30 / 30
30.お寺にお参り
しおりを挟む
『妬ましい……』
声が聞こえる。
真っ暗な部屋の中で、僕の上に乗り上がって、ぐいぐいと冷たい手が首を絞めて来る。
僕は呼吸ができなくてもがいていた。
猫又が僕の胸に飛び乗って、『ふしゃー!』と僕の首を絞める黒い影を威嚇する。
いつものように飲み込んでしまわないのはどうしてなのだろう。
猫又は自分で飲み込めないような大きさの黒い影……思念や残滓は寛に任せるのだが、今回の黒い影がそれほど大きなものには僕は思えなかった。
普段ならば飲み込んでいるだろうに、どうしたのだろう。
猫又に威嚇されて黒い影は逃げ出したが、僕は気になって机の上にタロットクロスを敷いて、タロットカードを混ぜていた。
タロットカードを一枚引くと、ワンドのエースの逆位置が出た。
意味は生命力だ。
逆位置になると、足を引っ張るひとという意味もある。
『あなたの成功を妬んで足を引っ張るひとが出てきたみたいね。これは死んだひとの思念じゃなくて、生きているひと、つまり生霊だわ。私が飲み込んでしまうと、そのひとに害が及ぶかもしれない』と猫又は言っている。
「僕を殺そうとするくらい憎んでいるひとがいるってこと?」
問いかけてタロットカードを捲ると、ソードの五の正位置が出た。
意味は、混乱。
手段を選ばず強奪するという意味もある。
『あなたの地位が欲しいひとたちの集団の思念ね。小さな羨ましさや妬みが集合体になっているのよ』という猫又の声に、僕は考える。
「ゆーちゃんの不動明王様なら祓えるのかな?」
タロットカードを捲ってみると、ワンドの三の正位置が出た。
意味は、模索。
あともう一押しがあれば動き出せるという暗示だった。
「もう一押し足りない何かがあるってこと?」
『その通りね。不動明王様の力が弱まっている。一度、お参りに行った方がいいわ』と猫又も答える。
僕はこのことを寛にどう伝えようか迷っていた。
翌朝になってから、寛がキッチンで朝ご飯を作っている間、黙り込んでいる僕に、寛は不審に思ったようだ。
問いかけて来る。
「昨日の夜、起きてなかったか?」
「気付いてたの?」
「隣りの部屋で物音がすると思ってた。猫又がいるから平気だろうと放っておいたが、平気じゃなかったのか?」
僕は正直に寛に言うことにした。
僕と寛の間には隠し事はなしだ。
「不動明王様の力が弱まってるみたいなんだ。一度お参りに行った方がいいかもしれない」
「どこの不動明王にお参りに行けばいいんだ?」
問いかけられて僕は困ってしまった。
不動明王は色んな所にあって、どこに行けばいいのか分からない。
タロットカードに聞いてみるというのもありだが、一か所一か所調べていくのはものすごく時間がかかる。
それでもざっくりとした場所が分からないかとタロットクロスをテーブルに広げて、タロットカードを混ぜていると、ポーチにつけていたチャームが外れた。
これは何か意味があることなのだろうか。
ポーチにつけていたチャームは、僕が酉年で、酉年の守護神であるという不動明王のカンという梵字の書かれた小さなプレート状のチャームだった。
タロットカードを捲ってみると、ペンタクルの五だ。
意味は、困難なのだが、スタンダードなタロットカードでは教会に駆け込むひとの姿が書いてあって、寺院、教会という意味もあったはずだ。
「ちぃちゃんが、このチャームを買ったお寺?」
僕の呟きに、猫又が『そこだわ!』と声を上げた。
長年僕を守って寛と共にいた不動明王は弱っている。
猫又は生霊は追い払うことくらいしかできないし、根本的に祓ってもらうには不動明王の力が不可欠だった。
僕はすぐに叔母にチャームを買ったお寺を聞いた。
そこはこの部屋から電車で三十分くらいの場所だった。
叔母は僕と似ていてそんなに遠くに行かない。どちらかといえば引きこもっている方だ。
その叔母が行ける範囲なのだから、近場で本当によかった。
僕と寛は、寛の次の休みである明後日にそのお寺に行くことを決めた。
調べてみるとお寺はかなり有名な場所のようだった。
もしかすると、寛の母親が妊娠中に安産祈願に行ったのかもしれないが、それを確かめる方法はない。僕は寛の母親と連絡を取りたいと思っていないし、寛もそうだった。
お寺に行く日には、気温が下がって霧雨が降っていた。
傘を差して電車の駅まで歩いて、電車でお寺の最寄り駅まで行く。
お寺は拝観料が必要だった。
拝観料を払って境内に入ると、不動明王の置かれているお堂がある。
真っすぐそこに向かうと、不動明王の像が置いてあった。
あまり大きな像ではなくて、寛の連れている不動明王とほとんど変わらないサイズだ。
お参りをすると、不動明王の輝きが増してくる。
「かーくん、何か変わったか?」
「すごく眩しい。輝いてる」
これからは定期的にこのお寺に来て寛の不動明王に力を注がなければいけないのだろう。
お参りを終えて、僕と寛は部屋に帰った。
部屋に帰った僕は、寛に言う。
「部屋の端に黒くてデカいのがいる!」
「ここか?」
「もう少し、左!」
「こっちか?」
「そこ! そこを徹底的にやって!」
黒い影は『妬ましい……羨ましい』と呻きながら霧散していった。
タロットクロスを広げてタロットカードで見てみると、ワンドのエースが正位置になっていた。
逆位置だったのが、正位置に戻ったというのは、生命力が元に戻って行ったということだろう。
「生霊はみんな元に戻ったみたい」
僕が言えば、猫又が補足する。
『それだけじゃないわ。不動明王様の生命力も満ちているのよ』と。
「またあのお寺には行こうね」
「二十六年間も、力を足さずに守ってくれてたんだな。これからは頻繁に行こう」
幸い遠い場所ではなかったので、僕と寛はあのお寺にまた行くことを誓っていた。
編集の鈴木さんと、もう一社の編集さんからメッセージが届く。
『続刊の番外編集、好評ですよ。予約数がすごいです』
『妖ミステリ作品の初稿、読ませていただきました。全体としてよくまとまっていると思います。これで行きましょう』
上下巻同時発売した板前さんと妖の女の子の話の続刊の番外編集は、予約数だけで増版がかかりそうだと鈴木さんは言っている。
もう一社の編集者さんは、妖ミステリ作品の初稿は満足の行く出来だと言ってくれている。
「ゆーちゃん、続刊も増版するかも!」
「本当か。かーくん、お祝いしないと!」
嬉しい知らせはそれだけではなかった。
『メープルシュガー先生に、異世界ロマンス小説を書いていただきたくてご連絡しました。悪役令嬢ものなどいかがでしょう?』
別の出版社からもお声がかかった。
この出版社も、一冊だけ本を出していたが僕も作家になりたての頃で、売れ行きがいまいちでそれ以降お声がかからなかった出版社だ。
前回とは編集さんが違うようだが、上手くやって行けるだろうか。
『詳しいお話を聞かせてください』
メッセージを返してから、僕は寛を見た。
「僕、忙しくなりそう」
「俺の店で書けばいいだろ」
「そうしようかな」
寛の申し出に僕は笑って答えた。
寛のお店は妖が来るようになって経営も立て直って、潰れることはなくなった。
「この汁飯は何というのだ?」
「鶏飯です」
「とても旨いな」
今日の定食は鶏飯である。
炊き立てのご飯の上に、解した鶏の身と薄焼き卵と海苔とネギを乗せて、熱々の鶏ガラスープをかけるのだ。
季節はすっかり冬になっていて、温かいスープが身に沁み込むように美味しい。
「ちぃちゃんとばぁばとじぃじから、感想が来るんだよ。恥ずかしいけど、嬉しいね」
食べながらそばを通った寛に話しかけると、マスクの下で微笑んだようだった。
僕は祖母を「ばぁば」、祖父を「じぃじ」と呼んでいる。
母を「ママ」、父を「パパ」と呼ぶのを改める時期を逸してしまって、そのままにしているのと理由は同じだ。
僕が「ばぁば」と「じぃじ」と言っても、寛は笑ったりしない。
「そういえば、ばぁばからこれ、送られて来たんだけど」
今朝部屋を出るときにポストに入っていた手紙を開くと、三歳のときの僕と寛の写真が入っていた。
これは寛と出会った日の写真ではないだろうか。
僕は寛に借りたパンツをはいている。
「カボチャパンツ……」
寛が小さく呟く。
僕も寛も見事なお尻がぷっくりとしたカボチャパンツだったけれど、僕はそんなこと気にしていなかった。
「ゆーちゃんはこのころから格好よかったよね」
寛は僕のヒーローだ。
これまでも、これからも。
声が聞こえる。
真っ暗な部屋の中で、僕の上に乗り上がって、ぐいぐいと冷たい手が首を絞めて来る。
僕は呼吸ができなくてもがいていた。
猫又が僕の胸に飛び乗って、『ふしゃー!』と僕の首を絞める黒い影を威嚇する。
いつものように飲み込んでしまわないのはどうしてなのだろう。
猫又は自分で飲み込めないような大きさの黒い影……思念や残滓は寛に任せるのだが、今回の黒い影がそれほど大きなものには僕は思えなかった。
普段ならば飲み込んでいるだろうに、どうしたのだろう。
猫又に威嚇されて黒い影は逃げ出したが、僕は気になって机の上にタロットクロスを敷いて、タロットカードを混ぜていた。
タロットカードを一枚引くと、ワンドのエースの逆位置が出た。
意味は生命力だ。
逆位置になると、足を引っ張るひとという意味もある。
『あなたの成功を妬んで足を引っ張るひとが出てきたみたいね。これは死んだひとの思念じゃなくて、生きているひと、つまり生霊だわ。私が飲み込んでしまうと、そのひとに害が及ぶかもしれない』と猫又は言っている。
「僕を殺そうとするくらい憎んでいるひとがいるってこと?」
問いかけてタロットカードを捲ると、ソードの五の正位置が出た。
意味は、混乱。
手段を選ばず強奪するという意味もある。
『あなたの地位が欲しいひとたちの集団の思念ね。小さな羨ましさや妬みが集合体になっているのよ』という猫又の声に、僕は考える。
「ゆーちゃんの不動明王様なら祓えるのかな?」
タロットカードを捲ってみると、ワンドの三の正位置が出た。
意味は、模索。
あともう一押しがあれば動き出せるという暗示だった。
「もう一押し足りない何かがあるってこと?」
『その通りね。不動明王様の力が弱まっている。一度、お参りに行った方がいいわ』と猫又も答える。
僕はこのことを寛にどう伝えようか迷っていた。
翌朝になってから、寛がキッチンで朝ご飯を作っている間、黙り込んでいる僕に、寛は不審に思ったようだ。
問いかけて来る。
「昨日の夜、起きてなかったか?」
「気付いてたの?」
「隣りの部屋で物音がすると思ってた。猫又がいるから平気だろうと放っておいたが、平気じゃなかったのか?」
僕は正直に寛に言うことにした。
僕と寛の間には隠し事はなしだ。
「不動明王様の力が弱まってるみたいなんだ。一度お参りに行った方がいいかもしれない」
「どこの不動明王にお参りに行けばいいんだ?」
問いかけられて僕は困ってしまった。
不動明王は色んな所にあって、どこに行けばいいのか分からない。
タロットカードに聞いてみるというのもありだが、一か所一か所調べていくのはものすごく時間がかかる。
それでもざっくりとした場所が分からないかとタロットクロスをテーブルに広げて、タロットカードを混ぜていると、ポーチにつけていたチャームが外れた。
これは何か意味があることなのだろうか。
ポーチにつけていたチャームは、僕が酉年で、酉年の守護神であるという不動明王のカンという梵字の書かれた小さなプレート状のチャームだった。
タロットカードを捲ってみると、ペンタクルの五だ。
意味は、困難なのだが、スタンダードなタロットカードでは教会に駆け込むひとの姿が書いてあって、寺院、教会という意味もあったはずだ。
「ちぃちゃんが、このチャームを買ったお寺?」
僕の呟きに、猫又が『そこだわ!』と声を上げた。
長年僕を守って寛と共にいた不動明王は弱っている。
猫又は生霊は追い払うことくらいしかできないし、根本的に祓ってもらうには不動明王の力が不可欠だった。
僕はすぐに叔母にチャームを買ったお寺を聞いた。
そこはこの部屋から電車で三十分くらいの場所だった。
叔母は僕と似ていてそんなに遠くに行かない。どちらかといえば引きこもっている方だ。
その叔母が行ける範囲なのだから、近場で本当によかった。
僕と寛は、寛の次の休みである明後日にそのお寺に行くことを決めた。
調べてみるとお寺はかなり有名な場所のようだった。
もしかすると、寛の母親が妊娠中に安産祈願に行ったのかもしれないが、それを確かめる方法はない。僕は寛の母親と連絡を取りたいと思っていないし、寛もそうだった。
お寺に行く日には、気温が下がって霧雨が降っていた。
傘を差して電車の駅まで歩いて、電車でお寺の最寄り駅まで行く。
お寺は拝観料が必要だった。
拝観料を払って境内に入ると、不動明王の置かれているお堂がある。
真っすぐそこに向かうと、不動明王の像が置いてあった。
あまり大きな像ではなくて、寛の連れている不動明王とほとんど変わらないサイズだ。
お参りをすると、不動明王の輝きが増してくる。
「かーくん、何か変わったか?」
「すごく眩しい。輝いてる」
これからは定期的にこのお寺に来て寛の不動明王に力を注がなければいけないのだろう。
お参りを終えて、僕と寛は部屋に帰った。
部屋に帰った僕は、寛に言う。
「部屋の端に黒くてデカいのがいる!」
「ここか?」
「もう少し、左!」
「こっちか?」
「そこ! そこを徹底的にやって!」
黒い影は『妬ましい……羨ましい』と呻きながら霧散していった。
タロットクロスを広げてタロットカードで見てみると、ワンドのエースが正位置になっていた。
逆位置だったのが、正位置に戻ったというのは、生命力が元に戻って行ったということだろう。
「生霊はみんな元に戻ったみたい」
僕が言えば、猫又が補足する。
『それだけじゃないわ。不動明王様の生命力も満ちているのよ』と。
「またあのお寺には行こうね」
「二十六年間も、力を足さずに守ってくれてたんだな。これからは頻繁に行こう」
幸い遠い場所ではなかったので、僕と寛はあのお寺にまた行くことを誓っていた。
編集の鈴木さんと、もう一社の編集さんからメッセージが届く。
『続刊の番外編集、好評ですよ。予約数がすごいです』
『妖ミステリ作品の初稿、読ませていただきました。全体としてよくまとまっていると思います。これで行きましょう』
上下巻同時発売した板前さんと妖の女の子の話の続刊の番外編集は、予約数だけで増版がかかりそうだと鈴木さんは言っている。
もう一社の編集者さんは、妖ミステリ作品の初稿は満足の行く出来だと言ってくれている。
「ゆーちゃん、続刊も増版するかも!」
「本当か。かーくん、お祝いしないと!」
嬉しい知らせはそれだけではなかった。
『メープルシュガー先生に、異世界ロマンス小説を書いていただきたくてご連絡しました。悪役令嬢ものなどいかがでしょう?』
別の出版社からもお声がかかった。
この出版社も、一冊だけ本を出していたが僕も作家になりたての頃で、売れ行きがいまいちでそれ以降お声がかからなかった出版社だ。
前回とは編集さんが違うようだが、上手くやって行けるだろうか。
『詳しいお話を聞かせてください』
メッセージを返してから、僕は寛を見た。
「僕、忙しくなりそう」
「俺の店で書けばいいだろ」
「そうしようかな」
寛の申し出に僕は笑って答えた。
寛のお店は妖が来るようになって経営も立て直って、潰れることはなくなった。
「この汁飯は何というのだ?」
「鶏飯です」
「とても旨いな」
今日の定食は鶏飯である。
炊き立てのご飯の上に、解した鶏の身と薄焼き卵と海苔とネギを乗せて、熱々の鶏ガラスープをかけるのだ。
季節はすっかり冬になっていて、温かいスープが身に沁み込むように美味しい。
「ちぃちゃんとばぁばとじぃじから、感想が来るんだよ。恥ずかしいけど、嬉しいね」
食べながらそばを通った寛に話しかけると、マスクの下で微笑んだようだった。
僕は祖母を「ばぁば」、祖父を「じぃじ」と呼んでいる。
母を「ママ」、父を「パパ」と呼ぶのを改める時期を逸してしまって、そのままにしているのと理由は同じだ。
僕が「ばぁば」と「じぃじ」と言っても、寛は笑ったりしない。
「そういえば、ばぁばからこれ、送られて来たんだけど」
今朝部屋を出るときにポストに入っていた手紙を開くと、三歳のときの僕と寛の写真が入っていた。
これは寛と出会った日の写真ではないだろうか。
僕は寛に借りたパンツをはいている。
「カボチャパンツ……」
寛が小さく呟く。
僕も寛も見事なお尻がぷっくりとしたカボチャパンツだったけれど、僕はそんなこと気にしていなかった。
「ゆーちゃんはこのころから格好よかったよね」
寛は僕のヒーローだ。
これまでも、これからも。
11
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
神楽坂gimmick
涼寺みすゞ
恋愛
明治26年、欧州視察を終え帰国した司法官僚 近衛惟前の耳に飛び込んできたのは、学友でもあり親戚にあたる久我侯爵家の跡取り 久我光雅負傷の連絡。
侯爵家のスキャンダルを収めるべく、奔走する羽目になり……
若者が広げた夢の大風呂敷と、初恋の行方は?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
(学園 + アイドル ÷ 未成年)× オッサン ≠ いちゃらぶ生活
まみ夜
キャラ文芸
年の差ラブコメ X 学園モノ X オッサン頭脳
様々な分野の専門家、様々な年齢を集め、それぞれ一芸をもっている学生が講師も務めて教え合う教育特区の学園へ出向した五十歳オッサンが、十七歳現役アイドルと同級生に。
子役出身の女優、芸能事務所社長、元セクシー女優なども登場し、学園の日常はハーレム展開?
第二巻は、ホラー風味です。
【ご注意ください】
※物語のキーワードとして、摂食障害が出てきます
※ヒロインの少女には、ストーカー気質があります
※主人公はいい年してるくせに、ぐちぐち悩みます
第二巻「夏は、夜」の改定版が完結いたしました。
この後、第三巻へ続くかはわかりませんが、万が一開始したときのために、「お気に入り」登録すると忘れたころに始まって、通知が意外とウザいと思われます。
表紙イラストはAI作成です。
(セミロング女性アイドルが彼氏の腕を抱く 茶色ブレザー制服 アニメ)
題名が「(同級生+アイドル÷未成年)×オッサン≠いちゃらぶ」から変更されております
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
いつも楽しく読んでいます。
メープル先生が書いている作品も読んでみたいです。
読んでいただきありがとうございます!
メープル先生の作品はご想像にお任せします。