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席替え
校外学習も終わり
廊下に貼り出された 学習の記録は 田所君の絵に みんなが声をあげるほどだった
「高橋君 おはよう」
僕が教室に入ると 僕の後ろの席の田所君が 挨拶をしてくれた
「田所君 おはよう 今日は早いね」
「うん」
僕は カバンを置いて 田所君の方を向いた
「ねぇ~ 田所君」
「何?」
「田所君って 小さな頃から 絵は得意だったの?」
「そうだね・・・ 外で遊ぶよりも 絵を書いている方が 好きだったかなぁ~」
田所君は 嬉しそうにそう言った
そんな話を 田所君としていたら 榎本が教室に入って来た
「隆が あそこで 俺にパスくれたから・・・」
僕は 榎本と目を合わせていた
「悠・・・ おはよう」
榎本が 僕に挨拶をしてくれた
けれども 僕は 心臓が飛び跳ね 榎本を見ているだけで 精一杯だった
(何で・・・ 僕 校外学習の時は 普通に話が出来たのに・・・ 何で 教室だと ドキドキしちゃうんだ・・・ 榎本だっていい気持ちじゃない・・・)
(なんだよ・・・ 田所のヤツ・・・ 俺だってまだ 悠とまともに話してねぇ~のに・・・ 悠に引っ付きやがって ふざけんな)
俺は イライラしながら 席に着き 悠の姿を見ていた
「高橋君 どうしたの? 大丈夫?」
田所君が心配して 僕を覗き込んでいた
「あっ 大丈夫 ごめん 何の話だっけ・・・」
僕は 顔を上げると 榎本が僕を見ていた
チャイムが鳴り 榊先生が教室に入って来た
「みんな~ 席に着け・・・」
先生は いつもの様に 教室を見渡した
「どうだ・・・ みんな 校外学習が終わって なんかこう・・・ クラスがまとまった様な 感じしないかぁ~ 先生は 凄く クラスが良い方向へ 向かって来ていると思うんだけどなぁ~」
みんなが ザワついた
「そこで 6時間目に席替えをする事にした」
榊先生の言葉に 喜んでいる人 そうでない人 いろんな声が飛び交った
(席替え・・・ 今は 出席番号順で 榎本と離れているけど もし 榎本と同じ班にでもなったら・・・ 今だって 榎本を見るだけで ドキドキするのに・・・ 同じ班になったら・・・ どうしよう・・・)
(悠と少しでも 近くの席になれたら・・・ 俺は もっと悠に近づいて 話がしたい・・・)
俺は 悠の姿を見ていた
6時間目 榊先生が教室に入って来た
「先生・・・ 席替えって 何で決めるの?」
「あぁ~ 今 説明するから・・・ みんな~ 席に着け・・・」
前の席の人が 先生に聞いていた
(どうしよう・・・ ドキドキしてきた)
僕は 自分の胸を押さえていた
「さぁ~ みんなが待ちに待った 席替えだぞ・・・ 先生 いろいろ考えたんだ・・・ やっぱり くじ引きがいいと思ってなぁ~ 今の班で くじを引く順番を決めてくれ・・・」
先生は そう言って 黒板に線を引き ランダムに番号を書き始めた
リーダーと僕は 振り返った
「順番 どうする? ジャンケンでもする?」
ジャンケンをしている班もあった
「楓が 決めてよ」
須藤さんが 口を開いた
「えっ 私が順番 決めていいの?」
みんなが うなずいた
「文句はなしだよ・・・」
「誰も リーダーに文句なんか 言わないよ」
田所君が 笑ってそう言った
リーダーが 順番に指をさしていった
「高橋君が 最後・・・ ごめんね 高橋君」
「リーダー ぜんぜんいいよ 僕は・・・」
僕は リーダーに首を振った
(順番なんて どうでもいいんだ・・・ 榎本と同じ班に ならなければ・・・ 僕は・・・)
「順番 決まったかぁ~ それじゃ~ 1番目から並んでくれ・・・」
先生は 箱を取り出した
「番号を 言ってくれ・・・」
1人 1人くじを引き 先生が 番号を消し 名前を入れていく
(榎本は どこになるんだろう・・・)
榎本が くじを引く為に 前に出て来た
僕は 榎本が気になって 榎本ばかり見てしまう
(悠は まだ 座ってる・・・ 悠と同じ班になれなくても せめて 悠の席の近くに・・・)
俺は 箱に手を入れ 黒板の番号を見た
「正臣 どこ?」
隆の大きな声が聞こえた
「隆 最悪だよ・・・ 1番前」
「やったなぁ~ 正臣 おめでとう」
隆は 手を叩いて喜んでいた
(でも いい 悠が近くなら 1番前だって 天国だ・・・)
俺は 悠を見ながら 席に着いた
(榎本の席は 決まった・・・ だけど まだ 榎本の左隣の席が 埋まらない・・・)
僕は ドキドキしながら 順番を待った
みんなの声も 大きくなってきた
「みんな~ 少し静かにしろ・・・ 村上が うるせぇ~って 怒鳴り込んで来るぞ・・・」
榊先生の声で みんなが静かになった
(静かにならないで欲しかった 僕 注目されるのは 苦手だよ・・・)
僕は 立ち上がり くじを引いた
僕は 黒板の番号を確かめた
(良かった・・・ 1番後ろだ)
(悠は・・・ 悠はどこの席だ?)
俺は 悠の視線を 食い入る様に見ていた
(えっ 悠は 1番後ろ・・・)
先生は 全員の名前を書き終え 振り返った
「みんな席は決まったなぁ~ それじゃ~ 静かに机を移動させてくれ・・・」
先生の言葉で みんなの移動が始まった
(マジか・・・ めっちゃ 悠と離れた・・・ 今の席の方が まだ近かった・・・)
俺は 落ち込みながら 机を移動させた
僕は 1番後ろなので みんなの邪魔にならない様に 後ろの壁まで下がった
みんなが 落ち着いてきた タイミングで僕も 机を移動させた
「あっ 高橋君だ」
僕は 副ちゃんの顔を見た
「副ちゃん よろしくお願いします」
「高橋君とは あんまり話した事ないね・・・ でも これからお隣さんだから いっぱい話しようね」
そう言って 副ちゃんは笑っていた
吉岡(よしおか)ひとみさん クラスの副委員長をしてくれている
あだ名は副ちゃん 榊先生が 副ちゃんと呼んだのが始まりで みんなも自然と副ちゃんと 呼ぶ様になった
副ちゃんは 背も高くて優しく みんなにとても慕われている
「みんな~ 落ち着いてくれ・・・」
先生の声に みんなが静かになった
「副ちゃん これ 書いてくれ・・・」
榊先生が 教卓に貼る 座席表を副ちゃんに渡した
「副ちゃん 僕も 手伝うよ」
「ありがとう・・・ 高橋君 じゃ~ 私が書くから 順番に名前言ってくれる」
「うん 分かった」
僕は 黒板と副ちゃんの様子を見ながら 名前を言った
「今日までが 前の班のままだからなぁ~ 掃除はちゃんとやってくれ・・・ 明日 いろいろ決めるから このまま ホームルームを始める」
先生が 連絡事項を言って ホームルームは終わり みんなが席を立った
「副ちゃん 大丈夫?」
そう言いながら 委員長が副ちゃんの所へ
藤原慎也(ふじわらしんや)君 クラス委員長をしてくれている
あだ名は 委員長 委員長も背が高く とてもみんなに慕われている
副ちゃんと とても仲が良い みんなが認める お似合いのカップルだ
「うん 大丈夫 高橋君が手伝ってくれたから」
「そっか ありがとう 高橋君」
僕は 委員長に お礼を言われてしまった
「えっ 僕は 何も・・・」
(委員長は 男の僕から見ても カッコいい・・・ 本当に 委員長と副ちゃんは お似合いのカップルだなぁ~)
僕はいつも この2人を見て そう思っていた
「副ちゃん 教卓に貼るんだろう・・・ 俺が 貼って来るよ」
委員長が 教卓に向かって歩き出す
「あっ 待って 委員長」
そう言って 副ちゃんはすぐに 委員長のあとを追いかけた
僕が前を向くと 榎本と目を合わせていた
僕の前の席は大塚君で 榎本が大塚君の前に 立っていた
(悠とこんなに目を合わせた事 ねぇ~かも・・・ これから 数え切れないほど あんのかなぁ~)
「なぁ~隆 席変わって」
榎本は 僕を見ながらそう言った
「何で 俺が変わらなきゃなんねぇ~んだよ 1番前なんて ごめんだね」
「マジ この席いいよ・・・」
(後ろが悠とか・・・ マジで うらやましんだけど・・・)
「なっちまったもんは 仕方ねぇ~よ正臣・・・」
そう言って 大塚君が立ち上がった
「部活行くぞ・・・」
「あぁ~」
榎本は大塚君のあとを追って歩き 振り返った
「悠・・・ また 明日」
「えっ あっ明日」
榎本は 優しい笑顔を僕に向け 教室を出て行った
(僕の今の声・・・ 榎本に届いてたの? 僕 声 出てたのかなぁ~)
(ヨッシャー 今は これでいい・・・ 俺と悠はこれからだ・・・)
俺は 隆のあとを追いかけた
(つづく)
廊下に貼り出された 学習の記録は 田所君の絵に みんなが声をあげるほどだった
「高橋君 おはよう」
僕が教室に入ると 僕の後ろの席の田所君が 挨拶をしてくれた
「田所君 おはよう 今日は早いね」
「うん」
僕は カバンを置いて 田所君の方を向いた
「ねぇ~ 田所君」
「何?」
「田所君って 小さな頃から 絵は得意だったの?」
「そうだね・・・ 外で遊ぶよりも 絵を書いている方が 好きだったかなぁ~」
田所君は 嬉しそうにそう言った
そんな話を 田所君としていたら 榎本が教室に入って来た
「隆が あそこで 俺にパスくれたから・・・」
僕は 榎本と目を合わせていた
「悠・・・ おはよう」
榎本が 僕に挨拶をしてくれた
けれども 僕は 心臓が飛び跳ね 榎本を見ているだけで 精一杯だった
(何で・・・ 僕 校外学習の時は 普通に話が出来たのに・・・ 何で 教室だと ドキドキしちゃうんだ・・・ 榎本だっていい気持ちじゃない・・・)
(なんだよ・・・ 田所のヤツ・・・ 俺だってまだ 悠とまともに話してねぇ~のに・・・ 悠に引っ付きやがって ふざけんな)
俺は イライラしながら 席に着き 悠の姿を見ていた
「高橋君 どうしたの? 大丈夫?」
田所君が心配して 僕を覗き込んでいた
「あっ 大丈夫 ごめん 何の話だっけ・・・」
僕は 顔を上げると 榎本が僕を見ていた
チャイムが鳴り 榊先生が教室に入って来た
「みんな~ 席に着け・・・」
先生は いつもの様に 教室を見渡した
「どうだ・・・ みんな 校外学習が終わって なんかこう・・・ クラスがまとまった様な 感じしないかぁ~ 先生は 凄く クラスが良い方向へ 向かって来ていると思うんだけどなぁ~」
みんなが ザワついた
「そこで 6時間目に席替えをする事にした」
榊先生の言葉に 喜んでいる人 そうでない人 いろんな声が飛び交った
(席替え・・・ 今は 出席番号順で 榎本と離れているけど もし 榎本と同じ班にでもなったら・・・ 今だって 榎本を見るだけで ドキドキするのに・・・ 同じ班になったら・・・ どうしよう・・・)
(悠と少しでも 近くの席になれたら・・・ 俺は もっと悠に近づいて 話がしたい・・・)
俺は 悠の姿を見ていた
6時間目 榊先生が教室に入って来た
「先生・・・ 席替えって 何で決めるの?」
「あぁ~ 今 説明するから・・・ みんな~ 席に着け・・・」
前の席の人が 先生に聞いていた
(どうしよう・・・ ドキドキしてきた)
僕は 自分の胸を押さえていた
「さぁ~ みんなが待ちに待った 席替えだぞ・・・ 先生 いろいろ考えたんだ・・・ やっぱり くじ引きがいいと思ってなぁ~ 今の班で くじを引く順番を決めてくれ・・・」
先生は そう言って 黒板に線を引き ランダムに番号を書き始めた
リーダーと僕は 振り返った
「順番 どうする? ジャンケンでもする?」
ジャンケンをしている班もあった
「楓が 決めてよ」
須藤さんが 口を開いた
「えっ 私が順番 決めていいの?」
みんなが うなずいた
「文句はなしだよ・・・」
「誰も リーダーに文句なんか 言わないよ」
田所君が 笑ってそう言った
リーダーが 順番に指をさしていった
「高橋君が 最後・・・ ごめんね 高橋君」
「リーダー ぜんぜんいいよ 僕は・・・」
僕は リーダーに首を振った
(順番なんて どうでもいいんだ・・・ 榎本と同じ班に ならなければ・・・ 僕は・・・)
「順番 決まったかぁ~ それじゃ~ 1番目から並んでくれ・・・」
先生は 箱を取り出した
「番号を 言ってくれ・・・」
1人 1人くじを引き 先生が 番号を消し 名前を入れていく
(榎本は どこになるんだろう・・・)
榎本が くじを引く為に 前に出て来た
僕は 榎本が気になって 榎本ばかり見てしまう
(悠は まだ 座ってる・・・ 悠と同じ班になれなくても せめて 悠の席の近くに・・・)
俺は 箱に手を入れ 黒板の番号を見た
「正臣 どこ?」
隆の大きな声が聞こえた
「隆 最悪だよ・・・ 1番前」
「やったなぁ~ 正臣 おめでとう」
隆は 手を叩いて喜んでいた
(でも いい 悠が近くなら 1番前だって 天国だ・・・)
俺は 悠を見ながら 席に着いた
(榎本の席は 決まった・・・ だけど まだ 榎本の左隣の席が 埋まらない・・・)
僕は ドキドキしながら 順番を待った
みんなの声も 大きくなってきた
「みんな~ 少し静かにしろ・・・ 村上が うるせぇ~って 怒鳴り込んで来るぞ・・・」
榊先生の声で みんなが静かになった
(静かにならないで欲しかった 僕 注目されるのは 苦手だよ・・・)
僕は 立ち上がり くじを引いた
僕は 黒板の番号を確かめた
(良かった・・・ 1番後ろだ)
(悠は・・・ 悠はどこの席だ?)
俺は 悠の視線を 食い入る様に見ていた
(えっ 悠は 1番後ろ・・・)
先生は 全員の名前を書き終え 振り返った
「みんな席は決まったなぁ~ それじゃ~ 静かに机を移動させてくれ・・・」
先生の言葉で みんなの移動が始まった
(マジか・・・ めっちゃ 悠と離れた・・・ 今の席の方が まだ近かった・・・)
俺は 落ち込みながら 机を移動させた
僕は 1番後ろなので みんなの邪魔にならない様に 後ろの壁まで下がった
みんなが 落ち着いてきた タイミングで僕も 机を移動させた
「あっ 高橋君だ」
僕は 副ちゃんの顔を見た
「副ちゃん よろしくお願いします」
「高橋君とは あんまり話した事ないね・・・ でも これからお隣さんだから いっぱい話しようね」
そう言って 副ちゃんは笑っていた
吉岡(よしおか)ひとみさん クラスの副委員長をしてくれている
あだ名は副ちゃん 榊先生が 副ちゃんと呼んだのが始まりで みんなも自然と副ちゃんと 呼ぶ様になった
副ちゃんは 背も高くて優しく みんなにとても慕われている
「みんな~ 落ち着いてくれ・・・」
先生の声に みんなが静かになった
「副ちゃん これ 書いてくれ・・・」
榊先生が 教卓に貼る 座席表を副ちゃんに渡した
「副ちゃん 僕も 手伝うよ」
「ありがとう・・・ 高橋君 じゃ~ 私が書くから 順番に名前言ってくれる」
「うん 分かった」
僕は 黒板と副ちゃんの様子を見ながら 名前を言った
「今日までが 前の班のままだからなぁ~ 掃除はちゃんとやってくれ・・・ 明日 いろいろ決めるから このまま ホームルームを始める」
先生が 連絡事項を言って ホームルームは終わり みんなが席を立った
「副ちゃん 大丈夫?」
そう言いながら 委員長が副ちゃんの所へ
藤原慎也(ふじわらしんや)君 クラス委員長をしてくれている
あだ名は 委員長 委員長も背が高く とてもみんなに慕われている
副ちゃんと とても仲が良い みんなが認める お似合いのカップルだ
「うん 大丈夫 高橋君が手伝ってくれたから」
「そっか ありがとう 高橋君」
僕は 委員長に お礼を言われてしまった
「えっ 僕は 何も・・・」
(委員長は 男の僕から見ても カッコいい・・・ 本当に 委員長と副ちゃんは お似合いのカップルだなぁ~)
僕はいつも この2人を見て そう思っていた
「副ちゃん 教卓に貼るんだろう・・・ 俺が 貼って来るよ」
委員長が 教卓に向かって歩き出す
「あっ 待って 委員長」
そう言って 副ちゃんはすぐに 委員長のあとを追いかけた
僕が前を向くと 榎本と目を合わせていた
僕の前の席は大塚君で 榎本が大塚君の前に 立っていた
(悠とこんなに目を合わせた事 ねぇ~かも・・・ これから 数え切れないほど あんのかなぁ~)
「なぁ~隆 席変わって」
榎本は 僕を見ながらそう言った
「何で 俺が変わらなきゃなんねぇ~んだよ 1番前なんて ごめんだね」
「マジ この席いいよ・・・」
(後ろが悠とか・・・ マジで うらやましんだけど・・・)
「なっちまったもんは 仕方ねぇ~よ正臣・・・」
そう言って 大塚君が立ち上がった
「部活行くぞ・・・」
「あぁ~」
榎本は大塚君のあとを追って歩き 振り返った
「悠・・・ また 明日」
「えっ あっ明日」
榎本は 優しい笑顔を僕に向け 教室を出て行った
(僕の今の声・・・ 榎本に届いてたの? 僕 声 出てたのかなぁ~)
(ヨッシャー 今は これでいい・・・ 俺と悠はこれからだ・・・)
俺は 隆のあとを追いかけた
(つづく)
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