けうけう!

浜浦うらら

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第一章〜商店街は妖怪騒ぎの巻〜

その⑦

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時刻は只今午後二時半頃。
町の商店街に向かうむすびちゃんは、出てくるお化けたちをえいにゃえいにゃと振り祓っていった。

「弱いからどうってことないけど、数が多いのが厄介やっかいね…」

さっきの比ではないお化けが道をふさいでいる。
一体一体倒していくのは時間がかかりそうだ。

「ならば連続で攻撃できるこの技で…!」

むすびちゃんは大きく息を吸い込んだ。

「道を開けなさいっ!むすびちゃんのお通りよーーっ!」
浄炎じょうえん邪心一括じゃしんいっかつ!!」

何もなかったむすびちゃんの周りから複数の火の玉が現れ、次の瞬間、火の矢のように一直線に飛んで行った。
お化けに触れ、もえる。もえる。もえる。
そして一瞬で燃え尽きる。
まるで流れ星のようだ。

火傷やけど程度じゃ済まないわよ」

消えゆくお化けに目もくれず、ひたすら走った。
走って、走って、走った。
やがて視界が開き、町へとたどり着いていた。
もうすぐおやつの時間になるというのに、辺りはすっかり静まり返っている。
大人が消えたというのは本当だったようだ。
そして取り残された子供の姿も見当たらない。
騒ぎを聞きつけてから保護していたのでは、自分では絶対に間に合わなかっただろう。
あみだちゃん様々だ。
警戒しながら進む。
そして商店街の入口へと向かった。
「なぎさ商店街」と書かれたアーチをくぐる。
見慣れた光景。
人が一人もいないことを除いては、だが。
人の気配はしない。でも、何かがいる。
人ではない“何か”が。

「…どこから調査しようかしら」

すると、声がした。

「お嬢さん、お一人ですか?」

振り返ると、女の子がいた。
まだ避難していない子供がいたのだろうか…?
女の子はにこりと笑った。

「あなたも一緒に遊びましょうよ」
「…?駄目よ。今ここは人間にとって危ないのよ。一緒に避難しましょう。あなたの他にまだ誰か―」
「人間?」

女の子はきょとんとしたのも束の間、満面の笑みを浮かべた。

「うれしい…!」

そして首をにゅるりと伸ばした。
それはそれはのびーるのびる。
一メートル、いや、二メートル以上はあるだろうか。
透き通るような青白い肌を紅潮こうちょうさせ、頬に手をやる。

「私も人間に見えるのですね!」

その姿はお世辞せじにも人間とは言えなかった。
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