下克上シティ

桜木源

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1.大親友の突然の裏切り

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「やめろよ奏~笑」
二人で戯れ合いながら歩く駅までの道。
奏はサッカー部に通っていて校内でも人気の生徒だ。奏との一番の親友がこの俺。守だ。この二人は仲が圧倒的に良い。「赤塚高校でこれからも一緒にずっと親友で卒業しような。」俺はそう奏に話した。奏は俺の顔を見て「おう。」と強い返事をし、笑い合った。しかし、今日の奏はいつもと違うと感じる。
この時間がもっともっと続いていれば良いのに。俺らは別れを告げた後家に帰った。
笑い笑いの今週も終わり休日になる。平日より休日の方が楽しくないのはなぜだろうか。きっと奏と会わないからだろうな。俺はそうベッドの上に寝転がりながらニヤけて考えた。俺は奏に電話をかけた。しかし、電話は繋がらなかった。「いつもは直ぐに出るのに…」少し不安な気持ちを抑えながらその日は寝て、月曜日を迎えた。
その日は遅刻しそうな朝だった。近道を通るため徳丸高校の前を自転車で突っ切る。
しかし奏っぽい人が校門に入る姿が見えた。
「おかしいな。奏が徳丸生な訳がないよな…そんなあいつが裏切る訳ないよな。」
そう考えるとさらに時計の針は進んでいた。
時間ギリギリで校門を潜り教室のドアを開くとクラスはざわついていた。何かがあったのかとかを考えながら席に座ろうとすると隼人が焦った表情をしてやってきた。
「奏、奏が徳丸に転校したって。この後のホームルームで話されると思うけど。何かお前知らなかったのか。」力が入らなかった。その時だけ耳が聴こえずに何も知らない事にしたいと思うくらい。裏切られた。あれだけ約束したのに。一緒に卒業しようって約束したのに。そう小さく叫ぶと涙がポロポロ溢れてきた。隼人ももらい泣きしたのか一緒に泣いている。担任が入ってくる。俺は冷静じゃない状況の中顔を上げた。
「みなさん。知ってると思うけど宮田奏が近隣の都立徳丸高校に転入した。理由は不明だ。」噂なんかじゃない。本当の話だ。フェイクでもデマでもない。実話だ。俺は怒り狂い席から立ち担任に聞いた。「徳丸ってヤンキーしかいない高校ですよね。あいつ頭取りに行ったんじゃないか。」俺はそうクラスと担任に問いかけた。
「実はそうなんだ。悲しむと思って言えなかった。本当にごめん。ずっと赤塚が嫌だったたらしい。徳丸みたいな所でトップを取りたかったそうなんだ。黙っていてすまなかった。」
クラスの空気は静まった。沈んで底の底の底にまで落ちてしまった。何も俺は言葉が出なかったが思う事はある。
それはもうアイツは親友でも友達でもない。敵だ。赤塚から徳丸を下克上で倒してやる。
そう俺は心の中に決意し、やっと席に座った。悲しみと怒りの中それを胸に決めた。
一方奏は徳丸のトップのペアの西郷仁に殴り込みをたった1人でしに行った。武器は何も持たずに。
~2人の新たなストーリーが始まる。~
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