悠と榎本

暁エネル

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悠のマンションからの帰り道


俺はいつも ジョギングをながら帰る




(悠の様子が おかしかったのが気になるなぁ~ 悠の顔 覗き込めば良かったかなぁ~ でも 悠は 大丈夫って言ってたし・・・)





俺は 玄関のドアを開けた



(あれ 母ちゃん帰ってる)




「母ちゃん ただいま」


母ちゃんが台所で 夕飯の支度をしていた


「あら正臣お帰り 凄い汗」


「あぁ~俺 シャワー浴びて来るよ」


俺は シャワーを浴びた




(悠とシャワー浴びたっけ・・・ 俺 悠の事 見られなかったなぁ~ 悠は あんな事されて 嫌じゃ~なかったのかぁ~? 俺 また 自分の事ばっかだった・・・ 悠の気持ち 何も考えねぇ~で・・・)




俺は シャワーを浴び終え台所へ


テーブルには すでに料理が並んでいた


俺は 頭をふきながら椅子に座った


「なぁ~ 母ちゃん」


「何? あー正臣 宿題はちゃんと終わってるんでしょうねぇ~」


「当ったり前だろう・・・ 悠が居て 終わらねぇ~訳ねぇ~だろう」


「ならいいけど・・・ 正臣 ちゃんと悠君に お礼言ったんでしょうねぇ~ 泊まり掛けで 宿題手伝ってくれたんだから」


「あぁ~言った・・・ 本当に 悠のおかげだ・・・」


母ちゃんも 椅子に座った


「いただきます」


「ところで・・・ さっき正臣 何か言いかけなかった?」


「あぁ~ そうだ母ちゃんさぁ~ 父ちゃんのどこが良かったの?」


「何よ~いきなり・・・ あ~ん 父ちゃんとの 馴れ初め聞きたいの~」


母ちゃんが ニヤニヤしている




(ちょっと キモッ)




「別に そうじゃ~ねぇ~けど」


「じゃ~ 何なのよ・・・」


「だってさぁ~ 母ちゃん 誰とでも話せるって言うかさぁ~ 社交的じゃん サッカークラブに初めて来た お母さんにも話しかけてたしさぁ~」


「それは サッカークラブに新しい友達が増える事は 嬉しいじゃない 子供も大人も初めは ドキドキするでしょう 子供は柔軟性があるし 直ぐに仲良くなれるけど 大人はそうはいかないのよ・・・ 気まずい思いは 誰だって嫌でしょう だから 安心してもらう為もあるし 母ちゃんもどんな人なのか 知りたいのもあってね」


俺は おかずに手を伸ばした


「でもさぁ~ 父ちゃんは違くねぇ~ 物静かって言うか 慎重って言うか・・・ うまく言えねぇ~けど あー でも 父ちゃんの一言は スゲー重みがあるって言うか グって来るって言うか 俺 今 何言ってる?」


母ちゃんが笑った


「あーとにかく 俺は父ちゃんと母ちゃんが 全然 違う性格って事が言いたいんだよ」


「あら全然 違うからいいんじゃない 母ちゃんみたいな旦那さんだったら 母ちゃんうるさくて疲れちゃうだろうし・・・ しょっちゅうケンカになってると思う 父ちゃんみたいな奥さんねぇ~ まぁ~ それは それで うまくいくのかもしれないけど・・・ 母ちゃんは 父ちゃんがあ~いう~人で良かったと思ってる 自由にさせてくれるし うるさく言わないしねぇ~」


母ちゃんは 嬉しそうに笑った


「そうだよなぁ~ 母ちゃんは父ちゃんみたいな人と出会えて 正解だったよなぁ~ 母ちゃんたまにはいい事言うじゃん」




(そうだよ・・・ 違うからいいんじゃん 俺と悠だってゼッテー うまく行く)




「正臣 たまにはって何よ たまにはって・・・ 父ちゃんと母ちゃんが出会えなかったら 正臣はここに存在して無かったのよ・・・」


母ちゃんが ちょっとふくれてる


「あぁ~ そうだよなぁ~ めっちゃ感謝している」




(この時代に生まれて来た事 悠に巡り会えた事・・・ 俺はスゲー感謝してる)




「あーそうだ 母ちゃん スパイクだいぶキツイ」


「え~この間 買ったばっかじゃん」


「それ いつの話だよ」


俺は また おかずに手を伸ばした


「正臣 また少し 背が伸びたんじゃない?」


「そうかなぁ~?」


「まぁ~育ち盛りだしねぇ~ でもまだ 父ちゃんの方が大きいわね~」


「俺 多分 父ちゃんよりも大きくなるよ」


「当たり前でしょう・・・ 誰が食べさせてると思ってんのよ」


母ちゃんは お茶を飲みながらそう言った


「あぁ~ それはいつも感謝してる」




(母ちゃんの作る料理は お世辞抜きに いつもうまい・・・ 仕事から帰って来て 料理を作る ホントにスゲーよ・・・ )




母ちゃんは 嬉しそうに笑った


「それより正臣 明日の部活 何時からなの?」


「わかんねぇ~ これから隆んとこ電話する ごちそうさま」


「もう正臣 しっかりしてよ・・・」


俺は 隆ん家に電話をかけた







僕の机の上には 榎本から借りた本 『君への想い』がある




(この本は僕 1人の時に読んだ方がいい きっとまた泣いてしまう)




白い背表紙のこの本が 本屋さんに並んでいて 榎本も僕と同じ様に この本に惹かれた




(たった1泊しただけなのに こんな気持ちになるなんて・・・ 僕は 自分が思っている以上に 榎本の事が好きだったんだ・・・ もう 榎本と離れられない)




僕は 榎本の借りた本をながめながら 強くそう思っていた


(つづく)


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