ReFuse〜死に損ないの魔女は理不尽を許さない〜

矢凪來果

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待ち人達の昔話

待ち人たち

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「『体が弱いのに森で暮らしていたのか…お父さんとお母さんはなんで教えてくれなかったんだろう。』って、それは教えられないわよね…」

森の誰もが寝静まった深夜、寝ているシンを眺めながら、一人の女の子がつぶやく。
その呟きに目を覚ましたサラは、片目を開けて挨拶する。
「ああ、理、久しぶりだな」
「あら、可愛らしいトカゲさん、おひさしぶり」

にっこりと返した理に、トカゲと言うなといつも言っているだろう、とサラは苦い顔をした。
「おまえは、相変わらず、あいつの次に嫌なやつだな」
「だって名前覚えられないんだもん」
悪びれる様子のない理の様子にサラはため息をついた。

「やっとこの子に会えた。もう会えないかと思っていた。」
「会えないからってやけになるのは良くなかったわよ」と言う理を無視して、サラは静かに飛び、女の子の肩へとまった。

そして、ぽつりとつぶいた。
「でも、この子はサラのことを忘れていた。あいつのことも。」
「わたしの事もよ」
サラからは理の表情は見えない。理からもサラの表情は見えない。

そのまま、サラはシンに言えなかった思いを打ち明けた。
「会えないのは寂しいが、忘れられるのも、本当は少し寂しい」
そうね、と答えた理は、少し黙ってから、続けた。
「でもあのままだと本当に壊れてなくなってしまうところだったわ」

二人の目の前で横になっているシンは眉を寄せて苦しそうだった。おそらく、サラのために使った能力が負担だったのだろう。
昔の彼女では考えられないことだった。
それだけ、この子は不安定な状況に置かれているのだと二人は実感した。

サラは自分を納得させるように、何度も頷いた。
「そうだな。うん、この子が助かってよかった」
「あなたも助かって良かったわ」
「よく言うわ」
「ほんとよ、大事な子供達だもの」

少しムキになった声を出した理は、肩のサラを指で撫でつつ、今度は優しい声で話を続けた。
「理から生まれた子供達はみんな安らかに還ってきてほしい。」

だけど、と続けた。
「私じゃこの子の代わりは務まらないし、あの子は止められない」
理の声に、二人の空気が少し張り詰めたものになる。
サラも小さく頷いて答える。
「この子がいなかったらサラは死ぬところだった。あの様子では持ってあと数年だ」

「早く2人に会いたい」
サラの声は少し震えていた。
「あの子たちと過ごしていた時間の方がずっと長かったのに、1人は驚くほど長い。」
「そうね」
理はサラを再び、優しく撫でようとした。
撫でようとして、手を止めた。

「って私も会いにきたじゃない」
「すっごくたまにな、なんの慰めにもならんわ」
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