見捨てられたミリウス

ゲルマニウム

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未知

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夜空には無数の流星群が流れていた。まるでそれは星のようであり、またそうではなかった。

あれは宇宙空間に散ったゴミ。ガラクタなのだ。

私はこの小型宇宙船メリウスに乗って旅をしている。

この星は山岳地帯が大半をしめており、まるで絵にかいたような砂漠である。

「リアクター反応確認」

別に誰かに話してるわけでもない。よくいるじゃないか、技の名前を言わないと技を出さないアニメのキャラクターとか。

そんなもので、そんなものではないのだ。

宇宙船メリウスは地上を泳ぐようにして進む。しばらくして、ブザーのような心地よくはない機械音が船内に鳴り響く。

船内はチカチカと点滅し始める。

これはスペースマテリアルセンサーだ。いわゆる金属探知機のようなものだ。

私はモニター越しにその大きさを測る。そして元素の含有率やさまざまな数値を元にモニターに具現化されたその物質は、まるで刀か何かのようだ。

ネームは??????。つまり解析不能。スペースマテリアルリストにはない物だ。

こういった場合、ガラクタの場合がかなりの確率で高い。希にレアな場合があるがそんなの、2階から目薬、いや十階くらいからといった方がよいか、そのくらいである。

ぷしゅーと爽快な音を立てながらドアが開く。

空気は美味しく、視界は良好。

そして目の前にはあからさまに刀が刺さっている。

私はそれを両手で引っこ抜いてみるが、抜けない。

私はしばらくこの刀を観察することにした。パラソルつきの椅子に座り、ジャスミンティーを片手に黄昏がれる。

しばらくして、砂風がそっと頬を撫でた。

私は再び刀を抜こうと精一杯力を入れた。すると今度はいとも簡単に抜けた。

私の能力は思ったことと逆のことが起きてしまう。

絶対抜けない刀が必ず抜ける。

私はこの能力を矛盾って呼んでいる

刀を使い古したバックにしまい、宇宙船へと戻る。

この星はすでに侵略された星である。よくこの銀河では宇宙戦争が起きる。

だからこの銀河は貧しい。経済的にも精神的にも。

なぜ旅をするのか。それは昔、祖父から聞いたことがある。この宇宙のどこかに地球という平和で緑豊かな星があると。

しかし、地球まではかなりの距離がありどこにあるかもわからない。その為、莫大な費用がかかる。

だからその費用を稼ぐためにスペースマテリアルを探している。マテリアルハンターをしている。

まあ簡単に言えば幻を追いかけているとでもいった方がよいか。



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