オシッコラム

トイレ史

日本開国で外国人が見た風景

いわゆる幕末。
ときの江戸幕府は開国を余儀なくされた。そして外国人が日本にやってきて記録を残した。現代人はそのおかげで当時の状況を知ることとなる。

日本人はブログ、日記の類が割と好きな民族であるため、何かしらの事件等は記録が残っている。
が、ありきたりの日常の記録はあまりない。ありきたりの日常はブログに書くようなものでないからである。

とはいえ、当時の日本人にとっての当たり前は外国人や現代人にとって当たり前でない場合も多い。
当時のトイレ事情などもそれにあたる。

開国に伴い江戸を訪れた欧米人の多くは一様に江戸の街の清潔さに驚いている。称賛もされている。

しかし、一方で立小便の多さにも驚いている。着飾った女性も溝におしっこしているが、誰も好奇の目を向けていない。と男性のみならず、女性も普通に立小便していたことが明記されている。
もちろん、切羽詰まった方が偶々したという意味でなく、当時の当たり前として、立小便が普通に行われていたという話である。

それでも清潔な街と称賛されているところを見ると、当時の日本人は立小便するときドブなどのある場所を選んでいたと考えられる。元々立小便すること前提で街づくりがされていたと考えられる。

それから明治維新。
男性は丁髷を辞め、服を洋装に改めるよう指導され、良家の女性は立小便を辞めるよう指導される。
明治時代のお嬢様学校の校則で街中での立小便の禁止が挙げられていたりもする。

文明開花。
などと言われるが、一般人の多くが文明の利器にはそれ程インパクトを感じず、肉食や髪型などの習慣に驚いたようである。

トイレもそうだが、銭湯も男女別になっておらず、外国人を驚かすことになる。

ところで、立小便が横行してはいたが、トイレ自体はあった。そして女性がトイレを使用している際、のぞく男がいたという。