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第三部 世界のすべて
自宅にて(藤沢) 藤沢はふと思う
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藤沢はふと思う。
――現実に基づいて書かれているこの小説だが、この中では私は「藤沢」なんだな……
勿論、実名――本名は「藤沢」ではないが、この世界では「藤沢」なんだ。
――今、「私はふと思う」ではなく「藤沢はふと思う」と書いてしまった。既に私はこの世界に取り込まれているようだ。ただの読者だったはずだが、いつの間にか登場人物になっているような……
与えられた役割はやはり経験を生かした探偵役か?
いや、この文章がそのまま使われるのなら、作者の一部でもあるのだろうか?
メタミステリとフェアミステリの融合か……
AIも面白いことを言うな……
いや、融合というか、重ね合わせかもしれない。
そうだ、今の時点では結局何もわからない。いろいろな可能性が重ね合わせの状態にある。
――ただ、この物語が閉じるとき、それは一つの真実に収束しなければいけない。
それは強くそう思う。そうでなければミステリーではないはずなので……
いや、ミステリーでないとすると……
アンチ・ミステリー?
うーん、すると……
いろいろ考えているうちに「水沼」という苗字についても考えてしまう。ここは南国だが、北国なら水は凍って氷となる。「水沼」は北国では「氷沼」となる。そうすると……
虚無への供物……
確か小説内でも鹿野信吾が言及してたな。
そもそも「水沼」という人物は実在したのだろうか?
藤沢はこうして考えていることをそのまま文章に綴っていた。
それにしても……
このWeb小説「殺人事件ライラック~」はこのあとどう展開していくのだろうか?
今書いているこれ――藤沢が書いているこの章をそのまま作者にメールで送ってみるが、果たして取り込まれるのか?
いけない、すっかり夜が明けてしまった。徹夜してしまった。
テレビを点けるとさわやかな歌が流れてきた。
世界中に今、朝が訪れてる♪
朝、月面も笑っている、とかいう歌らしい。
笑う月は狂気の象徴ではなかったのか? 令和の今ではそうではなくなったのだろうか?
そういえば、青い薔薇も……
歌と言えば、ライラックという歌もヒットしているらしい。
おかしい…… いや、可怪しい……
世界中に「今」つまり「同時に」朝が訪れることは決してない! そんなことは地学的にすぐわかるだろうに……
あ、可笑しいから笑っているのか? いや、そんなはずはないだろう……
「世界の【悪意】のすべてを一身に引き受けたような、そんな探偵小説を書くんだ」
すべて……
それは無理だ……
世界は広すぎる……
※藤沢さん、尾崎です。いただいた文章、非常に興味深く読ませてもらいました。ほぼ、そのまま、第三部の冒頭に使わせてもらいます。(ただ一部省略してます)
――現実に基づいて書かれているこの小説だが、この中では私は「藤沢」なんだな……
勿論、実名――本名は「藤沢」ではないが、この世界では「藤沢」なんだ。
――今、「私はふと思う」ではなく「藤沢はふと思う」と書いてしまった。既に私はこの世界に取り込まれているようだ。ただの読者だったはずだが、いつの間にか登場人物になっているような……
与えられた役割はやはり経験を生かした探偵役か?
いや、この文章がそのまま使われるのなら、作者の一部でもあるのだろうか?
メタミステリとフェアミステリの融合か……
AIも面白いことを言うな……
いや、融合というか、重ね合わせかもしれない。
そうだ、今の時点では結局何もわからない。いろいろな可能性が重ね合わせの状態にある。
――ただ、この物語が閉じるとき、それは一つの真実に収束しなければいけない。
それは強くそう思う。そうでなければミステリーではないはずなので……
いや、ミステリーでないとすると……
アンチ・ミステリー?
うーん、すると……
いろいろ考えているうちに「水沼」という苗字についても考えてしまう。ここは南国だが、北国なら水は凍って氷となる。「水沼」は北国では「氷沼」となる。そうすると……
虚無への供物……
確か小説内でも鹿野信吾が言及してたな。
そもそも「水沼」という人物は実在したのだろうか?
藤沢はこうして考えていることをそのまま文章に綴っていた。
それにしても……
このWeb小説「殺人事件ライラック~」はこのあとどう展開していくのだろうか?
今書いているこれ――藤沢が書いているこの章をそのまま作者にメールで送ってみるが、果たして取り込まれるのか?
いけない、すっかり夜が明けてしまった。徹夜してしまった。
テレビを点けるとさわやかな歌が流れてきた。
世界中に今、朝が訪れてる♪
朝、月面も笑っている、とかいう歌らしい。
笑う月は狂気の象徴ではなかったのか? 令和の今ではそうではなくなったのだろうか?
そういえば、青い薔薇も……
歌と言えば、ライラックという歌もヒットしているらしい。
おかしい…… いや、可怪しい……
世界中に「今」つまり「同時に」朝が訪れることは決してない! そんなことは地学的にすぐわかるだろうに……
あ、可笑しいから笑っているのか? いや、そんなはずはないだろう……
「世界の【悪意】のすべてを一身に引き受けたような、そんな探偵小説を書くんだ」
すべて……
それは無理だ……
世界は広すぎる……
※藤沢さん、尾崎です。いただいた文章、非常に興味深く読ませてもらいました。ほぼ、そのまま、第三部の冒頭に使わせてもらいます。(ただ一部省略してます)
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