金魚のいるお手洗い

くろねずみ

文字の大きさ
3 / 8
由里香

崩壊へ

しおりを挟む
多分限界を超えていた。
記憶にない湿り気を下着に感じる。

ただトイレに行けないという状況だから我慢してるのでなく、金魚を守るために我慢しているのが感情を複雑にしてる気がしていた。
不快を超えた我慢し続ける辛さ、苦しみと金魚を守るためという大義名分からくる昂り。
昂りが性的な高揚感を引き出し身体が受け入れる体制を整えてきていた。塞がれたい。まともとは思えない興奮を振り払うのに苦心した。

この会場にいる女の子達は皆一様におしっこの水圧と戦ってはいると思う。我慢を辞めた子は1人もいない。
まだトイレで金魚が生きているのだから間違いない。
けど、エッチな欲望も我慢しているのは自分だけかもしれない。それが恥ずかしかった。

そして、今日3回目のお手洗い。
3回目だけど1回も用を足すことの出来なかったお手洗い。
心のどこかで誰かが金魚を流していることも期待していたけど、それ以上に何事もないかの様に振る舞い続けることが辛かった。
おしっこは一滴も出せないにしても、お手洗いの中では出口を押さえ、尿道に侵入してしまったおしっこを膀胱に押し戻すことができる。

風船のように膨らみきった膀胱を抱え、お手洗いに入ると音姫ではかき消せない水音が響いている。誰かがしている。
しているけど。
水音が止み、女の子が泣きながら手洗いようの流しにバケツの水を捨てる。蛇口を全開にして汚水を流す。

その光景で理解した。
彼女は今バケツにおしっこをしてたのだと。
状況が変わった。
このお手洗いを使える状況には今後100パーセントならない。
金魚を殺さずおしっこを出すことができるようになってしまったから。

パーティーが終わり、解散して、トイレを見つけるまでの気の遠くなるような時間、延々と出口を締め上げ使えるか
バケツにおしっこを出してこの苦しみから解放されるか。

別の女の子がバケツに跨った。
我慢に我慢を重ねて来たのだろう。彼女におしっこの勢いを弱める術がないようだった。
あるいは恥ずかしい時間を縮めるために勢いを強めているのかも知れない。
バケツを叩く音だけでなく、身体の中を水流が通り抜けるシューという音も聞こえる。

望めばもうすぐおしっこができる。
物心ついてからトイレ以外でおしっこをしたことはなかったし、もちろんトイレ以外の場所でしたくはない。
けど、バケツにならおしっこができる。

そして
そこを押し上げ、出口に殺到しているぬるま湯を身体に戻し、トイレを後にした。
どんなにおしっこがしたくても女の子はトイレ以外の場所でおしっこをしない。
そこを閉じ合わせていればおしっこが身体から出てしまうことはない。
この尿意はどうすることもできないけど、おしっこを出さずにいる方法は心得ている。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...