皇女サリ

冬野ハナヤ

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第13話 閑話休題Ⅰ

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「・・・ん(。´・ω・)?」
「・・・はい( ゚Д゚)?」
キレイな直線でお互いの顔を見合う私たち。
シェーンだけが私と見合おうとしない。
「え?シェーンが嫉妬に狂った子息だったの?」
「青の騎士様は、サリ様だったのですか?!」
私とエリザベスがお互いに喋り出すため訳が分からなくなっている。
もう、訓練の見学どころではなかった。
そんなちょっとした混乱を遮るようにシェーンが「そうです」と瞼を固く閉じながら頷く。
「私の父は、男爵の位を持つ貴族です」
眉を歪めながらバツが悪そうにシェーンが呟く。
「私がその嫉妬に狂った男爵家の子息です」
聞こえないような消え入る声だったがはっきり耳に届く。話をまとめながら時折視点の境界線が不思議だった理由がわかり納得はしたが、ここまで変わるもんなのかとただただ「はあ」としか言えなかった。
そして、もう一つの新事実。
「・・・青の騎士の名前が・・・サリ?」
エリザベスが私の顔を見る。
「サリ様・・・ご存知でしたか?」
聞きながら私の顔を覗き込む。
知るわけがなかった。青の騎士の存在自体、エリザベスから教わった情報が初めてだった。離宮にいたときは本当にそういった軍事情報は耳に入らなかったのだ。
「まあ、「サリ」なんて名前いくらでもあるでしょう」
驚きはしたがよくよく考えるとありふれた名前だ。
それでも名前が同じだからかどこか近しいものを青の騎士に抱く。おかしな話だ、会ったこともないのに。
すこし落ち着いた。エリザベスも取り乱したことを恥ずかしがってか両手で頬を挟んでいた。
「そ、それで・・・あの、青の騎士様とシェーン様は、どのような関係になられたのですか」
その聞き方だと・・・邪推はやめよう。
「私と青の騎士は、その後、より切磋琢磨しあえる戦友になっていきました」
エリザベスは「わあ、素敵ですね」と胸の前で手を組み瞳を輝かせた。
エリザベスの反応にシェーンは少しだけ微笑んで、目を伏せた。

「・・・そして、あの大戦が始まりました」
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