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第1章 異世界転移と少女
ここは、どこ?
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「……ん」
私が目を覚ますと、そこは真っ暗な部屋だった。窓もないから、多分地下室なんだと思う。すぐに分かったのは、自分の部屋ではないということ。私、アリス・ガルシアは自室のベッドでママに絵本を読んでもらっていたから。私の大好きな、『不思議の国のアリス』だった。
何度か目を瞬かせているうちに、ようやく暗闇に目が慣れてきた。体を起こしてあたりを見まわすと、私の他に五人の女の子が眠っているのが目に入った。綺麗な黒髪の二人は日本人なのかな?
何が起こっているのか全くわからなくて固まっていると、ほかの五人もそれぞれのタイミングで目覚め始めた。何より驚いたのは、日本人らしき二人の言葉が理解できたこと。
「……ここは?」
「ここどこ……っていうか、誰?」
みんな困ってるみたいだし、一番最初に目覚めた私から自己紹介してみようかな。
「私はアリス。みんなのお名前は?」
「英語……だよね。何で理解できるの? あ、ごめん、私は月島輝夜。輝夜って呼んでね」
「君たち日本人だよね。アタシはサラ・ホワイト。アタシも日本語が理解できてるみたい。」
「……青海乙女です」
「メイジーよ。よろしく……でいいのかしら?」
「ドロシー・デイビスです。あの……もしかして皆さんのお名前、おとぎ話の女の子なのでは?」
最後に名乗ったドロシーちゃんのその言葉に、みんなの注目が集まった。少し気恥しそうにしながら、ドロシーちゃんは言葉を続けた。
「まずアリスさん、貴女は『不思議の国のアリス』で間違いないでしょう」
「…………うん」
「次に輝夜さん、貴女は日本の古典の『竹取物語』だと思われます」
「……博識ね」
「ありがとうございます。私は『オズの魔法使い』でいいと思うのですが、あとのお三方が少しわからなくて確信が持てないのです」
申し訳なさそうにそう言ったドロシーちゃん。そんな彼女を見ておずおずと手を挙げたのは輝夜ちゃん。
「ちょっとは力になれるかも。乙女ちゃんだっけ、青海って青い海だよね?」
「……そうだよ」
「だったら『浦島太郎』に出てくる乙姫なんじゃない? で、もう一つ。すごい安直になるんだけど、サラちゃんは白雪姫だと思う。英語圏で白雪姫がどう訳されてるのかはわかんないけど……」
白雪姫って……毒林檎が出てくるやつだっけ?
そんなことを考えていると、ドロシーちゃんが軽く頷いた。
「あながち間違いでは無いかもしれません。確かSaraという名前の由来は『姫』だったはずです」
「なるほど、じゃああってるかも。でもごめん、メイジーちゃんだけ分からないんだ」
ここまでの流れから判断して皆おとぎ話のヒロインに縁があるのは間違いがないと思う。だけど、メイジーちゃんに関しては誰も意見が出せないみたい。
しばらく皆で考えあった結果、その話はとりあえず保留ということになった。まずはここから出ることが先決だろう、というサラちゃんの言葉に全員が賛成したから。
と、次の瞬間……部屋の中心が明るく光って、そこから人が現れた。
「やぁ、自己紹介が済んだ頃かな? はじめまして、僕は神様だよ!」
え……? この男の子、何言ってるの?
私が目を覚ますと、そこは真っ暗な部屋だった。窓もないから、多分地下室なんだと思う。すぐに分かったのは、自分の部屋ではないということ。私、アリス・ガルシアは自室のベッドでママに絵本を読んでもらっていたから。私の大好きな、『不思議の国のアリス』だった。
何度か目を瞬かせているうちに、ようやく暗闇に目が慣れてきた。体を起こしてあたりを見まわすと、私の他に五人の女の子が眠っているのが目に入った。綺麗な黒髪の二人は日本人なのかな?
何が起こっているのか全くわからなくて固まっていると、ほかの五人もそれぞれのタイミングで目覚め始めた。何より驚いたのは、日本人らしき二人の言葉が理解できたこと。
「……ここは?」
「ここどこ……っていうか、誰?」
みんな困ってるみたいだし、一番最初に目覚めた私から自己紹介してみようかな。
「私はアリス。みんなのお名前は?」
「英語……だよね。何で理解できるの? あ、ごめん、私は月島輝夜。輝夜って呼んでね」
「君たち日本人だよね。アタシはサラ・ホワイト。アタシも日本語が理解できてるみたい。」
「……青海乙女です」
「メイジーよ。よろしく……でいいのかしら?」
「ドロシー・デイビスです。あの……もしかして皆さんのお名前、おとぎ話の女の子なのでは?」
最後に名乗ったドロシーちゃんのその言葉に、みんなの注目が集まった。少し気恥しそうにしながら、ドロシーちゃんは言葉を続けた。
「まずアリスさん、貴女は『不思議の国のアリス』で間違いないでしょう」
「…………うん」
「次に輝夜さん、貴女は日本の古典の『竹取物語』だと思われます」
「……博識ね」
「ありがとうございます。私は『オズの魔法使い』でいいと思うのですが、あとのお三方が少しわからなくて確信が持てないのです」
申し訳なさそうにそう言ったドロシーちゃん。そんな彼女を見ておずおずと手を挙げたのは輝夜ちゃん。
「ちょっとは力になれるかも。乙女ちゃんだっけ、青海って青い海だよね?」
「……そうだよ」
「だったら『浦島太郎』に出てくる乙姫なんじゃない? で、もう一つ。すごい安直になるんだけど、サラちゃんは白雪姫だと思う。英語圏で白雪姫がどう訳されてるのかはわかんないけど……」
白雪姫って……毒林檎が出てくるやつだっけ?
そんなことを考えていると、ドロシーちゃんが軽く頷いた。
「あながち間違いでは無いかもしれません。確かSaraという名前の由来は『姫』だったはずです」
「なるほど、じゃああってるかも。でもごめん、メイジーちゃんだけ分からないんだ」
ここまでの流れから判断して皆おとぎ話のヒロインに縁があるのは間違いがないと思う。だけど、メイジーちゃんに関しては誰も意見が出せないみたい。
しばらく皆で考えあった結果、その話はとりあえず保留ということになった。まずはここから出ることが先決だろう、というサラちゃんの言葉に全員が賛成したから。
と、次の瞬間……部屋の中心が明るく光って、そこから人が現れた。
「やぁ、自己紹介が済んだ頃かな? はじめまして、僕は神様だよ!」
え……? この男の子、何言ってるの?
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