蒼い春も、その先も、

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憂う春、君の視線

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 穂希の体には、無数の傷がある。

 痕が消えずに残っている古傷から、まだ血液が固まったばかりの真新しい傷まで、形や深さを定めずに彼の全身を覆っている。

 原因は、大半が穂希自身による自傷行為だ。

 その夥しい量の創傷は、高校生になって一人暮らしを始めてからの約一年で刻んだものだった。

 やめなければいけないという思いはあったが、それに気付いた頃には、自傷行為は既に習慣化していた。

 手首や腕、脚をカッターナイフで切り付け、自らの皮膚に熱湯をぶちまけ、薬が余れば過量服薬をし、物が無ければ壁に頭や体を打ちつけた。

 幾度も繰り返された衝動を抑える努力を始めたのは、つい最近のことだ。進級を節目に、彼はあらためて自分自身と向き合ったのだ。

 幾つかの傷は薄れてきたものの、食事をするように、夜眠りに就くように、自傷行為をしていた穂希は、時として無自覚に自身を傷つけた。
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