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花嵐に消えてゆく
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「学校でも何もないって言うから心配で……。でも佳澄先輩も何も聞いてないんですね」
葉月の語気は明らかな不安を纏っていた。
何も知らないフリをして、椿はもう一度考える素振りを見せる。そんな自分はなんて最低な人間なんだろうと、内心心苦しく思った。
「でも、佳澄先輩のような人がいて良かったです」
「え?」
「二年生になって自傷行為は酷くなっちゃったけど、多分、お兄ちゃんが高校生活を楽しめているのは、佳澄先輩が居るからだと思うから」
足元に影が落ちる。辺りには涼しげな空気が漂い、外灯が灯り始めた。どうやら、完全に日が落ちたようだ。
漸く、長話をしていた事に気付く。それは葉月も同じらしく、彼女は慌てて椿に向き直った。
「ごめんなさい、お散歩中に。また何かあったら教えてくださると嬉しいです」
互いに一礼して、葉月は足早に駆けてゆく。
椿はと言うと、自身の周りを歩き回るモカのリードを掴んだまま、動けずに居た。
葉月の語気は明らかな不安を纏っていた。
何も知らないフリをして、椿はもう一度考える素振りを見せる。そんな自分はなんて最低な人間なんだろうと、内心心苦しく思った。
「でも、佳澄先輩のような人がいて良かったです」
「え?」
「二年生になって自傷行為は酷くなっちゃったけど、多分、お兄ちゃんが高校生活を楽しめているのは、佳澄先輩が居るからだと思うから」
足元に影が落ちる。辺りには涼しげな空気が漂い、外灯が灯り始めた。どうやら、完全に日が落ちたようだ。
漸く、長話をしていた事に気付く。それは葉月も同じらしく、彼女は慌てて椿に向き直った。
「ごめんなさい、お散歩中に。また何かあったら教えてくださると嬉しいです」
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