我らダンジョン攻略部〜もしも現実世界にダンジョンができたら〜

一日千秋

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69話 サイラス家の過去

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ズズッ

お茶がうめぇ。




「ではこの街ができた経緯だが、街の歴史は意外にも長い、建設されて今年で500年、その間ずっとこの街を治めて来たのがサイラス家なのだが、経緯はこの街のヒューマンを魔神から守るため、と答えておこう。」


「魔神、、、ですか?」


「ああ、魔神だ。
それではこれから魔神の話も出てくるサイラス家の祖先の話をしよう。ちなみにこれらの話は全て情報漏洩防止の魔法が作用し、ダンジョンの外でも他人には伝えられないから気をつけなさい。」


そう注意を受けてから領主サイラスは落ち着いた声のトーンで話し始める。


「私の祖先は、アストリア王国の辺境を任されていた辺境伯だった。サイラス領は北の山脈を背にした平野でな。麦と果実の産地として栄え、交易路の要でもあった。旅人は皆、あの地で作られる香り高い葡萄酒を楽しみにしていたものだ。

その頃の領主というのがサイラス・フォン・レオニード。このレオニードは剣鬼と呼ばれ、大戦ではわずか三百の兵で三万の侵攻軍を退けたと言われる大英雄だ。剣一本で戦場を駆け、兵たちの先頭に立ち続けたという。


これだけ強いのは何故かと言うとそこにダンジョンが関係していたのだ。

ある日、突然サイラス領に巨大な穴ができた。その穴の中には見たこともないモンスターが生息していて、倒しても倒しても湧いて出て来たそうだ。


領民が被害に遭うと領主自らモンスター退治を行った。そうして、レベルが上がり、スキルを手に入れてレオニードは剣鬼と呼ばれるまでに強くなっていったのだ。


だが、ダンジョンが出来て約1年経ったある日、全ての王国民の目の前に赤い板が出現したのだ。


それは今は通知と呼ばれるもので、そこには魔神の侵攻が始まりますという文章が書かれていた。
当初これは幻覚が見える様になり黒魔術にでもかかったのか、という噂も広まったことにより誰も信じる者はいなかった。


そして、民の準備が整う前に魔神の侵攻が始まったのだが、初めの戦いは遊戯の様にぬるい戦いだったとか。弱い敵ばかりで人々が死ぬ事はなかったのでみな気を緩めていた。

その後、徐々に負ける事が続く様になり、それは突然始まったのだ。


魔神の領土侵略。王国や他国のあちこちで黒い領土が出来ていったのだ、それを人々は暗黒大陸と呼んだ。この黒い領土では魔物が無限に湧いてくるので人々は移住せざるを得なかった。


そして、人々が魔神の侵攻に抗うには皆がダンジョンで強くなるしかなかったのだが、もうその頃には手遅れとなっていてダンジョンを使って強くなった者しか生き残れないくらい、大変な戦いが続いていったのだ。

数年の長い戦いの健闘も虚しく、少しずつ着実に魔神の侵攻にやられ、領土は狭まり、王国も存続の危機が迫った時、ある一定数の勝利を納めた強き者にダンジョンから突如として通知が来たのだ。


ダンジョンの中で永住権が認められると。
その者をリーダーとして1万人が一緒にダンジョンに永住できる。これは魔神侵攻の終盤だったため、永住すると言う事は、その世界の終わりを意味していた。


レオニードは永住権を獲得する事を決意し、民に通達した。


そこからすぐに民の選抜が始まったのだ。

それは非常に辛い選抜になった。
子供を託す者、愛する者を託す者、その世界に残った者も多かったと聞く。

そうやって苦渋の決断で選ばれた者たちがレオニードと共にダンジョンに移り住み、ファースを作り、その末裔が今のファースを守っているのだ。」


「そんな、、、俺たちの世界もそうなるのか!?」


「そうなるだろうな、だから強くなれ少年たちよ。私たちの様なダンジョンの中だけの生活にならない為にも、、、」


「1年か、、、あと9ヶ月くらいしかないな。」


「僕たちに何かできるかな、、、」


「トシ!現代にはインターネットで拡散って手段があるだろ!いい具合に危機感煽ろうぜ!絶対俺らがやったらバズるぞ!」


てっちゃんのポジティブ思考はこう言う時に意外と助かるんだよな。


よし、やってやる。とりあえず何か行動するか。


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