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あぁ無情①
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――俺は神を信じない。
神に作られた人間を信じない。
神を信じる人間を信じない。
俺が信じた彼女を殺した神様を信じない。
俺は彼女を守れなかった俺を信じられない。
――――――――――――――――――――――
「例えばな、俺とお前の遺伝子は99%同じなんだ。人間と猿の違いは1%。つまり」
「私が猿だと言いたいんでしょ」
「あぁその通りだ」
し・ば・く!
花も恥じらう乙女を捕まえて、学校の下駄箱で毎朝毎朝よくも嫌味が耐えないものだと関心する。
この天パでメガネでチビで嫌味な隣家の幼なじみは、昔はいじめられっ子でいつも私の後ろに隠れていたのに、どうして高校生になったらこうなってしまったのか.......
「確かに、聡明で! 多才で! 博識なユウキ様にしてみれば私なんて猿でしょうけどね」
「待てカナデ、猿は猿でもボノボだ。良かったな」
.......ボノボ? 名前かな? .......調べてみますか。
「えーと、ボノボって.......猿の種類なのね。人間以外で唯一生殖行為に快感を.......」
「どうした? ピッタリだろ」
「ユウキ、歯ぁ食いしばりなさ――」
『ちょっとユウキくんに何すんのよ!!』
振り上げた手を強引に掴んだこの女は、クラスの委員長の高橋 ミズキさん。
その後ろに並ぶ4人もクラスメイトで、右から、バケツ、泥棒、メガホン、スネ夫と呼んでる。
「あっ高橋さん。これはなんでもなくて」
「おはよう委員長、カナデとはいつもの遊びだから大丈夫だ」
何を偉そうに、元はと言えばユウキのせいで高橋さんに怒られたと言うのに。
女子に囲まれ幼なじみの斎藤 ユウキは上機嫌に階段を登っていく。
私こと大坂 カナデは、その後ろを肩を落としてついていく。
最悪.......。朝から委員長に出会うとか、帰りたい。
今日はいったいどんな嫌がらせを用意してるのか。
スネ夫の嫌味か、トイレでバケツを被せてくるのか、上履きがなくなるのか、大声で居ない様に両隣で話を始めるのか、なんにせよくだらない。
あ~、私がこんな気分なのに原因の幼なじみは楽しそうで腹が立つ。
そう、原因は幼なじみのユウキにある。
ユウキの家は古くからの医者の家系で、お家には蔵なんかもある古式ゆかしい日本家屋でご近所からはお化け屋敷と言われている。
去年ユウキのお父さんが冗談半分で蔵にあった猿のミイラや人魚の干物なんかを製薬会社に持って行ったところ、骨董品から見つかった微生物は世紀の新発見となりニュースを騒がせた。
なんと肌のシミを無くす薬が生まれたとか.......同性として、正直そんなことに皆して食いつくなよ、と思ったのは忘れられない。
ただ、問題はその後で、その新薬゛oncemore゛発表と同時にユウキのお父さんはサンプルと共に製薬会社に引きこもってしまい新薬の話は立ち消え、当時経済損失何百億と話題になっていた。
それがユウキにどう関係するかと言えば、よりにもよってユウキのお父さんはツィッターで「この新薬は息子と研究する。我が家代々の資産なのだから息子にいずれ継がせる」と発言したものだから、直後ユウキへのイジメはピタリと止まり、翌日には4クラス150人の私達の学年が6クラス200人となった。
つまり新たな同級生50人に嫌われる私は、テンプレートないじめられっ子になってしまったのだ。
そんなにユウキをどうにかしたいなら、勝手にしてくれたらいいのに、あんなチビ。
今でも私を見つけたら寄ってくるので、同級生の視線が痛い。
ちなみに私への嫌がらせも黙認されている。
それは学校側の教員も半分近くが入れ替わってしまったから.......製薬会社とはかくも恐ろしいものなのか。
なので、引きこもったらなんだか我が家が嫌がらせに合いそうなので、面倒だけどいやいや学校には通ってる。
神に作られた人間を信じない。
神を信じる人間を信じない。
俺が信じた彼女を殺した神様を信じない。
俺は彼女を守れなかった俺を信じられない。
――――――――――――――――――――――
「例えばな、俺とお前の遺伝子は99%同じなんだ。人間と猿の違いは1%。つまり」
「私が猿だと言いたいんでしょ」
「あぁその通りだ」
し・ば・く!
花も恥じらう乙女を捕まえて、学校の下駄箱で毎朝毎朝よくも嫌味が耐えないものだと関心する。
この天パでメガネでチビで嫌味な隣家の幼なじみは、昔はいじめられっ子でいつも私の後ろに隠れていたのに、どうして高校生になったらこうなってしまったのか.......
「確かに、聡明で! 多才で! 博識なユウキ様にしてみれば私なんて猿でしょうけどね」
「待てカナデ、猿は猿でもボノボだ。良かったな」
.......ボノボ? 名前かな? .......調べてみますか。
「えーと、ボノボって.......猿の種類なのね。人間以外で唯一生殖行為に快感を.......」
「どうした? ピッタリだろ」
「ユウキ、歯ぁ食いしばりなさ――」
『ちょっとユウキくんに何すんのよ!!』
振り上げた手を強引に掴んだこの女は、クラスの委員長の高橋 ミズキさん。
その後ろに並ぶ4人もクラスメイトで、右から、バケツ、泥棒、メガホン、スネ夫と呼んでる。
「あっ高橋さん。これはなんでもなくて」
「おはよう委員長、カナデとはいつもの遊びだから大丈夫だ」
何を偉そうに、元はと言えばユウキのせいで高橋さんに怒られたと言うのに。
女子に囲まれ幼なじみの斎藤 ユウキは上機嫌に階段を登っていく。
私こと大坂 カナデは、その後ろを肩を落としてついていく。
最悪.......。朝から委員長に出会うとか、帰りたい。
今日はいったいどんな嫌がらせを用意してるのか。
スネ夫の嫌味か、トイレでバケツを被せてくるのか、上履きがなくなるのか、大声で居ない様に両隣で話を始めるのか、なんにせよくだらない。
あ~、私がこんな気分なのに原因の幼なじみは楽しそうで腹が立つ。
そう、原因は幼なじみのユウキにある。
ユウキの家は古くからの医者の家系で、お家には蔵なんかもある古式ゆかしい日本家屋でご近所からはお化け屋敷と言われている。
去年ユウキのお父さんが冗談半分で蔵にあった猿のミイラや人魚の干物なんかを製薬会社に持って行ったところ、骨董品から見つかった微生物は世紀の新発見となりニュースを騒がせた。
なんと肌のシミを無くす薬が生まれたとか.......同性として、正直そんなことに皆して食いつくなよ、と思ったのは忘れられない。
ただ、問題はその後で、その新薬゛oncemore゛発表と同時にユウキのお父さんはサンプルと共に製薬会社に引きこもってしまい新薬の話は立ち消え、当時経済損失何百億と話題になっていた。
それがユウキにどう関係するかと言えば、よりにもよってユウキのお父さんはツィッターで「この新薬は息子と研究する。我が家代々の資産なのだから息子にいずれ継がせる」と発言したものだから、直後ユウキへのイジメはピタリと止まり、翌日には4クラス150人の私達の学年が6クラス200人となった。
つまり新たな同級生50人に嫌われる私は、テンプレートないじめられっ子になってしまったのだ。
そんなにユウキをどうにかしたいなら、勝手にしてくれたらいいのに、あんなチビ。
今でも私を見つけたら寄ってくるので、同級生の視線が痛い。
ちなみに私への嫌がらせも黙認されている。
それは学校側の教員も半分近くが入れ替わってしまったから.......製薬会社とはかくも恐ろしいものなのか。
なので、引きこもったらなんだか我が家が嫌がらせに合いそうなので、面倒だけどいやいや学校には通ってる。
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