8 / 23
第一章〜商店街は妖怪騒ぎの巻〜
その⑦
しおりを挟む
8
時刻は只今午後二時半頃。
町の商店街に向かうむすびちゃんは、出てくるお化けたちをえいにゃえいにゃと振り祓っていった。
「弱いからどうってことないけど、数が多いのが厄介ね…」
さっきの比ではないお化けが道を塞いでいる。
一体一体倒していくのは時間がかかりそうだ。
「ならば連続で攻撃できるこの技で…!」
むすびちゃんは大きく息を吸い込んだ。
「道を開けなさいっ!むすびちゃんのお通りよーーっ!」
「浄炎☆邪心一括!!」
何もなかったむすびちゃんの周りから複数の火の玉が現れ、次の瞬間、火の矢のように一直線に飛んで行った。
お化けに触れ、もえる。もえる。もえる。
そして一瞬で燃え尽きる。
まるで流れ星のようだ。
「火傷程度じゃ済まないわよ」
消えゆくお化けに目もくれず、ひたすら走った。
走って、走って、走った。
やがて視界が開き、町へとたどり着いていた。
もうすぐおやつの時間になるというのに、辺りはすっかり静まり返っている。
大人が消えたというのは本当だったようだ。
そして取り残された子供の姿も見当たらない。
騒ぎを聞きつけてから保護していたのでは、自分では絶対に間に合わなかっただろう。
あみだちゃん様々だ。
警戒しながら進む。
そして商店街の入口へと向かった。
「なぎさ商店街」と書かれたアーチをくぐる。
見慣れた光景。
人が一人もいないことを除いては、だが。
人の気配はしない。でも、何かがいる。
人ではない“何か”が。
「…どこから調査しようかしら」
すると、声がした。
「お嬢さん、お一人ですか?」
振り返ると、女の子がいた。
まだ避難していない子供がいたのだろうか…?
女の子はにこりと笑った。
「あなたも一緒に遊びましょうよ」
「…?駄目よ。今ここは人間にとって危ないのよ。一緒に避難しましょう。あなたの他にまだ誰か―」
「人間?」
女の子はきょとんとしたのも束の間、満面の笑みを浮かべた。
「うれしい…!」
そして首をにゅるりと伸ばした。
それはそれはのびーるのびる。
一メートル、いや、二メートル以上はあるだろうか。
透き通るような青白い肌を紅潮させ、頬に手をやる。
「私も人間に見えるのですね!」
その姿はお世辞にも人間とは言えなかった。
時刻は只今午後二時半頃。
町の商店街に向かうむすびちゃんは、出てくるお化けたちをえいにゃえいにゃと振り祓っていった。
「弱いからどうってことないけど、数が多いのが厄介ね…」
さっきの比ではないお化けが道を塞いでいる。
一体一体倒していくのは時間がかかりそうだ。
「ならば連続で攻撃できるこの技で…!」
むすびちゃんは大きく息を吸い込んだ。
「道を開けなさいっ!むすびちゃんのお通りよーーっ!」
「浄炎☆邪心一括!!」
何もなかったむすびちゃんの周りから複数の火の玉が現れ、次の瞬間、火の矢のように一直線に飛んで行った。
お化けに触れ、もえる。もえる。もえる。
そして一瞬で燃え尽きる。
まるで流れ星のようだ。
「火傷程度じゃ済まないわよ」
消えゆくお化けに目もくれず、ひたすら走った。
走って、走って、走った。
やがて視界が開き、町へとたどり着いていた。
もうすぐおやつの時間になるというのに、辺りはすっかり静まり返っている。
大人が消えたというのは本当だったようだ。
そして取り残された子供の姿も見当たらない。
騒ぎを聞きつけてから保護していたのでは、自分では絶対に間に合わなかっただろう。
あみだちゃん様々だ。
警戒しながら進む。
そして商店街の入口へと向かった。
「なぎさ商店街」と書かれたアーチをくぐる。
見慣れた光景。
人が一人もいないことを除いては、だが。
人の気配はしない。でも、何かがいる。
人ではない“何か”が。
「…どこから調査しようかしら」
すると、声がした。
「お嬢さん、お一人ですか?」
振り返ると、女の子がいた。
まだ避難していない子供がいたのだろうか…?
女の子はにこりと笑った。
「あなたも一緒に遊びましょうよ」
「…?駄目よ。今ここは人間にとって危ないのよ。一緒に避難しましょう。あなたの他にまだ誰か―」
「人間?」
女の子はきょとんとしたのも束の間、満面の笑みを浮かべた。
「うれしい…!」
そして首をにゅるりと伸ばした。
それはそれはのびーるのびる。
一メートル、いや、二メートル以上はあるだろうか。
透き通るような青白い肌を紅潮させ、頬に手をやる。
「私も人間に見えるのですね!」
その姿はお世辞にも人間とは言えなかった。
1
あなたにおすすめの小説
オバケの謎解きスタンプラリー
綾森れん
児童書・童話
第3回きずな児童書大賞 奨励賞をいただきました! ありがとうございます!
――七不思議を順番にめぐると、最後の不思議「大階段踊り場の鏡」に知らない自分の姿が映るんだって。
小学六年生の結菜(ユイナ)が通う三日月(みかづき)小学校では、そんな噂がささやかれていた。
結菜は難関中学に合格するため、塾の夏期講習に通って勉強に励んでいる。
だが一方で、自分の将来にひそかな期待と不安をいだいてもいた。
知らない自分を知りたい結菜は、家族が留守にする夏休みのある夜、幼なじみの夏希(ナツキ)とともに七不思議めぐりを決意する。
苦労して夜の学校に忍び込んだ二人だが、出会うのは個性豊かなオバケたちばかり。
いまいち不真面目な二宮金次郎のブロンズ像から、二人はスタンプラリーの台紙を渡され、ルールを説明される。
「七不思議の謎を解けばスタンプがもらえる。順番に六つスタンプを集めて大階段の鏡のところへ持って行くと、君の知らない君自身が映し出されるんだ」
結菜と夏希はオバケたちの謎を解いて、スタンプを集められるのか?
そして大階段の鏡は二人に何を教えてくれるのか?
思春期に足を踏み入れたばかりの少女が、心の奥底に秘めた想いに気付いてゆく物語です。
まぼろしのミッドナイトスクール
木野もくば
児童書・童話
深夜0時ちょうどに突然あらわれる不思議な学校。そこには、不思議な先生と生徒たちがいました。飼い猫との最後に後悔がある青年……。深い森の中で道に迷う少女……。人間に恋をした水の神さま……。それぞれの道に迷い、そして誰かと誰かの想いがつながったとき、暗闇の空に光る星くずの方から学校のチャイムが鳴り響いてくるのでした。
パンティージャムジャムおじさん
KOU/Vami
児童書・童話
夜の街に、歌いながら歩く奇妙なおじさんが現れる。
口癖は「パラダイス~☆♪♡」――名乗る名は「パンティージャムジャムおじさん」。
子供たちは笑いながら彼の後についていき、歌を真似し、踊り、列は少しずつ長くなる。
そして翌朝、街は初めて気づく。昨夜の歌が、ただの遊びではなかったことに。
笑いの授業
ひろみ透夏
児童書・童話
大好きだった先先が別人のように変わってしまった。
文化祭前夜に突如始まった『笑いの授業』――。
それは身の毛もよだつほどに怖ろしく凄惨な課外授業だった。
伏線となる【神楽坂の章】から急展開する【高城の章】。
追い詰められた《神楽坂先生》が起こした教師としてありえない行動と、その真意とは……。
星降る夜に落ちた子
千東風子
児童書・童話
あたしは、いらなかった?
ねえ、お父さん、お母さん。
ずっと心で泣いている女の子がいました。
名前は世羅。
いつもいつも弟ばかり。
何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。
ハイキングなんて、来たくなかった!
世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。
世羅は滑るように落ち、気を失いました。
そして、目が覚めたらそこは。
住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。
気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。
二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。
全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。
苦手な方は回れ右をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。
石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!
こちらは他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる