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プロローグ
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私は物語でいうところのモブだった。
何か不思議な事に出会っただとかクラスで人気者だったなどという話は無い。それなりに友達もいたし、親友と呼べるくらい仲の良い奴もいた、好きになって結婚した妻もいた、子供はまだいないが何処にでもある普通の幸せを送るただの普通の一般人だったのだ。
だったというのはその話が過去の話だからだ。
あの日の夜から私の普通は消え去ってしまったのだ。
いつもと変わらない日常を送るはずだった、朝は妻と一緒に食事をし、昼は会社で親友と仕事をこなし、夜はその親友を家に呼び妻と三人で夕食を食べた。
そんな当たり前の日で終わる筈だった。だったのだ。
たまたま酒のつまみが無くなったから少々遠いコンビニへ買い物に行ったほんの少しの時間に私の全てが奪い取られていた。
家に帰ってみると玄関のドアが開けっ放しになっていたので何かあったのかとリビングに行くと血だらけで倒れている親友とその隣で静かに倒れている妻の姿があった。
私は混乱した、ただ呆然と事態が把握出来ずにテレビか何かの撮影だと思ってしまった。
「おい!嘘だろ。俺を騙してるんだろ。テレビかなんかの撮影か?それなら大成功だ!もう十分驚いただから起き上がれるよ…なあ……おい」
何度呼び掛けても返事を返してくれない妻と親友の姿に私はついには大声で泣き出してしまった。
その騒ぎを聞きつけて近所の人が駆けつけ警察に電話したらしい。
それ以降の事はよく覚えていない。
目覚めると自分の布団の上だった、私はあれは夢だったんだと思う間も無く警察が部屋の中に入ってきた。
寝室からリビングに移動すると親友と妻の遺体は無く変わりに遺体のあった場所に白いテープが貼ってあった。
警察から話を聞くと妻と親友を殺した犯人は荻野 邦治という大学生で最近事件を起こしている快楽殺人鬼らしい。
それから妻と親友の葬式や義理の母と父に謝罪をしに行ったりと忙しい日々を過ごした。
それらが終わり暇な時間が出来ると家の中がとても広く感じ死んだ妻と親友の顔が思い浮かび涙を流す。
何故俺だけを置いて死んでしまったんだや俺はこれからどうすればいいと声に出して泣いた。
ひとしきり泣き終えて、頭に浮かんだのは悲しいとか寂しいなどでは無く、復讐という2文字が浮かび上がった。
妻と親友を殺した奴を殺すという単純な思想が頭の中を埋め尽くした。
そのために俺は殺人鬼を探し出すため会社を辞めた。会社を辞めて出来た金と時間で殺人鬼の身内や知り合いを調べ上げ、妻が死んで手に入った生命保険の金で探偵を雇ったりとできる事を全てやった。
それから数か月後に探偵から殺人鬼の情報を手に入れた。
どうやら殺人鬼は皮肉にも私があの日買い物に行ったコンビニの近くに身を潜めていたようだ。
私はその日のうちに行動を開始した、殺人鬼の家の前で待ち伏せをし殺人鬼が出て来るのをひたすらに待った。
もし私が考えなしに殺人鬼の家に入っても人を殺したことのない私では逆に殺されるのがオチだ。
だから私はチャンスを待った。
日が落ち辺りが暗くなり町の街灯が光り出し始めた頃に家のドアがゆっくり開く。
そこから出てきたのは帽子とマスクをしているが手配書に書かれている顔そのまんまだった。
奴を尾行してみるとどうやら奴は晩飯を買いにコンビニへ向かっているようだ。
そのコンビニに行って俺は全てを失ったならあいつも全てを失わなければ不公平じゃないか。
俺はコンビニ袋片手に出てきたあのクソ野郎に感情に任せて後ろから飛びかかる。
突然の事に驚いたのかほとんど抵抗せずに俺に押し倒され道路に飛び出す殺人鬼に馬乗りになって組み伏せる。
道路の真ん中で暴れ回るが上に乗っている俺が邪魔で上手く動けないでいる殺人鬼に俺は思いっきり首を掴み「死ね!死んじまえ!!この殺人鬼が!!!」と叫ぶと目の前が急に眩しくなり体中に痛みが走り出し全身が冷たくなっていくのを感じながら横を向くと首が変な方向を向いて血だらけになっている殺人鬼を見て俺はゆっくりと目を閉じる。
暗くなった視界の中で脳裏に浮かぶのはあの殺人鬼の死体だった。
俺は上手く動かない口で声を出してこう言った。
『ざまあみろ』
目を開けると見た事の無い場所に俺は立っており目の前には鬼のような大男が椅子に座って木槌を机に叩きつける。
「判決を下す!罪人 大神 和也に焦熱地獄180年の刑を言い渡す!」
俺は理解出来ずに疑問の言葉を口に出す。
「はぁ?」
何か不思議な事に出会っただとかクラスで人気者だったなどという話は無い。それなりに友達もいたし、親友と呼べるくらい仲の良い奴もいた、好きになって結婚した妻もいた、子供はまだいないが何処にでもある普通の幸せを送るただの普通の一般人だったのだ。
だったというのはその話が過去の話だからだ。
あの日の夜から私の普通は消え去ってしまったのだ。
いつもと変わらない日常を送るはずだった、朝は妻と一緒に食事をし、昼は会社で親友と仕事をこなし、夜はその親友を家に呼び妻と三人で夕食を食べた。
そんな当たり前の日で終わる筈だった。だったのだ。
たまたま酒のつまみが無くなったから少々遠いコンビニへ買い物に行ったほんの少しの時間に私の全てが奪い取られていた。
家に帰ってみると玄関のドアが開けっ放しになっていたので何かあったのかとリビングに行くと血だらけで倒れている親友とその隣で静かに倒れている妻の姿があった。
私は混乱した、ただ呆然と事態が把握出来ずにテレビか何かの撮影だと思ってしまった。
「おい!嘘だろ。俺を騙してるんだろ。テレビかなんかの撮影か?それなら大成功だ!もう十分驚いただから起き上がれるよ…なあ……おい」
何度呼び掛けても返事を返してくれない妻と親友の姿に私はついには大声で泣き出してしまった。
その騒ぎを聞きつけて近所の人が駆けつけ警察に電話したらしい。
それ以降の事はよく覚えていない。
目覚めると自分の布団の上だった、私はあれは夢だったんだと思う間も無く警察が部屋の中に入ってきた。
寝室からリビングに移動すると親友と妻の遺体は無く変わりに遺体のあった場所に白いテープが貼ってあった。
警察から話を聞くと妻と親友を殺した犯人は荻野 邦治という大学生で最近事件を起こしている快楽殺人鬼らしい。
それから妻と親友の葬式や義理の母と父に謝罪をしに行ったりと忙しい日々を過ごした。
それらが終わり暇な時間が出来ると家の中がとても広く感じ死んだ妻と親友の顔が思い浮かび涙を流す。
何故俺だけを置いて死んでしまったんだや俺はこれからどうすればいいと声に出して泣いた。
ひとしきり泣き終えて、頭に浮かんだのは悲しいとか寂しいなどでは無く、復讐という2文字が浮かび上がった。
妻と親友を殺した奴を殺すという単純な思想が頭の中を埋め尽くした。
そのために俺は殺人鬼を探し出すため会社を辞めた。会社を辞めて出来た金と時間で殺人鬼の身内や知り合いを調べ上げ、妻が死んで手に入った生命保険の金で探偵を雇ったりとできる事を全てやった。
それから数か月後に探偵から殺人鬼の情報を手に入れた。
どうやら殺人鬼は皮肉にも私があの日買い物に行ったコンビニの近くに身を潜めていたようだ。
私はその日のうちに行動を開始した、殺人鬼の家の前で待ち伏せをし殺人鬼が出て来るのをひたすらに待った。
もし私が考えなしに殺人鬼の家に入っても人を殺したことのない私では逆に殺されるのがオチだ。
だから私はチャンスを待った。
日が落ち辺りが暗くなり町の街灯が光り出し始めた頃に家のドアがゆっくり開く。
そこから出てきたのは帽子とマスクをしているが手配書に書かれている顔そのまんまだった。
奴を尾行してみるとどうやら奴は晩飯を買いにコンビニへ向かっているようだ。
そのコンビニに行って俺は全てを失ったならあいつも全てを失わなければ不公平じゃないか。
俺はコンビニ袋片手に出てきたあのクソ野郎に感情に任せて後ろから飛びかかる。
突然の事に驚いたのかほとんど抵抗せずに俺に押し倒され道路に飛び出す殺人鬼に馬乗りになって組み伏せる。
道路の真ん中で暴れ回るが上に乗っている俺が邪魔で上手く動けないでいる殺人鬼に俺は思いっきり首を掴み「死ね!死んじまえ!!この殺人鬼が!!!」と叫ぶと目の前が急に眩しくなり体中に痛みが走り出し全身が冷たくなっていくのを感じながら横を向くと首が変な方向を向いて血だらけになっている殺人鬼を見て俺はゆっくりと目を閉じる。
暗くなった視界の中で脳裏に浮かぶのはあの殺人鬼の死体だった。
俺は上手く動かない口で声を出してこう言った。
『ざまあみろ』
目を開けると見た事の無い場所に俺は立っており目の前には鬼のような大男が椅子に座って木槌を机に叩きつける。
「判決を下す!罪人 大神 和也に焦熱地獄180年の刑を言い渡す!」
俺は理解出来ずに疑問の言葉を口に出す。
「はぁ?」
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