7 / 7
アナタの目的
しおりを挟む
いったいあの男の目的は何だったのだろうか。ドアチェーンをかけた後、悶々と考える。
私を押し倒し、過激、否、性的なスキンシップをしたと思えば、料理を作り、胸に痣を散らす。
この一連の流れに“無理矢理”という言葉が付かなければ、きっと恋人という称号を与えていたところだろう。
あの男が作り、私が食した料理の後片付けを終えると、ポストに入っていた“小さい箱”にそっと触れる。
開けた瞬間爆発、なんてことはないだろうが、やはりあの男が送り付ける物だ、ろくなものではないだろう。控えめに貼られたテープを外し、かぶせ箱の蓋を引き上げる。すると、緩衝材に包まれたさらに小さな箱が入っていた。マトリョーシカか、と思ったがその箱のロゴマークには、見覚えがあり、嫌な予感しかしなかった。その箱を開けると、中からは傷一つないスマートフォンが納められていた。
あの男の言った「持ち運べ」という意味がよくわかった。私のことをもっと手っ取り早くストーカーするつもりなのだろう。しかし、あの男の失敗は、私にこのスマホを渡したことだ。さっそくスマホを起動させる。スマホを購入するには身分証が必要なのは、もはや常識と言って良い。その契約されたスマホを私に渡せば、彼の素性は、すぐに知れる。スマホは、起動するとパスワードを要求された。私は、疑問符を浮かべ、画面を覗き込むと、その要求は消え、メッセージアプリのみがホーム画面に置かれていた。そして、メッセージの受信を知らせるアイコンマーが表示されていた。
おそるおそるそのメッセージを開くと“U”という相手からのメッセージだった。
『これから何かあればここに連絡しろ。余計なことは考えるな。お前は俺以外にも命を狙われる可能性がある。』
この高圧的な文章は、紛れもなくあの男の仕業だ。この場にいれば無理矢理力でねじ伏せられる可能性はあるが、今はその心配はない。この傲慢な男に聞きたいことは山ほどある。でも、今はシンプルに「あなたの目的は?」とその言葉だけを送る。わたしに干渉する理由など、思い浮かばないのだ。
もっと長文のメッセージを送りつけたいところだが、そんなものは無視されるだろう。私は、ぎゅっとスマホの握りしめ、相手からの返事を待つ。ピロン、そう音が鳴り、メッセージが受信したことを知らせる。
『そのうちわかる』
男からのメッセージは、これだけだった。
意味深な言葉に、眉をひそめる。
私はどんなことに巻き込まれるのか、不安の二文字がじんわりと広がっていく。これまでもよくわからない男の存在に不信感があったが、彼の目的が別にあるとするのならば、やはり、この先は、闇だった。それに、命を狙われるなど、そんな言葉を聞いてしまえば、私は平穏な日常を送ることができることさえも怪しい。けれども、このスマホさえ持っていれば、私は、命は助かるのだろうか。男は、私に乱暴をしたことは、紛れもない事実だ。にわかに信じ難いが救世主にもなりうるのか。
悶々と考えながら、与えられたスマホを仕事用のバッグに乱暴に放り込んだ。
私を押し倒し、過激、否、性的なスキンシップをしたと思えば、料理を作り、胸に痣を散らす。
この一連の流れに“無理矢理”という言葉が付かなければ、きっと恋人という称号を与えていたところだろう。
あの男が作り、私が食した料理の後片付けを終えると、ポストに入っていた“小さい箱”にそっと触れる。
開けた瞬間爆発、なんてことはないだろうが、やはりあの男が送り付ける物だ、ろくなものではないだろう。控えめに貼られたテープを外し、かぶせ箱の蓋を引き上げる。すると、緩衝材に包まれたさらに小さな箱が入っていた。マトリョーシカか、と思ったがその箱のロゴマークには、見覚えがあり、嫌な予感しかしなかった。その箱を開けると、中からは傷一つないスマートフォンが納められていた。
あの男の言った「持ち運べ」という意味がよくわかった。私のことをもっと手っ取り早くストーカーするつもりなのだろう。しかし、あの男の失敗は、私にこのスマホを渡したことだ。さっそくスマホを起動させる。スマホを購入するには身分証が必要なのは、もはや常識と言って良い。その契約されたスマホを私に渡せば、彼の素性は、すぐに知れる。スマホは、起動するとパスワードを要求された。私は、疑問符を浮かべ、画面を覗き込むと、その要求は消え、メッセージアプリのみがホーム画面に置かれていた。そして、メッセージの受信を知らせるアイコンマーが表示されていた。
おそるおそるそのメッセージを開くと“U”という相手からのメッセージだった。
『これから何かあればここに連絡しろ。余計なことは考えるな。お前は俺以外にも命を狙われる可能性がある。』
この高圧的な文章は、紛れもなくあの男の仕業だ。この場にいれば無理矢理力でねじ伏せられる可能性はあるが、今はその心配はない。この傲慢な男に聞きたいことは山ほどある。でも、今はシンプルに「あなたの目的は?」とその言葉だけを送る。わたしに干渉する理由など、思い浮かばないのだ。
もっと長文のメッセージを送りつけたいところだが、そんなものは無視されるだろう。私は、ぎゅっとスマホの握りしめ、相手からの返事を待つ。ピロン、そう音が鳴り、メッセージが受信したことを知らせる。
『そのうちわかる』
男からのメッセージは、これだけだった。
意味深な言葉に、眉をひそめる。
私はどんなことに巻き込まれるのか、不安の二文字がじんわりと広がっていく。これまでもよくわからない男の存在に不信感があったが、彼の目的が別にあるとするのならば、やはり、この先は、闇だった。それに、命を狙われるなど、そんな言葉を聞いてしまえば、私は平穏な日常を送ることができることさえも怪しい。けれども、このスマホさえ持っていれば、私は、命は助かるのだろうか。男は、私に乱暴をしたことは、紛れもない事実だ。にわかに信じ難いが救世主にもなりうるのか。
悶々と考えながら、与えられたスマホを仕事用のバッグに乱暴に放り込んだ。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる