転生したら鎧だった〜リビングアーマーになったけど弱すぎるので、ダンジョンをさまよってパーツを集め最強を目指します

三門鉄狼

文字の大きさ
103 / 286
第3章 絶海の孤島ダンジョン編

88 鋼のゴブリン娘

しおりを挟む
 俺たちを助けてくれたゴブリン娘のラファ。
 彼女は左腕の付け根から義手を装着していた。

 金属のようにも見えるし、石のようにも見える不思議な材質だ。
 サイズは俺の――つまり鎧の腕より少し大きいくらい。
 彼女の生身の腕と比べると二倍以上のサイズだ。

 すごく不釣り合い。
 どう考えても、彼女のために作られたものじゃないだろう。

「それはなに?」

 ロロコの問いに、ラファはその巨大な腕を持ち上げて答える。

「よくわかんない。昔拾った」

 いやいやいやいや!
 義手ってそういうもんじゃないでしょ?

「ダイヤモンド・ワームに腕を食われちゃったことがあってさ。そのとき偶然見つけたこれが、なんか肩にくっついたんだよね。それ以来ずっと、役に立ってくれてるんだ」

 謎すぎる……。
 あと、さらっと腕食われたとか言ってるのすげえな。

「ラファはずっと洞窟で暮らしてるの?」

 とロロコ。

「うん。あたしらゴブリンはだいたいこの辺で暮らしてる」
〈ほかのゴブリンと一緒に暮らしはしないのか?〉
「んー、あたし、人間の血が混じってるからね。それにあいつら、悪いやつじゃないんだけど、乱暴だし、あたしのこと襲ってくるからさ」

 それは悪い奴なのでは……?

「ゴブリンはメス――失礼。女性に比べて男性の比率がかなり高い種族なんです。だから機会を逃さず交尾――性行為を行おうとするし、他種族を襲ったりもします」

 とアルメル。

 なるほど。
 ロロコやアルメルに対する態度もそれが理由か。

「まーでもこの腕があれば困んないからさ」

〈そうだ。さっきの攻撃は、この腕から出てきたのか?〉

「うん、そうだよー。こうやってね」

 とラファは義手を構える。
 見ていると、ガション、と音がして腕の真ん中あたりで折れ曲がった。
 その中には、大砲みたいな形の武器がある。

 なんだそれ、すげえ!
 かっけえ!

 ……っと、いけねいけね。
 テンション上げすぎるのはよくないな。
 ここはダンジョンの中だ。
 いつ危険に襲われるともわからないし――

「うおおおおおおおお! すごおおおおい! ちょ、ちょちょ、ちょっと見せてもらっていいですかね!」

 あのー、アルメルさん……?

「うわーすごい! オリハルコン製? この耐久度は現代でも再現できないレベル……軽っ! なんでこの軽さでこの構造を維持できるの? 接合部は……なにこれどういう仕組み? うわー! うわー! うわー!」

「ちょ、ちょっとくすぐったいよ」

 さすがにラファが逃げた。
 服を剥いで全身まさぐり回しそうな勢いだもんな。

「あ、ご、ごめんなさい」

 アルメルさん、真っ赤になって反省である。
 ついでになぜかその場に正座してかしこまる。

「でも本当にすごいものですよ、それ」

〈けっきょくなんなんだ?〉

「ゴーレムのパーツなんじゃないでしょうか」

 ゴーレム!
 そういうのもあるのか!

「ゴーレム?」
「なにそれ?」

 ロロコとラファは知らないらしく首を傾げる。
 アルメルが説明する。

「ゴーレムとは、土や石や金属などで作った人形に魔力を付与することで動かす人工生命体です。現代でも作ることは可能ですが、役に立つサイズで、ある程度の時間身体を維持させる技術がなく、ほぼ使われていません。魔法使いが小さな人形を偵察用に使ったりする程度ですね」

 なるほど。
 ただ石や土でそれっぽい形のものを作ってもダメなんだな。
 重いものを持てるとか、敵と戦えるとか、そういうことはできないというわけだ。

「ラファさんの腕についているようなものは伝説級の存在です。崩れることなく、人と同じように滑らかに動き、人以上の力を発揮する魔人。ヘルメスのゴーレムと呼ばれます」

 ヘルメス……。
 えーと、知ってるよ!
 あの、あれだ。

 ダンジョンの入り口にある館を作った人。

 原初の魔法使いとか呼ばれてる。

 ヘルメスさんすごいな。
 なんでも作ってるんだな。

 ……いや、これちょっと嘘くさいよな。

 大昔にいたすごい魔法使いで名前が残ってるのがヘルメス一人ってだけなんじゃない?
 だから過去の失われた技術が全部彼の手柄ってことにされてるだけなんじゃ……?

 まあ別にいいけど。

「へー、これそんなすごいものなんだ」

 で、そんなロストテクノロジーの装着者のラファはあっさりしたもんだ。

 まあ、ずっと当たり前のように使ってきた道具なんだもんな。

「よくわかんないけど、あたしにとっては獲物を狩るのにとっても便利な道具だよ」

 と、そこでロロコのお腹が「くううう」と鳴いた。
 獲物って言葉に反応した?

 そういやさっきは魔法を連発してたしなぁ。

 ラファは笑って言った。

「ちょうどいい。さっきのやつらで食事にしよう。あたしも腹が減ってたんだ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。 しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。 『ハズレスキルだ!』 同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。 そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

知力99の美少女に転生したので、孔明しながらジャンヌ・ダルクをしてみた

巫叶月良成
ファンタジー
「異世界転生して天下を統一したら元の世界に戻してあげる」 大学生の明彦(あきひこ)は火事で死亡した後、転生の女神にそう言われて異世界転生する。 だが転生したのはなんと14歳の女の子。しかも筋力1&武器装備不可! 降り立った場所は国は三国が争う中心地の激戦区で、頼みの綱のスキルは『相手の情報を調べる本』という攻撃力が皆無のサーチスキルというありさま。 とにかく生き延びるため、知識と口先で超弱小国オムカ王国に取り入り安全を確保。 そして知力と魅力を駆使――知力の天才軍師『諸葛孔明』&魅力の救国の乙女『ジャンヌ・ダルク』となり元の世界に戻るために、兵を率いたり謀略調略なんでもして大陸制覇を目指す!! ……のはずが、女の子同士でいちゃいちゃしたり、襲われたり、恥ずかしい目にあわされたり、脱がされたり、揉まれたり、コスプレしたり、男性相手にときめいたり、元カノ(?)とすれ違ったりと全然関係ないことを色々やってたり。 お風呂回か水着回はなぜか1章に1話以上存在したりします。もちろんシリアスな場面もそれなりに。 毎日更新予定。 ※過去に別サイトで展開していたものの加筆修正版となります。

戦力より戦略。

haruhi8128
ファンタジー
【毎日更新!】 引きこもりニートが異世界に飛ばされてしまった!? とりあえず周りを見学していると自分に不都合なことばかり判明! 知識をもってどうにかしなきゃ!! ゲームの世界にとばされてしまった主人公は、周りを見学しているうちにある子と出会う。なしくずし的にパーティーを組むのだが、その正体は…!? 感想頂けると嬉しいです!   横書きのほうが見やすいかもです!(結構数字使ってるので…) 「ツギクル」のバナーになります。良ければ是非。 <a href="https://www.tugikuru.jp/colink/link?cid=40118" target="_blank"><img src="https://www.tugikuru.jp/colink?cid=40118&size=l" alt="ツギクルバナー"></a>

ダンジョン経営から始める魔王討伐のすゝめ 追放された転生ダンジョンマスターが影から行う人類救済

斑目 ごたく
ファンタジー
 異世界でドッペルゲンガーとして転生した、しがないサラリーマン古木海(ふるき かい)は、意外な事に魔王軍の中で順調に出世していた。  しかし順調であった筈の彼の生活は、あっさりと崩壊してしまう。  中央の魔王軍から辺境のど田舎へと追放されてしまった彼は、しかしそこで自らの天職とも言える立場を手に入れる。  ダンジョンマスターとしてダンジョンを運営し、こっそりと冒険者を強化することで人類を滅びの危機から救いたい彼は、恐ろしい部下達の目を盗みながら彼らの味方をしていく。  しかしそれらの行動は何故かいつも思いも寄らぬ方向へと転がっていき、その度に彼らは周りからの評価を高めていってしまう。  これは戦闘能力が皆無の主人公が、強大な力を秘める部下と恐ろしい上司の板ばさみに苦しめられながら、影から人類を救済していく物語。  毎週水・土 20:10更新です。  この作品は「小説家になろう」様にも投降されています。

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。 森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。 その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。 これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語 今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ! 競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。 まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

処理中です...