気が付いたら異世界領主〜ドラゴンが降り立つ平原を管理なんてムリだよ

気が付けば平原

家を追い出されます

「これまでの様子を見てきたが、お前の魔力は殆ど無い上に成長もしない。わが家の恥だ。ゆえにジークフリートおまえは勘当する。わがアストロの名を名乗ることはまかりならん。ただのジークとして生きていくがよい」
突然父であるキンダル・ミ・アストロ子爵からの言い渡された勘当に
「わかりました。では荷物を取って来ますので、しばしお待ちください」と淡々とかえしながら部屋を出るとき
「おまえが持っているもの全て置いて行くのだ。持ち出す物は平民が着ているような物を用意してある。それに着替えて出て行くが良い」と兄であるバイカルに言われたので、
「有り難うございます。しかし、心配には及びません。自分で手に入れたい物が１着あるので」と言うと執務室をそそくさと出て自室へ向った。

自室に着くと
「ジークフリートさま本当に出ていかれるのですか？」と私専属のメイドであるカナが声を掛けてきた
「ああ。いままでありがとうな。暫くは冒険者ギルドに厄介になるけれど、そのうち王都から出るつもりだ」というと
「そうですか。じつは奥様より、もし行く当てがなければ伯父上であられるエステラント男爵様を頼る様これを預かりました」と言って一枚の羊皮紙を渡してくれた
「有り難う。後はもう準備が出来ているから大丈夫だ。もしものときは頼ると伝えてくれ。いままで世話になったね」と言うと
「いいえ、こちらこそありがとうございました。お元気で」というと部屋を出ていった。

「さて本当に必要なものはイベントリにはいっているし、これまでに隠れてためたお金が一先ず２～3日分はあるから、何時もの冒険者風の服装に着替えて裏口から出よう」とひとり言を言いながら部屋をでて裏口に向かうと直ぐ上の姉であるサルビア姉様が待っていた。
「本当に出ていくのですね」
「ハイ、お世話になりました。数日は王都に留まりますが、準備が出来次第離れようと思います」と答えたら
「カナにも聞いたと思うけれど、カイル伯父様があなたの後見人になってくださるそうよ。無理をしないで頼りなさい」そう言って送りだしてくれた。

邸を出てまずはイベントリのなかにある物を確認。


薬草：5束（メイズ草２束、カンゲルス３束）
ポーション：３本（マジックポーション１本、ヒールポーション１本、毒消ポーション１本）
採取用のナイフ２本
トメニ２０個
リム５個
冒険者ギルドカード（Eランク）
所持金1325ガル（銀貨１枚、銅貨3枚、鉄貨２３枚）

これが８歳から３年間地道に冒険者として貯めた自分の物だった。