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君と交わした約束は、夜空に浮かぶ星のようで
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初めてできた恋人が、来た時と同じスピードで去って行く。……いや、去ったのは自分の方か。理央は自虐的に微笑み、子ども服を何着も畳み直した。
「暇そうですね、店長さん」
声を掛けられて振り返ると、あのスーツの男が笑みを浮かべて立っていた。理央は驚きのあまり固まってしまった。
「どっ、なっ、……贈られたものに何か不備が……」
「あはは。あのポンチョ、喜んでくれたみたい。これ、着てるとこ」
スマートフォンの画面いっぱいに広がったポンチョ姿の赤ちゃん。満面の笑みと顎に伝う涎が可愛らしい。思わず笑みがこぼれてしまい、理央は表情を引き締めた。
「じゃ、じゃあ、何の御用でしょうか……」
「つれないなあ。店長さんが連絡くれないから、直接誘ってみようかって」
理央は周囲に人がいないのを確認し、男に向き直って大きく息を吸った。
「こういうの、止めてください。迷惑です」
はっきりと言ったのに、男の笑みは崩れない。α特有の圧が理央を彼の前に留め続けた。
「村田さん。俺がαだって分かってるでしょ。あなたみたいに第二の性を隠して生きようとしているΩはみんな、俺みたいなαを突っぱねようとするんだよね。最初は」
「親しくもないのに職場まで来て個人的なやりとりをしようとする人とは仲良くなれません」
これで引くだろう、と高を括っていたのは事実だ。けれどここまで言っても笑みを崩さない男を見て理央は身体を強張らせた。
「一回、ご飯行きましょう」
「そういうお誘いは断る決まりになっています」
男は俯いていた睫毛をぱっと上げ、首を傾げて理央の首筋に鼻先を近づけた。気配で匂いを嗅がれたと分かり、理央はその場から飛び退いた。
「前のαの匂いが薄くなってる。今にも消えそう。……もしかして、恋人と別れたばっかり?」
この人、分かっていて……!理央は握った拳を震わせ男を睨んだ。「図星だ」男は嬉々として店内の子ども服に触れた。
「もう一着、何か贈りたくって。村田さん、あの時みたいに俺と選んでくれませんか?」
「お祝いも続けざまですとお相手の負担になりますよ」
「今度はプレゼントとして持って行くよ。俺、子どもがすきなんだ。あなたには悪いαに見えているかもしれないけれど」
微笑んでいる男に優が重なる。息を吸えば優によく似た匂いがして、背が高いところや笑うと下瞼が上がるところも似ていた。……いや、そうじゃない。似ている、のではない。理央は自身の胸にぽっかりと空いた穴に、寂しさに、目を凝らした。
この人は、優君じゃない。僕が優君の面影を他人に投影しているだけだ。
優が「番になろう」と言った時の眼差しが今も脳裏に焼き付いている。どうして駄目になっても彼を想ってしまうのだろう、こんなにも胸が痛いのだろう。
「いらっしゃいませ~……」
張りつめた売り場に佐々木が休憩から戻って来た。彼女には悪いがバトンタッチして男を接客してもらおうと近づけば、いつもはらんらんとしている瞳が暗く沈んだようになっている。
「佐々木さん?どうしたの?顔色が……」
焦って駆け寄れば佐々木は口元を抑えて眉間に皺を寄せた。
「う、テンチョ、」
「佐々木さん!?」
みるみる土色になっていく面に不安を掻き立てられ肩を揺すると、佐々木はますます丸くなり、ついには蹲ってしまった。
「佐々木さん!」
「テンチョ、ごめん、揺すらないでえ~……」
佐々木らしからぬ弱弱しい声。入社してから一度も休んだことのない健康優良児のただならぬ様子に理央は動転した。男を接客していたことも忘れ、慌ててレジの裏に置いていたスマートフォンを引っ掴む。
「きゅ、救急車!いちいちきゅう!?ぜろぜろきゅう!?ど、どっちだったっけ」
「ストップ」
真っ青になって慌てている理央の肩に男の手が触れた。男は理央が瞳を瞬かせている間にその手からスマートフォンを抜き取った。
「つわりじゃないんですか、その子」
……え?
ひん剥いた目玉で佐々木を確かめれば、「テンチョ、ごめん~……」と蚊の鳴くような肯定が返って来た。理央は一気に力が抜けてその場に腰を抜かしてしまった。
「とりあえず、俺が休憩室まで運びますよ」
佐々木は男の背に力なくおぶさり、休憩室へとUターンした。
佐々木さん、お腹に赤ちゃんがいるんだ。
たった一人になった店内で、理央は涙を一筋こぼした。
自分でも、何の涙なのか、どうしてこんなにもショックを受けているのか、分からなかった。けれどこの感情の内訳を佐々木は知っている。知っているから「ごめん」の一言が出た。
理央の中で、何かの糸がぷつんと途切れた。
思い出すのは優のことばかり。こんな得体の知れない寂しさを抱える自分を見せなくて済んだことにほっとする一方で、彼ならばこんな気持ちごと自分を抱きしめてくれたのでは、と未練を募らせてしまう。
頭を振り立て浅ましい期待を振り払う。優とはもう終わった。若くて未来のある彼にこんな自分を押しつけるわけにはいかない。
「もしかして、泣いた?」
店に戻って来た男は今までで一番優しい顔をして微笑んだ。彼は骨ばった指先を伸ばして理央の眦にそっと触れ、「目、赤くなってる」と呟いた。
「ねえ、俺、話聞くよ?つらいこと、あるんでしょ?」
違うんです。
理央は口に出せずに、けれどはっきりとそう思って、首を振った。
あなたは悪いαじゃない。それはなんとなく分かってる。
でも、違うんです。あなたじゃないんです。
つらいことを誰かに聞いてもらいたいけど、それはあなたじゃない。誰かと寄り添って温かな時を過ごしたいけれど、それはあなたじゃない。赤ちゃんが欲しいけれど、それはあなたの赤ちゃんじゃない。一生を共にする相手を見つけたいけれど、それはあなたじゃない。
あなたじゃない。他の誰でもない。僕が求めているのは、たった一人。……けれど今の僕では、彼の隣を歩くことは出来ない。
「そっか。フラれた。久しぶりにフラれちゃった」
「お客様は少し強引だけれどいい人だから、すぐに次のお相手が見つかります」
「……俺は“悪いヤツ”にはなっても、“いい人”にだけはなりたくないんだよね」
男の去った店内に『蛍の光』が流れ始める。
レジをしめて、ディスプレイの乱れを整えて、勤務表をチェックし佐々木のシフトを自分がどこまでカバー出来るかと頭をひねる。
生活が自分を待っているのは、仕事があるのはありがたい。目の前のことに意識を集中させると、寂しさも悲しみもヴェールで包まれた。
「……ふう」
暗くなった通路、レジカウンターだけに照明が落ちた店内。ここは少しだけ、あのバーに似ている。理央は口元をふと緩ませ、コートを羽織り従業員出入口をくぐった。
「理央さん」
暗がりの曲がり角に入ろうとしたところで声を掛けられた。理央は立ち止まり、こちらと距離を取っている彼を見つめた。
「優君」
呼ばれ、優は一歩だけこちらに近づいた。二人は見つめ合い、沈黙した。辺りは暗く、距離もあるのに、優の瞳の奥が揺れているのが理央には手に取るように分かった。
ああ、僕が欲しかったのは、赤ちゃんじゃなかったんだな。
理央は静かに己の本心に向き合った。
自分の赤ちゃんをこの腕に抱きたかった。けれど、可愛いから赤ちゃんが欲しかったわけじゃない。あの子たちは、二人の絆を現したような存在だから。二人を結ぶ、切っても切れない鎖のような存在だから。だから、この腕に抱きたかったんだ。誰かと自分が固い絆で結ばれていることの、証として。
理央は優を真っ直ぐに見つめ、けれどそれ以上、気持ちを言葉にすることは出来なかった。
「理央さん」
優が軽く握っていただけの拳をぎゅっと握り締めた。彼もまた真っ直ぐに理央を見つめ、道の先に響くような声で言葉を投げた。
「理央さん、待ってて。俺、あなたが頷けるような男になる」
瞳がどんどん熱くなって、潤んで、目尻から滴る。理央は涙を払い優を見つめた。
「だから待ってて、誰のものにもならずに俺を待っていて、必ず迎えに行くから」
「何言ってるの、僕だって……!」
「理央さん、俺は今、美容師の免許も持ってない、バーテンのバイトしかしてない、バンドも中途半端な、そんな男だけど、今は……こんなだけど……。大人の男になるよ。理央さんの隣を歩けるような、そんな大人の男になる」
だから、待っていて。
呟くようにそう言うと、優は背中を向けて闇へと駆け出してしまった。
「ばか!すぐるくんの、ばか!」
小さくなっていく背中に理央は叫んだ。
ばか。君はそのままでいいのに。隣を歩ける資格がないのはこちらの方なのに。……ばか!優君の、おおばかやろう!
「僕だって……!もっともっと頑張るからっ!君の隣に立てる自分になるために、頑張るからっ!おじいちゃんになるまでに迎えに来ないと死んじゃうよ!僕は君よりも、ずっと年上なんだから!」
一度だけ立ち止まった背中は、理央を振り返らずに闇に消えて行った。
理央は泣きじゃくりながら電車に乗り、泣きじゃくりながら眠った。優が恋しかった。何度も見た赤ちゃんを胸に抱く夢は、それから一度も見ることがなかった。
「暇そうですね、店長さん」
声を掛けられて振り返ると、あのスーツの男が笑みを浮かべて立っていた。理央は驚きのあまり固まってしまった。
「どっ、なっ、……贈られたものに何か不備が……」
「あはは。あのポンチョ、喜んでくれたみたい。これ、着てるとこ」
スマートフォンの画面いっぱいに広がったポンチョ姿の赤ちゃん。満面の笑みと顎に伝う涎が可愛らしい。思わず笑みがこぼれてしまい、理央は表情を引き締めた。
「じゃ、じゃあ、何の御用でしょうか……」
「つれないなあ。店長さんが連絡くれないから、直接誘ってみようかって」
理央は周囲に人がいないのを確認し、男に向き直って大きく息を吸った。
「こういうの、止めてください。迷惑です」
はっきりと言ったのに、男の笑みは崩れない。α特有の圧が理央を彼の前に留め続けた。
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「親しくもないのに職場まで来て個人的なやりとりをしようとする人とは仲良くなれません」
これで引くだろう、と高を括っていたのは事実だ。けれどここまで言っても笑みを崩さない男を見て理央は身体を強張らせた。
「一回、ご飯行きましょう」
「そういうお誘いは断る決まりになっています」
男は俯いていた睫毛をぱっと上げ、首を傾げて理央の首筋に鼻先を近づけた。気配で匂いを嗅がれたと分かり、理央はその場から飛び退いた。
「前のαの匂いが薄くなってる。今にも消えそう。……もしかして、恋人と別れたばっかり?」
この人、分かっていて……!理央は握った拳を震わせ男を睨んだ。「図星だ」男は嬉々として店内の子ども服に触れた。
「もう一着、何か贈りたくって。村田さん、あの時みたいに俺と選んでくれませんか?」
「お祝いも続けざまですとお相手の負担になりますよ」
「今度はプレゼントとして持って行くよ。俺、子どもがすきなんだ。あなたには悪いαに見えているかもしれないけれど」
微笑んでいる男に優が重なる。息を吸えば優によく似た匂いがして、背が高いところや笑うと下瞼が上がるところも似ていた。……いや、そうじゃない。似ている、のではない。理央は自身の胸にぽっかりと空いた穴に、寂しさに、目を凝らした。
この人は、優君じゃない。僕が優君の面影を他人に投影しているだけだ。
優が「番になろう」と言った時の眼差しが今も脳裏に焼き付いている。どうして駄目になっても彼を想ってしまうのだろう、こんなにも胸が痛いのだろう。
「いらっしゃいませ~……」
張りつめた売り場に佐々木が休憩から戻って来た。彼女には悪いがバトンタッチして男を接客してもらおうと近づけば、いつもはらんらんとしている瞳が暗く沈んだようになっている。
「佐々木さん?どうしたの?顔色が……」
焦って駆け寄れば佐々木は口元を抑えて眉間に皺を寄せた。
「う、テンチョ、」
「佐々木さん!?」
みるみる土色になっていく面に不安を掻き立てられ肩を揺すると、佐々木はますます丸くなり、ついには蹲ってしまった。
「佐々木さん!」
「テンチョ、ごめん、揺すらないでえ~……」
佐々木らしからぬ弱弱しい声。入社してから一度も休んだことのない健康優良児のただならぬ様子に理央は動転した。男を接客していたことも忘れ、慌ててレジの裏に置いていたスマートフォンを引っ掴む。
「きゅ、救急車!いちいちきゅう!?ぜろぜろきゅう!?ど、どっちだったっけ」
「ストップ」
真っ青になって慌てている理央の肩に男の手が触れた。男は理央が瞳を瞬かせている間にその手からスマートフォンを抜き取った。
「つわりじゃないんですか、その子」
……え?
ひん剥いた目玉で佐々木を確かめれば、「テンチョ、ごめん~……」と蚊の鳴くような肯定が返って来た。理央は一気に力が抜けてその場に腰を抜かしてしまった。
「とりあえず、俺が休憩室まで運びますよ」
佐々木は男の背に力なくおぶさり、休憩室へとUターンした。
佐々木さん、お腹に赤ちゃんがいるんだ。
たった一人になった店内で、理央は涙を一筋こぼした。
自分でも、何の涙なのか、どうしてこんなにもショックを受けているのか、分からなかった。けれどこの感情の内訳を佐々木は知っている。知っているから「ごめん」の一言が出た。
理央の中で、何かの糸がぷつんと途切れた。
思い出すのは優のことばかり。こんな得体の知れない寂しさを抱える自分を見せなくて済んだことにほっとする一方で、彼ならばこんな気持ちごと自分を抱きしめてくれたのでは、と未練を募らせてしまう。
頭を振り立て浅ましい期待を振り払う。優とはもう終わった。若くて未来のある彼にこんな自分を押しつけるわけにはいかない。
「もしかして、泣いた?」
店に戻って来た男は今までで一番優しい顔をして微笑んだ。彼は骨ばった指先を伸ばして理央の眦にそっと触れ、「目、赤くなってる」と呟いた。
「ねえ、俺、話聞くよ?つらいこと、あるんでしょ?」
違うんです。
理央は口に出せずに、けれどはっきりとそう思って、首を振った。
あなたは悪いαじゃない。それはなんとなく分かってる。
でも、違うんです。あなたじゃないんです。
つらいことを誰かに聞いてもらいたいけど、それはあなたじゃない。誰かと寄り添って温かな時を過ごしたいけれど、それはあなたじゃない。赤ちゃんが欲しいけれど、それはあなたの赤ちゃんじゃない。一生を共にする相手を見つけたいけれど、それはあなたじゃない。
あなたじゃない。他の誰でもない。僕が求めているのは、たった一人。……けれど今の僕では、彼の隣を歩くことは出来ない。
「そっか。フラれた。久しぶりにフラれちゃった」
「お客様は少し強引だけれどいい人だから、すぐに次のお相手が見つかります」
「……俺は“悪いヤツ”にはなっても、“いい人”にだけはなりたくないんだよね」
男の去った店内に『蛍の光』が流れ始める。
レジをしめて、ディスプレイの乱れを整えて、勤務表をチェックし佐々木のシフトを自分がどこまでカバー出来るかと頭をひねる。
生活が自分を待っているのは、仕事があるのはありがたい。目の前のことに意識を集中させると、寂しさも悲しみもヴェールで包まれた。
「……ふう」
暗くなった通路、レジカウンターだけに照明が落ちた店内。ここは少しだけ、あのバーに似ている。理央は口元をふと緩ませ、コートを羽織り従業員出入口をくぐった。
「理央さん」
暗がりの曲がり角に入ろうとしたところで声を掛けられた。理央は立ち止まり、こちらと距離を取っている彼を見つめた。
「優君」
呼ばれ、優は一歩だけこちらに近づいた。二人は見つめ合い、沈黙した。辺りは暗く、距離もあるのに、優の瞳の奥が揺れているのが理央には手に取るように分かった。
ああ、僕が欲しかったのは、赤ちゃんじゃなかったんだな。
理央は静かに己の本心に向き合った。
自分の赤ちゃんをこの腕に抱きたかった。けれど、可愛いから赤ちゃんが欲しかったわけじゃない。あの子たちは、二人の絆を現したような存在だから。二人を結ぶ、切っても切れない鎖のような存在だから。だから、この腕に抱きたかったんだ。誰かと自分が固い絆で結ばれていることの、証として。
理央は優を真っ直ぐに見つめ、けれどそれ以上、気持ちを言葉にすることは出来なかった。
「理央さん」
優が軽く握っていただけの拳をぎゅっと握り締めた。彼もまた真っ直ぐに理央を見つめ、道の先に響くような声で言葉を投げた。
「理央さん、待ってて。俺、あなたが頷けるような男になる」
瞳がどんどん熱くなって、潤んで、目尻から滴る。理央は涙を払い優を見つめた。
「だから待ってて、誰のものにもならずに俺を待っていて、必ず迎えに行くから」
「何言ってるの、僕だって……!」
「理央さん、俺は今、美容師の免許も持ってない、バーテンのバイトしかしてない、バンドも中途半端な、そんな男だけど、今は……こんなだけど……。大人の男になるよ。理央さんの隣を歩けるような、そんな大人の男になる」
だから、待っていて。
呟くようにそう言うと、優は背中を向けて闇へと駆け出してしまった。
「ばか!すぐるくんの、ばか!」
小さくなっていく背中に理央は叫んだ。
ばか。君はそのままでいいのに。隣を歩ける資格がないのはこちらの方なのに。……ばか!優君の、おおばかやろう!
「僕だって……!もっともっと頑張るからっ!君の隣に立てる自分になるために、頑張るからっ!おじいちゃんになるまでに迎えに来ないと死んじゃうよ!僕は君よりも、ずっと年上なんだから!」
一度だけ立ち止まった背中は、理央を振り返らずに闇に消えて行った。
理央は泣きじゃくりながら電車に乗り、泣きじゃくりながら眠った。優が恋しかった。何度も見た赤ちゃんを胸に抱く夢は、それから一度も見ることがなかった。
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