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第十一章

第九話 革命=暴徒化

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 スーパーシティ構想の新しい生活様式という文言に違和感を覚える

車輪だったが、それがパンデミックと関係あるかは結局謎のままだ。

「しかし現実にパンデミックによって当時の権力者が推し進めようと

していたマイナンバーカードやキャッシュレス化、リモートワーク

なんかのコンピューター管理が一気に進んだのは事実だよな」、、


 「そうだ、日本では中々進まなかった事も半ば強制的に実行出来る

し、これによってスーパーシティやムーンショットが一気に進んで

IT関連、カード会社、薬品メーカー、その他利害関係が一致する

業界が多大な利益を得る事が出来る。まあ結果論だろうがな」、、

車輪も30年も前の事なので真実までは分からなかった。


 「いずれにせよ、俺が見たスーパーシティはほとんど2018年に

内閣府がHPで発表したムーンショット計画そのものだ。スラムとは

あまりにも世界が違い過ぎて、侵入した所で何も出来やしない」、、

自警団の一人が問う。「少人数で侵入しても何も出来ないんだったら、

何万人規模で押し寄せて一気に制圧するしか無いな」、、


 「そうしよう、非暴力の訴えですら暴力集団をけしかけて、挙句に

増税する政府にはやはり革命しか無い」、、「賛成だ、国民全員で

なだれこんで金持ちどもを血祭りにあげてやる」、、会場がザワザワ

し出した所で車輪が訴えかけた。「それをやると人間は必ず暴徒化し

弱者にまで手を掛けるのは歴史が証明している!!」、、


 オヤジもハッキリ言う。「そうだ。スーパーシティと言ってもただ

富裕層に生まれただけの子供も居れば年寄りや障碍者も住んでるハズ

だ、俺達は権力者の一人一殺が目的で他の自警団のやり方にまで口を

出す権利は無いが、それだけは肝に銘じて欲しい」、、元々普通に

暮らしていた各自警団もそればっかりは納得するしか無かった。
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