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教育実習③
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教育実習にも慣れ生徒達とも仲良くなって来た頃
僕の授業も順調に進んみ 吉田先生にも注意をされなくなって来た
そんなある日の事
「ねぇ~高橋先生って 榎本選手の事を知っている人?」
僕の授業が終わり 一番前に座って居た男子生徒に突然そう聞かれた
僕はその言葉にドキドキが止まらなかった
(どうしよう・・・ ここで知っていると答えたら 生徒達に説明をしなくちゃならない・・・)
生徒達が僕の前に集まって来てしまった
「お前ら次教室移動だろう 急いだ方がいいんじゃねぇ~のか?」
後ろから僕の授業を見ていた吉田先生が声をかけてくれた
「あっそうだヤベ~」
生徒達はそう言って僕から離れて行った
僕と吉田先生は教室を出た
「吉田先生さっきは ありがとうございました」
「この学校の有名人だからなぁ~榎本選手は 榎本選手の事を知らないヤツはこの学校は居ないだろう」
僕が困った様な顔をしていたからなのか 吉田先生は僕の顔を見た
「えっもしかして知り合い?」
「はい 同級生でした」
吉田先生は立ち止まりあたりを伺いながら 小さな声でこう言った
「高橋先生だとしたら サッカー部のヤツらや顧問の五十嵐先生には 内緒にしておいた方がいいかもしれない 目の色が変わって 高橋先生を追い回すかもしれないからなぁ~ なんたって榎本選手を憧れてるヤツらは多いからなぁ~」
僕は吉田先生にうなづき職員室へと入った
(そうなんだ榎本に憧れて・・・ そうだよね榎本はこの学校の卒業生だもん憧れるのは当然 口が裂けても友達だとか一緒に住んでるとか 絶対に言ってはダメだ・・・)
僕は大学に榎本が来た事を思い出していた
(次の日は友達に質問攻めにあった それでも大変だったのに あんな事が比ではないくらい大変な事態になる事は間違いない)
僕は肝に銘じていた
(でもまたもし生徒達に聞かれたどうしょう)
僕は不安になり吉田先生に相談をしてみた
「吉田先生さっきの話なんですが また生徒達に聞かれたら・・・」
「そうだなぁ~ 高橋先生がこの学校の母校だと言う事は皆知っている訳だし 勘のいいヤツは同級生だと言う事まで突き止めてるかもしれねぇ~」
(そうだ僕は散々この学校は母校だと言って来た 今さら隠すことは出来ない)
「まぁ~そうなったら 正直に同級生だと言うしかねぇ~よなぁ~ でもバレたところであと少しだろう・・・」
吉田先生に言われた言葉に僕は納得してしまった
(そうだ 僕はあと4日あと4日で教育実習が終わってしまう 何かもっと僕に出来る事は・・・)
僕は放課後いろいろな部活を見学して回った
(みんな頑張ってるなぁ~)
僕に気が付いて手を振ってくれる生徒達も居た
「あっ高橋先生」
そう言って声をかけてくれた生徒は 僕がこの間2年生の教室へ行った時に話をした女生徒だった
「君はバレーボール部だったんだね」
「先生も一緒にやる?」
「えっ僕ムリ・・・」
そう言ったとたん女生徒は笑い出した
「先生じゃ~見てて・・・」
僕は女生徒にうなづき 1年生が僕に手を振ってくれた
女生徒は凄く高く飛んでボールを打ち込んでいた
僕は女生徒と目が合い手を振って体育館を出た
(凄く高く飛んでた 練習を重ねたらあんなに高く飛べる様になるんだなぁ~)
僕は吉田先生が顧問をしている卓球部へと顔を出した
「あっ高橋先生」
狭いホールで行われている卓球部
その生徒の声が響き ほぼ全員が僕の方を向いていた
「高橋先生ちょうどいい所へ」
そう言って吉田先生は僕を手招きしていた
吉田先生は手を顔に付け 僕に小さな声でこう言った
「ちょっと助けろ」
吉田先生はそう言って大きな声を出した
「高橋先生が小暮と試合をしてくれるそうだ 小暮こっちへ」
そう言って小暮と言う生徒が みんなの中から出て来て吉田先生の隣へ
「吉田先生僕ムリですよ 学校の授業でやった時以来ですよ卓球は僕・・・」
「いいから大丈夫だ あっ高橋先生上着とネクタイははずした方がいい 邪魔になるからなぁ~」
小暮と言う生徒は小柄で2年生らしく みんなが応援していた
一方僕は上着を脱ぎネクタイをはずし 袖のボタンをはずして腕をまくった
(何でこうなった?僕が試合? 卓球ってどうやって打つんだっけ・・・)
僕は卓球台の前に立ち ラケットを持ち近くに居た生徒に持ち方を聞いていた
(吉田先生は僕が体育は苦手だと言う事は知っているはずなのに・・・)
僕の意思とは関係なく 卓球の玉が僕へと飛んで来た
僕はびっくりして 大きくラケットを振ってしまった
玉は小暮君の頭の上を通過していった
生徒達の応援もあり 小暮君は見る見る笑顔になった
反対に僕は左右にボールを振られて負けてしまい
生徒達は小暮君の所へと集まり大喜びだった
「高橋先生お疲れ様」
吉田先生に僕は声をかけられた
「吉田先生」
「高橋先生ありがとう 小暮は1年生が入って来て ちょっと自信を無くしていたんだよ」
「吉田先生僕お役に立てましたか」
「あぁ~見てみろよ あの嬉しそうな顔・・・」
みんなに囲まれ笑顔の小暮君がそこに居た
(僕役に立てたんだ・・・ 榎本やったよ僕・・・)
僕はラケットを卓球台へ
僕は袖を直しネクタイと上着を持った
「あっ高橋先生 みんな高橋先生に挨拶」
「ありがとうございました」
ホールいっぱいに元気な声が響いていた
僕はそのまま職員室へ 身なりを整え職員室を出た
次の日 吉田先生は何度も僕にお礼を言ってくれた
生徒達の前では言えなかった事を僕に話してくれた
小暮君は1年生と試合をしても負けてしまう事が多く
吉田先生はどうにかやる気を出させたかったと言っていた
僕が帰ってからの小暮君は 自信に満ち溢れていたと吉田先生は言っていた
あまりにも吉田先生は僕のおかげだと言うので 僕はどうしていいのかわからず
ただ恥ずかしくもあり嬉しくもあった
不思議とあれから榎本の事を聞く生徒はいなかった
とうとう教育実習最後の日となった
1年生の教室を一通り回った
中には涙を流してくれた生徒達もいた
僕はたくさんの事を学び とても良い経験が出来たと心からそう思った
校長先生からのお話も終わり 先生方に頭を下げた放課後
僕は最後にあの思い出の教室へと行ってみた
グランドでは生徒達の声が聞こえた
(ここに居るとあの頃に戻った様な気になってしまうなぁ~)
僕は気配に気付き振り向いた
「榎本」
「あっ高橋先生やっぱり居た 榎本って榎本選手の事?」
僕は思わず声に出していた 女生徒はそう言いながらどんどん僕に近づいて来た
(どうしよう・・・ 何で僕は居るはずのない榎本の名前を・・・)
「高橋先生の友達って榎本選手だったんだね クラスでもそうなんじゃないかって噂になってて 同じ歳だしね 何で高橋先生は黙ってたのみんな聞きたかったんじゃないのかなぁ~」
「そうだね うんそうかもしれない・・・ 榎本は凄いよ今も凄いけど 中学生の時から背が高くて みんなの人気者だったよ 目立たなかった僕と友達になってくれた 今までも連絡をくれるんだ」
「凄いね先生」
「僕はぜんぜん凄くなんかないんだよ」
「高橋先生は凄いよ 小暮を変えた人だよだって」
「卓球部の小暮君?」
「そう小暮ね 2年生になってからぜんぜん元気がなかったのだけど 高橋先生と試合して凄く明るくなったんだよ」
「そっかそれは良かった 僕でも役に立てたね」
僕はまたグランドに目を向けた
「君部活は・・・」
僕は振り返りそう言った
「えっだって 高橋先生今日で最後だし絶対に来ると思って 最後に話がしたかったから」
「ありがとう 僕もこの教室にもう一度来たかったんだ」
「ねぇ~高橋先生 私高橋先生みたいな彼がほしい ねぇ~先生出会えるかなぁ~」
いきなりそんな事を言われて僕は戸惑っていた
「高橋先生 高橋先生は絶対に先生になってね 約束して」
「うん 頑張るよ約束する 必ず教師なるよ」
僕の小指と女生徒の小指が結ばれた
「あっまだ名前知らなかった」
「私あすか 武藤あすか」
「武藤あすかさん 僕は教師になるし 武藤さんにも素敵な彼が出来る様に祈ってるよ」
「うん先生ありがとう またいつかどこかで・・・」
そう言って小指が離れ 武藤さんは教室を出て行った
(榎本・・・ 僕も頑張るよ)
(つづく)
僕の授業も順調に進んみ 吉田先生にも注意をされなくなって来た
そんなある日の事
「ねぇ~高橋先生って 榎本選手の事を知っている人?」
僕の授業が終わり 一番前に座って居た男子生徒に突然そう聞かれた
僕はその言葉にドキドキが止まらなかった
(どうしよう・・・ ここで知っていると答えたら 生徒達に説明をしなくちゃならない・・・)
生徒達が僕の前に集まって来てしまった
「お前ら次教室移動だろう 急いだ方がいいんじゃねぇ~のか?」
後ろから僕の授業を見ていた吉田先生が声をかけてくれた
「あっそうだヤベ~」
生徒達はそう言って僕から離れて行った
僕と吉田先生は教室を出た
「吉田先生さっきは ありがとうございました」
「この学校の有名人だからなぁ~榎本選手は 榎本選手の事を知らないヤツはこの学校は居ないだろう」
僕が困った様な顔をしていたからなのか 吉田先生は僕の顔を見た
「えっもしかして知り合い?」
「はい 同級生でした」
吉田先生は立ち止まりあたりを伺いながら 小さな声でこう言った
「高橋先生だとしたら サッカー部のヤツらや顧問の五十嵐先生には 内緒にしておいた方がいいかもしれない 目の色が変わって 高橋先生を追い回すかもしれないからなぁ~ なんたって榎本選手を憧れてるヤツらは多いからなぁ~」
僕は吉田先生にうなづき職員室へと入った
(そうなんだ榎本に憧れて・・・ そうだよね榎本はこの学校の卒業生だもん憧れるのは当然 口が裂けても友達だとか一緒に住んでるとか 絶対に言ってはダメだ・・・)
僕は大学に榎本が来た事を思い出していた
(次の日は友達に質問攻めにあった それでも大変だったのに あんな事が比ではないくらい大変な事態になる事は間違いない)
僕は肝に銘じていた
(でもまたもし生徒達に聞かれたどうしょう)
僕は不安になり吉田先生に相談をしてみた
「吉田先生さっきの話なんですが また生徒達に聞かれたら・・・」
「そうだなぁ~ 高橋先生がこの学校の母校だと言う事は皆知っている訳だし 勘のいいヤツは同級生だと言う事まで突き止めてるかもしれねぇ~」
(そうだ僕は散々この学校は母校だと言って来た 今さら隠すことは出来ない)
「まぁ~そうなったら 正直に同級生だと言うしかねぇ~よなぁ~ でもバレたところであと少しだろう・・・」
吉田先生に言われた言葉に僕は納得してしまった
(そうだ 僕はあと4日あと4日で教育実習が終わってしまう 何かもっと僕に出来る事は・・・)
僕は放課後いろいろな部活を見学して回った
(みんな頑張ってるなぁ~)
僕に気が付いて手を振ってくれる生徒達も居た
「あっ高橋先生」
そう言って声をかけてくれた生徒は 僕がこの間2年生の教室へ行った時に話をした女生徒だった
「君はバレーボール部だったんだね」
「先生も一緒にやる?」
「えっ僕ムリ・・・」
そう言ったとたん女生徒は笑い出した
「先生じゃ~見てて・・・」
僕は女生徒にうなづき 1年生が僕に手を振ってくれた
女生徒は凄く高く飛んでボールを打ち込んでいた
僕は女生徒と目が合い手を振って体育館を出た
(凄く高く飛んでた 練習を重ねたらあんなに高く飛べる様になるんだなぁ~)
僕は吉田先生が顧問をしている卓球部へと顔を出した
「あっ高橋先生」
狭いホールで行われている卓球部
その生徒の声が響き ほぼ全員が僕の方を向いていた
「高橋先生ちょうどいい所へ」
そう言って吉田先生は僕を手招きしていた
吉田先生は手を顔に付け 僕に小さな声でこう言った
「ちょっと助けろ」
吉田先生はそう言って大きな声を出した
「高橋先生が小暮と試合をしてくれるそうだ 小暮こっちへ」
そう言って小暮と言う生徒が みんなの中から出て来て吉田先生の隣へ
「吉田先生僕ムリですよ 学校の授業でやった時以来ですよ卓球は僕・・・」
「いいから大丈夫だ あっ高橋先生上着とネクタイははずした方がいい 邪魔になるからなぁ~」
小暮と言う生徒は小柄で2年生らしく みんなが応援していた
一方僕は上着を脱ぎネクタイをはずし 袖のボタンをはずして腕をまくった
(何でこうなった?僕が試合? 卓球ってどうやって打つんだっけ・・・)
僕は卓球台の前に立ち ラケットを持ち近くに居た生徒に持ち方を聞いていた
(吉田先生は僕が体育は苦手だと言う事は知っているはずなのに・・・)
僕の意思とは関係なく 卓球の玉が僕へと飛んで来た
僕はびっくりして 大きくラケットを振ってしまった
玉は小暮君の頭の上を通過していった
生徒達の応援もあり 小暮君は見る見る笑顔になった
反対に僕は左右にボールを振られて負けてしまい
生徒達は小暮君の所へと集まり大喜びだった
「高橋先生お疲れ様」
吉田先生に僕は声をかけられた
「吉田先生」
「高橋先生ありがとう 小暮は1年生が入って来て ちょっと自信を無くしていたんだよ」
「吉田先生僕お役に立てましたか」
「あぁ~見てみろよ あの嬉しそうな顔・・・」
みんなに囲まれ笑顔の小暮君がそこに居た
(僕役に立てたんだ・・・ 榎本やったよ僕・・・)
僕はラケットを卓球台へ
僕は袖を直しネクタイと上着を持った
「あっ高橋先生 みんな高橋先生に挨拶」
「ありがとうございました」
ホールいっぱいに元気な声が響いていた
僕はそのまま職員室へ 身なりを整え職員室を出た
次の日 吉田先生は何度も僕にお礼を言ってくれた
生徒達の前では言えなかった事を僕に話してくれた
小暮君は1年生と試合をしても負けてしまう事が多く
吉田先生はどうにかやる気を出させたかったと言っていた
僕が帰ってからの小暮君は 自信に満ち溢れていたと吉田先生は言っていた
あまりにも吉田先生は僕のおかげだと言うので 僕はどうしていいのかわからず
ただ恥ずかしくもあり嬉しくもあった
不思議とあれから榎本の事を聞く生徒はいなかった
とうとう教育実習最後の日となった
1年生の教室を一通り回った
中には涙を流してくれた生徒達もいた
僕はたくさんの事を学び とても良い経験が出来たと心からそう思った
校長先生からのお話も終わり 先生方に頭を下げた放課後
僕は最後にあの思い出の教室へと行ってみた
グランドでは生徒達の声が聞こえた
(ここに居るとあの頃に戻った様な気になってしまうなぁ~)
僕は気配に気付き振り向いた
「榎本」
「あっ高橋先生やっぱり居た 榎本って榎本選手の事?」
僕は思わず声に出していた 女生徒はそう言いながらどんどん僕に近づいて来た
(どうしよう・・・ 何で僕は居るはずのない榎本の名前を・・・)
「高橋先生の友達って榎本選手だったんだね クラスでもそうなんじゃないかって噂になってて 同じ歳だしね 何で高橋先生は黙ってたのみんな聞きたかったんじゃないのかなぁ~」
「そうだね うんそうかもしれない・・・ 榎本は凄いよ今も凄いけど 中学生の時から背が高くて みんなの人気者だったよ 目立たなかった僕と友達になってくれた 今までも連絡をくれるんだ」
「凄いね先生」
「僕はぜんぜん凄くなんかないんだよ」
「高橋先生は凄いよ 小暮を変えた人だよだって」
「卓球部の小暮君?」
「そう小暮ね 2年生になってからぜんぜん元気がなかったのだけど 高橋先生と試合して凄く明るくなったんだよ」
「そっかそれは良かった 僕でも役に立てたね」
僕はまたグランドに目を向けた
「君部活は・・・」
僕は振り返りそう言った
「えっだって 高橋先生今日で最後だし絶対に来ると思って 最後に話がしたかったから」
「ありがとう 僕もこの教室にもう一度来たかったんだ」
「ねぇ~高橋先生 私高橋先生みたいな彼がほしい ねぇ~先生出会えるかなぁ~」
いきなりそんな事を言われて僕は戸惑っていた
「高橋先生 高橋先生は絶対に先生になってね 約束して」
「うん 頑張るよ約束する 必ず教師なるよ」
僕の小指と女生徒の小指が結ばれた
「あっまだ名前知らなかった」
「私あすか 武藤あすか」
「武藤あすかさん 僕は教師になるし 武藤さんにも素敵な彼が出来る様に祈ってるよ」
「うん先生ありがとう またいつかどこかで・・・」
そう言って小指が離れ 武藤さんは教室を出て行った
(榎本・・・ 僕も頑張るよ)
(つづく)
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