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第三章
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「在宅しているとはいえ、無施錠は防犯上よろしくないからな」
そう言って、さっきまで瑠璃が座っていたところに腰を下ろした。
私はその姿を見て我に返り、キッチンへと向かう。
ちょうどお湯が沸いたので、コーヒーの準備をした。マグカップに注いだコーヒーは熱々で、湯気に当たるだけで火傷しそうだ。両方を一度に運ぶには、トレイを使わなければ難しいけれど、我が家にそのようなものはない。
私はまず、玲央の分のコーヒーを持って、玲央の元へと向かった。玲央の前にマグカップを置くと、再びキッチンへと向かう。自分用のマグカップにコーヒーを注ぐと、溢さないよう気を付けながらリビングへと向かう。
玲央は私がテーブルの上に自分のマグカップを置いたタイミングで、口を開いた。
「真冬、好きだ。……高校時代から、ずっと好きだった」
玲央からの唐突な告白に、私の思考は追い付かない。
「……は? 何言ってるの? そんなこと、ないでしょ。何これ、何かの罰ゲーム?」
私の口からは、可愛げのない言葉しか出てこない。
だって、今までこの人は、私の親友とばかり付き合っていて、私なんてまるで眼中になかったはずだ。それが一転して、学生時代から好きだったと言われても、信じられるはずがない。
「今までの行動を見ていたら、信じてもらえないかもしれないけれど、本当なんだ。今まで付き合ってきた彼女たちは、みんな真冬と仲が良かっただろう? あれは、真冬に言い寄ってくる男たちを見張るための隠れ蓑だったんだ」
玲央の言葉は、私の理解の域を超えており、さっぱり意味がわからない。私に言い寄ってくる男たちを見張るための隠れ蓑? 一体どういうこと……?
「真冬って学生の頃、わざと見た目が強烈でモテない女オーラを放っていただろう?」
玲央の言葉に、中学、高校時代の苦い思い出が蘇る。
他人の恋愛のいざこざに巻き込まれて嫌な思いをするくらいなら、自衛すればいい。当時の私は、見た目を欺くことで、自分の身を守る術を身に付けた。
瑠璃は、同じ中学からの進学で、当時唯一私の素顔を知る人間だった。
「強烈な見た目に化け物じみた成績、最初はガリ勉していて青春を謳歌しないなんて勿体ないって思ってた。だけど、現国の授業のノートを偶然見る機会があってさ。真冬のノート、めちゃくちゃ見やすくて、わかりやすくて。あの時、俺は真冬のことを尊敬したんだ」
私は人にノートを見せたり貸したりすることはなかったので、多分授業の後でノートを提出しなければならなかった時にでも、偶然中身を見たのだろう。
「見た目のことをディスられたりしても、ガリ勉だと陰でいろいろ言われても、真冬は絶対にブレたりしなかった。そんな真冬のことが気になって、好きになっていた。けれど、当時俺が告白したとしても、逆に迷惑を掛けてしまうと思ったんだ」
たしかに当時も今も、玲央は女の子にモテモテだった。
もし仮にそういう関わりではなくても、何かしらの接点があったとしたら、女子生徒から睨まれていただろう。それが嫌で、我が道を貫いていたのだ。
私の表情を窺いながら、玲央は言葉を選んで口を開く。
「どうやって真冬と接点を作っていいかわからなくて、瑠璃に相談したんだけど、いつの間にか俺たちが付き合っているって噂が立っていたんだ」
たしか瑠璃と玲央が親しくなったのは、あの日の放課後、私のことを庇ってくれた後だ。
「噂を否定しようとしたけれど、真冬の気持ちが知りたくて、もし俺に少しでも気持ちがあるなら、嫉妬してくれたらと思って、噂を否定しなかったんだ。瑠璃はそんな俺の気持ちを知って、面白がって彼女役を買って出てくれたんだ」
二人が付き合いだした噂が流れてから、高校を卒業するまでの間、二人はずっと一緒だった。まさか瑠璃は、その当時から私の気持ちを知っていた……?
そう言って、さっきまで瑠璃が座っていたところに腰を下ろした。
私はその姿を見て我に返り、キッチンへと向かう。
ちょうどお湯が沸いたので、コーヒーの準備をした。マグカップに注いだコーヒーは熱々で、湯気に当たるだけで火傷しそうだ。両方を一度に運ぶには、トレイを使わなければ難しいけれど、我が家にそのようなものはない。
私はまず、玲央の分のコーヒーを持って、玲央の元へと向かった。玲央の前にマグカップを置くと、再びキッチンへと向かう。自分用のマグカップにコーヒーを注ぐと、溢さないよう気を付けながらリビングへと向かう。
玲央は私がテーブルの上に自分のマグカップを置いたタイミングで、口を開いた。
「真冬、好きだ。……高校時代から、ずっと好きだった」
玲央からの唐突な告白に、私の思考は追い付かない。
「……は? 何言ってるの? そんなこと、ないでしょ。何これ、何かの罰ゲーム?」
私の口からは、可愛げのない言葉しか出てこない。
だって、今までこの人は、私の親友とばかり付き合っていて、私なんてまるで眼中になかったはずだ。それが一転して、学生時代から好きだったと言われても、信じられるはずがない。
「今までの行動を見ていたら、信じてもらえないかもしれないけれど、本当なんだ。今まで付き合ってきた彼女たちは、みんな真冬と仲が良かっただろう? あれは、真冬に言い寄ってくる男たちを見張るための隠れ蓑だったんだ」
玲央の言葉は、私の理解の域を超えており、さっぱり意味がわからない。私に言い寄ってくる男たちを見張るための隠れ蓑? 一体どういうこと……?
「真冬って学生の頃、わざと見た目が強烈でモテない女オーラを放っていただろう?」
玲央の言葉に、中学、高校時代の苦い思い出が蘇る。
他人の恋愛のいざこざに巻き込まれて嫌な思いをするくらいなら、自衛すればいい。当時の私は、見た目を欺くことで、自分の身を守る術を身に付けた。
瑠璃は、同じ中学からの進学で、当時唯一私の素顔を知る人間だった。
「強烈な見た目に化け物じみた成績、最初はガリ勉していて青春を謳歌しないなんて勿体ないって思ってた。だけど、現国の授業のノートを偶然見る機会があってさ。真冬のノート、めちゃくちゃ見やすくて、わかりやすくて。あの時、俺は真冬のことを尊敬したんだ」
私は人にノートを見せたり貸したりすることはなかったので、多分授業の後でノートを提出しなければならなかった時にでも、偶然中身を見たのだろう。
「見た目のことをディスられたりしても、ガリ勉だと陰でいろいろ言われても、真冬は絶対にブレたりしなかった。そんな真冬のことが気になって、好きになっていた。けれど、当時俺が告白したとしても、逆に迷惑を掛けてしまうと思ったんだ」
たしかに当時も今も、玲央は女の子にモテモテだった。
もし仮にそういう関わりではなくても、何かしらの接点があったとしたら、女子生徒から睨まれていただろう。それが嫌で、我が道を貫いていたのだ。
私の表情を窺いながら、玲央は言葉を選んで口を開く。
「どうやって真冬と接点を作っていいかわからなくて、瑠璃に相談したんだけど、いつの間にか俺たちが付き合っているって噂が立っていたんだ」
たしか瑠璃と玲央が親しくなったのは、あの日の放課後、私のことを庇ってくれた後だ。
「噂を否定しようとしたけれど、真冬の気持ちが知りたくて、もし俺に少しでも気持ちがあるなら、嫉妬してくれたらと思って、噂を否定しなかったんだ。瑠璃はそんな俺の気持ちを知って、面白がって彼女役を買って出てくれたんだ」
二人が付き合いだした噂が流れてから、高校を卒業するまでの間、二人はずっと一緒だった。まさか瑠璃は、その当時から私の気持ちを知っていた……?
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