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蒼い春も、その先も、
最終話
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痛覚の鈍った左腕に、椿の指先が触れた感覚が残っている。微かな温度を思い出すだけで、心は安心感に満たされた。
『穂希君に傷があっても無くても、ただ穂希君が居てくれるだけで良かったんだ』
いつかに聞いた椿の言葉が脳裏に浮かぶ。
リストカットをしたら、椿は怒るだろうか。もうそんなことはやめてくれと、悲しむだろうか。
――――でも、まぁ。
「見えないんだから、分かんないよね」
ぽつりと呟き、起き上がる。そして、衝動的に伸ばした手で、刃の錆びたカッターナイフを掴んだ。
皮膚を裂く度に、椿の端整な顔立ちが奇妙に歪む瞬間が蘇った。
椿にとって“変わらないもの”である為。
目の見えない椿がすぐに“朝比奈穂希”を認識する為。
椿が喜んでくれるなら、今だってこの先だって、何度でもこの身体を切り裂こう。
異質な愛で、永遠に彼と愛し合う為に。
『穂希君に傷があっても無くても、ただ穂希君が居てくれるだけで良かったんだ』
いつかに聞いた椿の言葉が脳裏に浮かぶ。
リストカットをしたら、椿は怒るだろうか。もうそんなことはやめてくれと、悲しむだろうか。
――――でも、まぁ。
「見えないんだから、分かんないよね」
ぽつりと呟き、起き上がる。そして、衝動的に伸ばした手で、刃の錆びたカッターナイフを掴んだ。
皮膚を裂く度に、椿の端整な顔立ちが奇妙に歪む瞬間が蘇った。
椿にとって“変わらないもの”である為。
目の見えない椿がすぐに“朝比奈穂希”を認識する為。
椿が喜んでくれるなら、今だってこの先だって、何度でもこの身体を切り裂こう。
異質な愛で、永遠に彼と愛し合う為に。
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