上 下
1 / 1

ざまぁ系テンプレ主人公が不憫さの欠片もない場合。(序章)

しおりを挟む
 
「エメラルド様、何とかしてくださいませ!」

 悲痛な面持ちでわたくしの前に訪れる貴族令嬢からこの手合いの言葉を聞くのは、もう何度目のことだろうか。

 わたくしはエメラルド。
 バスティアーンス公爵家の娘であり、第二王子殿下ベルナール様の婚約者である。

 内容は決まって『男爵家の令嬢が自分の婚約者に色目を使って困る』というもの。
 わたくしは当初、相談を受けた令嬢の話を親身になって聞くような振りをしながらやんわりと宥め、最終的に『一時の悋気に躍らされ、悩むよりも、自己に磨きをかけなさい』と諭したものだったが、いい加減限界である。
 なんせ、その男爵令嬢がいつも同じ名前なのだ。

 正直なところ、どうでもいい……というかわたくしに恋愛の機微はわかりかねる。恋愛に興味はあまりないし、そういった意味で誰かに心を動かされた事もない。
 そんな事に時間を割くよりもっと大事な事は山程あるだろう、と思ってしまう。
 つまりわたくしに恋愛は向いていないのだ。

 自分で言うのは些か憚られるが、そんな朴念仁のわたくしにも『虚仮にされて面白くない』という心理は理解できる。
 しかも全て同じ令嬢……しかも下級貴族による貴族らしくない振る舞いが原因と云うのであれば、高位貴族として捨て置く訳にもいかなかった。
 一応学生であるうちは皆平等な立場であるとはいえ、それは社会の倫理や制度を軽んじていいというのと同義ではない。このまま見過ごすことは、最終的に今後のこの国の在り方や秩序に混乱をきたすだろう。

 わたくしは急遽、今まで相談を持ち掛けてきた皆様を『茶会』と称してかき集めた。

「さて、皆様……ここにお集まり頂いた皆様に、わたくしはいずれも同じ相談を受けました。 件の男爵令嬢と、貴女方の婚約者についてのものです」

 皆様もうすうす気付いてらっしゃったのか、チラリチラリと呼ばれた人間を確認していたり、悔しさを滲ませたり……或いは期待の眼差しでわたくしを見つめたりなどと、それぞれの個性にあった形でそれを態度に表した。

 恋愛がよくわからないわたくしは、当然ながらベルナール殿下とは表面的にしか仲良く接していない。殿下はご自身が美しいからか、磨きに磨いて上の下レベルのわたくしの容姿があまりお気に召さないらしく、昔から冷たい。
 わたくしはそもそも美醜に拘りのない方である為、それを悔しいとはそんなに思わないが、ベルナール殿下の態度には思うところはある。

 どうやらその男爵令嬢はベルナール殿下とも仲良くしているらしかったが、わたくしはこれといってそこに何の感情も沸かない。言ってしまえばいつもの事であり、極めてどうでもいい事──皆様とはそのあたりが決定的に違う。

 よって、皆様には別の視点からお話するしかないだろう。

 暫くの間、わたくしは皆様の忌憚ない御意見を好きに喋って頂く事にした。これはわたくしの意図とは別に、皆様のいいガス抜きになったようである。
 小一時間程喋って頂いたところで、なんとなく皆様の御不満がつまびらかになってきた。
 二時間も経つとそれなりの具体的なエピソードも集まった為、ようやく口を開く。

「皆様の仰ることはわかりました。 ここで皆様に質問をさせていただこうと思うのですが宜しくて?」

 お集まり頂いた皆様にしたまず最初にした質問……それは『婚姻が政略的なものであるか否か』。

 お集まり頂いた人数は、わたくしを含め8名。7名のうち、全員が前の質問に対して是……つまり、家が絡んでいる。うち『婚約を破棄したい』と言い出された方は2人であるが、それを保留にしているそうだ。幸か不幸かお二人ともまだ本人のところで話は止まっている。

 次にした質問……それは『婚約者に対する恋愛感情の有無』。

 だがここで質問に対する質問が出た。
 伯爵家御令嬢であるシンディ様からだ。

「エメラルド様、わたくしの婚約者もそうですが……皆様の婚約者は揃って整った面立ちの方ばかり。 皆様婚約が決まった際には両手を上げて喜んだ方ばかりでしてよ?」
「ええ、存じておりますわ。 ですがそれは本当に『恋』なのですの? わたくしに皆様のお気持ちは量りかねます。 ……皆様今一度、胸に手を当てて暫し考えて下さらない?」

 わたくしがそう言うと、皆戸惑いながらもぱらぱらと胸に手を当て瞼を閉じた。
 時計の針の音だけが妙に大きく感じられる中、頃合いをみて再度声を掛ける。
 なんだか司祭様にでもなった気分だわ……などとくだらない余所事が頭に過る。

 結果、7人中5人が『恋愛感情を持っている』と答え、残り2人のうち1人が『持っていたが、今回の件で冷めた』と答えた。
 残りのひとりはシャルロッテ・コナー侯爵令嬢。彼女は白金の髪に碧眼の、非常に美しい見目をしている。

「請われて婚約をしたというのに、あんな女に負けた様なのが許せないのですわ!」

 シャルロッテ様は美しいかんばせを歪ませながら、悔しそうにそう語った。
 恋愛感情の機微には疎いわたくしではあるが、そういう気持ちなら理解できるのは先にも述べた通り。

「シンディ様が先程仰った通り、皆様の婚約者は見目の麗しい方ばかり。 ……ですが皆様、考えてみてください、見目以外の婚約者の魅力を。 それは相応にあるのでしょうが、わたくしには正直なところわかりかねます」
  
 皆そんなに美しい見目がいいのかと、常日頃からわかりかねていたわたくし。
 勿論見た目は大事ではあるが、こざっぱりしていて生理的嫌悪を抱かなければ問題ない気がするのだが。
 恋愛はしたことがないが、殿下付き執事の洗練された然り気無い所作や、近衛騎士様の鍛練を重ねた武骨な手とかにときめいた事はある。見目が麗しいだけの殿下なんかより、ずっと。

「家や婚約者を蔑ろにして他の女性と懇ろになるような真似をするなんて、とても誠実であるとは言い難い。 しかも皆様にも知れているなんて。 ……そんな男性と今まで生きてきた倍以上の長い間、共に歩けるのですか?」 

 政略結婚だからときめきはなくともいいが、愛や情はなくてはやはりキツい。せめて不貞を隠す位の事はしていただきたいものだが、既に皆様に婚約者の不貞はバレている。

「更に言うと、選ばれるかもわからない一人の女性に群がっているなんて不毛な行為……他の男性の影をわかっていないなら愚の骨頂としか。 ……そんな男性に領地や民を任せて宜しいのですか?」 

 他にも男がいるのに『自分が一番』だと思って婚約者を蔑ろにしてるならとんだ自信家の馬鹿だし、選ばれないのを加味して婚約はとっておいてるなら卑劣なクソ野郎(言葉が乱れてしまいました)だし、気付いていないなら脳内が常春の間抜けとしか言いようがない。

 ハッキリ言うと、皆揃いもそろって頭が悪くて不誠実な『見た目だけ男』。
 あくまで皆様から聞いた限りではあるが、そう思われる行為をとっていることは真実のようなので仕方ない。自業自得であり、正当な評価だ。

「勿論これはわたくしの意見であり『それでも』と仰るのを止めるつもりはありません」

 そう前置きした上で、結論を求める。

「そこで皆様、皆様はこれからの婚約者とのご関係について、どうお考えでらっしゃいます? ……気持ちの上でどうしたいかと、婚約におけるそれぞれのお立場において。 些か答の出しにくい質問かと思いますので単純に『婚約の継続の是否』としましょう。 勿論『割り切れない』でも結構ですわ。 ……『婚約破棄したい』と言われたおふたり以外は、皆様が軽んじられた事柄が事実かどうかを調べておきます。 なにかの誤解かもしれませんから」

 一先ずは『婚約破棄したい』と言われてしまった方の今後について考えるべきだろう。

 そう思った最中、シャルロッテ様から言葉が発せられた。

「わたくし、皆様婚約は破棄すべきだと思っておりますわ! このままだと溜飲が下がらないではありませんか!」

『溜飲が下がらない』……その言葉に皆様は激しく同意した。

「ですが皆様……政略結婚ですからねぇ。 家同士の事情も一人一人考えていかないことには……」
「せめてあの女に一矢報いてやりたいですわ!!」
「う~ん…………」

 流石にそれはどうかと思う。
 誰かが婚約を破棄したい旨とその経緯を説明すれば、嫌でも彼女に罰はくだるだろうし。共謀して個人に何かをやった、というのはこの先自分達の汚点にもなりかねない。

「……ではわかりました。 こうしましょう」

 わたくしは皆様に幾つかの指示を与えた。

 ひとつめはちゃんと婚約者とお話し合いをなさること。
 その際の注意点として、まず彼に全てを話させること。全て、というのは『彼が今思うところの全て』であり、それが真実の言葉でなくてもいい。
 その際何を言われたとしても、絶対に大人しい態度に終始すること。下手に茶々を入れたり突っ込んだり、ましてや怒ってなどはいけない。
 そしてそれは必ずわたくしの指定した日時と場所で行うこと。

 ふたつめは暫くの間ご実家に引き込もって頂くこと。
『当家茶会で行われたこのお茶会で、エメラルドが何者かに毒を盛られた』事にする。『入っていたのは菓子であったため、誰が手に取るかはわからない。 犯人が解るまでは令嬢の安全確保の為、実家で過ごすように』という公爵様からのお達しである、というかたちで。

「エメラルド様、それは無茶苦茶では……」
「父はわたくしに厳しいですが、母には砂糖をぶちまけたように甘いのです。 そして母は……不貞を嫌いますからこの話に乗ってくれるでしょう」

 母は、の後少し言い澱んだのは、実のところ『面白いことが好きな女性』という理由だからである。多分、今も隣の部屋で聞いているに違いないと確信している。

「それにわたくしは毒には耐性がございますので、不自然ではないのです。 王子妃教育の賜物ですわ」
「王子妃教育って毒の耐性もつけるのですか?!」

 驚かれたが普通はつけないと思う。
 ただしわたくしの王子妃教育が幼少の頃から始まったことで、興味を持ったわたくし自身がそれを始めたのだ。
 微量の毒物を摂取し続け、耐性をつけるという方法。毒物の種類によっては蓄積されて死に至ってしまうのだが、この国で手に入る程度の毒物は分解が早いためあらかたいける。

「あの……そんな過酷な王子妃教育をなさっているエメラルド様のお気持ちは如何なのですか? ベルナール殿下の……」

 それには立場上答えることが出来ない為、にっこりと微笑んで流した。

 みっつめは、復学しても男爵令嬢には近付かず、なるべく離れて過ごすこと。
 よっつめは、引き込もり中から勉学に勤しみ、己を磨き、教会や福祉施設に足を運ぶなどの奉仕を積極的に行うこと。ただし、奉仕活動の際には然るべき数の護衛をつけること。

「引き込もり中は公爵家から家庭教師や護衛を送りますわ。 香油等も用意しますわね。 皆様の引き込もりはこの茶会が原因ですもの」
「まぁ! 学校へ行くより余程魅力的ですわ!」
「この話を含む全ては他言無用でお願いします。  あと、これから個人への聞き取りを行いますので少々お時間頂きます。 皆様のお家や学校への報告はこちらから行いますので、ここであったことを尋ねられても口をつぐんでくださいませ」


 そう言うとわたくしは準備の為席を立った。



「──やはり聞いてらしたのですね」

 隣の部屋へ赴くと、そこに母はいた。物凄い笑顔で。

「あら、だって貴女、これ見よがしにあの部屋を選ぶのですもの」

 ここは隣のサンルームの監視部屋であり、壁に掛けられている鏡はマジックミラーである。お茶会を室内で行う時は、規模が大きくなければ常に庭園に面したこのサンルームを使用する。諜報と言う程大したことでもないが、御婦人方のお喋りはそれなりに価値がある。

「では話が早いですわ。 御協力願えますか?」 
「エメラルドったら、たまには可愛くおねだりはできないのかしら? まぁ、しますけどね。 なにせ私は不貞を嫌うらしいから」

 母は恐ろしいことに既に学校と皆様の御実家に手紙を送りつけており、これから聞き取りを行う暗部も人数分用意していた。

「ああそうそうエメラルド。 私が読んでいるロマンス小説では、主人公に悪女がありもしない罪を着せたりするの。 一応件の令嬢の事も調べるように暗部を一人使ったわ。 あのコ達にもその令嬢を苛めたり、強く注意した過去がないか聞き出すように言い含めてあるから」
「流石はお母様……成る程、ロマンス小説というのは存外に役に立つのですわね」

 その懸念はあったが、皆様の前で聞くのは憚られていたので助かる。

「それで貴女……このあとのプランは? ちなみにそのロマンス小説では裏切った婚約者と悪女には手酷いお仕置きが待っているのだけれど」
「そこなのですよね……ロマンス小説ではどんなお仕置きが?」

 わたくしが考えていたよりずっと、ロマンス小説のお仕置きは壮絶なものだった。ロマンス小説……恐るべし。

 ご家庭の事情もあるので安易に罰するのは躊躇われる。こんなくだらないことで民が被害を被るのは避けねばいけないが、不幸な結婚に彼女らが臨むのもよろしくはない。
 彼女等の婚約者が領地を継ぐのか否か、他に継ぐべき優秀な者はいるのかをまず仕分ける事にするが、後は暗部の報告と彼女らに対する婚約者の態度……そしてなによりその後の彼女らの気持ちを聞いてからでないとどうにもならない。

 それなりに彼女らは彼らに恥をかかされている。罰を下すなら同等かそれ以上のものでないと溜飲は下がらないだろう。

「何を悩んでいるの? エメラルド。 政治的な部分についてはお父様に相談なさい。 話は通しておきましょう。 こんなときに使うのが権力の醍醐味というやつよ。 派手にいきましょ?」
「…………」

 その夜わたくしはお母様からお借りして、先程の彼女が語っていたロマンス小説を読んでみた。
 …………恐ろしい内容だった。
 出てくる人物は皆恋愛にかまけている上にやたら攻撃的だ。母がああなのも頷ける。もし自分が子を成すことがあり、それが娘だったとしてもロマンス小説は読ませたくない。

 その後、鬱々とした気持ちでお父様と会う。お父様は相変わらず、切れ長の瞳で凛々しいお顔だが、それに似てしまったわたくしの面立ちは女性としては些か残念である。
『女子力が著しく欠如している』という謎の『女子力』なる単語を以て兄からそう揶揄された事のあるわたくしだが、そのお陰か見目を必要以上に気にしたことはない。気になると敢えて言うのであれば、確かに緑の瞳だが『エメラルド』と名付けられたこと。なんなら『グリーン』の方で良かったのでは、とは常日頃思っている。

「ジュリアから話は聞いた。 ……まぁどうとでもなる案件だが、どうするつもりでいる?」

 はぁ……結局権力依存か。情けない限りだが、どう転ぶにしても公爵家としては、下位貴族に恩を売りそこそこに見返りがあるか、毒にも薬にもならないかのいずれかなので、まぁよしとしよう。 

 被害者である彼女らの意見を尊重したい事と、その上で然るべき罰を下したいがどのような罰に処すべきかの点で、私には難しいのでお父様の力をお借りしたい、と伝える。お父様は「ふむ」と腕を組んだ。

「言ってみなさい」

「特に婚姻を彼女らが続けるという選択を行った場合ですね。 派手にやるのは今後の結婚生活に差し障りますので。 その分続けない者の断罪を派手にしようと思います。 しなかった者達も自分の行いを反省するように見せしめです。 そちらの方はまだいいのですが…… 一番の問題は婚姻を続ける婚約者への断罪の方です。 不貞を理由に結婚のハードルを上げること、結婚の後も大切にするように不貞は即離婚であることを含んだ条件を提示するべきかと考えているのですが。 ……これに関しましては婚約者側の親から、婚約者を叱る形で示すのが最も望ましい。 勿論彼女らが告げ口した形ではなく。 それがわたくしの力では些か難しいかと」

「……良いだろう。 それについても私に任せなさい。 だがエメラルド、お前自身はどうするつもりだ?」
「へ?」

 自分の話が出るとは思ってもみなかったわたくしは、実父と話しているという油断もあって『完璧淑女』とは程遠い間抜けな声を発してしまった。
 まぁ、わたくしが『完璧淑女』なのは公の場だけで充分なので、問題はないのだが。

「ああ、ベルナール殿下ですか……好きにさせておけばよろしいのでは? 正式な手順を踏んで側妃に迎えたいのであれば、それも良いでしょう」
「…………アレが正式な手順を踏んで側妃に迎え入れるなどする男だと?」
「うふふ、お父様……アレだなんて」

 おもわず父の殿下への順当な評価に笑ってしまった。

 だがわたくしにとって、アレは道端の石ころ程度の存在である為、動向に然したる興味はないのだ。むしろなにかしらやらかしてくれるならそれはそれで面白いというもの。

 母に借りたロマンス小説では、わたくしの様な立場の女の子がヒロインであり、ヒロインは『初恋である殿下への想い』から必死に王子妃教育についていくのだが…… わたくしにとっては逆である。
 第二王子殿下など、王子妃教育というなかなか受けられない『授業』のオマケに過ぎないのだ。

 わたくしは賢い人間ではないが、『目標に向かって努力すること』が好きな質である。従って『王子妃教育』は大変ではあるが、その大変さを含めてすこぶる楽しいものだった。
 王命で定められたこの婚約に愛などは皆無だが、婚約の打診を受けた際、私はそういった理由から非常に喜んでいた。

 わたくしには兄がいる為、公爵家の当主として生きることはない。
 家の体面や持っている力、父が母を溺愛し、母がわたくしを溺愛(?)している事を鑑みるに、婚約破棄されたらわたくしはそこそこの良家へ嫁にいく事になるだろう。
 他のご令嬢とは違う。憂慮すべき点があまりに無さすぎるので殿下を断罪する理由も無いのだった。

 それにこのままならば、下位貴族が手厳しく自分の息子を断罪する流れだ。ましてや私と殿下の婚約は求心力の下がっている王家からの打診によるもの。
 殿下が阿呆にもわたくしとの『婚約破棄』なんて言い出してみろ。自ら奈落の底へダイブするようなものである。
 男爵令嬢も例外ではない。むしろ男爵領の状況によっては、わたくしが男爵家を助けるべく恩赦を願い出る形になるだろう。娘の教育が上手くいかなかったことと、領地経営能力や男爵夫妻の人柄は別問題である。

「うふふふふ、あぁ可笑しい。 お父様が面白いことを仰るから笑いが止まりませんわ」
「…………」

 お父様は何故か苦い顔でわたくしの事を見ていらした。

しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。


処理中です...