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七話(最終回)
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「…自殺……?」
廊下に立ち尽くし、首を傾げる。手に持ったままの首輪を見遣ると、妙な不安に駆られた。
徹底的に作り上げた密閉空間の中で、衣知は何を望んでいたのだろう。
部屋からは未だに衣知のすすり泣く声が聞こえる。
朝陽はしゃがみ込み、首輪を凝視した。
――――自殺。
それは違う。
もし命を絶つつもりだったならば、首輪を切る必要はない。
傷跡は如何見ても、自殺を示唆しているものではなかった。
まさか。
いや、きっとそうだ。
彼は逃亡を図ろうとしたのではないだろうか。
考えたくはないが結婚指輪と同じような価値を持つ首輪をあれほど無残な姿に変えてしまったのだ。
衣知はもう、自分が思っているよりも汚れてしまっているのかもしれない。
子供のようにボロボロと涙を流し、子猫のように震える衣知が脳裏を過ぎる。
衣知は、この世界に居ることで嘗ての純潔さを失い続ける。
敵は数知れず、ひっそりと住み着いているからだ。
例えばそれがテレビであったり、携帯であったり、新聞であったりする。
外部の声、隣人の些細な物音、彼の記憶の中の目、顔。
――――自分以外の全てが、彼を汚すものなのだ。
ならば、もう逃げ道はひとつしかない。
朝陽は首輪を握り締めて立ち上がると、取り憑かれたようにキッチンに向かった。
廊下に立ち尽くし、首を傾げる。手に持ったままの首輪を見遣ると、妙な不安に駆られた。
徹底的に作り上げた密閉空間の中で、衣知は何を望んでいたのだろう。
部屋からは未だに衣知のすすり泣く声が聞こえる。
朝陽はしゃがみ込み、首輪を凝視した。
――――自殺。
それは違う。
もし命を絶つつもりだったならば、首輪を切る必要はない。
傷跡は如何見ても、自殺を示唆しているものではなかった。
まさか。
いや、きっとそうだ。
彼は逃亡を図ろうとしたのではないだろうか。
考えたくはないが結婚指輪と同じような価値を持つ首輪をあれほど無残な姿に変えてしまったのだ。
衣知はもう、自分が思っているよりも汚れてしまっているのかもしれない。
子供のようにボロボロと涙を流し、子猫のように震える衣知が脳裏を過ぎる。
衣知は、この世界に居ることで嘗ての純潔さを失い続ける。
敵は数知れず、ひっそりと住み着いているからだ。
例えばそれがテレビであったり、携帯であったり、新聞であったりする。
外部の声、隣人の些細な物音、彼の記憶の中の目、顔。
――――自分以外の全てが、彼を汚すものなのだ。
ならば、もう逃げ道はひとつしかない。
朝陽は首輪を握り締めて立ち上がると、取り憑かれたようにキッチンに向かった。
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