魔法使いが無双する異世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです

忠行

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まぼろしの城 12 三昧真火

「東海の神、名は阿明。西海の神、名は祝良。南海の神、名は巨乗。北海の神、名は禺強。四海の大神、百鬼を避け、凶災を祓う。急急如律令!」
  
 木火土金水、鬼一の打った五行符が光を放ち、呪符同士を結びつけ、光の呪印セーマンが煌めく。
 その燦然たる破魔の霊気に照らされ、果心居士の召喚した魑魅魍魎たちが絶叫しながら目を覆い、退散する。中にはそのまま消滅してしまうものさえいた。
 魔物を嫌忌させる特殊な呪力を放つ排斥呪壁を広範囲に展開してこの世ならざる存在の群れ、百鬼夜行を退けるとされる秘術。
  
「なんと! 非凡な霊力と思うていたが、これほどとは!」
  
 霊力より変換された大海から押しよせる海嘯のごとき呪力が百鬼夜行らを駆逐し、果心居士の動きすら止める。

「我が気力をこの者に・気と心よ・血と肉となれ!」
「水ば・ひあがい心を・ぬらかしうれ!」

 レリエルの【精神賦与トランスファー・メンタルパワー】とナミの【心水湧泉レイ・スプリング】。ともに魔力や霊力といった対象の精神的な力を回復、増幅させる霊的治癒魔法がただでさえ豊潤な鬼一の霊力を不動のものにしていた。
 本来なら守りよりも攻め。攻めに攻める気性のナミとレリエルであったが、その場からの援護を求める鬼一の言葉を忠実に守り、回復支援に専念していたのだ。
 鬼一は退魔の呪印を維持し続けつつ、さらに次なる呪を唱える。金色をした最上級の紙幣。冥銭を取り出し剣指にはさみ念を凝らす。
  
「玉帝有勅、三昧真火神勅、形状精光、上列九星。急急如律令!」
  
 冥銭が燃えて火球と化す。
 赤――青――白――熱が上がるごとにその色を変え、巨大化する。

「ほれ、これでも喰らえ」

 そして完全なる赤色をした純然たる火。三昧真火が完成すると、それを果心居士目がけて無造作に投げつけた。
  
「三昧真火!? それは反則じゃ!」
  
 水剋火。果心居士は三昧真火を防がんとありったけの水行符を投げ打つ。
 吹雪さながらに宙を乱舞する呪符。そのどれもに並々ならぬ呪力が込められているも、そのことごとくを三昧真火は焼き払う。
  
「タニヤタ・ウダカダイバナ・エンケイエンケイ・ソワカ!」
  
 続いて龍索印を結印し、仏教の護法神である天部の諸尊。十二天のひとつ水天の真言を詠唱。
  
「ナウマク・サンマンダ・ボダナン・バルナヤ・ソワカ!」
  
 錐のような水滴が、銃弾のような雨が、大砲のような水流が火の勢いを消そうと渦巻き、霧の壁が、水の楯が、氷の砦が火を防ごうと展開するも、そのすべてが焼き払われる。
 高熱の水蒸気が吹き荒れ、まるで灼熱地獄がこの世に顕現したかのような有様だ。
 いまだ勢いの衰えぬ三昧真火。あたってはたまらぬと無数の式神とそれを吐き出し続ける呪印ごと楯にしてぶつける。
 強大な呪力と呪力とが正面衝突し、轟音がとどろき空間が震える。それでやっと三昧真火を相殺することができた。
  動きが止まってがら空きの果心居士。
  
「――奇一奇一たちまち雲霞を結ぶ、宇内八方ごほうちょうなん、たちまちきゅうせんを貫き、玄都に達し、太一真君に感ず、奇一奇一たちまち感通――天御中主神の威を以って、これなる邪気、瘴気を一掃せん」
  
 鬼一の打った呪符が光り輝き、列をなして宙を舞う。
 片方からは黒曜石のような、片方からは真珠のような色をした呪力の軌跡が伸び、果心居士を囲む美しい環を成す。
 それはさながら天と地、光と闇、陰と陽、陰陽そのもの。
 陰と陽の霊気が鬼一を彩り、凄絶な美を生み出す。
 その目に宿りし光、鬼を縛り、魔を裂く。
 その口、赤くつややかにして毒を吐く舌を隠す。
 その性、佳人を好み多くの妖を従える
 手にした呪符が一枚、また一枚と蝶のように羽ばたいて果心居士を囲む光の環に加わる。
 そして最後の一枚が加わり――。
  
「 急急如律令!」
  
 刀印を結び、振り下ろす。
 太一真君の呪法が発動。
 白と黒、光と闇、剛と柔、男と女、陰陽双つの気に満ちた呪符の光環がたわんで内側に向かい収斂。
 巨大なプリズムの万華鏡をのぞいたかのような光の洪水が奔り、清冽清浄な霊気があふれる。

「見事じゃ! たしかにおぬしは鬼一法眼、その十四代目。かの司仙院興仙に勝るとも劣らぬ武力と験力よ。呪と武の力を兼ね備えし者。世に珍しき逸材。儂に術くらべで勝った褒美をくれてや――」

 果心居士と名乗る魔を祓い清めた。
 最後まで言葉を言い終える前に妖しき怪老は消滅した。
  
「終わった、のか……」
「ああ、爺さんの企んだくだらん茶番はおしまいだ。まったくこれだから時間を持て余したとっしょりは⋯⋯」
  
 激しい戦いのあおりを受けて周りはメチャクチャだ、もはや聚楽第は瓦礫の山と化していた。
  
「これ、だいじょうぶなのか? 外に出たら模型が壊れてたりして⋯⋯」
「ん~、出てみなきゃわからん。あ~、疲れた! 眠い! 眠る!」
「うんだま!」
「キャッ!?」
  
 鬼一はナミとレリエル、二人を抱きしめて倒れ込み、着衣の上からは目立たない豊かな胸に顔をうずめ、頬ずりをした。
  
「あ~、ふかふかだ。すべすべむちむちのマシュマロボディ。天使の褥ってのはこういうのを言うんだろうな、な⋯⋯」



 健康的に日焼けしたナミと黒曜石を薄く溶かしたかのようなレリエルの美肌と、それが生み出す柔らかな肉体に頬ずりして目を閉じると微睡みの淵に落ちる。

 ⋯⋯⋯⋯ ⋯⋯⋯⋯ ⋯⋯⋯⋯ ⋯⋯⋯⋯

「む」

 目が覚めるとそこはファリクス邸の一室。
 目の前には精緻な造形の聚楽第の模型がある。
 異界における激しい戦いで模型も破損しているかと思ったが、そのようなこともないようだ。
 そしてそこに鬼一たちを招いた小さな怪老の姿はない。

「おぎったか鬼一」
「お疲れ様ですキイチさん」

 先に目を覚ましていたナミとレリエル、三人は落ち着いてひと息入れてから模型内で起きたことについて、あれやこれと話をする。

「あー、思い出しても恥ずかしい! なんだあの破廉恥極まりない悪趣味下劣卑劣な罠は!」
「なさけんね、あたしは鬼一に⋯⋯」
「煌びやかな造りの城に幻術を多用した罠の数々。めったにできる経験ではない。過ぎてしまえば良い思い出だ。とはいえ俺もナミがそんなに思い詰めていたとは思わなかった。ここは三人で改めて胸襟を開く必要がある」
「酒ばい! 酒ば飲んであたしは鬼一にすべてをさらけ出すばい!」
「お、オレだってつき合うぞ!」
「酒もいいがもっといい方法がある。ナミ、シーベックの浜辺でアヤネルと【潤粘滑体】で腕を競ったのを覚えているか?」
「もちろんね、アヤネルの白くてきめ細かい肌は女のあたしでもみとるいた」
「なんだその【潤粘滑体】というのは?」
「言わばサウナや風呂のような裸のつき合いだ。百聞は一見にしかず、これから三人で潤粘滑体しておたがいの理解を深めよう」

 こうして鬼一、ナミ、レリエルの三人はワッシャー海賊団に伝わる【潤粘滑体】で心と体の交流をした。

 マジックローションぬるぬる~♥

「んほぉぉぉッッッ!!!! な、これチョッ!? エッッッッッッッ!!!!!」
「いくばい、いくばい♪」
「いくぞ! うなれ!! 王冠のチャクラ!!! 破ァァァァァァァッ!!!!」

 ヌルヌルヌルヌル~♡

「んっんっんっんっ♡♥♡んっんっ♡♥♡んっ♡♥ っんっんっんっんっ♡♥んっんっんっ ♥んっ♡♥んっ♡♥んっんっんっんっんっ♡♥♡ んっんっんっんっんっんっ♡♥んっ♡ん ♥んっんっんっ♡♥♡んっんっんっ♡♥んっ♡ んっんっんっ♡♥んっんっんっんっ♡んっんっんっんっんっ♡♥んっんっんっ ♥んっんっ♡♥♡んっ♡♥♡んっ♡♥♡んっんっんっ♡♥♡ んっんっんっ♡♥んっんっんっ♡♥んっ♡んっんっんっんっんっんっ♡」

 ヌルヌルヌルヌル~♥

 ヌルヌル♥♡ヌルヌルヌルヌルヌルヌルヌルヌルヌルヌル♥ヌルヌルヌルヌルヌルヌル♡♥ぬちょぬちょ♥♡ヌルヌルヌルヌルヌルヌル♥ヌルヌルヌルヌルヌルヌル ♥ぬちょちょぬちょぬちょちょぬちょ~♥ヌルヌルヌルヌル~♡ニュルニュル♥
 ヌルヌルヌルヌルヌルヌル♡ぬっちょりぬちょちょぬちょ♡ぬちょ♥ぬちょ♡ぬちょ♥ぬちょ♡ぬちょちょちょちょ♥ヌルヌルヌルヌルヌルヌルヌルヌルヌルヌル~ヌルヌルヌルヌルヌルヌル♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥ぴゅっ★♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥ぴっゅぴっゅぴゅっ♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥

「お゛っ♥お゛っお゛っ♥お゛っ♥お゛っ♥お゛っ♥キイチさんが見てる! ナミも見てる! 見られてる! ナミとキイチさんに恥ずかしい姿を見られてる! 見られているのに感じちゃう! 恥ずかしい! でも感じちゃう!(ビクビクッ!) くやしい! でも感じちゃう!(ブルブルッ!) お゛っ♥お゛っお゛っ♥お゛っ♥お゛っ♥お゛っ♥お゛っ♥お゛っお゛っ♥お゛っ♥お゛っ♥お゛っ♥お゛っ♥お゛っお゛っ♥お゛っ♥お゛っ♥お゛っ♥」

 ギュッ♥ひくひく♡キュッキュッ♥キュンッキュンッ♡

 ぴぴるぴるぴる~♪  漏れ☆

 鬼一、ナミ、レリエル。
 好感度★★★★★UP。
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