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二部 晃と霧恵編
弱いアルファでいいですか? 8
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強いオメガであることも、『上位オメガ』としてフェロモンも発情期も操ってアルファを弄ぶことも、霧恵は楽しんでいた。自分の生き方が好きで、自由に生きるのが好き。
震える可愛いチワワを番にしたのだって、霧恵の自分の意志でしかない。
涙を流しながら初対面で霧恵にプロポーズした情熱も、霧恵に抱かれて快感に涙を流す可憐な顔も、全て可愛くて堪らない。
ペットを飼うのは、家族として迎え入れるのだし、そのペットの一生の責任を負えなければいけない。保健所から譲り受けたロットワイラーの血の入った雑種のミナは、一生忘れられない霧恵の家族になったし、亡くなった後もそばにいてくれるような気がするのだ。
「霧恵さん、こ、腰が、立たへん……」
翌朝目覚めてから、晃はその日霧恵が全部の予定をキャンセルしていた理由に気付いたようだった。鍛えていて体力のある霧恵が、一時的に発情期を引き起こして、欲望のままに相手を貪ると、大抵次の日起き上がれないどころか寝込んでしまうこともある。道場で師範代も務められると言われていた晃は、今までの男よりも体力があるのか、腰が抜けた程度で済んでいるのはさすがだった。
「リビングまで抱っこして行きましょうか?」
「だ、抱っこ?」
「おいでなさい?」
しっかりと晃に霧恵の首に腕を回させて、膝裏に腕を入れて抱き上げると晃は目を丸くしてしがみ付いていた。
「抱っこやなんて……初めてしてもろうたかもしれん」
物心ついてから抱っこされた思い出などないと呟く晃の頬に、霧恵は触れるだけのキスをする。顔中にキスをすると、晃の顔がくすぐったそうに笑顔になった。
「あたしは、アナタのお母さんで、番なんでしょう。チワワちゃん、軽いからいつでも抱っこしてあげるわ」
鍛え上げているし、撮影で他のオメガを持ち上げたり、抱き上げたりする霧恵は抱っこにも慣れていた。成人男性なので軽いわけではないが、痩せているので晃は持ち上げられないくらいに重いわけでもない。
「俺を抱っこしてくれる……霧恵さん、かっこいい、素敵や」
「もっと言って良いのよ?」
「霧恵さんは、美しくて、優しくて、器が大きくて、おっぱいが大きくて、めちゃくちゃ素敵や! 好きや!」
「おっぱい、大事なのね」
「大事です」
真面目に答える晃のほっぺたを悪戯に舐めて、霧恵はリビングの椅子に下ろした。テーブルの上には朝ご飯が準備されている。クラッカーと、レバーペーストと、ゆで卵とアボカドのディップ、それに生野菜のサラダだけの簡単な朝ご飯だったが、昨夜の運動でエネルギーを使った晃も霧恵もお腹はぺこぺこで、クラッカーをもう一袋開けてたっぷりと食べる。
食後にアイスミルクティーを飲んでいると、グラスを持ったまま晃がおずおずと問いかけてきた。
「ほんまに、霧恵さんと俺は番になったんか? 昨日、霧恵さん、めっちゃええ香りしてたけど、今日は今まで通りの匂いやし……発情期って、個人差はあるけど、一週間くらい続くし……」
抑制剤と反対に、一時的に発情状態にできる薬も開発されているようだが、霧恵はそれを使う必要などなかった。
「『上位オメガ』って知ってる?」
「知らへん」
「ごく稀にオメガの中に生まれるみたいなんだけど、フェロモンも発情期も自分の意志で操れるし、アルファすら傅かせることができるって言われてるのよ」
「霧恵さんは、『上位オメガ』!?」
これまでの歴史で傾国とか、魔性とか呼ばれた人物たちは、バース性が判明する前だったので、研究が進んでいないが、恐らくはオメガで、しかも『上位オメガ』だったのだろうという論文を読んで、霧恵は自分がそれだと気付いたのだ。
「発情期でアルファを誘って遊んだりしたけど、主導権を渡したことはないし、避妊具なしで中で出させたこともないわ。アナタが初めてよ?」
耳元で囁くと晃の顔が耳まで真っ赤になる。驚きに目が見開かれるその表情も可愛らしい。
「可愛いチワワちゃん、くるくる表情が変わるのが好きよ。あたしに泣かされてるのも大好き。ペットを飼うのは、その子の一生を責任持たなきゃいけないでしょう?」
「嬉しい……霧恵さんの、番になれて、俺、嬉しい……」
誰よりも特別な相手になれたことに涙を流す晃の頬に、霧恵が唇を寄せる。キスが頬から唇に移って、深く舌を絡め合うと、霧恵の放つフェロモンが濃厚なものに変わってきた。
番を持ったので今後誘うようなフェロモンは出せないが、『上位オメガ』はアルファに強いようにできているので、アルファを威嚇するアルファと同等のオーラは出せる。
「しっかりマーキングして、あたしの匂いを付けておかなきゃ。あたしの番が他の奴に手を出されたら嫌だわ」
「な、なんれもしてくらはい」
既にフェロモンを浴びた時点でメロメロになっている晃を抱き上げて、ベッドまで運んでいく。まだ着替えていなくてパジャマのままだった晃を裸にしてしまうと、霧恵も服を脱ぎ捨てて裸になった。
昨夜はもう出ないほどまで達して、最後は出さずにドライで絶頂まで経験した晃だが、若さゆえか、その中心は力を取り戻している。ベッドに座らせた晃の股座に屈みこんで、霧恵が豊かな胸で勃ち上がった中心を挟み込んでしまう。
たっぷりとした乳房を両側から寄せて強く挟み込みながら、霧恵が体を動かすと、晃の中心は擦られて先端から雫が滲んでくる。
「ふぇぇ!? きりえしゃん、えろい……しゅご……ひぁんっ! でる! でてまうぅ!」
「んふっ、出していいのよ?」
乳房で中心を刺激しつつも、舌先で先端を舐められて、じゅるっと音を立てて吸われて、晃はひとたまりもなかった。びゅくびゅくと吹き上げた白濁は、アルファだからか量が多いが、昨日の今日なので若干薄い気もした。うっとりと微笑む霧恵の胸を濡らし、白い頬まで飛んだそれに、晃が慌てる。
「ごめんなしゃい、よごしてしもた」
俺の美しいひとを汚してしまった。
それで頭がいっぱいになっているのだろう、必死に舐め取ろうとして霧恵の頬に舌を這わせた晃が、粘つく苦みのあるそれを飲み込み切れずに、「ぐぅっ」と喉を鳴らして青ざめた。痩せた顎を掬って、霧恵は口付けて、晃の舐め取った白濁を全部自らの舌で拭って飲み込んでしまう。
「ひぇ……霧恵さん、へ、平気か?」
「他の男のは飲む気にもならないけど、晃のは美味しいわ」
ルージュを付けていなくても赤い唇の両端を釣り上げて笑う霧恵に、晃がほっと胸を撫でおろす。安堵してから、言われたことの意味に気付いたようで、顔が真っ赤になると同時に、素直な中心がまた勃ち上がりかけていた。
「元気ねぇ。残念だけど、あたし、女だから発情期じゃなくても孕む可能性があるのよね」
「あ、そうか……」
19歳になったとはいえ、未成年で親の許しもない晃と結婚はできないし、子どもを作ることもできない。サイドテーブルの引き出しから出した、避妊具のパッケージを渡すと、晃はそれを開けようとして、ビニール面が滑るのか、苦心していた。
「きりえしゃんに、これつけな、いれさせてもらえんのに……ふぇ……」
焦れて泣き出しそうな晃の中心は、雫を浮かべて泣いている。
「もう、その可愛さ、反則だわ」
苦笑しながら霧恵は避妊具のパッケージを受け取って、歯で食い破った。指を輪の形にして、するすると晃の中心に付けてしまうと、晃が何か言いたそうな顔をしている。
「どうしたの?」
「な、なんでもない。はよ、しよ?」
「はぁん? あたしに秘密なんて、持てると思ってるの?」
勢いよく晃を押し倒して、霧恵はその腰に跨った。ずぶずぶと濡れた熱い場所に晃の中心を一気に飲み込んでしまってから、その薄い腹を押さえつけて、動けないようにしてしまう。
「ひっ! らめっ! しめつけたらっ!」
「動きたい?」
「ん! んんっ!」
内壁を締め付けつつ、わざと強い快感を与えずに動かずにいると、晃の目からぼろぼろと涙が零れる。涙を舐め取って、霧恵は再び問いかけた。
「で、なぁに?」
「お、れの、おっきいって、きりえしゃん、いうたけど、そのサイズのゴムが、なんで、あるんやろって……」
このベッドで別のアルファと霧恵が抱き合った。そんな想像をして、晃は嫉妬してしまったのだという。しかも、自分くらいの大きさの中心を持った相手と。
「あのねぇ……生でさせたのもアナタが初めてだし、このベッドにミナ以外と一緒に寝たのも、アナタが初めてよ」
このベッドで抱き合ったのは晃が初めてだったから、この家に避妊具など置いてなかったのだ。だから、晃が疲れ果てて眠っている間に、霧恵は毎日している早朝のランニングに出かけ、そのついでに避妊具を買ってきたのだと、嫉妬するチワワの耳に注ぎ込む。
最初からチワワだと思っていたから、家に入れることにも、ベッドで一緒に寝ることにも嫌悪感はなかった。それまでの相手は、家に入れることもせず、適当なホテルでヤリ捨てていたのに、搾り取りもしないのに、晃はこの家に住ませた。
「きりえ、しゃん……すきや」
嬉し泣きをする晃を、もっと泣かせたくて、霧恵は腰を振り立てた。
震える可愛いチワワを番にしたのだって、霧恵の自分の意志でしかない。
涙を流しながら初対面で霧恵にプロポーズした情熱も、霧恵に抱かれて快感に涙を流す可憐な顔も、全て可愛くて堪らない。
ペットを飼うのは、家族として迎え入れるのだし、そのペットの一生の責任を負えなければいけない。保健所から譲り受けたロットワイラーの血の入った雑種のミナは、一生忘れられない霧恵の家族になったし、亡くなった後もそばにいてくれるような気がするのだ。
「霧恵さん、こ、腰が、立たへん……」
翌朝目覚めてから、晃はその日霧恵が全部の予定をキャンセルしていた理由に気付いたようだった。鍛えていて体力のある霧恵が、一時的に発情期を引き起こして、欲望のままに相手を貪ると、大抵次の日起き上がれないどころか寝込んでしまうこともある。道場で師範代も務められると言われていた晃は、今までの男よりも体力があるのか、腰が抜けた程度で済んでいるのはさすがだった。
「リビングまで抱っこして行きましょうか?」
「だ、抱っこ?」
「おいでなさい?」
しっかりと晃に霧恵の首に腕を回させて、膝裏に腕を入れて抱き上げると晃は目を丸くしてしがみ付いていた。
「抱っこやなんて……初めてしてもろうたかもしれん」
物心ついてから抱っこされた思い出などないと呟く晃の頬に、霧恵は触れるだけのキスをする。顔中にキスをすると、晃の顔がくすぐったそうに笑顔になった。
「あたしは、アナタのお母さんで、番なんでしょう。チワワちゃん、軽いからいつでも抱っこしてあげるわ」
鍛え上げているし、撮影で他のオメガを持ち上げたり、抱き上げたりする霧恵は抱っこにも慣れていた。成人男性なので軽いわけではないが、痩せているので晃は持ち上げられないくらいに重いわけでもない。
「俺を抱っこしてくれる……霧恵さん、かっこいい、素敵や」
「もっと言って良いのよ?」
「霧恵さんは、美しくて、優しくて、器が大きくて、おっぱいが大きくて、めちゃくちゃ素敵や! 好きや!」
「おっぱい、大事なのね」
「大事です」
真面目に答える晃のほっぺたを悪戯に舐めて、霧恵はリビングの椅子に下ろした。テーブルの上には朝ご飯が準備されている。クラッカーと、レバーペーストと、ゆで卵とアボカドのディップ、それに生野菜のサラダだけの簡単な朝ご飯だったが、昨夜の運動でエネルギーを使った晃も霧恵もお腹はぺこぺこで、クラッカーをもう一袋開けてたっぷりと食べる。
食後にアイスミルクティーを飲んでいると、グラスを持ったまま晃がおずおずと問いかけてきた。
「ほんまに、霧恵さんと俺は番になったんか? 昨日、霧恵さん、めっちゃええ香りしてたけど、今日は今まで通りの匂いやし……発情期って、個人差はあるけど、一週間くらい続くし……」
抑制剤と反対に、一時的に発情状態にできる薬も開発されているようだが、霧恵はそれを使う必要などなかった。
「『上位オメガ』って知ってる?」
「知らへん」
「ごく稀にオメガの中に生まれるみたいなんだけど、フェロモンも発情期も自分の意志で操れるし、アルファすら傅かせることができるって言われてるのよ」
「霧恵さんは、『上位オメガ』!?」
これまでの歴史で傾国とか、魔性とか呼ばれた人物たちは、バース性が判明する前だったので、研究が進んでいないが、恐らくはオメガで、しかも『上位オメガ』だったのだろうという論文を読んで、霧恵は自分がそれだと気付いたのだ。
「発情期でアルファを誘って遊んだりしたけど、主導権を渡したことはないし、避妊具なしで中で出させたこともないわ。アナタが初めてよ?」
耳元で囁くと晃の顔が耳まで真っ赤になる。驚きに目が見開かれるその表情も可愛らしい。
「可愛いチワワちゃん、くるくる表情が変わるのが好きよ。あたしに泣かされてるのも大好き。ペットを飼うのは、その子の一生を責任持たなきゃいけないでしょう?」
「嬉しい……霧恵さんの、番になれて、俺、嬉しい……」
誰よりも特別な相手になれたことに涙を流す晃の頬に、霧恵が唇を寄せる。キスが頬から唇に移って、深く舌を絡め合うと、霧恵の放つフェロモンが濃厚なものに変わってきた。
番を持ったので今後誘うようなフェロモンは出せないが、『上位オメガ』はアルファに強いようにできているので、アルファを威嚇するアルファと同等のオーラは出せる。
「しっかりマーキングして、あたしの匂いを付けておかなきゃ。あたしの番が他の奴に手を出されたら嫌だわ」
「な、なんれもしてくらはい」
既にフェロモンを浴びた時点でメロメロになっている晃を抱き上げて、ベッドまで運んでいく。まだ着替えていなくてパジャマのままだった晃を裸にしてしまうと、霧恵も服を脱ぎ捨てて裸になった。
昨夜はもう出ないほどまで達して、最後は出さずにドライで絶頂まで経験した晃だが、若さゆえか、その中心は力を取り戻している。ベッドに座らせた晃の股座に屈みこんで、霧恵が豊かな胸で勃ち上がった中心を挟み込んでしまう。
たっぷりとした乳房を両側から寄せて強く挟み込みながら、霧恵が体を動かすと、晃の中心は擦られて先端から雫が滲んでくる。
「ふぇぇ!? きりえしゃん、えろい……しゅご……ひぁんっ! でる! でてまうぅ!」
「んふっ、出していいのよ?」
乳房で中心を刺激しつつも、舌先で先端を舐められて、じゅるっと音を立てて吸われて、晃はひとたまりもなかった。びゅくびゅくと吹き上げた白濁は、アルファだからか量が多いが、昨日の今日なので若干薄い気もした。うっとりと微笑む霧恵の胸を濡らし、白い頬まで飛んだそれに、晃が慌てる。
「ごめんなしゃい、よごしてしもた」
俺の美しいひとを汚してしまった。
それで頭がいっぱいになっているのだろう、必死に舐め取ろうとして霧恵の頬に舌を這わせた晃が、粘つく苦みのあるそれを飲み込み切れずに、「ぐぅっ」と喉を鳴らして青ざめた。痩せた顎を掬って、霧恵は口付けて、晃の舐め取った白濁を全部自らの舌で拭って飲み込んでしまう。
「ひぇ……霧恵さん、へ、平気か?」
「他の男のは飲む気にもならないけど、晃のは美味しいわ」
ルージュを付けていなくても赤い唇の両端を釣り上げて笑う霧恵に、晃がほっと胸を撫でおろす。安堵してから、言われたことの意味に気付いたようで、顔が真っ赤になると同時に、素直な中心がまた勃ち上がりかけていた。
「元気ねぇ。残念だけど、あたし、女だから発情期じゃなくても孕む可能性があるのよね」
「あ、そうか……」
19歳になったとはいえ、未成年で親の許しもない晃と結婚はできないし、子どもを作ることもできない。サイドテーブルの引き出しから出した、避妊具のパッケージを渡すと、晃はそれを開けようとして、ビニール面が滑るのか、苦心していた。
「きりえしゃんに、これつけな、いれさせてもらえんのに……ふぇ……」
焦れて泣き出しそうな晃の中心は、雫を浮かべて泣いている。
「もう、その可愛さ、反則だわ」
苦笑しながら霧恵は避妊具のパッケージを受け取って、歯で食い破った。指を輪の形にして、するすると晃の中心に付けてしまうと、晃が何か言いたそうな顔をしている。
「どうしたの?」
「な、なんでもない。はよ、しよ?」
「はぁん? あたしに秘密なんて、持てると思ってるの?」
勢いよく晃を押し倒して、霧恵はその腰に跨った。ずぶずぶと濡れた熱い場所に晃の中心を一気に飲み込んでしまってから、その薄い腹を押さえつけて、動けないようにしてしまう。
「ひっ! らめっ! しめつけたらっ!」
「動きたい?」
「ん! んんっ!」
内壁を締め付けつつ、わざと強い快感を与えずに動かずにいると、晃の目からぼろぼろと涙が零れる。涙を舐め取って、霧恵は再び問いかけた。
「で、なぁに?」
「お、れの、おっきいって、きりえしゃん、いうたけど、そのサイズのゴムが、なんで、あるんやろって……」
このベッドで別のアルファと霧恵が抱き合った。そんな想像をして、晃は嫉妬してしまったのだという。しかも、自分くらいの大きさの中心を持った相手と。
「あのねぇ……生でさせたのもアナタが初めてだし、このベッドにミナ以外と一緒に寝たのも、アナタが初めてよ」
このベッドで抱き合ったのは晃が初めてだったから、この家に避妊具など置いてなかったのだ。だから、晃が疲れ果てて眠っている間に、霧恵は毎日している早朝のランニングに出かけ、そのついでに避妊具を買ってきたのだと、嫉妬するチワワの耳に注ぎ込む。
最初からチワワだと思っていたから、家に入れることにも、ベッドで一緒に寝ることにも嫌悪感はなかった。それまでの相手は、家に入れることもせず、適当なホテルでヤリ捨てていたのに、搾り取りもしないのに、晃はこの家に住ませた。
「きりえ、しゃん……すきや」
嬉し泣きをする晃を、もっと泣かせたくて、霧恵は腰を振り立てた。
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