けうけう!

浜浦うらら

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第一章〜商店街は妖怪騒ぎの巻〜

その⑩

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鬼ごっこ。
「鬼」から触れられないように逃げる、子供の定番の遊びだ。
こおり鬼やいろ鬼などの派生した遊びもあり、ルールも様々。
昔はよくやっていた。
が。
まさか久しぶりにやる鬼ごっこが妖怪と一緒とは、思いもしなかった。
一応、鬼ごっこの実力には自信がある。
自慢じまんじゃないが、一日一度も鬼に捕まらずに過ごしたこともあるのだ。
ただ、それは果たして妖怪相手に通用するのだろうか?

(意図は全く謎だけど…腐っても妖怪。鬼ごっことはいえ、どんな手を使ってくるか分からない。きっとこれは|一筋
縄《ひとすじなわ》ではいかないわね…)

角を曲がるとさっきのろくろ首がいた。

「見つけたー⁉」
「見つかっちゃいましたー!」

ろくろ首はこちらに背を向けて、嬉しそうに走り出した。
それを追いかける。

(いざとなったらこれで…)

お祓い棒を握る手をさらに強める。

(さて、ここからどう動くか…)

ろくろ首の走る速度はあまり速くない。

(多分まだ本気を出してないだけで…)

距離はどんどん縮まっていく。

(一筋縄では…)

そして簡単に捕まった。

「捕まっちゃいましたー!」
「早くない⁉」

もしかして、余裕なのではと思ってしまった。

「まあいいわ。あなたたちはどうしてこんなことをしたの!町の大人たちを返しなさい!」
「ごめんなさい。残念ですが、私にはどうすることもできません。このメンバーの中で一番弱いのですもの」
「そんなぁ」
「でも、」

長かった首を短くし、目線を合わせる。
ろくろ首は目をうるませ、静かに言った。

「人間と遊べて楽しかった…本当に楽しかったです。ありがとうございました」

むすびちゃんの手を握る。
ひんやりと冷たい。
なのに、温もりを感じる。
やがて手を離すとお辞儀じぎをし、どこかへ去っていった。

「…え?」

むすびちゃんはしばらく呆然ぼうぜんとしていたが、気を取り直し、他の妖怪たちを探しに行くことにした。
残り五体。
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