僕と介護の道

okaya

文字の大きさ
2 / 2

目標の立案

『先生!僕の班僕以外バカなので変更を要求します』
班変え要求をしてみた。
『おい。涼。お前以外バカってどういう事だ。お前だけがバカの間違いだろ!』
カントだけには言われたくないセリフだ。
『まぁまぁ。二人とも喧嘩はやめようよ。二人ともバカだよ。』
エイタ。君も大概だよ。
『逆にバカ四人の方が面白そうじゃね?余裕でしょ』
その余裕はどこから来るんだい?アイト。

『お前ら。やかましいわ!四人ともバカだから同じ班にして一括管理をするためにしたんだ!』
教壇を叩き割る勢いで怒った。多田先生は本気で僕たちを一括管理するつもりだ。
『お前たちが実習先で粗相しないようにこっちもアレコレ考えた結果、一括管理することになったんだ。よって変更は認めない』
渋々席につき実習の内容プリントに目を通す。

介護の実習では、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービス、障がい者施設に実習生徒として参加して、各施設の役割りや特徴に沿って介護を行う。今回は初めての実習という事で、比較的介護度が低いデイサービスでの実習というわけだ。
『実習するにあたってこれからみんなには各々、実習目標を立ててもらう。五日間と短いが、その目標に向かって行動するように』

介護実習するからには施設利用している方の課題(ニーズ)に沿って目標を立てる必要がある。ニーズに合わせて立てる目標の分類は二つ。
一つ目。長期目標。最終的にこの長期目標を達成できるように計画を練る。
二つ目。短期目標。長期目標を達成させるためのステップアップ目標だ。短期目標は一つだけでなく複数立てる場合もある。

『今言った目標は今後の実習でも使うから、早い段階で身につけた方がいいからな。今回が初めての実習だから何を立てたらいいかわからないだろうから、基本的な目標のマニュアルも渡しておくから、それを見て目標を立ててくれ』
プリントの裏に目標の立て方見本が書いてあるから、これを参考にすればいいんだな。
『まだ実習先で担当する利用者さんも決まってないが、大まかな目標でもいいから、立ててみなさい。完成したら俺のところに持ってきなさい、チェックするからな。それでは始め』
みんな一斉に書き始めたな。さて、どんな目標がいいかな。とりあえず見本を確認するか。移動、食事、口腔ケア、運動、入浴。利用している方のニーズに沿って目標を決めるのか。まだ、誰を担当するかは決まってないから大まかだと何がいいかな。

『よし。大まかだけど利用者さんにも楽しくなれるような目標にしよう』
ーよし出来た。少し時間がかかったけど自分なりによく出来たな。
多田先生のチェックを受けるための列ができてるから並ぼう。

『この長期目標をもう少し具体的に書いた方がいいな』
先に並んでるクラスメイトも苦戦してるみたいだな。一発OK出た人は数人しかいない。ここは一発OKを貰おう。
『はい、次』
僕の番が来た。
『お願いします』
プリントを渡して先生がチェックする。
『お、、、』
これは一発OKかな?
『お、お、お前っていうバカもんわー!』

一発バカを貰いました。
『このバカもんが!長期目標に(みんなで楽しく野球をする)っだ!小学校の目標でももっとまともな目標を立てるぞ』
『でも先生みんなで野球した方が楽しいじゃないですか。いい目標だと思いますよ?』
『デイサービスの中で野球をやらせる気か?苦情が絶えないだろうが』
たしかにデイサービスの中で野球は無理か。
『もう一度書き直してこい』
目標立てるのって難しいな。

席についたら横からカントが茶化してきた。
『デイサービスで野球とかバカだろ』
『うるさいなー。僕は真剣に考えたんだよ?そういうカントは出来たのか?』
『まぁな。これから先生にチェックしてもらうがな』
そういうとカントはチェックの列に並んだ。
さて僕も考えるかやはりここは見本通りにしとくか。
目標を書いていたら、多田先生の怒鳴り声が聞こえてきた。
『おまえもバカもんが!』
ゲンコツまで落ちてる。あれは痛そうだ。
『先生。バカとは何だよ。しかもゲンコツまで』
『バカはバカだ。長期目標の麻雀勝ったら負けた人は服を脱ぐって。脱衣麻雀じゃないか!それに、短期目標、服を脱いだ人から風呂に入る?』
『ほら、ちゃんと長期目標と短期目標が両立してていいじゃないですか。それに麻雀が好きな利用者も多いですからね』
カントも大概バカだった。
『公共の場で裸になるのはお前たちバカだけで十分だ。お前も一から書き直してこい』

結局僕とカントは授業の最後の最後にようやくOKを貰えた。
エイタとアイトはそこまで怒られてなかったけど何回か書き直ししてたな。


『実習に必要なものは今配ったプリントに記載されてるからそこを見るように』
実習記録用紙、ノート、筆記用具、実習着、室内靴、お弁当、水筒。なるほど、意外と少ないな。
『あと、実習施設の中ではスマートフォンの使用は禁止だからな』
『なんで使用禁止なんですか?通話とかではなく、使用自体が禁止なんですか?』
クラスメイトのだれかが質問をした。確かに通話ならわかるけど使用する事自体禁止は厳しいような。
『使用自体が禁止だ。スマートフォンは場合によっては、利用者さんの個人情報等が漏洩するリスクがあるからだ。もちろんお前たちがそんなことをするとは思わないが、わざわざリスクを背負うことは避けなければならない』
『ねーカント、先生が言ったリスクを避けるってどいう事かな?』
『そりゃあ、他の職員やら利用者の家族が見てる可能性があるから疑いをかけられないように使用しない方が良いってことだよ』
なるほど。確かに使用してるところを他の人から見たらそういうことを疑われるって事か。
『そうだ。今カントが言ったように疑われないようにするためでもあるから、使用するなよ』
個人情報を扱う以上こういったことも理解していかないといけないのか。しっかり覚えておこう。
『当日は十五分前くらいには施設の中に入れるようにしておけよ。挨拶はしっかりするんだぞ。先生は俺だけじゃなくて、他の介護科の先生も様子を見に行くからしっかり取り組むように』
実習してるところを先生たちはあちこちの施設に回って様子を見に来るって事か。
『何か質問はあるか?ないなら今日の授業を終わりにする』

授業終了後グループメンバーと話をした。



感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。