悠と榎本

暁エネル

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期末テスト②

1日目 期末テストが終わった


榊先生が 教室に入って来て ホームルームを始めた


「みんな お疲れ 明日も この調子で頑張ってくれ これでホームルームは終わりだ 気をつけて帰れよ」


みんなが席を立つと 先生が 生徒達に捕まれていた




(明日のテストのヒントを 聞いているのかなぁ~)




「悠 俺ん家・・・」


僕は 榎本の方を見た


「正臣・・・ またなのかよ いい加減にしろよ」


大塚君が 榎本に向かって そう言った


僕は 2人の様子を伺った




(大塚君と榎本の雰囲気が 悪くなったらどうしよう)




僕は 不安でいっぱいだった


「悠 行こう」


大塚君はもう 別の人と話をしていた


榎本が 教室を出て行って 僕も 慌てて榎本のあとを追った


「榎本 大塚君は? 良かったの?」




(2人の仲が 悪くなるのは嫌だ・・・)




「何? 隆? 隆なら 大丈夫 俺より頭は 良いから・・・」


榎本は そう言いながら 階段を降りた




(僕が言いたいのは そう言い事じゃ~ないんだけど・・・)




校門を出て 僕は もう一度 榎本に聞いてみた


「榎本・・・ 大塚君は 榎本と一緒に 帰りたかったんじゃないの?」


「何で? そんな事はねぇ~だろう・・・」


榎本は 振り返って僕を見た


「大塚君 またって言ってたし・・・」


僕は 申し訳ない 気持ちでいっぱいになった


「悠が 心配する事は何もねぇ~よ・・・ あれは 俺にじゃねぇ~ 悠にだよ」


「えっ?」


榎本の言っている 意味が分からなかった


「隆は悠を 心配してるんだ」


「えっ 何で?」


「悠は ず~っと学年トップだろ・・・ 俺が悠に 勉強見てもらってっから 悠の成績が 落ちるんじゃね~かって・・・ 隆のそういう所 俺は 嫌いじゃ~ねぇ~けどなぁ~」




(えっ 僕の事・・・ 僕は てっきり・・・)




「悠なら大丈夫だって 言ったんだけどなぁ~」


榎本は嬉しそうに 僕の顔を見ながら そう言った


「そんな事より 頭使ったから腹減ったなぁ~ 悠・・・ 俺 昼ご飯作るから 食べて」


「えっ 榎本が・・・ 僕 お母さんから お金もらって来たよ」


「金・・・ 使う事ねぇ~よ それに 母ちゃんに言ってあんだ・・・」


「榎本・・・ 料理出来るの?」


僕は榎本に 聞いてみた


「あぁ~ 母ちゃんが遅い時とか 我慢できなくなって 自分で作って食べるよ もちろん 母ちゃんが作ってくれた 夕飯も食べるけどな・・・」


榎本は 僕の顔を見ながら そう言った


「悠は 嫌いな食べ物とか あんの?」


「ううん 無いよ」


「そっか」


榎本は また 優しい顔をした




榎本が 玄関のドアを 開けてくれた


「お邪魔します」


「悠 こっち・・・ あっ ちょっと待ってて 俺 部屋のエアコンつけてくる」


榎本は 自分の部屋へ 僕は 廊下で榎本を待っていた




(ここから 奥へ進むのは初めてだ・・・)




「悠 悪い」


僕は 首を振った


榎本は カーテンを開けて エアコンをつけてくれた


大きなテレビとソファーがあり 広くゆったりとした雰囲気があった




(僕の家と間取りは一緒だけど・・・ 広い・・・ うちは畳の部屋あたるけど・・・)




僕も 窓の方へ 榎本の隣に立ち ベランダから 外を見た


「わ~ 凄い 遠くまで見渡せるね~」


「周りに高い建物がねぇ~からな 悠は 高い所へ~きか」


「うん 大丈夫だよ」


「悠・・・ ちょっと待ってて 直ぐ 作るから」


「うん 僕 もう少し 見てる」


榎本は エプロンをして 台所へ向いた




(はぁ~ 良かった~ 悠の母ちゃんが お昼ご飯を用意してなくって・・・ 俺の腕の見せ所だな)




(こっちの方は 来た事がないから 分からないけど・・・ あれ 小学校かな? もしかして 榎本の通っていた・・・)




部屋に 良いニオイがしてきた


「悠 出来たよ」




(いつも通りに出来た・・・ 味見もした 後は 悠の口に合うかどうかだ・・・)




「榎本 ありがとう」


テーブルの上に オムライスが置かれていた


僕がテーブルに着くと 榎本が 麦茶を置いてくれた


「悠・・・ 食べて」


「うん いただきます」




(友達の作ってくれた物を食べるのは 初めてだ・・・)




榎本が 僕の食べるところを見ていた 


僕はスプーンで 玉子を丸くくり抜き 一口 スプーンに乗せ 口へと運んだ




(想像していたより 遥かに美味しい・・・ ケチャップの味が濃い・・・)




(悠は なんて言う? スゲー ドキドキする)





「悠 どう?」




(どうって 俺・・・ 無理やり 悠に言わせようとしてないか?)




榎本が 僕の反応を伺っていた


「すっ 凄く 美味しいよ」




(本当に お世辞抜きで美味しい・・・ でも 今の言い方 ワザとらしかったかなぁ~ どうしよう・・・ 榎本に変に伝わってたら・・・)




「良かった」


榎本が 笑った


「悠は 料理しねぇ~の?」


「僕・・・ 料理 苦手」


「えっ そうなの なんか 意外だなぁ~ 悠は 器用に何でも 出来そうだけどなぁ~」


「僕 ダメ・・・ お母さんの2度手間になちゃう」


榎本と僕は 手を止めた


「俺・・・ 小学校の時 リンゴだか 梨だったか 忘れたけど 皮をむく宿題が出て 俺 めっちゃ 練習したよ そんで クラスで1番 長く皮むけたんだ」


榎本は 嬉しそうに笑っていた


「悠の学校は なかったの? そういうの・・・」


「うん・・・ 僕の通ってた 小学校はなかったよ もし そんな宿題が出たら 僕の指は 絆創膏だらけになってたよ」


「そっか」




(悠が 俺と同じ小学校だったら 俺達 どうなってたのかなぁ~)




俺は ちょっと 想像してしまった


オムライスを食べ終え 麦茶を飲み干した




(俺の作ったオムライス 全部食べてくれたなぁ~)




「ハァ~ 美味しかった・・・ ごちそうさま お腹いっぱいだよ」


僕も 麦茶を飲み干した


「悠・・・ 俺 片づけるから 部屋行ってて」


「うん 分かった ごちそうさま」


僕は 榎本に言われた通り 榎本の部屋へ エアコンの風で 熱くなっていた身体が 冷やされていた


僕は 丸いテーブルに座って 榎本を待っていた


榎本の部屋へ来るたびに 何度も 榎本のニオイに負けそうになっている


息を止めてみたり ぜんぜん別の事を考えてみたり 僕なりに いろいろ試してはみたのだけれど 榎本の居ない部屋では 僕は 動けなくなってしまう


「悠・・・ お待たせ」


榎本の声で 僕は 顔を上げた


「そっか・・・ 悠 教科書ないんだ ちょっと 待って」


榎本は 勉強机から 国語の教科書を開きながら 僕の隣に座った


「悠・・・ ここ枕草子は 出るだろう」


「うん・・・ 全部 丸暗記した方がいいよ あと 文章問題と漢字」


榎本が 僕の隣に座った




(榎本が 隣に座るなんて・・・ ドキドキしちゃうよ)




僕は 榎本の顔をチラリと見た


「榎本・・・ 朝 みんなと話をしている時 僕の教え方を 褒めてくれたでしょう・・・ 僕 凄く 嬉しかった ありがとう 榎本」


僕は 恥ずかしくなり 下を向いた




(悠の顔 超~見てぇ~ ゼッテ~ かわいい顔してる)




俺は 悠の顔に手を添えた


悠の顔が 見えた瞬間 俺は また 身体が自然と動いた




(榎本の舌が スルスルと僕の中へ 流れ込んで来る・・・)




(ヤッベ~ 止まらねぇ~ このままじゃ~ 俺 悠を 押し倒しちまう)




俺は ゆっくりと悠から離れ 悠の舌が 少し見えた


俺は 悠をギューと抱きしめた




(俺・・・ めっちゃ ドキドキしてる ヤベー 悠に ゼッテ~伝わってる)




(頭が身体が ふわふわする・・・ あの時と一緒だ 今 榎本に抱きしめられている・・・ 夢じゃない でも 苦しい・・・)




「えっ 榎本 苦しい・・・」


「あっ 悠 ごめん」


俺は 悠から離れ 悠は 息を整えていた




(ヤベー 勢いってヤベー 落ち着け・・・ 俺)




「俺さぁ~ 朝 リーダーと須藤と悠が 話をしているの見て イラっとして つい 大きな声を出したんだ」




(あの時だ・・・ 僕も みんなも榎本の方を見た時だ)




「俺・・・ その時 リーダーと須藤にヤキモチやいたんだ・・・ 俺 小っさって思った」




(悠の顔 見れねぇ~)




俺は 視線を外した


「榎本・・・ 僕も そうだったよ 榎本が 誰かと話をしているのを見ると モヤモヤしてた でも 自分の気持ちが ハッキリとわかってからは大丈夫になって・・・ 榎本が僕の傍に 居てくれるって言ってくれたし・・・」


「悠」


俺は また 悠を抱きしめていた 今度は 優しく包み込む様に


「榎本・・・ 僕 榎本の事が好き」


「悠・・・ ありがとう 俺もだ」




(どうする・・・ 悠を帰したくない このまま 悠を抱きしめていたい・・・ テストも もうどうでもいい)




(榎本に抱きしめられて どうにかなってしまいそうだ・・・)






「榎本・・・ そろそろ 僕 帰るね」




(榎本のお母さんが 帰って来る前に・・・ 僕は 今帰った方がいい・・・)




僕は そっと 榎本から離れた




(ずっと このままって訳いかねぇ~よなぁ~ 俺も ちょっとヤバかったし・・・)




「勉強 あんまり出来なかったけど・・・」


「あぁ~ 大丈夫だ 悠が しるしを付けたところを 勉強するから」


「うん・・・ 僕も 帰ったら勉強するよ」


榎本が エアコンのスイッチを切った


僕は カバンを持って 榎本の部屋のドアを開けた


榎本が 玄関のドアを開けると 大きくドアが開いた


(つづく)


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