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四章 キスがしたい十五歳
29.ダミアーン伯父上の語ることの顛末
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「ヴィリアム・アールベック、何の用件で呼ばれたか分かっておるな?」
「国王陛下、違うのです。私はエドヴァルド殿下が魔族の国に来られたら、国王陛下もいつでもお会いになれるし、あちらの国とも友好関係が築けると思ったのです」
「黙れ! そなたが彼の国で何をしたかは、全て私の耳に入っている」
ダミアーン伯父上曰く、魔族の国の国王陛下であり、魔王とも呼ばれるお祖父様の前に呼び出されたヴィリアム殿は震えて床にへばりつくようにして頭を下げていたのだという。
「ヴィリアムは前々から人間を軽んじているところがあった。それに、自分が結婚して子どもがいるから、王太子の私がいつまでも結婚しないので、父上に取り入って、自分を王太子にしてもらおうと考えていたのだよ」
楽しそうに話すダミアーン伯父上に僕は驚いてしまう。
お祖父様はまだまだお元気だし、ダミアーン伯父上は運命に出会っていないから結婚していないだけで、運命に出会えば結婚するだろう。ダミアーン伯父上のようなすごい方を差し置いて、お祖父様に取り入って自分が王太子になろうだなんて考えをヴィリアム殿が持っていたのが信じられない。
その企みに、僕とブリット嬢の婚約を使われたのならばたまったものじゃない。
「エドヴァルドに許しもなく話しかけ、名前を呼んだと聞いている。そなたは誠に王族か? エドヴァルドは彼の国の王子。そなたから話しかけられるような地位にないのだぞ!」
「私はエドヴァルド殿下のお母上の従弟です。私はこの国の王族なのですよ?」
「黙れと言っておる! 王位継承権の低い王族など、他の貴族と変わらぬわ!」
叱責されてヴィリアム殿は再び床に這いつくばったのだという。
ダミアーン伯父上は楽し気に語っている。
「あれは本当に胸がすく思いだったね。ヴィリアムは私の地位を乗っ取ろうとしていて、私にも横柄な態度を取り始めていたからね」
更にお祖父様はヴィリアム殿に言ったのだという。
「そなたのせいで、魔族は蛮族だと思われたのだぞ! 我らが長年に渡ってナーラライネン国と結んできた友好を、そなたは崩しかねない行為をした。分かっておるのか?」
「私はそんなことは致しておりません。あの人間の令嬢の方が余程蛮族……」
「人間の令嬢? そなた、まだそんなことを言っておるのか? エドヴァルドの婚約者のロヴィーサ嬢はモンスターを狩り、調理し、死にかけていたエドヴァルドの命を救った恩人なのだ。それを『人間の令嬢』とは何事だ!」
「ひぃ! お許しください!」
遂に懇願して許しを願うヴィリアム殿にお祖父様は言い渡した。
「そなたには無期限の謹慎を言い渡す! 今後公の場に出ることは許さないし、国外に出ることも許さない! そなたの行動はこの国の害にしかならない」
ヴィリアム殿は謹慎を言い渡されて、公の場に出られない上に、国外へも出ることを禁じられた。
これで僕がヴィリアム殿に絡まれるようなことはなくなったわけだ。
「父上の足元で蕪マンドラゴラも怒って鳴いていたよ。エドヴァルドが来なくなると、お仲間のエーメルも来なくなるだろう?」
「蕪マンドラゴラまで怒っていたのですか?」
「蕪マンドラゴラの絶叫のせいで、ヴィリアムはしばらく頭痛に悩まされているだろうね」
笑っているダミアーン伯父上に、僕は蕪マンドラゴラのエーメルとお祖父様の蕪マンドラゴラが楽しそうに二匹で手を取り合って踊っているのを見る。頭の葉っぱはないが、お祖父様の蕪マンドラゴラは赤ん坊のようなロンパースを着せられて、大事にされているようだった。
「国王陛下はわたくしのためにも怒って下さったのですね」
紅茶のカップをソーサーに置いて、ロヴィーサ嬢が微笑む。僕はお祖父様とお祖母様のロヴィーサ嬢を認めているという言葉に、一片の嘘偽りもなかったことを実感していた。
「ロヴィーサ嬢は魔族の国でも、我が国でも認められた、僕の最高の婚約者なのです」
「認めてくださることはとても嬉しいです。期待に応えられるように頑張っていかないといけませんね」
「今のままでもロヴィーサ嬢はこんなにも素晴らしいのに、まだ努力するのですか?」
「向上心がなければひとは停滞してしまいますからね」
今まで以上に頑張ろうというロヴィーサ嬢の考えは僕には尊敬しかなかった。
ダミアーン伯父上が焼き菓子を口に入れて、咀嚼して飲み込んでから、紅茶を一口飲む。紅茶を飲み終わったダミアーン伯父上は口を開いた。
「ヴィリアムが下がった後の父上も大変だったのだぞ」
「そうなのですか?」
「母上に泣き付いていた」
沙汰を下されたヴィリアムが下がった後で、ダミアーン伯父上とお祖母様とお祖父様だけになると、お祖父様はお祖母様に泣き付いていたのだという。
「これでエドヴァルドが魔族を嫌って、二度とこの国には来ないと言ったらどうしよう」
「ヴィリアムに厳しい罰を与えたことを伝えて、ダミアーンから話してもらえば大丈夫ですよ」
「あのヴィリアムのせいで! 私の可愛いエドヴァルドと、エドヴァルドが大事にしているロヴィーサ嬢が不快になってしまった。ヴィリアムは王家から除籍しておくべきだった」
ヴィリアム殿がダミアーン伯父上の地位を狙っていることは、公然の事実だったようで、お祖父様の耳にもその噂は入って来ていた。
王太子殿下の地位を狙うとなると反逆である。そんな輩を王族の中に入れておけないというのはお祖父様の言う通りだった。
「今からでも遅くありませんわ、ヴィリアムの除籍を」
「そうだな。早急に進めよう」
「王位継承権を持つものが減る、ダミアーンはいつ結婚するのだという話になるかもしれませんが、まだまだあなたは現役で頑張れますものね」
「う……まぁ、エドヴァルドのためならば」
「ダミアーンのためではないのですね」
「ダミアーンのためでもあるぞ? だが、ダミアーンが結婚せぬのは、ダミアーンが選んだことではないのか?」
思わぬ流れ弾が飛んできたが、ダミアーン伯父上はその点に関しては笑って流してしまったようだ。
「僕のためにヴィリアム殿を王族から除籍……」
「ヴィリアムのしたこと、企んでいたことからすれば、軽い罰だ」
「お祖父様は本当に僕とロヴィーサ嬢を大事に思ってくださっているのですね」
話を聞けば聞くほど、僕は愛されている自信を深めるのだった。
ダミアーン伯父上とのお茶会が終わって、晩ご飯の時間に僕は父上とお祖父様とお祖母様と合流した。父上とお祖父様とお祖母様も話が盛り上がっていたようだ。
「シーラの話をたくさん聞かせてもらったよ。シーラのお気に入りの庭も散歩してきた」
「母上は何が好きでしたか?」
「春は桜とチューリップ、夏は向日葵、秋は秋桜、冬は椿が好きで、庭にはそれぞれシーラの好きな花を植えるためのスペースがあった」
「今の時期は向日葵ですね。僕、向日葵を見たことがありません。行きたいです」
「明日にでも見てくるといい」
母上は色んな花が好きで、庭には母上の好きな花を植えるスペースがあった。
お祖父様もお祖母様も母上が嫁いでからも、亡くなってからも、庭のスペースを確保し続けた。庭に咲く向日葵を見るのが僕は楽しみになっていた。
晩ご飯は僕が好きと言ったからか、天ぷらだった。
大きな海老と、貝柱と三つ葉のかき揚げ、茄子やベビーコーンやピーマンや椎茸やアスパラガスや芋の天ぷら。
ご飯と一緒に食べていると、小さな貝の入ったお味噌汁も出て来る。
「シジミの味噌汁だよ」
「味噌が赤いのですね」
「ロヴィーサ嬢は普段白味噌を使っているのですか? 赤味噌も美味しいですよ」
「はい、食べてみます」
お祖父様とお祖母様に教えてもらって、僕はシジミのお味噌汁に口をつける。普段のお味噌汁とは違った味わいがして美味しかった。
「赤味噌は曾祖父の手記にもありましたが、作り方が分からなかったのです」
「味噌を熟成させるのですよ」
「赤味噌をお土産に持って帰るかい?」
「よろしいのですか? いただけると大変嬉しいです」
「厨房に用意させよう」
ロヴィーサ嬢はお祖母様とお祖父様に赤味噌をもらう約束をしていた。
お腹いっぱい天ぷらとご飯とお味噌汁を食べて、僕は満足して客間で眠った。
翌朝、早く目が覚めた僕が着替えて廊下に出ると、ロヴィーサ嬢も着替えて廊下に出ていた。
「ロヴィーサ嬢、もう起きたのですか?」
「家庭菜園の世話をしているので、早起きが身についてしまったようです」
「僕も同じです」
白いワンピースを着たロヴィーサ嬢に僕は手を差し伸べる。
「庭に散歩に行きませんか?」
「喜んで参ります」
庭に出て、僕は一面の向日葵の花を見る。
「国王陛下、違うのです。私はエドヴァルド殿下が魔族の国に来られたら、国王陛下もいつでもお会いになれるし、あちらの国とも友好関係が築けると思ったのです」
「黙れ! そなたが彼の国で何をしたかは、全て私の耳に入っている」
ダミアーン伯父上曰く、魔族の国の国王陛下であり、魔王とも呼ばれるお祖父様の前に呼び出されたヴィリアム殿は震えて床にへばりつくようにして頭を下げていたのだという。
「ヴィリアムは前々から人間を軽んじているところがあった。それに、自分が結婚して子どもがいるから、王太子の私がいつまでも結婚しないので、父上に取り入って、自分を王太子にしてもらおうと考えていたのだよ」
楽しそうに話すダミアーン伯父上に僕は驚いてしまう。
お祖父様はまだまだお元気だし、ダミアーン伯父上は運命に出会っていないから結婚していないだけで、運命に出会えば結婚するだろう。ダミアーン伯父上のようなすごい方を差し置いて、お祖父様に取り入って自分が王太子になろうだなんて考えをヴィリアム殿が持っていたのが信じられない。
その企みに、僕とブリット嬢の婚約を使われたのならばたまったものじゃない。
「エドヴァルドに許しもなく話しかけ、名前を呼んだと聞いている。そなたは誠に王族か? エドヴァルドは彼の国の王子。そなたから話しかけられるような地位にないのだぞ!」
「私はエドヴァルド殿下のお母上の従弟です。私はこの国の王族なのですよ?」
「黙れと言っておる! 王位継承権の低い王族など、他の貴族と変わらぬわ!」
叱責されてヴィリアム殿は再び床に這いつくばったのだという。
ダミアーン伯父上は楽し気に語っている。
「あれは本当に胸がすく思いだったね。ヴィリアムは私の地位を乗っ取ろうとしていて、私にも横柄な態度を取り始めていたからね」
更にお祖父様はヴィリアム殿に言ったのだという。
「そなたのせいで、魔族は蛮族だと思われたのだぞ! 我らが長年に渡ってナーラライネン国と結んできた友好を、そなたは崩しかねない行為をした。分かっておるのか?」
「私はそんなことは致しておりません。あの人間の令嬢の方が余程蛮族……」
「人間の令嬢? そなた、まだそんなことを言っておるのか? エドヴァルドの婚約者のロヴィーサ嬢はモンスターを狩り、調理し、死にかけていたエドヴァルドの命を救った恩人なのだ。それを『人間の令嬢』とは何事だ!」
「ひぃ! お許しください!」
遂に懇願して許しを願うヴィリアム殿にお祖父様は言い渡した。
「そなたには無期限の謹慎を言い渡す! 今後公の場に出ることは許さないし、国外に出ることも許さない! そなたの行動はこの国の害にしかならない」
ヴィリアム殿は謹慎を言い渡されて、公の場に出られない上に、国外へも出ることを禁じられた。
これで僕がヴィリアム殿に絡まれるようなことはなくなったわけだ。
「父上の足元で蕪マンドラゴラも怒って鳴いていたよ。エドヴァルドが来なくなると、お仲間のエーメルも来なくなるだろう?」
「蕪マンドラゴラまで怒っていたのですか?」
「蕪マンドラゴラの絶叫のせいで、ヴィリアムはしばらく頭痛に悩まされているだろうね」
笑っているダミアーン伯父上に、僕は蕪マンドラゴラのエーメルとお祖父様の蕪マンドラゴラが楽しそうに二匹で手を取り合って踊っているのを見る。頭の葉っぱはないが、お祖父様の蕪マンドラゴラは赤ん坊のようなロンパースを着せられて、大事にされているようだった。
「国王陛下はわたくしのためにも怒って下さったのですね」
紅茶のカップをソーサーに置いて、ロヴィーサ嬢が微笑む。僕はお祖父様とお祖母様のロヴィーサ嬢を認めているという言葉に、一片の嘘偽りもなかったことを実感していた。
「ロヴィーサ嬢は魔族の国でも、我が国でも認められた、僕の最高の婚約者なのです」
「認めてくださることはとても嬉しいです。期待に応えられるように頑張っていかないといけませんね」
「今のままでもロヴィーサ嬢はこんなにも素晴らしいのに、まだ努力するのですか?」
「向上心がなければひとは停滞してしまいますからね」
今まで以上に頑張ろうというロヴィーサ嬢の考えは僕には尊敬しかなかった。
ダミアーン伯父上が焼き菓子を口に入れて、咀嚼して飲み込んでから、紅茶を一口飲む。紅茶を飲み終わったダミアーン伯父上は口を開いた。
「ヴィリアムが下がった後の父上も大変だったのだぞ」
「そうなのですか?」
「母上に泣き付いていた」
沙汰を下されたヴィリアムが下がった後で、ダミアーン伯父上とお祖母様とお祖父様だけになると、お祖父様はお祖母様に泣き付いていたのだという。
「これでエドヴァルドが魔族を嫌って、二度とこの国には来ないと言ったらどうしよう」
「ヴィリアムに厳しい罰を与えたことを伝えて、ダミアーンから話してもらえば大丈夫ですよ」
「あのヴィリアムのせいで! 私の可愛いエドヴァルドと、エドヴァルドが大事にしているロヴィーサ嬢が不快になってしまった。ヴィリアムは王家から除籍しておくべきだった」
ヴィリアム殿がダミアーン伯父上の地位を狙っていることは、公然の事実だったようで、お祖父様の耳にもその噂は入って来ていた。
王太子殿下の地位を狙うとなると反逆である。そんな輩を王族の中に入れておけないというのはお祖父様の言う通りだった。
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「う……まぁ、エドヴァルドのためならば」
「ダミアーンのためではないのですね」
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「僕のためにヴィリアム殿を王族から除籍……」
「ヴィリアムのしたこと、企んでいたことからすれば、軽い罰だ」
「お祖父様は本当に僕とロヴィーサ嬢を大事に思ってくださっているのですね」
話を聞けば聞くほど、僕は愛されている自信を深めるのだった。
ダミアーン伯父上とのお茶会が終わって、晩ご飯の時間に僕は父上とお祖父様とお祖母様と合流した。父上とお祖父様とお祖母様も話が盛り上がっていたようだ。
「シーラの話をたくさん聞かせてもらったよ。シーラのお気に入りの庭も散歩してきた」
「母上は何が好きでしたか?」
「春は桜とチューリップ、夏は向日葵、秋は秋桜、冬は椿が好きで、庭にはそれぞれシーラの好きな花を植えるためのスペースがあった」
「今の時期は向日葵ですね。僕、向日葵を見たことがありません。行きたいです」
「明日にでも見てくるといい」
母上は色んな花が好きで、庭には母上の好きな花を植えるスペースがあった。
お祖父様もお祖母様も母上が嫁いでからも、亡くなってからも、庭のスペースを確保し続けた。庭に咲く向日葵を見るのが僕は楽しみになっていた。
晩ご飯は僕が好きと言ったからか、天ぷらだった。
大きな海老と、貝柱と三つ葉のかき揚げ、茄子やベビーコーンやピーマンや椎茸やアスパラガスや芋の天ぷら。
ご飯と一緒に食べていると、小さな貝の入ったお味噌汁も出て来る。
「シジミの味噌汁だよ」
「味噌が赤いのですね」
「ロヴィーサ嬢は普段白味噌を使っているのですか? 赤味噌も美味しいですよ」
「はい、食べてみます」
お祖父様とお祖母様に教えてもらって、僕はシジミのお味噌汁に口をつける。普段のお味噌汁とは違った味わいがして美味しかった。
「赤味噌は曾祖父の手記にもありましたが、作り方が分からなかったのです」
「味噌を熟成させるのですよ」
「赤味噌をお土産に持って帰るかい?」
「よろしいのですか? いただけると大変嬉しいです」
「厨房に用意させよう」
ロヴィーサ嬢はお祖母様とお祖父様に赤味噌をもらう約束をしていた。
お腹いっぱい天ぷらとご飯とお味噌汁を食べて、僕は満足して客間で眠った。
翌朝、早く目が覚めた僕が着替えて廊下に出ると、ロヴィーサ嬢も着替えて廊下に出ていた。
「ロヴィーサ嬢、もう起きたのですか?」
「家庭菜園の世話をしているので、早起きが身についてしまったようです」
「僕も同じです」
白いワンピースを着たロヴィーサ嬢に僕は手を差し伸べる。
「庭に散歩に行きませんか?」
「喜んで参ります」
庭に出て、僕は一面の向日葵の花を見る。
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