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マイアミビーチへのお誘い
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Kが昼食を摂らずに途方に暮れていた13時のことだった、
「Kさ~ん」
泣いている姿を見られたくなかったKは
「もうすぐいくんであと5分だけ待ってくだい」と
ドア越しで伝えた。
(いまの声は森山さんだ、どうしたんだろう?…森山さんに泣いている姿なんか絶対見せたらだめだ)
Kは洗面所で顔を必死で洗って、何事もなかったかのように振舞おうと考えた5分間だった。
「Kさん、明日、ビーチに行こう、マイアミビーチ、朝迎えに来るから」
「マイアミビーチ?」
(森山さんはいい人だけど、まさか男同士でってこと?マイアミってまさかアメリカ?)
「マーブルも絶対連れて来いよ、楽しい夏の思い出ができるから、私はこの後、犬の診察の予約があるから、それじゃあ明日」
「…あの森山さん、マイアミって」
森山は犬の診察があることで急いでいるようだったが、マイアミビーチに行くことを2階にいる進に話すことにした。
「進さ~ん」
進は応答がなく、カギがかかっていた。おそらく留守なのだろう。
「なあマーブル、俺たち本当にアメリカいくのかな、車で迎えに来るってまさか飛行場まで?」
「ウー」
マーブルはKの言葉にためらいから首をかしげた。
「◇×△ワンワン、ワオー」
「まただ、いま、人間の言葉みたいだったよ、マーブル、俺に伝えたい大事なことがあるの?」
その時、階段を上がる足音がした。
(進さん帰って来たのか)
「進さ~ん、マイアミビーチってアメリカのこと?」
「どうしたK?とりあえず2階上がってこいな」
「すぐ行く」
森山が来たときのことをKは進に伝えると
「マイアミビーチをアメリカと間違えたか、ガハハハハハア」
進は大笑いをした。
「そんなに笑わなくてもいいだろ」
「森山の別荘が江の島の近くにあるから、江の島のことだろう」
「そうか江の島か、たしか明日、江の島で花火大会あるよね、マーブルとの散歩のときによく見かけたんだ、進さんにはそのこと何も言ってなかったの?」
「特に森山からは聞いてはないが、由比が花火大会どうしても見たいと言ってな、森山あいつはいま忙しいみたいだから仕事終わったら聞いてみるよ」
「そうだね、犬の診察で忙しいみたいだね、なにか森山さんから連絡あったら教えて、またあとでね」
「ワンワン×△×」
1階の部屋に戻ったKはまたマーブルの吠え方に違和感を感じていた。
「マーブル、何かが起こるの?マーブルわからないよ?」
「ワンワン!!」
マーブルのこのような吠え方は度々あったが、とくにこのときは顕著だった。
結局、この日は森山から連絡が来ることはなくKが連絡しても留守電のメッセージが流れるだけだった。
(森山さんどうしたんだろう?)
◆翌朝の7時30分
「Kさ~ん、マイアミいくぞ!、由比ちゃんも一緒だぞ!」
森山の大きな声でこの時、まだ寝ていたあKは目が覚めた。まだ目が覚めたばかりの寝ぼけ眼のKだったが由比という言葉に強く反応していた
(由比?由比さん?由比さんとこれからビーチ?えっ!!!)
「早くしないとおいてっちゃうぞ~」
「Kさ~ん」
2階の窓を開けると由比が手を振っていた。
「由比さん?」
(いま笑顔で俺に手を振ったよな)
「Kさ~ん、マーブルちゃ~ん」
マーブルもこの時、まだ寝ていたが由比の声で目が覚めた。
「ワンワンワン、ワオー」
「ごめんなさ~い、いまいきま~す」(笑)
(もしかして進さんか、味なことするな進さん、ありがとう)
Kは進が由比との仲を取り持ったと思っていたのだが…
(今度こそ、いままでの俺とは違うんだ、マーブル、進さん見ててくれ!!)
「Kさ~ん」
泣いている姿を見られたくなかったKは
「もうすぐいくんであと5分だけ待ってくだい」と
ドア越しで伝えた。
(いまの声は森山さんだ、どうしたんだろう?…森山さんに泣いている姿なんか絶対見せたらだめだ)
Kは洗面所で顔を必死で洗って、何事もなかったかのように振舞おうと考えた5分間だった。
「Kさん、明日、ビーチに行こう、マイアミビーチ、朝迎えに来るから」
「マイアミビーチ?」
(森山さんはいい人だけど、まさか男同士でってこと?マイアミってまさかアメリカ?)
「マーブルも絶対連れて来いよ、楽しい夏の思い出ができるから、私はこの後、犬の診察の予約があるから、それじゃあ明日」
「…あの森山さん、マイアミって」
森山は犬の診察があることで急いでいるようだったが、マイアミビーチに行くことを2階にいる進に話すことにした。
「進さ~ん」
進は応答がなく、カギがかかっていた。おそらく留守なのだろう。
「なあマーブル、俺たち本当にアメリカいくのかな、車で迎えに来るってまさか飛行場まで?」
「ウー」
マーブルはKの言葉にためらいから首をかしげた。
「◇×△ワンワン、ワオー」
「まただ、いま、人間の言葉みたいだったよ、マーブル、俺に伝えたい大事なことがあるの?」
その時、階段を上がる足音がした。
(進さん帰って来たのか)
「進さ~ん、マイアミビーチってアメリカのこと?」
「どうしたK?とりあえず2階上がってこいな」
「すぐ行く」
森山が来たときのことをKは進に伝えると
「マイアミビーチをアメリカと間違えたか、ガハハハハハア」
進は大笑いをした。
「そんなに笑わなくてもいいだろ」
「森山の別荘が江の島の近くにあるから、江の島のことだろう」
「そうか江の島か、たしか明日、江の島で花火大会あるよね、マーブルとの散歩のときによく見かけたんだ、進さんにはそのこと何も言ってなかったの?」
「特に森山からは聞いてはないが、由比が花火大会どうしても見たいと言ってな、森山あいつはいま忙しいみたいだから仕事終わったら聞いてみるよ」
「そうだね、犬の診察で忙しいみたいだね、なにか森山さんから連絡あったら教えて、またあとでね」
「ワンワン×△×」
1階の部屋に戻ったKはまたマーブルの吠え方に違和感を感じていた。
「マーブル、何かが起こるの?マーブルわからないよ?」
「ワンワン!!」
マーブルのこのような吠え方は度々あったが、とくにこのときは顕著だった。
結局、この日は森山から連絡が来ることはなくKが連絡しても留守電のメッセージが流れるだけだった。
(森山さんどうしたんだろう?)
◆翌朝の7時30分
「Kさ~ん、マイアミいくぞ!、由比ちゃんも一緒だぞ!」
森山の大きな声でこの時、まだ寝ていたあKは目が覚めた。まだ目が覚めたばかりの寝ぼけ眼のKだったが由比という言葉に強く反応していた
(由比?由比さん?由比さんとこれからビーチ?えっ!!!)
「早くしないとおいてっちゃうぞ~」
「Kさ~ん」
2階の窓を開けると由比が手を振っていた。
「由比さん?」
(いま笑顔で俺に手を振ったよな)
「Kさ~ん、マーブルちゃ~ん」
マーブルもこの時、まだ寝ていたが由比の声で目が覚めた。
「ワンワンワン、ワオー」
「ごめんなさ~い、いまいきま~す」(笑)
(もしかして進さんか、味なことするな進さん、ありがとう)
Kは進が由比との仲を取り持ったと思っていたのだが…
(今度こそ、いままでの俺とは違うんだ、マーブル、進さん見ててくれ!!)
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