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46 ご近所さんも行動し出したようだ・・・
しおりを挟む家の周りでは、ようやく近所の人たちが出てきていた。
停電で、しかも外へ出ようとしたら、大きな犬がウロウロしてるし、吠える声までする。
そんな状態だったので、今になってやっと外へ出てみたということだ。
それに俺達が、何度か出たり入ったりしてるのが見えたのかもしれない。
東隣りの西さんのおばちゃんが挨拶してくれた。
「こんにちは~」
俺らが引っ越してくる前から居た人だ。
看護師さんだそうだ。
ご主人は料理人だったらしく、家事はご主人の仕事とか言ってた気がする。
まぁ、挨拶程度しかすることはないが、たまに貰い物とかをあげたりもらったりはしている。
また、北と西の方には若い家族が7軒くらいあり、ほとんどが同じ小学校か幼稚園に通っている人たちだ。
子供会か学校行事以外は交流はないが、みんな悪い人はいない。
いわゆるモンスターペアレント系列は存在していない。
この対外的な活動は嫁の分野で、これは本当にありがたく思っている。
とはいえ、嫁は俺にはすさまじく厳しいが・・。
「こんにちは~」
俺も挨拶くらいはきちんとする。
みんなお辞儀を返してくれた。
西さんも、外の変な感じを受けたのだろう。
「町田さん、大きな犬とかいっぱいいませんでした?」
「えぇ、いましたね。
今はいないみたいですけど・・・」
「あら、優ちゃん、こんにちは」
優はお辞儀をしながら、きちんと挨拶は返せた。
優はそのまま中へ入って行こうとするので、ママさんを呼んできてくれと言った。
西さんはこんな状況で、俺らが外に出てるのを心配してくれたみたいだ。
「・・あ、西さん。
俺らも外を見回ってたんですよ。
・・俺って、こう見えて結構強いんですよ」
そういって微笑んだ。
「そう・・ああ、そういえば、お母さんから昔、自衛隊で居たとか・・
聞いてました。
そうですか・・・」
「・・・まぁ、居ただけですけど・・・
今のところ、この周りに大きな犬とかは、いないみたいですよ・・・」
「・・ホッ・・良かった」
そんな話をしてたら、嫁が出てきた。
「あ、こんにちは」
西さんに挨拶をしていた。
こいつ、外ではほんとに愛想いいな。
挨拶を済ませると、西さんは家に入って行った。
嫁は何?と上から目線で言ってくる。
「・・・近所の若い人たちが出てきてるから、状況教えてあげたら?
俺が行くと面倒になりそうだから・・・」
そういうと、嫁は少し考えていたようだが、そのまま集まってるところへ歩いて行った。
「こんにちは~」
嫁・・・にこにこして輪に入っていったな・・。
子供会や学校行事でよく顔を合わしているからな。
ベタベタした関係はないが、きちんとしたご近所さんだ。
さて、後1時間くらいは大丈夫だろう・・・
・・索敵にも引っかかってない。
それを確認して俺は家に入った。
何度目だろう・・・。
家を出たり入ったりしながらレベルを上げる。
フッと、アニム王のことが頭をよぎった。
手洗いうがいを済ませて、リビングへ行ってみた。
みんなで颯に注目していた。
「どうしたんだ?」
そう思って声をかけてみた。
「あ、おかえり」
ばあちゃんが言ってくれた。
嫁のお義母さんもチラっとこっちを見て、軽く会釈をして颯の方へ向き直った。
みんなは颯を見ているんじゃなくて、スライムを見ていた。
颯がいろいろとスライムで実験をしていたみたいだ。
何でも食べるのかと思っていたら、本当になんでも食べて消化するみたいだった。
ただ、颯の指示がないと、勝手な行動はしないようだ。
颯がこれはやめてというと、それ以降はそういった行動はしないという。
颯の言葉がわかるのか・・・。
・・・スライムって、かなり賢いんじゃないか?
そうだ、後でアニム王に聞いてみよう。
電気製品なんか使えるようにならないかな?
大体、魔石で永久機関的なことができるのは、異世界のテッパンだろう。
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