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第4話 ルイネット
しおりを挟む「さあ、今日こそは講義に出ていただきますよ」
今日は確か、この国の歴史の講義だったかな?
そんなことを思い出し、講師に引っ張られ引きずられながら、講師室に招かれた。
ここにきて1週間。初めて足を踏み入れた講師室は、異常なくらいただっ広く、とても天井の高い空間だった。また、高い壁全面が書籍で埋まっている。
古い書籍の香りが充満していて、何故かとても落ち着く。
講師の後に足を踏み入れると小さな螺旋階段が3メートルほど低くなった床に続いており、そこには講義に使う大きな机が置かれている。
書籍を眺めながら床に降り立つと、講師のほかにもうひとつの小さな陰に気づく。
「おはようございます、サリ様」
そこには金髪の天使、エリザベスがいた。
夢じゃなかった驚きを飲み込み、皇女らしく微笑む。
「ごきゅげんよう」
噛んじゃったー(*´▽`*)テヘ
まるでそんな失敗などなかったかのようにエリザベスの隣の椅子に腰を下ろした。
国の歴史になんか興味なかったがなかなか興味深かった。
特に100年前に滅んだ魔術の歴史は、凄まじかった。この国に魔術師が存在した過去があるのも驚いた。
魔術なんておとぎ話の世界だけの話だと思っていたが、そもそもこの国は魔術師が繁栄させたと言われているらしく、私が住んでいた離宮の更に奥地にあったルイネット小国が魔術師の国と呼ばれていたらしい。
今でももしかしたら、魔術師たちが住んでいるかもと思うと久々の好奇心が沸々と湧き上がる。
早く離宮に戻りたい。その気持ちが大きく成長した。それ以降の講義は、どうしたら離宮に戻れるかだけが頭の中を巡っていた。
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