規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜

Saioonji

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3話:皇帝との会話

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皇帝は、静かに僕を見つめ続けている。
その視線は、幼子を見るものではなかった。

未来を、見極めようとする目だった。

「アルト」

低く、はっきりと名を呼ばれる。
今の僕は、記憶を失った幼い子供だ。
そう振る舞うと決めている。

「はい」

「私はそなたの父シクタルン帝国皇帝だ」

皇帝と名乗る今世の僕の父は威厳に満ちていた。
空気をも支配するほどの圧力を皇帝から感じる。

「名をレオンハルト・シクタルンという」

「ちち?」

「そうだお主は私とここにいるレイラの子だ」

「れぃら?」

「お主の母、この国の王妃だ」

僕は目を豪華な服を着た女性に向ける美しい顔をしていた、地球なら1000年に1人の美女と言われるレベルの美女だ。
彼女はどこか不安げな顔で僕を見ていた。
彼女を見ていると彼女と目が合う、すると彼女は僕に話しかけてきた。

「アルト私が貴方の母よ、本当になにも覚えてない?」

少し落ち着いたのか僕の今世の母は静かに僕に聞いてきた。

「はは?」

「そうよあなたの母よ、貴方は私とここにいる陛下のたった1人の子なのよ」

「ぼくが子?」

「そうだなお主はアルト・シクタルンこの帝国の皇太子にして次期皇帝だ」

「こうたいし?」

僕が首をかしげると、皇帝――レオンハルトは小さく息を吐いた。

「皇太子とは、この帝国で皇帝の次に立つ者のことだ」

「つぎ……?」

「そうだ。いずれ、この国を治める立場になる」

「……ぼくが?」

「他に誰がいる」

皇帝は当然のように言い切った。

「この国には、厳格な身分制度がある」

「皇帝を頂点に、皇太子、皇族、貴族、騎士、平民、隷民」

「その序列は、絶対だ」

「どうして……?」

僕の問いに、皇帝は即座には答えなかった。

代わりに、一歩前へ出てきたのは王妃――レイラだった。

「それはね、アルト……」

彼女は少し言葉を選ぶように間を置く。

「この国では、力がすべてだからよ」

「ちから?」

「ええ」

皇帝が、再び口を開く。

「この世界にある“魔力”だ」

「まりょく……」

「魔力は、生まれながらに持つものではない」

その言葉に、側近たちが一瞬だけ緊張するのが分かった。

「魔力を持つのは、皇帝ただ一人」

「……ちちさまだけ?」

「ああ」

「そして、皇帝が与えた時にだけ、他者にも魔力は宿る」

「もらう……?」

「そうだ」

皇帝の視線が、僕を真っ直ぐ捉える。

「魔力を与えられた者は、身分を得る」

「貴族となり、騎士となり、国を動かす力を持つ」

「じゃあ……」

僕は小さく拳を握った。

「ぼく、まだない?」

「今はない」

皇帝は、はっきりと言った。

「皇太子であっても、魔力は与えられていない」

「どうして?」

「それは――」

皇帝は一度、言葉を区切る。

「魔力を与えるには、体が最低でも五歳になっていなければならないからだ」

「……ごさい?」

「そうだ」

「それより幼い体では、魔力に耐えきれない」

「無理に与えれば、肉体が崩れ、命を落とすこともある」

王妃の表情が、わずかに曇る。

「過去に……失敗した例があるのよ、アルト」

「……」

「だから、どれほど特別な立場であっても例外はない」

皇帝が静かに頷く。

「皇太子であろうと、余の子であろうとだ」

「じゃあ……」

僕は恐る恐る尋ねた。

「ぼく、まだ……まつ?」

「ああ」

「成長するまで、力は与えられぬ」

「それまでは、ただ学び、生きる」

「……わかった」

そう答えると、皇帝の表情がほんの僅かに和らいだ。

「それでいい」

「力とは、急ぐものではない」

「耐えられる者にのみ、与えられる」

その言葉は、未来の僕に向けられたもののように感じられた。
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