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223 ハイエルフ

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タイタンが、公平に処分した感じだな。



それを確認して、フレイアの方を見る。



フレイアはその場でしゃがみこんでいた。

!!

一気にフレイアのところへ駆け寄る。



もしかして、怪我でもしたのか?

そう思って近づいてみたが、どうやら魔力をかなり使ったみたいだった。



「フレイア・・・大丈夫か・・・」

フレイアは笑いつつも引きつっていた。



「・・はは・・テツ・・ふぅ・・・魔力を使い過ぎたようだわ・・・」

「・・・あの白い矢か・・・」

「・・そう・・魔力をかなり込めて撃ったからね・・はぁ・・ふぅ・・

それよりも、私・・レベル40を超えたわよ・・・・」



フレイアは息を整えつつ笑っていた。



「・・・ついに、なれるんだな・・ハイエルフに・・・」

俺はどう声をかけていいかわからず、そんな言葉しか浮かばなかった。

「・・ふぅ・・たぶん・・・」

フレイアがしんどそうな声で答えてくれる。



「え?

たぶんって・・・」

「・・だって、・・はぁ・・どうやってなるかわからないもの・・・」

・・・・

どういうことだ?



レベルが上がるとなれるんじゃないのか?

俺はフレイアの疲れも考えずに聞いていた。



「ふぅ・・・・そうね・・テツとかの転職ってどうやってるの?」

フレイア・・しんどそうだな。

「・・フレイア・・すまないな、疲れてるのに・・・」

俺がそう言うと、フレイアは首をゆっくりと振って、話を聞こうとしている。



「俺の転職は、ステータス画面で職のところをタッチすると、上位職などが表示されるんだ」

俺がそう言っていると、会話に合わせてフレイアがステータス画面を見ていた。



「・・なるほど・・・ふぅ・・・

エルフって、職業なんてないから・・・

知らなかったわ・・・。

えっと・・・・じゃぁ、このエルフってところかな・・」

フレイアはブツブツいいながら、ステータス画面を操作していた。



「!!

あった!

あったわ!

ハイエルフ。

1つだけの表示だけど・・・これね」

フレイアはそういうと画面をタッチして、転職をしたようだ。



すぐにフレイアの身体が金色の光に包まれた。

輝いている・・・。

俺は、それをそばで見ているだけだ。



・・・・もしかして、とても貴重な場面に遭遇しているんじゃないのか?

そう思ったが、それを共有する相手がいない。



俺だけの宝にしておこう。



金色の光がだんだんと弱くなっていく。



フレイアの髪が、ふさぁっとなびく。

耳が少し長くなっているような気がする。

髪の色は、前よりも鮮やかな金色の感じだが・・・。



!!!!!!



衝撃だ!!

フレイアの胸が、前よりも豊かな感じがする・・・いや、確実に大きくなってる!

俺は目を閉じで、目を開き、もう一度見てみた。

・・・・

幻覚じゃないようだ。



確かに、フレイアの胸が豊かになっている。

間違いない!

俺は、遠慮なく凝視している。



バコ!!

ボディを殴られた。

「・・・ったく、どこ見てんのよ!!」

「いや、しかし・・フレイアなぁ・・その・・・」



もう一発殴られた。

「まったく・・・。

せっかくハイエルフなれたっていうのに・・・。

呆れてものが言えないわね!!」



俺は、心の中で繰り返していた。

フレイア!

胸がハイエロフです!

シルビアほどじゃないが、前みたいに板じゃないぞ!

・・・・

また殴られた。



「・・・フレイア・・・もしかして、ハイエルフって狂暴なのか?」

「テツ!

あんたがバカなだけでしょ!」

フレイアはその場で立ち上がり、身体の確認をしていた。



ま、何にせよ無事に生き残れた。

それにフレイアがハイエルフになれたのは何よりだ。

おっと、まだお祝いの言葉をかけてなかったな。



「フレイア・・・本当におめでとう」

俺は言葉をかけた。

その場でいろいろと、身体のチェックをしていたフレイアだったが、ピタッと止まった。



ゆっくりと俺の方へ歩いて来る。

「テツ・・・本当にありがとう。

まさか、この若さでハイエルフになれるなんて・・・

私・・あきらめようかと思っていたのに・・

それが・・・」

後は言葉にならなかったようだ。



フレイアの頬を涙が流れていた。



俺は言葉を発することなく、静かにその場でフレイアを見つめていた。



フレイアを見ていると、うれしさと今までの苦労とが、いっぺんに噴出してきたように感じる。

「良かったな、本当に・・・」

俺はただそう言葉をかけるだけだった。

フレイアは立ったまま、うんうんとうなずいていた。



・・・・それにしても、フレイアの胸がなぁ・・・

こんな時だってのに、そこが気になる。



俺はうれし泣きをしているフレイアを見つつも、胸ばかりに注意がいっていた。

・・・これって、男のさがなのか・・・



そこまで思った時だった。

・・・やはり殴られた。



「ほんっとに・・・せっかくの大イベントが大なしよ!!」

涙を流しながら、笑いながら、俺を殴る。

・・・やっぱり、ハイエルフって狂暴だろ!!





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