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夏休み④
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俺と忍が朝ご飯を食べていると
ドタドタと足音がして渚が俺の隣に座った
「渚 朝から騒々しいぞ・・・」
「渚ねこれから友達と出かけるの もう少し早く起きるつもりだったんだけどさぁ~」
そう言いながら渚は世話係が用意してくれた朝ご飯を食べていた
俺と忍はそんな渚を見ながら朝ご飯を食べた
俺は朝ご飯を食べ終え自分の部屋でくつろいでいると
俺の部屋のフスマが音もなくゆっくりと動いた
俺はフスマに目を向けた
「相沢・・・」
「やぁ~ 今日だろう真彦君が来るの・・・」
そう言いながら相沢は俺の前に座った
「相沢早いなぁ~」
「だって~ 真彦君が何時に来るかわからないしさぁ~ 真彦君僕が居たら驚くでしょう 真彦君の驚いた顔見たくなぁ~い? それに僕はあの家に居たくないしねぇ~」
「相沢も大変だなぁ~」
「龍ほどではないけどね」
「どういう意味だよ・・・」
「僕はこの家に来た方が楽しいしねぇ~」
相沢は嬉しそうに笑ってそう言った
「本当に大丈夫なのかよ相沢・・・」
「僕? 僕は家ではおとなしくしてるし 父親を刺激しない様に なるべく顔を合わせない様にしてるから大丈夫・・・」
相沢はいつもの様に何もなかったかの様にそう言った
「そう言えば渚は? 僕は渚に鉢合わせするんじゃないかと ちょっとひやひやしてたんだけど・・・」
「渚なら出かけたよ 友達と待ち合わせしてるって 急いで朝ご飯を食べて・・・」
「そうか~ それなら安心だ・・・」
相沢はそう言いながら俺の隣に座り直していた
「龍実はさぁ~ 僕渚の事を凄くカワイイと思ってるんだ・・・」
「はぁ~?」
俺は相沢の言葉を理解出来なかった
「相沢お前どこを見て言ってるんだよ・・・ 渚なんて頭は悪いしガサツだし 女の子って言う自覚もねぇ~し まぁ~強いて言えばヤクザの娘らしいってとこぐらいだろう・・・」
(ちょっと待て・・・ どっからそう言う発想になるんだよ 渚のどこを見てカワイイとか言えるんだ?)
「龍はさぁ~お兄ちゃん目線だからねぇ~ 渚はカワイイよ 何も壁がなく 素直だし 僕ねぇ~渚を見てると元気になるし 嫌な事もどうでも良くなるんだよ それって凄く大事な事なんじゃないかなぁ~って思うんだ・・・」
「俺には相沢が理解出来ねぇ~よ」
「またまた~ 龍だって渚のあの明るさに救われた事があるんじゃないの?」
相沢は嬉しそうに笑っていた
俺は暑い日差しが照りつける中 龍の家へと向かっていた
(結局龍個人のみやげは買えなかったなぁ~ キーホルダーでもと思ったんだけど 龍はそもそもキーホルダーなんか必要ねぇ~んだよなぁ~ 見た事ねぇ~し付けてるの鍵っ子な訳がねぇ~ 龍の家に人が居ない事なんて一度もねぇ~んだからなぁ~)
俺は紙袋におみやげのお菓子を持って龍の家へ
俺は龍の家にはもう何度も来ていて強面の人達とも
すっかり顔なじみとなりいつもの様に挨拶をして通る
俺はそんな家の龍の部屋へとたどり着いていた
龍は俺の足音で俺が来た事はわかっているのだけれど
俺は一応龍に毎回声をかけていた
「龍 俺だ入るよ・・・」
俺はそう言って龍の部屋へと入った
俺は龍の部屋へと入って驚いた
龍の隣に相沢さんが座っていたからだ
「やぁ~真彦君久しぶりだね」
そう言って優しい笑顔を俺に向けていた
「相沢さん お久しぶりです」
俺はそう言いながら2人の前へと座った
「ほら相沢 真彦が豆鉄砲くらったみてぇ~になってんだろうが・・・」
龍にそう言われて俺はますますどうしていいのかわからなくなった
「相沢 説明してやれよ・・・」
「そうだね・・・ ごめんね真彦君びっくりしたよね」
「はい」
(マジでびっくりした 龍1人だと思っていたから油断してたのもある 何で相沢さんが龍の部屋に居るんだ?)
「真彦君は相変わらず大きいねぇ~ また背が伸びた様に見えるけど・・・」
「そうですかねぇ~」
「相沢は真彦と久しぶりに会うからなぁ~」
「そうだね それはあるかもねぇ~ 真彦君は身体も大きいからうらやましいよ僕は・・・」
「相沢 真彦が困ってるぞ・・・」
「あぁ~ ごめんね話が進まないねぇ~ だって久しぶりに会えた真彦君が 龍と仲良くしていてくれた事が僕は凄く嬉しくてねぇ~」
「相沢 いい加減にしろよなぁ~」
「あぁ~本当にごめんって・・・」
相沢さんは龍に手を合わせて笑っていた
(俺はいったい何を見せられているんだ? 龍は怒っている様にも見えるんだけど・・・ 説明って何だ? もしかして相沢さん龍の事が好きなのか?)
俺はこの場の空気を変えたくて 慌てて持っていた紙袋を龍の前に出した
「龍 おみやげ買って来たぞ渚と忍にもあげてくれ・・・ 一応忍を基準に選んだんだ 龍と渚は何でも食べられるだろう・・・ 忍はまだ小さいしアレルギーとか怖いからなぁ~」
「ありがとう真彦 忍も喜ぶ・・・」
そう言って龍は俺が渡したおみやげを受け取った
「真彦君家族旅行へ行ってたんだってね 楽しかったかい?」
「そうですね 普段とは違う景色に癒された事は事実ですね」
「真彦君もリフレッシュ出来たんだね うらやましい・・・ 僕は今高校2年生になってねぇ~ 部活も楽しくやってるよ 真彦君前に僕が将来の話をした事は覚えてくれているかなぁ~?」
「あっはい 相沢さんが警察官になりたいって言っていた事ですよねぇ~」
「嬉しいねぇ~真彦君覚えていてくれてたんだねぇ~」
相沢さんは嬉しそうに笑っていた
(相沢さんは本気みたいだったって龍も言ってたし・・・)
「真彦君も知ってる通り 僕の家も龍と同じくヤクザと言われる家なんだ 僕は小さな頃からずっと思っていたんだよいつか変えてやるってね・・・ 僕の不注意で父親に僕のしようとしていた事がバレてしまってね・・・」
「えー 大丈夫なんですか?」
「僕は父親に殴られたよ」
「まぁ~オヤジさんにしてみたら とんでもない事を相沢はしようとしてるんだからなぁ~ しかも実の息子がなぁ~」
龍の言葉に俺は納得していた
(そうだよなぁ~ 父親としては相沢さんに跡を継いでほしいよなぁ~)
「でも 父親に殴られたからといって僕の決意は変わらない」
「でも相沢さん今一緒に暮らしてるんですよねぇ~?」
「うん・・・ 心配してくれてありがとう真彦君 なるべく父親とは顔を合わせない様にしてる それに高校を卒業したら僕は警察学校へ行く それまでの今は我慢なんだよ」
(相沢さんは明るく話をしてるけど 家の中はどうなんだろう? 相沢さんは家では1人なんじゃないだろうか・・・)
「ところで真彦君」
「はい」
「今度は真彦君の話をしようか 真彦君は龍と同じ高校へ行くんだってねぇ~?」
龍と相沢さんの視線が俺に向けられた
「あっはい」
「実は龍に真彦君を説得してくれって言われてねぇ~ 真彦君が龍と同じ高校へ行きたい理由があれば 僕に教えてくれるかい?」
相沢さんは優しい口調で俺にそう言った
「俺は龍とずっと一緒だった だから高校も龍と一緒がいいと思って・・・」
「だよねぇ~」
「はぁ~?」
俺よりも先に龍が声を出していた
「相沢お前何の為に今日はここへ来たんだよ・・・」
龍は明らかに怒っていた
「だって龍 僕も真彦君の言う事に賛成なんだもん・・・ 龍だって真彦君が一緒だと嬉しいって言ってたよねぇ~?」
相沢さんはそう言って龍の顔をのぞき込んでいた
「バカ相沢余計な事を言うな・・・」
龍はそう言って違う方を向いていた
(龍が嬉しい・・・)
「真彦君龍はね 君の将来を案じているんだよ でも僕も考えてみたんだけどさぁ~ 偏差値の低い所で常に最高の成績だったら 先生からの評価もそれはそれは高いよねぇ~ 進学するにしろ就職するにしろ優位なんじゃない?」
(そんな風に思った事はなかった ただ俺は龍と離れる事が嫌だったんだ・・・)
(そんな考え方もあるのかよ・・・ それなら真彦にとってはいいのか?)
俺と龍はお互いに目を合わせていた
「真彦は本当にいいのかよ久下沼で・・・」
「俺は龍と一緒ならどこでもいいんだ・・・」
「後悔するなよ」
「俺は龍と離れる事の方が後悔するよ」
「いいねぇ~ 大人になっても変わらないでほしいなぁ~」
「相沢 何じじくせぇ~事言ってんだよ」
「えー僕 龍と二つしか変わらないんだけど・・・」
「相沢のいい方がじじくせぇ~って言ってんだよ」
龍をこれ以上怒らせない為に 俺は2人に目を向けた
「でもさぁ~ 実際受験生って何を勉強すればいいんだか わからない所ありませんか? 相沢さんは何を勉強してました?」
「そうなんだよね テスト範囲が決まってる訳じゃ~ないし どこが出るのかもわからない 過去の問題から探っていくしかないんだよ」
「そうなんですか・・・」
「真彦は別に受験勉強をする必要はねぇ~と思うぞ・・・」
「えー どうしてそんな事が言えるんだよ」
「言ったろ・・・ 久下沼は渚レベルでも入れるんだぞ・・・」
「えっ龍 渚ってそんなに悪くなってるの?」
俺ではなく相沢さんがびっくりしていた
「渚は相沢のセイだって言ってるが自業自得だ・・・」
「僕は渚に悪い事をしたね」
「だから相沢は悪くねぇ~んだよ」
「何で渚は勉強しなかったんだろう・・・」
俺は疑問に思ってそう言った
「完全に相沢任せにしてるからそうなるんだ 少しは反省して自分でやらせねぇ~となぁ~」
「僕を頼るなんてカワイイんだ渚は・・・」
「甘やかすなよ相沢・・・」
「いや~ そう言うところが本当にカワイイんだよ」
「相沢を俺は理解出来ねぇ~よ真彦・・・」
そう言って龍は両手を俺の方へと伸ばし
顔をテーブルの上にのせ俺の方に視線を向けた
(龍の視線を俺はどうすればいいんだよ その視線は反則って言うものなのでは・・・)
(つづく)
ドタドタと足音がして渚が俺の隣に座った
「渚 朝から騒々しいぞ・・・」
「渚ねこれから友達と出かけるの もう少し早く起きるつもりだったんだけどさぁ~」
そう言いながら渚は世話係が用意してくれた朝ご飯を食べていた
俺と忍はそんな渚を見ながら朝ご飯を食べた
俺は朝ご飯を食べ終え自分の部屋でくつろいでいると
俺の部屋のフスマが音もなくゆっくりと動いた
俺はフスマに目を向けた
「相沢・・・」
「やぁ~ 今日だろう真彦君が来るの・・・」
そう言いながら相沢は俺の前に座った
「相沢早いなぁ~」
「だって~ 真彦君が何時に来るかわからないしさぁ~ 真彦君僕が居たら驚くでしょう 真彦君の驚いた顔見たくなぁ~い? それに僕はあの家に居たくないしねぇ~」
「相沢も大変だなぁ~」
「龍ほどではないけどね」
「どういう意味だよ・・・」
「僕はこの家に来た方が楽しいしねぇ~」
相沢は嬉しそうに笑ってそう言った
「本当に大丈夫なのかよ相沢・・・」
「僕? 僕は家ではおとなしくしてるし 父親を刺激しない様に なるべく顔を合わせない様にしてるから大丈夫・・・」
相沢はいつもの様に何もなかったかの様にそう言った
「そう言えば渚は? 僕は渚に鉢合わせするんじゃないかと ちょっとひやひやしてたんだけど・・・」
「渚なら出かけたよ 友達と待ち合わせしてるって 急いで朝ご飯を食べて・・・」
「そうか~ それなら安心だ・・・」
相沢はそう言いながら俺の隣に座り直していた
「龍実はさぁ~ 僕渚の事を凄くカワイイと思ってるんだ・・・」
「はぁ~?」
俺は相沢の言葉を理解出来なかった
「相沢お前どこを見て言ってるんだよ・・・ 渚なんて頭は悪いしガサツだし 女の子って言う自覚もねぇ~し まぁ~強いて言えばヤクザの娘らしいってとこぐらいだろう・・・」
(ちょっと待て・・・ どっからそう言う発想になるんだよ 渚のどこを見てカワイイとか言えるんだ?)
「龍はさぁ~お兄ちゃん目線だからねぇ~ 渚はカワイイよ 何も壁がなく 素直だし 僕ねぇ~渚を見てると元気になるし 嫌な事もどうでも良くなるんだよ それって凄く大事な事なんじゃないかなぁ~って思うんだ・・・」
「俺には相沢が理解出来ねぇ~よ」
「またまた~ 龍だって渚のあの明るさに救われた事があるんじゃないの?」
相沢は嬉しそうに笑っていた
俺は暑い日差しが照りつける中 龍の家へと向かっていた
(結局龍個人のみやげは買えなかったなぁ~ キーホルダーでもと思ったんだけど 龍はそもそもキーホルダーなんか必要ねぇ~んだよなぁ~ 見た事ねぇ~し付けてるの鍵っ子な訳がねぇ~ 龍の家に人が居ない事なんて一度もねぇ~んだからなぁ~)
俺は紙袋におみやげのお菓子を持って龍の家へ
俺は龍の家にはもう何度も来ていて強面の人達とも
すっかり顔なじみとなりいつもの様に挨拶をして通る
俺はそんな家の龍の部屋へとたどり着いていた
龍は俺の足音で俺が来た事はわかっているのだけれど
俺は一応龍に毎回声をかけていた
「龍 俺だ入るよ・・・」
俺はそう言って龍の部屋へと入った
俺は龍の部屋へと入って驚いた
龍の隣に相沢さんが座っていたからだ
「やぁ~真彦君久しぶりだね」
そう言って優しい笑顔を俺に向けていた
「相沢さん お久しぶりです」
俺はそう言いながら2人の前へと座った
「ほら相沢 真彦が豆鉄砲くらったみてぇ~になってんだろうが・・・」
龍にそう言われて俺はますますどうしていいのかわからなくなった
「相沢 説明してやれよ・・・」
「そうだね・・・ ごめんね真彦君びっくりしたよね」
「はい」
(マジでびっくりした 龍1人だと思っていたから油断してたのもある 何で相沢さんが龍の部屋に居るんだ?)
「真彦君は相変わらず大きいねぇ~ また背が伸びた様に見えるけど・・・」
「そうですかねぇ~」
「相沢は真彦と久しぶりに会うからなぁ~」
「そうだね それはあるかもねぇ~ 真彦君は身体も大きいからうらやましいよ僕は・・・」
「相沢 真彦が困ってるぞ・・・」
「あぁ~ ごめんね話が進まないねぇ~ だって久しぶりに会えた真彦君が 龍と仲良くしていてくれた事が僕は凄く嬉しくてねぇ~」
「相沢 いい加減にしろよなぁ~」
「あぁ~本当にごめんって・・・」
相沢さんは龍に手を合わせて笑っていた
(俺はいったい何を見せられているんだ? 龍は怒っている様にも見えるんだけど・・・ 説明って何だ? もしかして相沢さん龍の事が好きなのか?)
俺はこの場の空気を変えたくて 慌てて持っていた紙袋を龍の前に出した
「龍 おみやげ買って来たぞ渚と忍にもあげてくれ・・・ 一応忍を基準に選んだんだ 龍と渚は何でも食べられるだろう・・・ 忍はまだ小さいしアレルギーとか怖いからなぁ~」
「ありがとう真彦 忍も喜ぶ・・・」
そう言って龍は俺が渡したおみやげを受け取った
「真彦君家族旅行へ行ってたんだってね 楽しかったかい?」
「そうですね 普段とは違う景色に癒された事は事実ですね」
「真彦君もリフレッシュ出来たんだね うらやましい・・・ 僕は今高校2年生になってねぇ~ 部活も楽しくやってるよ 真彦君前に僕が将来の話をした事は覚えてくれているかなぁ~?」
「あっはい 相沢さんが警察官になりたいって言っていた事ですよねぇ~」
「嬉しいねぇ~真彦君覚えていてくれてたんだねぇ~」
相沢さんは嬉しそうに笑っていた
(相沢さんは本気みたいだったって龍も言ってたし・・・)
「真彦君も知ってる通り 僕の家も龍と同じくヤクザと言われる家なんだ 僕は小さな頃からずっと思っていたんだよいつか変えてやるってね・・・ 僕の不注意で父親に僕のしようとしていた事がバレてしまってね・・・」
「えー 大丈夫なんですか?」
「僕は父親に殴られたよ」
「まぁ~オヤジさんにしてみたら とんでもない事を相沢はしようとしてるんだからなぁ~ しかも実の息子がなぁ~」
龍の言葉に俺は納得していた
(そうだよなぁ~ 父親としては相沢さんに跡を継いでほしいよなぁ~)
「でも 父親に殴られたからといって僕の決意は変わらない」
「でも相沢さん今一緒に暮らしてるんですよねぇ~?」
「うん・・・ 心配してくれてありがとう真彦君 なるべく父親とは顔を合わせない様にしてる それに高校を卒業したら僕は警察学校へ行く それまでの今は我慢なんだよ」
(相沢さんは明るく話をしてるけど 家の中はどうなんだろう? 相沢さんは家では1人なんじゃないだろうか・・・)
「ところで真彦君」
「はい」
「今度は真彦君の話をしようか 真彦君は龍と同じ高校へ行くんだってねぇ~?」
龍と相沢さんの視線が俺に向けられた
「あっはい」
「実は龍に真彦君を説得してくれって言われてねぇ~ 真彦君が龍と同じ高校へ行きたい理由があれば 僕に教えてくれるかい?」
相沢さんは優しい口調で俺にそう言った
「俺は龍とずっと一緒だった だから高校も龍と一緒がいいと思って・・・」
「だよねぇ~」
「はぁ~?」
俺よりも先に龍が声を出していた
「相沢お前何の為に今日はここへ来たんだよ・・・」
龍は明らかに怒っていた
「だって龍 僕も真彦君の言う事に賛成なんだもん・・・ 龍だって真彦君が一緒だと嬉しいって言ってたよねぇ~?」
相沢さんはそう言って龍の顔をのぞき込んでいた
「バカ相沢余計な事を言うな・・・」
龍はそう言って違う方を向いていた
(龍が嬉しい・・・)
「真彦君龍はね 君の将来を案じているんだよ でも僕も考えてみたんだけどさぁ~ 偏差値の低い所で常に最高の成績だったら 先生からの評価もそれはそれは高いよねぇ~ 進学するにしろ就職するにしろ優位なんじゃない?」
(そんな風に思った事はなかった ただ俺は龍と離れる事が嫌だったんだ・・・)
(そんな考え方もあるのかよ・・・ それなら真彦にとってはいいのか?)
俺と龍はお互いに目を合わせていた
「真彦は本当にいいのかよ久下沼で・・・」
「俺は龍と一緒ならどこでもいいんだ・・・」
「後悔するなよ」
「俺は龍と離れる事の方が後悔するよ」
「いいねぇ~ 大人になっても変わらないでほしいなぁ~」
「相沢 何じじくせぇ~事言ってんだよ」
「えー僕 龍と二つしか変わらないんだけど・・・」
「相沢のいい方がじじくせぇ~って言ってんだよ」
龍をこれ以上怒らせない為に 俺は2人に目を向けた
「でもさぁ~ 実際受験生って何を勉強すればいいんだか わからない所ありませんか? 相沢さんは何を勉強してました?」
「そうなんだよね テスト範囲が決まってる訳じゃ~ないし どこが出るのかもわからない 過去の問題から探っていくしかないんだよ」
「そうなんですか・・・」
「真彦は別に受験勉強をする必要はねぇ~と思うぞ・・・」
「えー どうしてそんな事が言えるんだよ」
「言ったろ・・・ 久下沼は渚レベルでも入れるんだぞ・・・」
「えっ龍 渚ってそんなに悪くなってるの?」
俺ではなく相沢さんがびっくりしていた
「渚は相沢のセイだって言ってるが自業自得だ・・・」
「僕は渚に悪い事をしたね」
「だから相沢は悪くねぇ~んだよ」
「何で渚は勉強しなかったんだろう・・・」
俺は疑問に思ってそう言った
「完全に相沢任せにしてるからそうなるんだ 少しは反省して自分でやらせねぇ~となぁ~」
「僕を頼るなんてカワイイんだ渚は・・・」
「甘やかすなよ相沢・・・」
「いや~ そう言うところが本当にカワイイんだよ」
「相沢を俺は理解出来ねぇ~よ真彦・・・」
そう言って龍は両手を俺の方へと伸ばし
顔をテーブルの上にのせ俺の方に視線を向けた
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