僕が魔族のレイと恋に落ちるまで

さらさ

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12話 ナルサス

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なんかわかんないけど、僕はナルサスと、戦うことになり、闘技場に移動した。

とっても不安なんだけど・・・レイが心配してないって事は・・・大丈夫なのかな?

「お前、魔王様に気に入られてるみたいだけど、所詮は人間、俺達魔族にに叶うはずないだろう」

剣を交える前に、僕にだけ聴こえるように、ナルサスが話しかけて来た。

「うん、そうだね、僕は人間だから、将軍なんて務まるはずないよね」

僕は正直な気持ちを言ったつもりだったのに、ナルサスは何故か余計気に入らないというように睨みつけてくる。

「お前の実力はこんなもんだってみんなに見せつけてやるよ! 」

そう言って剣を構えると突っ込んでくる。
その脇で、魔法が放たれるのを感じて、僕は障壁でガードしながら一度下がって距離を取った。

そこへまた、魔法の玉が打ち込まれる。
障壁でガードしながら横に避けると、僕も炎の玉を隠匿を掛けて放つ。
ナルサスは自分に当たる手前で気が付いて避けたけど、驚きの表情をしている。

「今のはなんだ? 」

あれ? 隠匿ってあんまり使わないのかな?

不思議に思ったけど、ナルサスがまた攻めてくるので、ガードしながらまた下がる。
今度は下がりながら既に用意していた炎の玉を風魔法で加速して放った。
これも隠匿しているので、相手は当たるまで気が付かないはず。
だけど、僕はわざと手前で隠匿を解除した。
突然現れた火球に驚きながらも、ナルサスは交わす。

そして、ナルサスが魔法に気を取られている間に、既に間合いを詰めていた僕が剣で切り込むと、ナルサスもそれに即座に反応して答える。
流石レイの副官、出来る。
しばらく打ち合いをしていると、ナルサスの表情が楽しそうな表情に変わった。

「お前、やるな! 」

そう言うと、剣を下ろして口角を上げて笑った。

「俺と互角にやりあえるとは驚きだな、認めてやるよ」

「ありがとう」

僕は認めてもらえたことが嬉しくて、上がった息を整えながら笑顔で返した。

「お前・・・可愛いな」

そんな僕を見てナルサスがぽつりと呟く。

「え? 」

可愛いと言われるのには慣れているけど、ナルサスは僕を女だと思ってるんじゃないだろうか?

「・・・僕、男だよ? 」

「え? そうなのか? 何でドレス着てるんだ? 髪も長いし・・・」

ナルサスがそう思うのも最もだ。
でも、髪はレイが褒めてくれるから伸ばしてるけど、服は特に理由は無い。

「何となく・・・似合うから? 」

「なんだそれ? まぁ、確かに、男にしとくにはもったいないくらい似合ってるけどな」

そう言った後、僕の肩に腕を掛けて耳もとで囁くように話す。

「なぁ、俺と付き合わねえ? 」

「な? 僕男だって言ったよね? 」

「ああ、聞いたけど、それが? 」

ナルサスにとって、性別は問題ないのだろうか?

「男と付き合うの? 」

「別に、魔族は自由恋愛だから、男か女かは大した問題じゃない。あれ? 知らんかった? 」

ナルサスは驚いたように僕を見るけど、知らなかった・・・
だからレイも普通に僕が好きだって言ったの?

「もう1つ言うと、魔族は複数の恋人ありだぞ、魔王様とは付き合ってんだろ? その次の位置でいいから俺とも付き合わねえ? 」

知らなかったよ・・・魔族って恋愛にかなり寛容なんだね・・・
ってか、付き合ってるって・・・僕はレイと付き合ってるの?
よく分からないけど、

「僕が好きなのはレイだけだよ! 」

そういう僕の言葉を聞いて、ナルサスが驚いたように僕を見る。

「魔王様がレイって呼ばせるって、お前、相当気にいられてんだな」

え? そうなんだ、レイは最初から僕にレイって呼んでいいって言ってたけど・・・

「おい、ナルサス! いつまでクリスに引っ付いてる! 」

ふと見ると、レイがすぐ近くまで来て僕達の様子を見ていた。

それを見て、ナルサスがレイに向き直る。

「魔王様、クリスの実力は確かに確認しました。認めます」

その言葉を聞いて、レイは頷く。

「後、魔王様に認めて貰えるなら・・・俺もクリスと付き合っていいですかね? 」

ナルサスは堂々とレイに訴える。
この人は命知らずだな・・・
自分の上司の恋人を奪うって、どんなメンタルしてるんだ。

「ナルサスの事は信頼している。だが、クリスをやる気はない」

レイは僕を抱き寄せてはっきりと言う。

「貰う気は無いですよ、俺は2番目でいいから、たまに夜を一緒に過ごさせてもらえたら、それでいいですよ」

「ダメだ、クリスは俺一人のもんだ」

なんか、他の人なら絶対もっと怒ってそうなのに、レイはナルサスには優しいな・・・

「えー、ケチ」

「ケチでいい」

何この子供みたいな言い合い。
ってか、僕は物でもないし、僕の意思は何処にあるの?

「僕、レイ以外は好きにならないよ? 」

レイだから許せるけど、他の男の人に触られるなんて、考えただけで嫌だ。

「だそうだ、残念だったな、ナルサス」

レイが嬉しそうに口角を上げて笑いながらナルサスを見る。

「俺諦めないからな! 」

とレイに向かって宣戦布告するナルサス。何故そんなに僕を気に入ってくれたんだろう?




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