やんのかステップの子猫ちゃんとスパダリは運命でした

秋月真鳥

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26.万里生の選択

 小瓶に入った蜂蜜のような色の液体。
 これをどうするか万里生は悩んでいた。
 ファビアンに飲ませてファビアンを泣かせるほど気持ちよくさせたいのだが、同意なくファビアンの飲食物に小瓶の中身を入れることはできない。何よりも小瓶の中身は栄養ドリンク程度に量が多かった。
 気付かれずに紅茶に紛れ込ませるとか、そういうことは無理そうだ。
 悩んでいる万里生に気付いてファビアンが声をかけてくれる。

「マリオ、どうしたの?」

 ファビアンとの間に秘密も難しい駆け引きも必要はない。
 最初の頃は警戒してファビアンからお金だけ引き出そうとしていた万里生だが、もう今は完全にファビアンを信頼して、全てを話す気でいる。
 鞄から黒い箱に怪しく赤みがかった金の文字が書かれているお薬を取り出して、万里生はそれをファビアンに見せた。

「ふぁ、ファビアン、これ……」
「なんで、マリオがそれを持ってるの?」
「え!? これ、知ってるのか!?」

 アダルトショップで売っているようなものだから怪しい物だろうとは思っていた。それなのにドイツから来て日本には一年と少ししかいないファビアンがその薬のことを知っていて、万里生は飛び上がるほど驚いてしまった。

「それ、うちの会社で開発して出してる精力増強剤だよ」
「えぇー!? ファビアンの会社はこういうのも出してたのかー!?」

 話を聞けばその薬はファビアンの会社で開発されたものだった。
 ファビアンの会社がそんな薬も開発していたとは知らなくて万里生は心底驚いて叫んでしまう。

「どこで手に入れたの? 通販?」
「俺、通販なんてできないよ? カードとか持ってない」

 もらったと正直に話せば、ファビアンはそのことよりも万里生のカードのことが気になったようだ。
 万里生は一応成人しているのでカードを作れるのだが、詐欺やカードでの失敗が怖くてまだ作っていない。ファビアンはそのことに気付いたようだった。

「マリオがカードを持っていないのは気付いてなかった。すぐに手続きしようね」
「い、いいのか? 俺、調子に乗っていらないものとかどんどん買っちゃうかもしれないよ?」
「カードの使い方も僕が教えるよ。しばらくは僕に許可を取る形でカードを使って行こうね」
「そうだな。間違って変なサイトに登録すると怖いもんな」

 保護者のようにして万里生に教えてくれるというファビアンに、それならばカードを作っても安心かと万里生も思う。
 ファビアンに守られていると思うと万里生も心から安堵できる。
 カードの話が終わるとファビアンは話しを戻した。

「これをどうしたかったの?」
「ファビアンに飲ませれば、ファビアンがものすごく感じやすくなって、俺が抱いたら悶えてくれるんじゃないかと思ったんだ」
「うーん、ちょっと違うんだなぁ」
「違うのか!?」

 泣くほど感じるファビアンを見たかったのだが、どうやらこの薬はそういうものではないらしい。万里生は感度がよくなるものだと思い込んでいたから裏切られた気分だった。

「逆かな」
「逆?」
「マリオが使ったら、ものすごく興奮して、僕のことを力尽きるまで抱ける、みたいな」
「そうなのかー!? 俺、全然知らなくて、ファビアンに飲ませようとしてたー!」
「そしたら、大惨事だったね。僕が興奮して本気になって万里生に乗ったら……」
「あー! でも、それも魅力的ー!」

 興奮したファビアンが見られるのも悪くないかもしれない。
 万里生の頭をいつも余裕のファビアンの姿が過る。
 余裕をなくして万里生を求めるファビアンは見てみたい。
 その結果として自分が搾り取られて大惨事になるなんてことは、そのときの万里生の頭にはなかった。

「俺が飲んでファビアンを無茶苦茶に抱くか、ファビアンが飲んで俺に乗ってくれるか……ダメだ、選べない……。感度がよくなるのはないのか!?」
「感度がよくなるっていうか、初めてのときに痛みを緩和させるローションとか、使うと気持ちよくなるローションとかあるらしいけど、どこまで効くかは僕も分からない。結局、大事なのはどんな道具を使うかじゃなくて、誰とするかでしょう?」

 欲望は口から出ていたようだ。
 零れ出る欲望を聞いてファビアンは冷静に答えてくれている。
 確かにファビアンとならばどんな行為でも気持ちいいので薬は必要なかったかもしれない。
 ただ、興奮したファビアンを見てみたい欲は消えなかった。

「そうだよな……。ファビアンとしてたら、夢中になるくらいいつも気持ちいいもんな。こういうのはいらなかったか」

 冷静になって箱をソファに備え付けのローテーブルに置こうとすると、ファビアンがそれを手に取る。

「もし使うとすれば、僕が飲むのがいい? 万里生が飲むのがいい?」

 艶っぽく微笑みかけられて問いかけられて、万里生は一瞬迷った。
 万里生が飲んで無茶苦茶にファビアンを抱くか、ファビアンに飲んでもらってファビアンが興奮している姿を見るか。
 答えはすぐに出た。

「ファビアンに飲んで欲しい!」

 箱の上に手を置いて堂々と伝えると、ファビアンが目元を染めて微笑む。

「夕食後、シャワーを浴びて、その後に」
「お、おう!」

 楽しみ過ぎて万里生は夕食を掻き込むようにして食べてしまった。
 ファビアンと万里生で作った夕食は、酢豚と青椒肉絲と卵とワカメのスープとご飯。熱々のご飯に酢豚と青椒肉絲がよく合う。
 食べ終わって一息ついてから、万里生とファビアンはバスルームに入った。
 ファビアンはバスルームで後孔を洗って、ローションを塗り込める。その仕草だけで万里生は興奮してきて、バスルームでファビアンに背中から覆いかぶさってしまった。

「ファビアン、めちゃくちゃエロい……入れたい」
「お薬は?」
「あ、あれは、後で」

 一回だけバスルームでしたいと強請ると、ファビアンはタイルに手を突いてお尻を突き出すようにして応じてくれた。
 後ろからファビアンの中に押し入ると熱く柔らかい中に締め付けられて、気持ちよさにそれだけで達してしまいそうになる。
 下から突き上げると、ファビアンの悦い場所を掠めたのか、ファビアンが甘い声を出す。

「ひぁっ! マリオ、悦いよ」
「んっ! ふぁっ! でる! でちゃう!」
「奥に出して?」

 促されてファビアンの奥まで突きあげると、いつもより深くまで到達したようで先端が強く締め付けられる。今まで入ったことのない場所に入り込んだ万里生は、気持ちよさに白濁を吐き出していた。

「うぁぁぁぁっ! マリオ、すごいぃ!」
「ファビアン、しまる! あぁっ! きもちいっ!」
「んんっ! おく、でてる! あついの、でてるぅ!」

 いつもと違うバスルームで始まった交わり。
 バスルームから出ると、バスタオルを腰に巻いたファビアンがちらりと万里生を見て小瓶の蓋を開けた。
 小瓶の中身を一気に飲み干してしまうファビアン。

「あぁ……マリオ、覚悟してね?」

 とろりとした蕩けた目で見られて万里生はこくりと唾を飲み込んだ。
 寝室のベッドに雪崩れ込んで、ファビアンが万里生を押し倒す。万里生もバスタオル一枚腰に巻いただけだったので、剥がされて、すぐに中心が露わになる。
 ファビアンは万里生の中心に顔を寄せて頬ずりをした。

「ここ、気持ちよくさせてあげる」
「ふぁ、ファビアン……いつも気持ちいいけど……」
「これ、してあげたことなかったでしょう?」

 ちゅっと先端から滲む露を吸い取って、ファビアンが万里生の中心を口に含む。口の中に咥えられて、じゅぽじゅぽと舐められて、万里生の中心が高まってくる。

「あっ! あぁぁっ! でるぅ!」
「んふっ! 僕の口で出す? それとも、中で出す?」
「なかで! なかがいいぃ!」

 泣いてしまう万里生の中心から口を外して、腰に跨って、ファビアンがずぶずぶと中心を飲み込んでいく。奥まで到達しただけで万里生は呆気なく達してしまった。

「ふぇ……でちゃったぁ……」
「まだだよ。マリオ、もっと僕を満たしてくれないと」
「ひっ! あぁんっ! まだイったばかりぃ!?」

 白濁を吐き出して一度萎えた中心を咥え込んだまま腰を動かしてファビアンが万里生を追い詰めていく。追い上げられて万里生はまた絶頂の波に乗る。

「ファビアン、もう、むりぃ! でないぃ! でないよぉ!」

 ひんひんと泣かされるまで万里生は搾り取られたのだった。
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