悠と榎本

暁エネル

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運動会①

次の日 僕は少しドキドキしながら 副ちゃんを待っていた




(副ちゃんに 自然に挨拶出来るの僕・・・)




でも 榎本が言ってくれた様に 副ちゃんはいつもの笑顔を 僕に見せ普通に話をしてくれた


運動会も近づき 僕達のクラスはより一層 練習に力が入り クラスのみんなのまとまりを見せていた




榊先生が教室へと入って来た


「先生・・・ 私達凄いよ・・・」


そう言ったのは リーダーだった


「楓 先生は試合以上に 明日が楽しみだ」


「先生・・・ 私達なら大丈夫 任せてよ・・・」


「あぁ~ わかってるでも 油断はするなよ・・・ みんなも聞いてくれ いよいよ明日 待ちに待った運動会だ 今のところ天気予報では 文句なく晴れるという予報だ・・・ 今日は お願いだから夜ふかしはしないでくれ 明日の為に早寝をしてくれ・・・ もし 具合が悪くなって運動会へ参加出来ない様なら 無理しないでくれなぁ~ いつも通りに朝 学校へ連絡してほしい 弁当と水筒 忘れるなよ それからタオルにハチマキ 体操着で登校して来て下さい 明日 元気な姿でここで会おう みんな気を付けて帰ってくれ」


そう言って先生は 教室を出て行った





(今日 悠は家に来れねぇ~ 悠は大丈夫なのかぁ~ 緊張とかすんのかなぁ~)





(いよいよ明日は運動会だ みんなの足を引っ張らない様に 出来ればいいなぁ~)





「副ちゃん 帰ろう」


いつもの様に 委員長が副ちゃんのところへ


「うん それじゃ~高橋君 明日は頑張ろうね」


「うん 委員長 副ちゃん 明日」



委員長と副ちゃんは みんなに手を振って 教室を出て行った





「悠・・・」


僕が顔を上げると 榎本が大塚君の机の前に立っていた


「高橋は 練習通りにやればいい」


大塚君が振り向いて そう言った


「うん ありがとう」


「そうだよ高橋君 前よりも少しタイムが速くなってたし 明日は頑張ろう」


大塚君の隣のリーダーが 僕を勇気づけてくれた


「うん 微力ながら頑張るよ」




(俺が悠を笑顔にしたかったのに・・・ クソ何にも 悠に言えねぇ~)




俺は 校門まで黙って みんなに囲まれ 楽しそうに話をしている悠を見ていた




(悠・・・ 楽しそうだ 俺がもっと気の利いた事が言えたらいいんだけどなぁ~ 何にも思いつかねぇ~)




「悠・・・ 明日な」


「うん みんなも明日」


僕は みんなに手を振った




(いよいよ明日だ・・・)



僕は 空を見上げていた






朝はすっかり肌寒くなった でも 日が昇ると暑くなる


「悠 お弁当」


お母さんが お弁当と水筒を持って来てくれた


「お母さん ありがとう」


「お母さん 仕事で行かれないけど 頑張ってね」


「うん」



僕の家のチャイムが鳴った


「あら 誰かしら?」


お母さんが玄関へ


「榎本君」


「おはよう ございます」




(えっ 榎本)




僕も部屋から顔を出した


榎本は 首からハチマキをかけて 立っていた


「悠 おはよう」


「榎本 ちょっと待ってて」


僕は急いでカバンを持ち 榎本と同じ様に 首からハチマキをかけた


「榎本 お待たせ・・・ お母さん いってきます」


「いい天気良かったわね 2人共 今日は頑張ってね」


「うん」


「はい 朝早くすいませんでした いってきます」


榎本はお母さんに頭を下げた


僕と榎本は エレベーターへと乗り込んだ




今日は 雲ひとつないとてもいい天気 まさに運動会びより



「榎本 びっくりしたよ~」


「何かさぁ~ スゲー早くに目が覚めて・・・ 何かこう 落ち着かなくって」




(昨日は俺 悠に何も言えなかったから・・・ 悠の顔 一番に見て 悠を元気づけてやりてぇ~って思って でも俺が 悠に一番に会いたかっただけなんだけどなぁ~)




榎本は嬉しそうに そう言った




(榎本らしいなぁ~ 榎本みたいな 運動能力が高い人は 楽しみで仕方ないんだろうなぁ~)




「悠 頑張ろうな・・・ 悠が練習で頑張ってたところ・・・ 俺ちゃんと見てたから」


僕は榎本の言葉に 涙が出そうになった


「俺 悠がゴールに居ると思って走るよ・・・ 誰にも悠に触らせねぇ~ 俺が一番に悠を抱きしめるんだ」


「ちょっと榎本」


僕は周りを見た 幸い人影はなかった




(嬉しいけど 恥ずかしいよ・・・)




榎本の優しい笑顔が 僕に向けられた


「あれ~ 正臣?」


後ろから走って来た生徒が 振り返って 榎本は軽く手を上げた


「あれ 正臣こっちだっけ?」


「今日だけ特別だ」


「なんだよそれ~・・・ あっ俺 急ぐんだった・・・ じゃ~なぁ~正臣」


「おう」


その生徒は また走り出し 行ってしまった


「榎本の友達?」


「あぁ~ サッカー部のヤツだ」




(榎本は本当に友達が多い・・・ 社交的だし すぐに友達ができる・・・ 僕とはまったくの正反対だ)




「悠 どうした?」


榎本が 僕の顔を覗き込んだ


「悠 もしかして緊張してる?」


「えっ あっ少し」


「大丈夫だ・・・ あれだけ練習したんだ・・・ あとは運動会を楽しもう」


「うん そうだね」


榎本の笑顔に 僕も笑顔になった




教室に入ると リーダーと須藤さん 大塚君が話をしていた


「なんだ~隆 早いなぁ~」


みんなが僕達の方を見た


「あっ おはよう」


みんなが あいさつをしてくれた


「俺も 早く行こうと思ってたんだ そしたら正臣から連絡が来たんだよ」


「なぁ~んだ 隆も同じかよ~ 居ても立っても居られねぇ~ってヤツかぁ~」


榎本と大塚君が笑ってる


僕が席に着くと 委員長と副ちゃんが教室に入って来た


「おはよう みんな」


「おはよう」


副ちゃんが僕の隣に座った




(あれから副ちゃんは 何も僕に言ってこない・・・ 運動会の練習が 忙しいのもあったけど・・・)





「委員長 副ちゃん 今日はおもいっきり行こう」


リーダーが 拳を振り上げて 委員長と副ちゃんに言った


「あぁ~ 今日はみんな 悔いがない様におもいっきり行こう」


委員長の言葉に みんなが笑顔になった




(やっぱり 運動ができる人達は違うなぁ~ 僕なんだか ドキドキしてきた)




「高橋君 大丈夫?」


副ちゃんが 僕の顔を覗き込んだ


「えっあっうん 僕も頑張るよ」


副ちゃんが笑顔を 僕に向けてくれた




チャイムが鳴り 榊先生が教室に入って来た




(先生も 今日はジャージだ)




「みんな 揃っているなぁ~」


先生はいつもの様に 教室を見渡した


「いよいよ今日だなぁ~ 注意事項を言っておく・・・ 具合が悪くなった者 誰でもいいから声かけろ・・・ 付き添ってあげて テントまで連れて来てくれ くれぐれも無理はしてくれるなよ・・・ まぁ~その辺このクラスは 心配してないんだけどなぁ~ 今日は このクラスの団結力を 全クラスに見せつける時だ みんな準備はいいか おもいっきり暴れて来い 今日は何でも許す 力いっぱい戦って来い」


「お~う」


みんなが一斉に声を出した


僕はびっくりして 少し遅れて声を出した


「それじゃ~みんな椅子を持って 廊下に出ろ」


先生が教室のドアを開けた


「榊 遅いしうるせぇ~」


4組の村上先生は 生徒と一緒に すでに廊下に整列していた


「気合いだよ 気合い」




(相変わらず 榊先生と村上先生は仲がいい)





僕達生徒はグランドに下り 先生の誘導で椅子を並べた


全校生徒がグランドへ 6色の旗が並んだ


僕達3組は 青い旗の前へ


1年生と3年生の間に 僕達は椅子を並べた




校長先生のあいさつ 準備体操を終えて


係の生徒が持ち場に着き 僕達も自分の席に向かった





プログラム 1番が読まれた


いよいよ運動会が始まる


僕は ドキドキしながら グランドを見ていた


(つづく)

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