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133 俺って、NGワードを言ったのか?
しおりを挟む俺的な予想だが、おそらく人間との衝突が起こるだろう。
勝手に俺たちの国に住むところを作りやがって・・・ってな感じで始まって、世界を巻き込んだ大きな戦争になるんじゃないか?
・・・いや、ならないか・・。
魔物が人間を駆除してるしな・・。
・・俺も口が悪くなったな。
人間を駆除とは・・・。
でもまぁ、人が文明を手に入れて、たかだか1万年弱・・。
近代文明に至っては200年ほどだろう。
そんな生物が地球に寄生して、我がもの顔で生活している。
勝手に地上に線引きして、ここまでは俺の陣地なんてやってる。
・・・子供か!
地球のものを、すべて自分たちのものだと勘違いして生きている。
地球がなければ、生きていくことすらできないはずなのに・・・。
考えてみれば、アニム王たちが転移してきたのは必然なのではないのか?
そう考えれば、やはり地球がそれを選んだのかもしれない。
俺はアニム王たちの会話を耳にしながら、そんなことを考えていた。
さて、全員を連れて、俺の家に移動だな。
後はそれからだ。
・・・・
・・・
「では、早速移動しますか・・・」
俺はそう声をかけた。
シルビアが少し引きつったような顔をしたのは、気のせいだろうか・・。
まぁ、シルビアの移動速度に合わせるけどね。
移動を開始しながら、シルビアがアニム王に聞いていた。
「アニム様・・
アニム様の国の住人とかは転移してきてはいないのですか?」
アニム王は少し目線を下に落として答えた。
「・・ダークエルフよ。
私もそれが心配なのだ。
まだ、私以外に転移してきているものがいないのだよ」
シルビアは返答できないでいた。
ルナがすかさず言葉をつなぐ。
「そうだな・・我々の種族などは、もともと個体数が少ない。
エルフもダークエルフも同じようなものだろう。
アニムの国の住人は、一番多かったからな。
いや、獣人の国の方が一番多かったか?
・・・何にせよ、時間がかかるのかもしれぬな・・・」
獣人って言ったか?
俺はその言葉に引っかかった。
・・夢のモフモフか・・・。
余計な考えが頭に浮かんだ。
軽く頭を振って前を向いた。
アニム王は答えない。
移動しつつ、俺が口を挟はさんだ。
「・・・アニム王・・・私の考えを言ってもいいですか・・・」
アニム王が顔をこちらに向ける。
「・・どうぞ、テツ」
「アニム王の神、光の神でしたね。
その神が転移してきているのです。
もしかして、アニム王がどこか領土を準備するまで待っているのではないですか?
例えば、神のアイテムボックスみたいなところに住人を入れておいて・・・」
アニム王が驚いたような顔をして俺を見つめていた。
ルナもウルダも目を大きくして俺を見ている。
シルビアは・・・そのままか・・。
・・・もしかして、俺って、余計なことを言ってしまったのか?
NGワードでもあったのか?
・・・そんなに見つめないでくれ~!!
窒息する・・・。
息苦しくなってきた・・。
「テツ!!!」
!!!
アニム王が大きな声を発する。
俺はビクッとした。
「ありがとう!!テツ!」
え?
お礼ですか・・・。
「どうして、そういう発想ができなかったのだろう・・・。
そうかもしれない!!」
アニム王は喜んでいた。
「神のアイテムボックスか・・・
確かにそう考えれば、納得できる」
アニム王は本当にうれしそうだった。
そんなアニム王の姿を見つつも、俺たちは移動は続けていた。
名古屋を通過している。
速いな・・・。
うれしさで移動速度が上がったのかもしれない。
そう思って、後ろを振り返ると、シルビアが見えた。
・・・・
・・すまん、シルビア・・・
その顔は美人では許されない顔だ。
シルビアは言葉も発することなく、ぜぇぜぇ言っていた。
ルナもウルダも笑っている。
いやいや、笑うところじゃないだろ。
俺はアイテムボックスからペットボトルを取り出して、シルビアに飲ませてやった。
お茶をゴクゴクと飲んでいるが、言葉は出せないようだ。
それほど疲れたのか・・・。
アニム王は嬉しそうだったから、移動速度が上がったのかもしれないな。
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