やんのかステップの子猫ちゃんとスパダリは運命でした

秋月真鳥

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20.万里生の危機

 もう一回してもいいと言われても、万里生は泣いてしまっているし、混乱していた。達したばかりの体はすぐには言うことを聞いてくれない。
 泣いて洟を啜っていると、ファビアンの方が動いた。達して萎えた中心を手で扱かれて、万里生の中心はすぐに元気を取り戻す。完全に勃起する前に、ファビアンは一気に万里生の中心を飲み込んでしまった。

 熱く柔らかい内壁に包まれて、狭い奥まで到達して、万里生は擦り上げられる快感に身を震わせる。

「あぁっ! マリオ、すごい!」
「ひあぁぁ! ファビアン、そんなに締めないでぇ!」
「んっ! さっき教えたよね、僕の悦い場所? お願い、そこを突いて?」

 締め付けられて泣いてしまう万里生に、ファビアンが甘い声で囁いてくる。必死に腰を動かすが、下から突き上げてもなかなかファビアンの悦い場所には到達しない。
 掠めるばかりで上手く突けないのに焦れたのか、ファビアンが腰を動かす。

「ひぁっ! あぁっ! ふぁびあ、あぁぁん!」

 気持ちよくて、達しそうで、万里生はもう訳が分からなくなる。
 とにかく気持ちいい。ファビアンの与えるものは全て快感に変わっていた。

「あぁっ! マリオ、悦いよ! すごく気持ちいい! マリオ、すてきだ」
「あぁぁんっ! 出る! 出ちゃう!」
「奥で出して? 一番奥で」

 狭い奥までファビアンが万里生を招いてくれる。
 そこで締め付けられながら万里生は達する。
 どくどくと白濁を吐き出しながら、万里生は涙をぼろぼろと零していた。

「あぁ……マリオ。最高だ」
「ひぃん……イっちゃったぁ」
「マリオ、愛してる、マリオ」
「ひんっ! だ、ダメ! まだイったばかりぃ!」

 達したばかりの体は敏感になっている。それなのにファビアンは追い打ちをかけるように万里生を飲み込んだままで動き出す。

「うぁぁ! だめぇ! イったばかりなのにぃ!」
「マリオ、もっとマリオを感じたいんだ」
「ひんっ! ひぁっ! イく! イっちゃう!」

 立て続けに達して絶頂の波が引かない。何度も何度も絶頂して万里生はファビアンの中に白濁を吐き出していた。

 抱き合った後にはファビアンは腰の立たなくなった万里生を抱き上げてバスルームに運んでくれた。バスタブに湯を張って万里生を浸からせてから、ファビアンがシャワーのノズルを後孔に当てて白濁を流しているのが見える。
 全部掻きだすつもりはないのだろう。浅い場所ですぐに漏れ出して来そうな分だけ流しているように見える。

 その姿がエロくて、散々出したはずの中心が反応しそうになって万里生は慌てた。万里生が若いと言ってもこれ以上はさすがにできない。

「ファビアン、しゅごかった……」
「マリオ、すごく気持ちよかったよ」
「おれ、しゅまーとにできなかったけど、でも、しゅごかった……」

 呂律が回らない口で、必死にファビアンに話しかける。
 自分がどれだけスマートに初夜でファビアンをリードしたかったか。それができなくて残念な気持ちはあったが、最終的には気持ちがよかったのでいいことにする。

 バスルームから出ると、ファビアンは眠りかけている万里生をソファに座らせて、寝室を整えて来てくれた。
 清潔なベッドに寝かされて、万里生はファビアンの胸によじ登って顔を埋める。

 もっと行為中に胸に触りたかったし、キスもしたかったのだが、それはこれからどれだけでもできるだろう。
 今はただ眠りたかった。
 無意識のうちに胸を揉んでいると、ファビアンが万里生の前髪を上げて額にキスをしてくれる。

「お休み、僕のマリオ」
「ファビアン……あいしてる……」
「僕も愛してるよ、マリオ」

 眠りに落ちる寸前、万里生の言葉はちゃんとフェビアンに届いただろうか。
 確かめることなく万里生はぐっすりと眠っていた。

 翌朝、なかなか起きられない万里生に、ファビアンは朝食をトレイに乗せてベッドまで持って来てくれた。
 和食好きのファビアンが珍しくクロワッサンとスクランブルエッグとサラダとフルーツの洋食だった。

「結婚したら、パートナーと朝食をベッドで食べるのが憧れだったんだ」

 万里生にしてみればそんな習慣はないのだが、海外ではベッドに朝食を運んで食べることがあるようだ。
 クロワッサンを割ってスクランブルエッグとサラダのレタスを挟んでクロワッサンサンドにして、万里生はもしゃもしゃと食べた。

「クロワッサンをパンくずを落とさずに食べるのって、難しくない?」
「難しいよね。ベッドで食べるのにクロワッサンは失敗だった」

 くすくすと笑っているファビアンを見ると、ぽろぽろとクロワッサンのパンくずを落としているのは万里生だけではないようだ。

「俺は昨日、ファビアンを抱いたんだよなぁ」

 感慨深く呟くと、ファビアンが万里生の肩を抱く。

「最高の初夜だったよ」
「でも、俺、全然エスコートできなかったし、スマートにもできなかったし……」
「そんなのどうでもいいよ。マリオが僕に反応してくれて、僕に欲を持ってくれたことが嬉しい」

 どんなに下手くそでも、泣いてしまってもファビアンは大らかに受け止めてくれる。
 途中で達してしまったときもファビアンは一度も万里生を責めることはなかった。

「俺の運命がファビアンでよかった。俺、幸せだよ」

 朝食を食べている途中なのに涙が出てきて両手で顔を覆った万里生に、ファビアンがティッシュの箱を取ってくれる。ティッシュで涙と洟を拭いて、万里生はまた朝食に戻った。

 結婚してからファビアンと万里生の生活は順調だった。
 相変わらず万里生はファビアンをスマートに抱けないが、ファビアンが万里生の上に跨ってリードしてくれるので、気持ちよくて泣いてしまう。
 ファビアンには仕事があって、万里生には大学があるので、抱き合うのは週末だけと決めているが、毎日一緒には眠っていた。

 結婚してから何もかもが上手くいっていると思っていたが、トラブルを持ち込んだのはファビアンの高校と大学の同級生のグスタフだった。
 グスタフはファビアンの会社に押しかけて来たのだ。

「運命の研究なんて信憑性がない。遺伝子配列が合うからって、運命だとは言えない!」

 他の研究所のデータを持ち出して来たグスタフの言葉をファビアンは取り合わなかった。

「グスタフが会社に来たんだ。マリオのことも狙ってるかもしれないから、気を付けてね」

 ファビアンから話を聞いた万里生の胸に、小さな不安が宿ってしまった。
 研究データが運命を示すものでなかったならば、ファビアンと万里生との仲はどうなるのだろう。
 結婚したから絶対に離れないということはないのだと、万里生は両親の件で知っていた。

 大学に行く途中に待ち伏せされてグスタフに声をかけられた万里生は、走って逃げようとしたが、グスタフが無理やり腕を引っ張って車に乗せてしまった。車のロックが内側から開かないようになっていて、万里生は逃げられなくなる。

「ファビアン、助けて!」

 スマホで助けを呼ぼうとしたが、それも取り上げられてしまう。
 グスタフと万里生はあまりにも体格差がありすぎた。車でどこに連れて行かれるのか万里生は不安でならない。
 助手席で脚を曲げて縮こまっていると、グスタフが万里生に下卑た視線を向けて来る。

「どうせ、ファビアンに抱かれてるんだろう? ファビアンのを咥え込んで、悦んでるんだろ? 俺にもいい思いさせろよ?」

 暗い瞳のグスタフに、万里生は必死にドアをがちゃがちゃと鳴らして逃げようとするが、それができない。
 バンバンと窓ガラスを叩いて、近くの車や歩行者に助けを求める。

「誰か! 誰か、警察に連絡して! 助けて! 攫われる!」

 信号で隣りに停車したトラックが、異変に気付いてくれた。スマホで警察に連絡している間に、グスタフの車は走り去る。

「俺とファビアンは運命なんだ! それは誰にも覆せない!」
「お前と運命なんて、ファビアンは勘違いしてるだけなんだよ! 研究データが間違いを示してる!」
「その研究データが間違ってる可能性もあるじゃないか!」

 口喧嘩では勝てないと思ったのか、グスタフが人気のない山道に入っていく。
 車を林道に止めて、グスタフが万里生の体に覆いかぶさった。
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