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44話 後
しおりを挟む愛しあってから眠ってしまった私は、少し肌寒くて目が覚めた。隣には裸の葵が気持ち良さそうに眠っている。私は毛布を肩までしっかりかけてあげると起き上がった。昼をかなり過ぎている。葵はまだ目覚めないだろう。初めてのエッチは葵が可愛すぎて無理をさせてしまったかもしれない。乱れた彼女は普段からは考えられないくらい、いやらしくて可愛らしくて本当に興奮してしまった。でも私の気持ちは充分に伝わったと思う。私は脱ぎ散らかった服をまとめて畳むとシャワーを借りてさっと浴びた。
シャワーから出ても葵は眠ったままだった。丁度良いので遅いけど昼ご飯を何か用意してあげようと思ったけど私は葵のキッチンに立ったことがない。勝手に使うのは気が引けるしやったとしても葵の料理に見合う程の物が作れない。これは仕方がないから、コンビニまで行くか。私はお財布と鍵だけ持って音をたてないように部屋を出てコンビニに向かった。コンビニでは葵が好きそうな物を中心に買ってきた。
「葵?起きて?」
昼ご飯を調達してから葵の肩を優しく揺する。葵は唸りながら目を擦っている。
「ほら、シャワー浴びてきな?お昼過ぎたけどさっき買って来たんだ。昼ご飯食べよう?」
「うぅん、」
眠そうに目を開けた葵は私を見るなり顔を赤らめて驚いたように起き上がった。
「お、起きてたの?!」
「あぁ、うん、さっき起きた。シャワー借りさせてもらったよ」
「それは、良いけど…」
「ほら、早くシャワー浴びてきな?昼ご飯にしよう?」
「うん、シャワー浴びてくるから……こっち、見ないで…?恥ずかしいから」
毛布で体を隠す葵。今さらそんな反応しなくても良いのに。私は分かったよと言って、てっとり早く後ろを向いた。すると足早に葵はシャワーに向かったので、残ったシーツの後片付けをした。
「どれ食べたい?適当に買って来たから好きなの食べて」
シャワーから上がった葵にさっき買ってきた物をテーブルに並べながら見せた。
「うん、ありがとう」
葵はさっきからずっと照れていて私と目が合うと逸らしてしまう。さっきのエッチを意識しているのか、私は苦笑いしながら葵の体を心配した。
「体、痛くない?」
「う、うん。平気……だよ」
「良かった、喉は?平気?」
「うん」
素直に答える葵に、少し恥ずかしいけど初めてだったし、葵は終わってすぐに疲れたように眠ってしまったので心配だからもう一度聞く。
「そっか。なんか、葵が可愛すぎて……やり過ぎたとこもあった、というか。ごめんね?私も初めてだったから、本当に痛くない体?」
ちょっと照れながら様子を伺うと葵は耳まで赤くしながら小さく呟いた。
「本当に、大丈夫だよ。由季がしてくれること、何でも嬉しいから。それに私、あの、……気持ち、良すぎて。本当に、よ、良かった…から、変な声……出てたと思うんだけど……幻滅、してない?」
葵の思わぬ返答に今度は私が恥ずかしくなって顔が赤くなるのが分かる。良かったならそれで良いけど、葵の声も姿も胸が高鳴ったし幻滅なんかするはずがない。
「す、する訳ないから、葵に幻滅なんかしないよ。葵は、その…私には本当に勿体ないくらい、良い彼女だからさ」
「……嬉しいけど、恥ずかしいよ…」
葵はそれだけ言って下を向く。私もなんだか顔が赤くなって照れてしまって、それから黙ってしまった。嫌な沈黙じゃないけどこの沈黙は恥ずかしかった。どうにか話を変えようと私は体よりも気になっていることを聞いた。
「それより、私の気持ち伝わった?不安はなくなった?」
その問いにやっと目線を上げた葵。まだ照れているけどはにかみながら小さく頷いて見せた。
「うん。由季の気持ちいっぱい伝わって、不安じゃなくなったよ」
「良かった。私も葵の気持ち伝わったよ。ちゃんとこれからも伝えるからね」
「……うん。…なんか、幸せすぎて、胸が苦しい」
葵は突然涙を流した。私はぎょっとした。
「なに泣いてんの?もう泣かないでよ」
大袈裟な葵の頭を撫でてあげるけど、葵の涙は止まらない。さっきまでは恥ずかしがっていたのに困ったものだ。
「だって、由季が私のこと大好きなの凄く伝わってきて、嬉しくて、私…愛されてるんだなって思って」
「そりゃそうだよ。私は葵が大好きなんだよ。本当にね」
「うん、私も大好き。……ごめんね、いきなり泣いて」
「いいよ。ほら、早く泣き止んで?ご飯食べよ?」
泣きながら笑う葵を慰めて私達は遅めのご飯を食べた。とりあえず、不安がなくなったのなら良かったし愛が伝わったみたいで安心した。葵のとめどない気持ちに私は応えられたようだ。
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