を上げた。
「風吹が――おまえの主がな、体調を崩したようなんだ」
「そりゃあ一大事じゃねえか!」
付喪神の顔色が変わった。やはり彼の主に対する想いは、一際強いようだ。
「そうなんだ、大変なんだ。だから俺は風吹が元気になるように、消化が良くて温まる、そしてなにより美味いものを食べさせてやりたい。――協力してくれないか?」
「……………………」
付喪神はしばらく黙って考え込んでいたが、やがて「しょうがねえな」と不機嫌そうにつぶやき、姿を消した。
イズーはつい先ほどまで付喪神がどっかり座っていた鍋の蓋に、手を伸ばした。持ち上げてみれば、嘘のようにあっさり鍋が開いたではないか。
『焦げつかせでもしたら、ぶっ殺すからな!』
「心得た。――もう料理中、居眠りはしない」
鍋から聞こえてきた物騒な脅し文句に、イズーは神妙に頷いた。
夕飯の支度は終わったから、居間で休憩することにする。
とりあえずテレビを点けたが、見ることなく、昼間の幻燈の話を思い出した。
「まったく愚かな話です。来たはいいが、まさか帰ることができないなんて。『異界の扉』が一方通行だったとは……。言い訳するわけではないですが、空間転移に使う魔法陣は往復ができるでしょう? それと同じように考えてしまっていた……」
幻燈の声には痛みを堪えるような揺らぎがあった。
「ふーん……」
イズーも元の世界には一度も戻っていない。こちらでの生活が充実していて、そんな気には一切ならなかったのだ。
試しにあの日「真紅城」地下で唱えた呪文を口にしてみる。
すると指の先――空中に、出っ張りが現われた。「異界の扉」を呼び出すための台座、そこに生えていたあの取っ手だ。
しかし出てきたのはそれだけだった。取っ手は、しかもぼんやりとしていて、幻かと見紛うほど儚い。
「……! 同じ魔法使いといえど、クララは――妻にはできなかったのに……」
「俺は一度召喚したものは忘れず、手法や触媒をだいぶ端折って再現できる」
「さすが唯一の『魔導師』殿といったところですか……」
「ま、だがここは魔力が薄い。完璧な扉を呼び出すのは無理なようだな。――今は」
久しぶりに「異界の扉」と再会し、驚愕していた幻燈は、しかし目の前に現れたのは扉の一部だけと知るや、大きく息を吐いた。
「ホッとしているようだな、武僧」
先ほどの仕返しとばかりに、イズーはニヤニヤと笑いながら煽った。
「……!」
幻燈は苦虫を噛み潰したような顔になり、しかし素直に負けを認めるかのように下を向いてしまった。
「仰るとおりです。私は帰りたくない……。無責任にも全てを投げ出し、こちらの世界で妻と子供たちと平穏に暮らしたいと思っている。――この地を築いたのは、私とは縁もゆかりもない人々だと言うのに、恩恵だけは享受して……」
偉大なる聖職者の懺悔を受け止めるのは、さすがに邪悪なる最恐の魔導師殿の役目ではないだろう。
――軽い気持ちでからかったのに、効き過ぎた……。
咳払いしてから、イズーは早口で言った。
「ま、いいんじゃないか。誰がどこで暮らそうと自由だし。恩恵だなんだと言うなら、これから返していけばいいだろう。ほらなんだ、こっちは勤労と納税が義務だって言うんだから、バリバリ働いて、ジャンジャン税金を納めれば。こっちの世界にとって、おまえは十分有益な存在だ」
イズーのヘタクソな、あまりに慣れていない励ましを聞いて、幻燈は笑みを漏らした。
「そうですね……。私がこちらの世界の人々にできることも、きっとたくさんあるでしょう。――だけど」
続く言葉には察しがつく。
「故郷を見捨てていいのか?」
「魔王が消えたあと、人間同士の醜い争いが勃発し、荒廃しきった祖国を、忘れるつもりなのか?」
自身の正義心から発せられたその問いに答えられず、幻燈は押し黙る。
イズーはそんな彼を、まるっきり他人事(ひとごと)のように眺めた。
――聖職者というのは大変だな。
正しくあらねばならない。
自分勝手に、これからもそう生きていく自分とは大違いだ。
わずかに同情し、だからイズーは告げるのをやめた。
――完全なる「異界の扉」を、呼び出すことはできるのだ。
だがそれを伝えて、目の前の僧侶の苦悩を増やすことになんの意味があるのか。
平和で豊かなこちら側を知ってしまった以上、元いた世界へ帰還するなんて、そうそう決断できまい。
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