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二章 ミカエル誕生
22.学園の体育祭
学園の体育祭の日はよく晴れていた。
春の心地よい風が吹く中で、わたくしはラファエルお兄様に抱っこしてもらって馬車に乗った。
馬車の周囲には護衛の兵士が馬でわたくしたちを守っている。ラファエルお兄様は慣れた様子で馬車に乗っていた。普段から学園に行くときには護衛の兵士が守っているのだろう。
学園に着くと、ラファエルお兄様はわたくしをマティルダさんに渡した。
「わたしはクラスの方に行っているから、保護者席でアルマンドール公爵家とベルンハルト公爵家とルクレール公爵家に合流してほしい」
「心得ました」
体育祭が開かれる校庭には、観覧席が作ってあって、そこにアルマンドール家とベルンハルト家とルクレール家の皆様はいるようだ。
わたくしがマティルダさんと共に保護者席に向かうと、リヴィア嬢が最初に気付いてくれて、わたくしに手を振ってくれた。
「セラフィナでんかー!」
「リヴィアじょうー!」
お互いに呼び合って駆け寄ると、自然にわたくしとリヴィア嬢はハグをする。体の大きさがそれほど変わらないので、ハグをするのもとてもしやすい。
「セラフィナ殿下もラファエル殿下を応援に来たのですね」
「あい、ニコたま」
ニコ様に声をかけていただいて、わたくしは手を上げて返事をする。
保護者席は椅子が用意してあって、家ごとに区画が分かれているようだ。
アルマンドール公爵家とベルンハルト公爵家とルクレール公爵家は横並びだった。
ベルンハルト公爵家の叔父様と叔母様がわたくしに声をかけてくれる。
「うちは子どもがおりませんので、よろしければご一緒しませんか?」
「アルベルトのことも応援してくれると嬉しいです」
「おじたま、おばたま、よろちくおねがいちまつ」
椅子を空けてくれる叔父様と叔母様に甘えて、わたくしは椅子に座らせてもらった。右隣のアルマンドール公爵家は公爵夫妻とリヴィア嬢とニコ様でぎゅうぎゅうだったし、左隣のルクレール公爵家は走りだしているルカ様を伯父様と伯母様が必死に止めていた。
「ルカ、座りなさい」
「やー!」
「ルカ、ユリウスが出てきますよ。座って待っていましょう」
「いやー!」
逃げようとするルカ様は、伯父様に捕まえられて、膝の上に抱き上げられてじたばたともがいていた。
ルカ様の様子を横目に見ながら、わたくしが椅子に座っていると、校庭に障害物が設置される。あれは乗馬用の障害物ではないだろうか。
前世でわたくしは馬車に乗ったことはあるけれど、馬に乗ったことはなかった。乗馬は貴族の嗜みだと分かっていたが、そんなことをわたくしの前世の両親がさせてくれるはずがない。わたくしは馬は美しい生き物だとは思っていたが、自分で御すことができる自信はなかった。
今世のわたくしは一定の年齢になると馬に乗ることがあるのだろうか。馬は大きくて少し怖い気がするので、わたくしはドキドキしながら乗馬の競技が始まるのを待っていた。
乗馬は障害物を超えて馬を走らせる競技のようだった。
一人ずつ馬に乗って貴族たちが障害物を超えていく。障害物に引っかかったり、体勢を崩したりすると減点されるようだった。
審査員が審査をしているのだが、わたくしはどうなっているかよく分からなかった。
ただ、障害物に足を取られて馬がバランスを崩すたびに、乗っているひとが落ちないように、怪我をしないように祈っていた。
「次がアルベルトの番です」
「アルベルトが入ってきました。あの馬は学園の競技用の馬で、アルベルトが気に入っていると話していました」
ベルンハルト公爵家の叔父様と叔母様の言葉に、わたくしが指差された方を見れば、アルベルト様が鹿毛の馬に乗ってゆっくりとスタート地点に着いた。
旗が上がって、アルベルト様が馬を走らせる。
いくつもある棒の障害物を華麗に飛び越えて、コーンを避けてジグザグに走って、アルベルト様がゴールする。
全く危なげない走りで、わたくしは見惚れてしまった。
アルベルト様がゴールすると、観覧席から拍手が上がった。
全ての出場者がゴールしてから、審査員が結果発表をした。
アルベルト様は堂々の一位だった。
「アルベルトおにいたま、しゅごーい!」
「アルベルトは安定した走りをしていましたね」
「アルベルトが評価されてよかったです」
叔父様と叔母様もアルベルト様に拍手を送っていた。
乗馬の障害が片付けられて、校庭には線が引かれる。
続いてはリレーのようだった。
「おにいたまだ! おにいたまー!」
「ルカ、椅子から降りてはいけません!」
「ルカ、座って応援しましょうね!」
ルクレール公爵家の伯父様と伯母様が止める中、ルカ様がリレーの走者に手を振っている。
リレーにはユリウス様が出場されるようだった。
ユリウス様はルカ様に気が付いて、手を振り返していた。
スタートの号令がかけられて、ユリウス様が走る。ユリウス様は一位で次の走者にバトンを渡していた。
次々と走者が走って、ゴールにたどり着く。
ユリウス様のチームが一位だったようで、ルカ様が飛び跳ねて喜んでいるのを、伯父様と伯母様が必死に座らせていた。
その他にも競技がいくつかあって、午前中の最後の競技がダンスだった。
ダンスは男女のペアで出ると聞いている。
ダンスの煌びやかな衣装をまとったラファエルお兄様とアンリエットお義姉様が校庭に出てきた。
音楽が流されて、ダンスが始まる。
ダンスにも審査員がいるようだ。
芸術点を競っているのかもしれないが、わたくしには審査の基準はよく分からない。
ただ、ラファエルお兄様とアンリエットお義姉様のダンスがとても美しくて、見ていてうっとりとした。
ダンスが終わると、昼の休憩に入る。
ラファエルお兄様は着替えてわたくしが座っているベルンハルト公爵家の観覧席にわたくしを迎えに来てくれた。
アルベルト様も一緒にいる。
アンリエットお義姉様はアルマンドール公爵家の観覧席に行ったようだった。
「ラファエル、よければ一緒に昼食を食べませんか? セラフィナも一緒に」
「ご一緒させてもらおうかな。セラフィナもいいよね」
「あい!」
アルベルト様に誘われて、ラファエルお兄様はベルンハルト公爵家の観覧席でお昼を食べることにした。わたくしも一緒なので、椅子を詰めてみんなが座れるようにする。
わたくしのお弁当は、わたくしでも食べられるように小さく作られたサンドイッチだった。色んな具材が入ったサンドイッチが小さく作られていて、わたくしの小さな胃袋でも食べられそうな量入っている。
ラファエルお兄様のお弁当箱を覗くと、わたくしのよりもずっと大きなサンドイッチが入っていた。
サンドイッチを食べて、水筒に入れられた紅茶をカップに注いでもらって飲む。
お腹がいっぱいになってくると、わたくしは眠くて頭がぐらぐらしてきた。
ちらりとアルマンドール公爵家を見れば、リヴィア嬢が眠そうに欠伸をしているし、ルクレール公爵家を見れば、ルカ様が伯母様に抱っこされてぐっすりと眠っていた。
「セラフィナは限界のようだね。マティルダさん、セラフィナを連れて帰ってくれる?」
「はい、ラファエル殿下」
マティルダさんに抱っこされて、わたくしは眠い目をこすりながら、ラファエルお兄様とアルベルト様に手を振った。
「おにいたま、アルベルトおにいたま、とってもしゅごかったでつ」
「ありがとう、セラフィナ」
「セラフィナが見ていてくれると思うと頑張れましたよ」
微笑むラファエルお兄様とアルベルト様に頷いて、わたくしはベルンハルト公爵家の叔父様と叔母様にお礼を言う。
「おじたま、おばたま、ごいっしょしてくださってありがとうございまちた」
「セラフィナ殿下がいたので楽しかったですよ」
「こちらこそありがとうございました」
叔父様と叔母様に無事挨拶ができたところで、わたくしは眠気が限界にきて、マティルダさんにしがみ付いてうとうととしてしまった。
馬車に乗せられて、宮殿に帰って子ども部屋で寝かされるまでの記憶が、わたくしにはほとんどなかった。
目が覚めると、日は傾いていて、お茶の時間になっていた。
せっかく憧れの学園に行くことができたのに、学園の建物も見ることができなかったし、校庭を観覧席から見ていただけだった。
それでも、わたくしは学園に行けたことを嬉しく思っていた。
春の心地よい風が吹く中で、わたくしはラファエルお兄様に抱っこしてもらって馬車に乗った。
馬車の周囲には護衛の兵士が馬でわたくしたちを守っている。ラファエルお兄様は慣れた様子で馬車に乗っていた。普段から学園に行くときには護衛の兵士が守っているのだろう。
学園に着くと、ラファエルお兄様はわたくしをマティルダさんに渡した。
「わたしはクラスの方に行っているから、保護者席でアルマンドール公爵家とベルンハルト公爵家とルクレール公爵家に合流してほしい」
「心得ました」
体育祭が開かれる校庭には、観覧席が作ってあって、そこにアルマンドール家とベルンハルト家とルクレール家の皆様はいるようだ。
わたくしがマティルダさんと共に保護者席に向かうと、リヴィア嬢が最初に気付いてくれて、わたくしに手を振ってくれた。
「セラフィナでんかー!」
「リヴィアじょうー!」
お互いに呼び合って駆け寄ると、自然にわたくしとリヴィア嬢はハグをする。体の大きさがそれほど変わらないので、ハグをするのもとてもしやすい。
「セラフィナ殿下もラファエル殿下を応援に来たのですね」
「あい、ニコたま」
ニコ様に声をかけていただいて、わたくしは手を上げて返事をする。
保護者席は椅子が用意してあって、家ごとに区画が分かれているようだ。
アルマンドール公爵家とベルンハルト公爵家とルクレール公爵家は横並びだった。
ベルンハルト公爵家の叔父様と叔母様がわたくしに声をかけてくれる。
「うちは子どもがおりませんので、よろしければご一緒しませんか?」
「アルベルトのことも応援してくれると嬉しいです」
「おじたま、おばたま、よろちくおねがいちまつ」
椅子を空けてくれる叔父様と叔母様に甘えて、わたくしは椅子に座らせてもらった。右隣のアルマンドール公爵家は公爵夫妻とリヴィア嬢とニコ様でぎゅうぎゅうだったし、左隣のルクレール公爵家は走りだしているルカ様を伯父様と伯母様が必死に止めていた。
「ルカ、座りなさい」
「やー!」
「ルカ、ユリウスが出てきますよ。座って待っていましょう」
「いやー!」
逃げようとするルカ様は、伯父様に捕まえられて、膝の上に抱き上げられてじたばたともがいていた。
ルカ様の様子を横目に見ながら、わたくしが椅子に座っていると、校庭に障害物が設置される。あれは乗馬用の障害物ではないだろうか。
前世でわたくしは馬車に乗ったことはあるけれど、馬に乗ったことはなかった。乗馬は貴族の嗜みだと分かっていたが、そんなことをわたくしの前世の両親がさせてくれるはずがない。わたくしは馬は美しい生き物だとは思っていたが、自分で御すことができる自信はなかった。
今世のわたくしは一定の年齢になると馬に乗ることがあるのだろうか。馬は大きくて少し怖い気がするので、わたくしはドキドキしながら乗馬の競技が始まるのを待っていた。
乗馬は障害物を超えて馬を走らせる競技のようだった。
一人ずつ馬に乗って貴族たちが障害物を超えていく。障害物に引っかかったり、体勢を崩したりすると減点されるようだった。
審査員が審査をしているのだが、わたくしはどうなっているかよく分からなかった。
ただ、障害物に足を取られて馬がバランスを崩すたびに、乗っているひとが落ちないように、怪我をしないように祈っていた。
「次がアルベルトの番です」
「アルベルトが入ってきました。あの馬は学園の競技用の馬で、アルベルトが気に入っていると話していました」
ベルンハルト公爵家の叔父様と叔母様の言葉に、わたくしが指差された方を見れば、アルベルト様が鹿毛の馬に乗ってゆっくりとスタート地点に着いた。
旗が上がって、アルベルト様が馬を走らせる。
いくつもある棒の障害物を華麗に飛び越えて、コーンを避けてジグザグに走って、アルベルト様がゴールする。
全く危なげない走りで、わたくしは見惚れてしまった。
アルベルト様がゴールすると、観覧席から拍手が上がった。
全ての出場者がゴールしてから、審査員が結果発表をした。
アルベルト様は堂々の一位だった。
「アルベルトおにいたま、しゅごーい!」
「アルベルトは安定した走りをしていましたね」
「アルベルトが評価されてよかったです」
叔父様と叔母様もアルベルト様に拍手を送っていた。
乗馬の障害が片付けられて、校庭には線が引かれる。
続いてはリレーのようだった。
「おにいたまだ! おにいたまー!」
「ルカ、椅子から降りてはいけません!」
「ルカ、座って応援しましょうね!」
ルクレール公爵家の伯父様と伯母様が止める中、ルカ様がリレーの走者に手を振っている。
リレーにはユリウス様が出場されるようだった。
ユリウス様はルカ様に気が付いて、手を振り返していた。
スタートの号令がかけられて、ユリウス様が走る。ユリウス様は一位で次の走者にバトンを渡していた。
次々と走者が走って、ゴールにたどり着く。
ユリウス様のチームが一位だったようで、ルカ様が飛び跳ねて喜んでいるのを、伯父様と伯母様が必死に座らせていた。
その他にも競技がいくつかあって、午前中の最後の競技がダンスだった。
ダンスは男女のペアで出ると聞いている。
ダンスの煌びやかな衣装をまとったラファエルお兄様とアンリエットお義姉様が校庭に出てきた。
音楽が流されて、ダンスが始まる。
ダンスにも審査員がいるようだ。
芸術点を競っているのかもしれないが、わたくしには審査の基準はよく分からない。
ただ、ラファエルお兄様とアンリエットお義姉様のダンスがとても美しくて、見ていてうっとりとした。
ダンスが終わると、昼の休憩に入る。
ラファエルお兄様は着替えてわたくしが座っているベルンハルト公爵家の観覧席にわたくしを迎えに来てくれた。
アルベルト様も一緒にいる。
アンリエットお義姉様はアルマンドール公爵家の観覧席に行ったようだった。
「ラファエル、よければ一緒に昼食を食べませんか? セラフィナも一緒に」
「ご一緒させてもらおうかな。セラフィナもいいよね」
「あい!」
アルベルト様に誘われて、ラファエルお兄様はベルンハルト公爵家の観覧席でお昼を食べることにした。わたくしも一緒なので、椅子を詰めてみんなが座れるようにする。
わたくしのお弁当は、わたくしでも食べられるように小さく作られたサンドイッチだった。色んな具材が入ったサンドイッチが小さく作られていて、わたくしの小さな胃袋でも食べられそうな量入っている。
ラファエルお兄様のお弁当箱を覗くと、わたくしのよりもずっと大きなサンドイッチが入っていた。
サンドイッチを食べて、水筒に入れられた紅茶をカップに注いでもらって飲む。
お腹がいっぱいになってくると、わたくしは眠くて頭がぐらぐらしてきた。
ちらりとアルマンドール公爵家を見れば、リヴィア嬢が眠そうに欠伸をしているし、ルクレール公爵家を見れば、ルカ様が伯母様に抱っこされてぐっすりと眠っていた。
「セラフィナは限界のようだね。マティルダさん、セラフィナを連れて帰ってくれる?」
「はい、ラファエル殿下」
マティルダさんに抱っこされて、わたくしは眠い目をこすりながら、ラファエルお兄様とアルベルト様に手を振った。
「おにいたま、アルベルトおにいたま、とってもしゅごかったでつ」
「ありがとう、セラフィナ」
「セラフィナが見ていてくれると思うと頑張れましたよ」
微笑むラファエルお兄様とアルベルト様に頷いて、わたくしはベルンハルト公爵家の叔父様と叔母様にお礼を言う。
「おじたま、おばたま、ごいっしょしてくださってありがとうございまちた」
「セラフィナ殿下がいたので楽しかったですよ」
「こちらこそありがとうございました」
叔父様と叔母様に無事挨拶ができたところで、わたくしは眠気が限界にきて、マティルダさんにしがみ付いてうとうととしてしまった。
馬車に乗せられて、宮殿に帰って子ども部屋で寝かされるまでの記憶が、わたくしにはほとんどなかった。
目が覚めると、日は傾いていて、お茶の時間になっていた。
せっかく憧れの学園に行くことができたのに、学園の建物も見ることができなかったし、校庭を観覧席から見ていただけだった。
それでも、わたくしは学園に行けたことを嬉しく思っていた。
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