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五章 十六歳の性教育
4.父上の性教育
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魔族の国から果物を届ける箱の中に、小さな箱が二つ入っていた。
一つは心当たりがあった。
ロヴィーサ嬢がダミアーン伯父上にモンスターを捕獲するための睡眠玉の追加を頼んだのだ。箱を開けると金柑くらいの大きさのオレンジ色に光る玉が十個入っている。
「これでまた新鮮なモンスターを捕獲できます」
「美味しいお刺身が食べられますね」
話しながらもう一個の箱を開けると、小さな布が畳んで入れられていた。色は薄水色に薄ピンクと二種類ある。
布を出してみると、赤ん坊の着るロンパースをやたらと丸く縫ったような作りになっている。
僕とロヴィーサ嬢が首を傾げていると、蕪マンドラゴラのエーメルがそれを見て走って来た。
「びょくの!」
「え? エーメルのなの?」
「びゃい!」
両手を広げて着せてくれと願うエーメルにロンパースを着せると確かにぴったりである。ロンパースを着せられてエーメルは嬉しそうに鼻歌を歌いながら踊っている。
「魔族の国の国王陛下からお手紙があります」
「『私の蕪の親友にお揃いのロンパースを着て欲しいと思って贈る』ですか。お祖父様の蕪は僕のエーメルを親友と思ってくれているようですね」
「ヴィリアム様を国王陛下が叱責なさっていたときも、鳴いていたと聞きますし、エーメルもあんなに喜んでいます」
薄い水色のロンパースを着たエーメルは上機嫌で踊り続けていた。あれを喜んでいないとは僕も言えない。
「お祖父様も蕪を可愛がっているんですね」
「あの蕪は幸せ者ですね」
踊るエーメルを見ながら僕とロヴィーサ嬢は微笑んでいたのだが、問題はもう一枚のロンパースの行き先だ。
エーメルの着替えにしてもいいが、そうではないような気がする。
「このロンパースはアルマスの蕪三号にあげようと思います」
「蕪三号も可愛くなるのですね」
ロンパースを上げる先を僕が告げると、ロヴィーサ嬢は快く賛成してくれた。
次の王城に行くときに、僕はロヴィーサ嬢に待っていてもらうことにした。
父上と大事な話があるのだ。
ロヴィーサ嬢と離れるのは嫌だったが、ミエト家で待っていてもらうようにお願いする。
「父上に聞いて来ます。僕は大人になって来ます」
「エド殿下、お帰りをお待ちしています」
「ロヴィーサ嬢、僕が真実を知ったとしても、僕がしたいのはキスです。その先ではないことを覚えていてください」
「は、はい」
頬を染めながらロヴィーサ嬢が頷いている。宣言してから僕は王城に魔法石で飛んだ。
「エリアス兄上、ユリウス義兄上、エルランド兄上、爺や、席を外してくれませんか?」
「エド、どうしたんだい?」
「父上にだけ話があるのかな?」
僕が真剣な眼差しで伝えると、エリアス兄上もユリウス義兄上もエルランド兄上も、僕に挨拶だけして席を外してくれた。爺やも席を外してくれている。
父上は僕が何を聞くか緊張した面持ちで待っている。
「『白い婚約』とはキスのことではなかったのですね」
「ぶふぉ!?」
飲んでいた紅茶を父上が噴いて咳き込んでいるが、僕は気にせずに続きを話した。
「キスをすれば名実ともに婚約者になれるのかと思っていましたが、違うのだということを僕はヘンリッキとアルマスとロヴィーサ嬢に教えてもらいました。ロヴィーサ嬢は、『白い婚約』とは『肉体関係がない』ものだと言いました。父上、『肉体関係』とは何ですか!」
「そ、それはエドが大人になるにつれて追々分かって来ることだ」
「それでは遅いのです。僕はもう十六歳ですよ。誕生日には十七歳になります。十八歳になったらロヴィーサ嬢と結婚する。その間に間違いなく僕がその知識を得られるという確証がありますか?」
誤魔化そうとする父上に詰め寄ると、ぐっと言葉に詰まってしまう。
僕は知らなければいけない。
十六歳の男性として、知っていなければいけないのだ。
「僕はロヴィーサ嬢と結婚したらつつがなくそういうことをしたいのです。僕に子どもができなければ、将来の王太子も、ミエト家の後継者も生まれないのですよ」
「それはそうだ。だが、エド、そなたはこれまで誰かから習ってこなかったのか?」
「僕は十二歳までずっと病弱で寝込んでいました。勉強などほとんどする余裕がなかったのです。そこから今、取り戻していますが、それでも足りていないところがある」
ロヴィーサ嬢と出会うまでの僕の人生はほとんどベッドの中だった。体調を崩して、王城と別荘を行き来するくらいしか出歩くことはなくて、家庭教師は僕を馬鹿にしていた。
そんな状態で正常な教育が行われたとはとても言えない。
「誰にも性教育を受けて来なかったのだな」
「僕は、そのせいで、ロヴィーサ嬢に誤解されかけました。知識が欲しかっただけなのに、卑猥な雑誌のようなものを渡されて、それをロヴィーサ嬢に見られてしまったのです」
「それは……気まずい」
「僕は泣きましたよ!」
今思い出しても涙が出てきそうになる。ロヴィーサ嬢に縋って泣いてしまった僕にもロヴィーサ嬢は優しかった。きっと女性から言いにくいことだと分かっているのに、優しく説明してくれた。
「詳しくは父上に聞くように言われましたが、ロヴィーサ嬢は『肉体関係』という単語まで出して説明してくれたのですよ。僕がそれ以上泣かずに済むように。父上はロヴィーサ嬢の口から『肉体関係』という単語を引き出させてしまった僕の教育が足りなかったことを知ってください!」
父上が悪いわけではないが、僕が寝込んでいる間、ヒルダ姉上やエリアス兄上やエルランド兄上やダミアーン伯父上は頻繁に僕を見舞ってくれて、僕を心配してくれていたが、父上は食事のときに同席する以外は忙しくて顔を会わせる時間もほとんどなかった。
「僕は父上と話したい! 父上ともっと言葉を交わしたいのです!」
僕はもっと父上と話したかったし、父上に甘えたかった。僕には生まれたときから母上がいないので、その分父上に対する思いが大きかったのだ。
涙声になっている僕に父上が僕の手を取る。大きな手は暖かい。
「すまなかった、エド。エドには寂しい思いをさせてしまったな。私のエドへの関わりが少なかったかもしれない。エド、許して欲しい」
「父上……教えてください」
「私は嫌がったのだが、そういうことを教えるときには、そういうことをする場所に連れて行って実地で教えてもらうという習慣があった。もちろん、私は断っている」
「僕も嫌です。卑猥な雑誌のようなものには女性の裸がたくさん載っていましたが、僕はロヴィーサ嬢の肌以外に興味はないとはっきり分かったのです」
「そうなのだな。それならば、私が説明するほかないな」
父上も腹を決めて説明してくれるようだった。
僕は真剣に父上の顔を見る。
「赤ん坊というのは男性と女性が抱き合わねばできることはない」
「抱き合うのですか? 僕はロヴィーサ嬢にハグをしてはいけないのですか?」
「その抱き合うではない。もっと深い意味で接触をするのだ」
「接触?」
僕はロヴィーサ嬢の話を思い出してみる。双子の話をしていたときに、ロヴィーサ嬢は二卵性双生児と一卵性双生児で、卵子の数が違うのだという説明をしていた。
卵子とは何なのだろう。
「卵子という単語を、ロヴィーサ嬢から聞きました」
「女性の体の中にある赤ん坊の卵のようなものだな。それと男性の精子が出会わなければ赤ん坊は生まれない」
「卵子と精子」
「具体的には、女性の体と男性の体が触れ合わなければいけない」
詳しい話になって来て、僕は胸がドキドキしてしまう。
雑誌のようなものに描かれていた女性の裸は気持ち悪いだけだったが、ロヴィーサ嬢の一糸纏わぬ姿を想像すると、体の奥が熱くなる気がする。頭の芯も燃えるように熱い。
「つまりは……」
父上は詳しくその方法を話してくれたが、僕は頭が熱くなりすぎてその話をうまく理解できなかった。
理解したつもりになっているが、驚きと頭と体の芯の熱さでどうにかなってしまいそうだ。
「そ、そんなところに、入るのですか?」
「入るのだよ」
「う、嘘……!? ロヴィーサ嬢を苦しめたり、痛がらせたりしませんか?」
「痛いと思う女性もいるようだ。それはロヴィーサ嬢に聞いてみないといけない」
方法だけでも衝撃的で倒れそうなのに、ロヴィーサ嬢を傷付ける可能性もあるだなんて。確かに、古い考えの貴族たちが実地で練習しに行っていたのも理解できる。
初めてのときに愛するひとを傷付けたいとは誰も思わないだろう。
でも僕は絶対にロヴィーサ嬢以外の相手に触れたくない。
ロヴィーサ嬢には触れたいし、キスもしたいし、抱き締めたいのだが、それ以外の相手となると、できれば触らずに過ごしたい。
「父上、僕はちゃんとできるのでしょうか」
情報量とロヴィーサ嬢を傷付けるかもしれないという可能性だけでいっぱいいっぱいになってしまう僕に、父上は優しく背中を撫で下ろす。
「ロヴィーサ嬢は受け止めてくれると信じよう」
「僕が格好よく決めたいのです」
「エド、そういう行為は男女で行うものだ。どちらの合意と協力もなければすることができないし、してはいけない」
「は、はい」
「ロヴィーサ嬢と協力すればきっといい方向に進む」
父上に言ってもらえて、僕は混乱しかけた頭を何とか纏めることができた。
ミエト家に帰ればロヴィーサ嬢が待っている。
どんな顔でロヴィーサ嬢に会えばいいのだろう。
一つは心当たりがあった。
ロヴィーサ嬢がダミアーン伯父上にモンスターを捕獲するための睡眠玉の追加を頼んだのだ。箱を開けると金柑くらいの大きさのオレンジ色に光る玉が十個入っている。
「これでまた新鮮なモンスターを捕獲できます」
「美味しいお刺身が食べられますね」
話しながらもう一個の箱を開けると、小さな布が畳んで入れられていた。色は薄水色に薄ピンクと二種類ある。
布を出してみると、赤ん坊の着るロンパースをやたらと丸く縫ったような作りになっている。
僕とロヴィーサ嬢が首を傾げていると、蕪マンドラゴラのエーメルがそれを見て走って来た。
「びょくの!」
「え? エーメルのなの?」
「びゃい!」
両手を広げて着せてくれと願うエーメルにロンパースを着せると確かにぴったりである。ロンパースを着せられてエーメルは嬉しそうに鼻歌を歌いながら踊っている。
「魔族の国の国王陛下からお手紙があります」
「『私の蕪の親友にお揃いのロンパースを着て欲しいと思って贈る』ですか。お祖父様の蕪は僕のエーメルを親友と思ってくれているようですね」
「ヴィリアム様を国王陛下が叱責なさっていたときも、鳴いていたと聞きますし、エーメルもあんなに喜んでいます」
薄い水色のロンパースを着たエーメルは上機嫌で踊り続けていた。あれを喜んでいないとは僕も言えない。
「お祖父様も蕪を可愛がっているんですね」
「あの蕪は幸せ者ですね」
踊るエーメルを見ながら僕とロヴィーサ嬢は微笑んでいたのだが、問題はもう一枚のロンパースの行き先だ。
エーメルの着替えにしてもいいが、そうではないような気がする。
「このロンパースはアルマスの蕪三号にあげようと思います」
「蕪三号も可愛くなるのですね」
ロンパースを上げる先を僕が告げると、ロヴィーサ嬢は快く賛成してくれた。
次の王城に行くときに、僕はロヴィーサ嬢に待っていてもらうことにした。
父上と大事な話があるのだ。
ロヴィーサ嬢と離れるのは嫌だったが、ミエト家で待っていてもらうようにお願いする。
「父上に聞いて来ます。僕は大人になって来ます」
「エド殿下、お帰りをお待ちしています」
「ロヴィーサ嬢、僕が真実を知ったとしても、僕がしたいのはキスです。その先ではないことを覚えていてください」
「は、はい」
頬を染めながらロヴィーサ嬢が頷いている。宣言してから僕は王城に魔法石で飛んだ。
「エリアス兄上、ユリウス義兄上、エルランド兄上、爺や、席を外してくれませんか?」
「エド、どうしたんだい?」
「父上にだけ話があるのかな?」
僕が真剣な眼差しで伝えると、エリアス兄上もユリウス義兄上もエルランド兄上も、僕に挨拶だけして席を外してくれた。爺やも席を外してくれている。
父上は僕が何を聞くか緊張した面持ちで待っている。
「『白い婚約』とはキスのことではなかったのですね」
「ぶふぉ!?」
飲んでいた紅茶を父上が噴いて咳き込んでいるが、僕は気にせずに続きを話した。
「キスをすれば名実ともに婚約者になれるのかと思っていましたが、違うのだということを僕はヘンリッキとアルマスとロヴィーサ嬢に教えてもらいました。ロヴィーサ嬢は、『白い婚約』とは『肉体関係がない』ものだと言いました。父上、『肉体関係』とは何ですか!」
「そ、それはエドが大人になるにつれて追々分かって来ることだ」
「それでは遅いのです。僕はもう十六歳ですよ。誕生日には十七歳になります。十八歳になったらロヴィーサ嬢と結婚する。その間に間違いなく僕がその知識を得られるという確証がありますか?」
誤魔化そうとする父上に詰め寄ると、ぐっと言葉に詰まってしまう。
僕は知らなければいけない。
十六歳の男性として、知っていなければいけないのだ。
「僕はロヴィーサ嬢と結婚したらつつがなくそういうことをしたいのです。僕に子どもができなければ、将来の王太子も、ミエト家の後継者も生まれないのですよ」
「それはそうだ。だが、エド、そなたはこれまで誰かから習ってこなかったのか?」
「僕は十二歳までずっと病弱で寝込んでいました。勉強などほとんどする余裕がなかったのです。そこから今、取り戻していますが、それでも足りていないところがある」
ロヴィーサ嬢と出会うまでの僕の人生はほとんどベッドの中だった。体調を崩して、王城と別荘を行き来するくらいしか出歩くことはなくて、家庭教師は僕を馬鹿にしていた。
そんな状態で正常な教育が行われたとはとても言えない。
「誰にも性教育を受けて来なかったのだな」
「僕は、そのせいで、ロヴィーサ嬢に誤解されかけました。知識が欲しかっただけなのに、卑猥な雑誌のようなものを渡されて、それをロヴィーサ嬢に見られてしまったのです」
「それは……気まずい」
「僕は泣きましたよ!」
今思い出しても涙が出てきそうになる。ロヴィーサ嬢に縋って泣いてしまった僕にもロヴィーサ嬢は優しかった。きっと女性から言いにくいことだと分かっているのに、優しく説明してくれた。
「詳しくは父上に聞くように言われましたが、ロヴィーサ嬢は『肉体関係』という単語まで出して説明してくれたのですよ。僕がそれ以上泣かずに済むように。父上はロヴィーサ嬢の口から『肉体関係』という単語を引き出させてしまった僕の教育が足りなかったことを知ってください!」
父上が悪いわけではないが、僕が寝込んでいる間、ヒルダ姉上やエリアス兄上やエルランド兄上やダミアーン伯父上は頻繁に僕を見舞ってくれて、僕を心配してくれていたが、父上は食事のときに同席する以外は忙しくて顔を会わせる時間もほとんどなかった。
「僕は父上と話したい! 父上ともっと言葉を交わしたいのです!」
僕はもっと父上と話したかったし、父上に甘えたかった。僕には生まれたときから母上がいないので、その分父上に対する思いが大きかったのだ。
涙声になっている僕に父上が僕の手を取る。大きな手は暖かい。
「すまなかった、エド。エドには寂しい思いをさせてしまったな。私のエドへの関わりが少なかったかもしれない。エド、許して欲しい」
「父上……教えてください」
「私は嫌がったのだが、そういうことを教えるときには、そういうことをする場所に連れて行って実地で教えてもらうという習慣があった。もちろん、私は断っている」
「僕も嫌です。卑猥な雑誌のようなものには女性の裸がたくさん載っていましたが、僕はロヴィーサ嬢の肌以外に興味はないとはっきり分かったのです」
「そうなのだな。それならば、私が説明するほかないな」
父上も腹を決めて説明してくれるようだった。
僕は真剣に父上の顔を見る。
「赤ん坊というのは男性と女性が抱き合わねばできることはない」
「抱き合うのですか? 僕はロヴィーサ嬢にハグをしてはいけないのですか?」
「その抱き合うではない。もっと深い意味で接触をするのだ」
「接触?」
僕はロヴィーサ嬢の話を思い出してみる。双子の話をしていたときに、ロヴィーサ嬢は二卵性双生児と一卵性双生児で、卵子の数が違うのだという説明をしていた。
卵子とは何なのだろう。
「卵子という単語を、ロヴィーサ嬢から聞きました」
「女性の体の中にある赤ん坊の卵のようなものだな。それと男性の精子が出会わなければ赤ん坊は生まれない」
「卵子と精子」
「具体的には、女性の体と男性の体が触れ合わなければいけない」
詳しい話になって来て、僕は胸がドキドキしてしまう。
雑誌のようなものに描かれていた女性の裸は気持ち悪いだけだったが、ロヴィーサ嬢の一糸纏わぬ姿を想像すると、体の奥が熱くなる気がする。頭の芯も燃えるように熱い。
「つまりは……」
父上は詳しくその方法を話してくれたが、僕は頭が熱くなりすぎてその話をうまく理解できなかった。
理解したつもりになっているが、驚きと頭と体の芯の熱さでどうにかなってしまいそうだ。
「そ、そんなところに、入るのですか?」
「入るのだよ」
「う、嘘……!? ロヴィーサ嬢を苦しめたり、痛がらせたりしませんか?」
「痛いと思う女性もいるようだ。それはロヴィーサ嬢に聞いてみないといけない」
方法だけでも衝撃的で倒れそうなのに、ロヴィーサ嬢を傷付ける可能性もあるだなんて。確かに、古い考えの貴族たちが実地で練習しに行っていたのも理解できる。
初めてのときに愛するひとを傷付けたいとは誰も思わないだろう。
でも僕は絶対にロヴィーサ嬢以外の相手に触れたくない。
ロヴィーサ嬢には触れたいし、キスもしたいし、抱き締めたいのだが、それ以外の相手となると、できれば触らずに過ごしたい。
「父上、僕はちゃんとできるのでしょうか」
情報量とロヴィーサ嬢を傷付けるかもしれないという可能性だけでいっぱいいっぱいになってしまう僕に、父上は優しく背中を撫で下ろす。
「ロヴィーサ嬢は受け止めてくれると信じよう」
「僕が格好よく決めたいのです」
「エド、そういう行為は男女で行うものだ。どちらの合意と協力もなければすることができないし、してはいけない」
「は、はい」
「ロヴィーサ嬢と協力すればきっといい方向に進む」
父上に言ってもらえて、僕は混乱しかけた頭を何とか纏めることができた。
ミエト家に帰ればロヴィーサ嬢が待っている。
どんな顔でロヴィーサ嬢に会えばいいのだろう。
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