好青年の皮を被った関西人が隣に住んでます

みとの

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「げ……」


 大学の授業を終えて席を立てば、足元に違和感を覚えた。
 歩きづらいような、妙に足が地についていないような心地。歩き出すと靴底から「ぺた」と僅かな音が聞こえてくる。
 鞄に教材をしまい終えて、恐る恐る片足を上げ足裏を見た。想像通り。履いていたスニーカの底が踵からペラりとめくれ、外れそうになっていた。

 確か大学生になった頃から同じものを履いている。そう考えると三年目だ。十分履き潰した方だし、むしろこんなにも長く愛用させてくれてありがとうの気持ちである。
 汚れれば洗っていたのだが、損壊は流石に素人では直せないだろう。替えの靴はマンションに置いていただろうか。ほとんど物の入っていない靴箱の中身を思い出し、サンダルくらいしかないな、と大きなため息をついて肩を落とす。

 痛い出費だ。頭の中で今月の収入と支出のことを考え学校を出る。バスを使うのもタダではない。今日はこれからビル清掃のバイトだが、歩いて行けない距離ではないので歩いて向かう。バス待ちをする学生を尻目に、俺は靴底からペコペコ鳴る足でゆっくり歩いた。



***


 制服貸出のバイトだが、靴は自分の物を使うのが原則。
 そうなると清掃中も、例の底が取れかかっているスニーカーを履かなくてはいけない。

 流石に大手の企業やらが入り組むビル内で、このスニーカーを履いているのは気が引けた。だが替えがないので、仕方なくボロスニーカーで働く。エントランスの床拭き掃除に窓拭き、ゴミ箱の袋替え。それぞれ作業している間も靴底はペコペコしていた。

 案外乗り切れるのかと思ったが、勤続の長いパートのおばさんに見つかってしまい、叱責されてしまった。いい歳して身嗜みも整えられないの?! とエントランスの壁際、人目の多い場所でガミガミ言われてしまい肩が落ちる。行き交う人がチラチラこちらを見ている気がして、鳩尾のあたりが徐々に冷えていくのを感じながらお説教を耐え忍んだ。

 しばらく怒られた後。落ち込みゴミ袋を抱えて歩く俺に、パート仲間の女性が声をかけてくれた。

「私もよく物を買うのが面倒でね、靴の底外れそうな時はしばらくガムテープを内側から貼って耐えてたのよ」


 目つきの悪い彼女は、顔色変えず無表情で俺と話していた。慣れた手つきで俺の靴底に丸めて筒状にしたガムテープを貼ってくれる。内側から貼るので、一見このスニーカーの底が外れているなんて、誰も気づかないだろう。


 応急処置だから早く新しいの買ってね、と彼女は言ってくれた。目つきが鋭く、話しかけづらい雰囲気を持つ彼女だが、なんだかんだこの職場で俺のことを指導したり気にかけたりしてくれているのは彼女だけだった。

 ありがとうございます、と彼女が自分の仕事に戻るのを見送り、はぁぁ、とため息を吐く。スニーカー、一足幾らだったか、と。頭の中で電卓を叩いた。痛い出費だが、仕方ない。この靴はもう十分元を取っただろう。

 スニーカー代分、今日の給料分で補えるだろうか。そんなことを考えながら、階段の手すりをだんだんと階を下げながら拭いていく。その時ちょうど、階段の踊り場で電話をしている人に出くわした。


「ああ、その件でしたら先日ご連絡させて頂いた通りです。納品の日程も、変更はありません」


 綺麗な、爽やかな言葉遣い。好印象を与えるその喋りをする人を見て、ああ、と口の中に苦いコーヒーの味が広がった気がした。

 キッチリと身嗜みを整えた、野田さんだ。彼がどこの階で働いているかは知らないが、山ほど人が入るビルの中で、こんなにも簡単に会えてしまうとは。意外と世間は狭いのかもしれない。

 電話中の彼は、俺が手すりを拭いているのに気づくと、フッと口元を緩めて手を振ってくれる。それに俺は、軽く会釈をして返した。会社にいる時は、性格まで爽やかになるのか。先日マンションで会った時は、態度すらも野蛮な、怖い雰囲気になっていたことを思い出す。

 目新しい汚れも見当たらず、俺はその場をそそくさと立ち去ろうとする。わざわざ人目がないところを探してこんなところで電話していたのだろう。俺がそれの邪魔をするわけにもいかないし、何よりこの怖い人とあまり関わらないに越したことはない。

 ただのお隣さん、偶然お隣さん。

 それだけの関係でありたいがために、逃げ出すように次の階へと足を動かした。


 だがそのタイミングで、野田さんは電話を終えてしまう。


「靴、どうしたん?」


 人目のない、誰もいない空間。
 俺と野田さんだけがいるこの場で、彼は突然口調を粗野な物に変える。
 うっすら浮かんでいた口元の笑みは消え、鋭い眼光がそのままの効力で俺の体を射抜く。見つめられれば体が雷を受けたように強張り、つい緊張から変な声が出そうになった。

 だが野田さんが関西弁で訊ねてきた言葉を思い返し、え? と首を傾げる。


「靴?」
「今日バイト入ってくる時、歩き方変やったろ。靴ずっと気にしてたから、なんかあったんか思っただけ」


 バイトに入る時を見られていたのか。さっきまで全然気にしていなかったが、ここへ来るまでに変な歩き方をしていた自分を客観視してしまい、恥ずかしくなってしまう。顔から火が出るのを堪え、態とらしく「ああ!」と声を上擦らせた。


「そ、そうなんですスニーカー! 底が外れそうになってて……。さっきパートの人に応急処置してもらったんで、しばらくは大丈夫だと思います」


 変なところ見せてすみません、と照れ笑いを浮かべながら後頭部をかく。
 穴があれば入りたい。今すぐ駆けて逃げ出したい気持ちで胸の中は覆われ、むず痒い感覚につい体中を掻き毟りたくなる。


「……へぇ」


 俺の答えに、野田さんはそれだけ言って目を逸らした。特に何も言葉はなく、ちょうど彼の電話から着信音が響き始めた。


「そんじゃ、バイト残り時間頑張ってや」


 電話をとり液晶に映った相手の名前を確認しながら、野田さんは背を向け歩いていく。ひらひら力なく手を振ってくれる姿に「ありがとうございます」とだけ述べた。

 とにかく、一難は去った。彼と話す時は変に緊張してしまい、体中が凝り固まる。今もやっと緊張から解放され体の筋肉は緩み始めたが、力を入れていたせいでいろんな体の部位が筋肉痛のような痛みをともなっている。


 野田さんと会うたびにこうなるのか、と。彼の雰囲気に早く慣れなければ体が持たなくなると思い、地味に痛む肩を軽く拳で叩いた。


 ***


 深夜10時過ぎにバイトが終わる。制服から着替えてビルを出れば、ありとあらゆる路面店や商業施設はすでに閉店していた。

 そりゃそうだよな、と。ため息を吐きながらポケットからスマホを取り出す。夜遅くの時刻を知らせる液晶画面に、母親からのメッセージが一通表示されていた。


『学校どう? お金大丈夫?』


 たったそれだけの一文。いつもなら何も思わず「心配しすぎだな」と笑って返せるメッセージだけど、なんとなく今日は返事をする気になれなくて、そのまま画面を消してしまった。


 明日大学の空き時間に靴屋に行ってこよう。安物でいいし、ああでも靴擦れするのは嫌だ。どうせなら今履いてる靴と同様、長く使えるものがいい。でもそうなるとお手頃な価格では手に入らないだろう。

「ああー、くっそー!」


 次第に考えることも億劫になる。髪を両手で掻き毟り、天を仰いだ。
 おそらくきっと、疲れているのだ。最近バイトばかり入れていて、特に息抜きをする時間は設けていない。バイトが休みでも大学での課題があるし。ゆっくり休む暇がない。

 そのうえ急に身に湧いた出費に、体がストレスを訴えている。大学もバイトも、自分からやると言い出したのにこのざま。上手く回らなくなって、癇癪を起こしそうになる。

 モヤモヤとした黒い渦を胸に抱えながらマンションに到着する。今の状況で生活苦というのならバイトを増やすか、いやでもこれ以上増やす時間は今のところできない。大学の授業の空き時間に短時間のバイトを探すべきか。
 それか今住んでいるマンションよりも家賃の安い物件に引っ越すべきか。
 考えるが、最後の案には首を横に振る。大学に近くてバイト先にも近い、手ごろな物件を考えればここ以外ありえない。


 部屋の扉の前、唸りながら鞄中の鍵を探す。教材やらで埋まった鞄の奥底に手を差し込むと、隣の部屋が急に音を立てて開いた。

 ひぃ! と出かかった声を呑み、咄嗟に開いた扉とは反対側に飛び退る。


 鍵を取り出した体勢で隣を向けば、Tシャツ姿の野田さんが立っていた。扉を片手で支えながら俺を見て「おかえり」と、うっすら笑みを浮かべている。


「た、ただいま……」
「ちょっと渡したいもんあるんやけど」


 え? と俺が声を出す前に、彼は部屋の中へ引き返す。数分もしないうちに戻ってくると、片手で持った箱を俺に差し出した

 わりと大きめの箱。俺が両手で受け取らねばならないサイズなのに、野田さんは片手で持っている。手が大きいのか。そう思ってチラッと彼の手元を見た。細くて長い指が、目に入る。


「ありがとうございます……あの、これは」


 何ですか? と聞き返そうとして、箱の表面に描かれているロゴを見てギョッとした。

 有名なブランドメーカー。スニーカー部門に特化して、誰もが憧れる英語のロゴが、そこに描かれている。

 一瞬で脳内が回転し始める。その回転についていけなくなり、次第に目が回り始めた。グラっと体が横へ傾ぐ。

「あ、あの野田さん! これは一体、」
「靴屋、この時間やったらどこも閉まってたやろ。俺のお古で悪いけど、あげるわ」
「あげ?! いやそんな、貰えませんよ! こんなハイブランド!」


 俺が必死の剣幕でにじり寄る。距離を詰めたせいで野田さんは腕組みしたまま怯み仰け反った。けどすぐにフッと表情を緩めると、俺の肩に手を置いて、僅かに距離を遠ざけた。


「会社のレクリエーションの運動会で一回使っただけなんよ。汚れもないし、ただのサラリーマンやってるとスニーカーはほぼ使わんから」
「いやだからって……俺みたいなどこの馬の骨かわからない奴に渡すのはおかしいですよ……もっと他の知り合いに、」


 そう言い続けようとした瞬間。
 視界に何かが過ぎる。

 わ、と思い息を止めたと同時。
 目元にヒヤリと冷たい感触があたった。

「ここ、クマ出来てんで」


 野田さんの細い指が、俺の下瞼を撫でている。呆気にとられ、俺は固まり動けなくなった。

 わずかにカサついた指先。男の人の、頑丈な指先の感触。自分の柔な手とは似ても似つかない。
 彼が紛れもなく俺よりも年上で大人であることを物語るようなその優しい手つきに、つい心地よくなってしまう。目を開けているのも難しくなり、少しずつ瞼が下がっていく。

 じわじわと波のように押し寄せる眠気は、まるで催眠術にかけられたみたいだった。さっきまであれほど拒んでいたブランドスニーカーも、次に口を開いた時には「本当にいいんですか?」とすんなり受け入れてしまっている。

 俺の言葉に野田さんは「ふっ」と口元を綻ばせて笑った。指先が同時に離れていく。なんだがそれが物寂しくて、人知れず彼の指先を目で追っている自分がいた。


「ええよ。ボロカスになるまで履き潰したって」
「本当に、ありがとうございます……」


 帰ってくるまでに胸に溜まっていたモヤは、一瞬で拭われた。くすんでいた胸の内側も、今では何の曇りもない、透き通ったガラスのように綺麗になっている。

 野田さんは最後、おやすみ、と手を振り部屋へ戻って行った。

 胸に湧くほんのり温い感情に包まれ、夢うつつの状態だった俺は返事もそぞろにしばらくそこで立ち尽くした。
 
 
 有名な、人気ブランドのスニーカー。そのロゴを撫でて、ふ、と笑みを浮かべる。

 タダでスニーカーを手に入れられたことが嬉しいのではない。それ以上に嬉しいことが、俺の体に蓄積された疲労を取り除いてくれたのだ。


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