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第2部 天然女子高生のための再そーかつ
第34話 多頭飼育崩壊
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東京都千代田区にある私立マルクス高等学校は今時珍しい革新系の学校で、在学生にはリベラルアーツ精神と左派系の思想が叩き込まれている。
「ハムリンはかわゆいなあ~。癒される~~」
ある日曜日の昼。私、野掘真奈は飼っているハムスターをケージごと自宅のリビングまで運んで愛でていた。
普段は私の部屋にある棚の上にケージを置いているけど、たまには広い場所で遊ばせてあげたいので今はハムリンをケージから出し、テーブルに敷いた専用のマットの上に移していた。
ハムリンは私によく懐いてくれているので、四方に囲いのないマットの上から逃げ出さずに今も走り回っている。
「こんなにかわゆい生き物がいるなんて、生命の進化も捨てたものじゃないよね。ああ~かわゆい~~」
『久しぶりだな、地球人の少女よ!』
「ギャー出たーー!!」
テーブルの下から飛び出したのは日本の家屋によくいる黒くてツヤテカしたやつで、私はリビングにあるお母さんのスリッパを手に取ると黒くてツヤテカしたやつ(以下G)を叩き潰そうとした。
『待て、潰さないでくれ。私だ、前に戦争の件で世話になったブラッキ星人だ』
「何だ宇宙人さんですか。驚かせないでくださいよ……」
異星人に対してこの反応になっている自分も何気におかしいが、Gがテレパシーで語りかけてきた時点で何となくそんな気はしていた。
目の前のGに憑依しているのは外宇宙の恒星系に母星があるブラッキ星人で、彼らは同じ恒星系のローキ星人と延々戦争を続けているのだった。
『今回ここに来たのは、ローキ星人との戦争に必要な資金の稼ぎ方を学ぶためだ。この地球という惑星の日本という国には少ない資源で効率よく金を稼ぐ方法として、ハムスター商法とかいうやり方があるらしい。それでハムスターを飼っている君に情報を聞きに来た訳だ』
「それ多分ねずみ講のことです」
『正式名称はそうなのだな。一体どういうやり方なんだ?』
例によってリサーチが雑な宇宙人(が憑依したG)に対して、私はねずみ講(マルチ商法)がどういうものなのかを説明した。
『なるほど、詐欺まがいのやり方だが短期的に利益を上げることはできるな。民衆を顧客とすれば戦費調達にも役に立ちそうだ』
「自己責任で好きにされたらいいと思いますけど、何か売り物になりそうなものはあるんですか?」
戦時中に政府や軍隊が民衆に売れるものは限られると思い、私は宇宙人にそう尋ねた。
『確かにそれは問題だな。そうだ、このハムスターは私の母星でも愛玩用に人気になりそうだから、増やして売ればいいんだ。ちょっとこれを食べさせてみよう』
宇宙人はそう言うとテーブルの上にいるハムリンの目の前に錠剤を召喚し、美味しそうな匂いがしたのかハムリンはそれをパクッと食べた。
その瞬間、ハムリンは大きさを保ったまま2つに分裂し、私は慌てて元のハムリンと思われるハムスターをつかみ取った。
「ちょっ、ハムリンに何やってくれてんですか!?」
『ああ、そっちが元の個体だから大丈夫だ。この1匹を頂いて、先ほどの動物増殖飼料で倍々に増やして民衆に売るとしよう。売った民衆がまたハムスターを増やして売れば無限に儲かるという訳だ』
「ええ……」
宇宙人はまた会おう、と言うとそのまま憑依したGごと姿を消し、私は二度と来なくていいのにと率直に思った。
その1か月後……
『地球人の少女よ、実はハムスターが増えすぎて母星の環境が大変なことになってしまったんだ。全て集めて植民惑星に移住させようと思うのだが、どうか適切な餌の投与法を教えてうわなにをするやめくぁwせdrftgyふじこlp;@:』
「知らんっ!!」
再びGに憑依して助けを求めてきた宇宙人を、私は容赦なくスリッパで叩き潰したのだった。
(続く)
「ハムリンはかわゆいなあ~。癒される~~」
ある日曜日の昼。私、野掘真奈は飼っているハムスターをケージごと自宅のリビングまで運んで愛でていた。
普段は私の部屋にある棚の上にケージを置いているけど、たまには広い場所で遊ばせてあげたいので今はハムリンをケージから出し、テーブルに敷いた専用のマットの上に移していた。
ハムリンは私によく懐いてくれているので、四方に囲いのないマットの上から逃げ出さずに今も走り回っている。
「こんなにかわゆい生き物がいるなんて、生命の進化も捨てたものじゃないよね。ああ~かわゆい~~」
『久しぶりだな、地球人の少女よ!』
「ギャー出たーー!!」
テーブルの下から飛び出したのは日本の家屋によくいる黒くてツヤテカしたやつで、私はリビングにあるお母さんのスリッパを手に取ると黒くてツヤテカしたやつ(以下G)を叩き潰そうとした。
『待て、潰さないでくれ。私だ、前に戦争の件で世話になったブラッキ星人だ』
「何だ宇宙人さんですか。驚かせないでくださいよ……」
異星人に対してこの反応になっている自分も何気におかしいが、Gがテレパシーで語りかけてきた時点で何となくそんな気はしていた。
目の前のGに憑依しているのは外宇宙の恒星系に母星があるブラッキ星人で、彼らは同じ恒星系のローキ星人と延々戦争を続けているのだった。
『今回ここに来たのは、ローキ星人との戦争に必要な資金の稼ぎ方を学ぶためだ。この地球という惑星の日本という国には少ない資源で効率よく金を稼ぐ方法として、ハムスター商法とかいうやり方があるらしい。それでハムスターを飼っている君に情報を聞きに来た訳だ』
「それ多分ねずみ講のことです」
『正式名称はそうなのだな。一体どういうやり方なんだ?』
例によってリサーチが雑な宇宙人(が憑依したG)に対して、私はねずみ講(マルチ商法)がどういうものなのかを説明した。
『なるほど、詐欺まがいのやり方だが短期的に利益を上げることはできるな。民衆を顧客とすれば戦費調達にも役に立ちそうだ』
「自己責任で好きにされたらいいと思いますけど、何か売り物になりそうなものはあるんですか?」
戦時中に政府や軍隊が民衆に売れるものは限られると思い、私は宇宙人にそう尋ねた。
『確かにそれは問題だな。そうだ、このハムスターは私の母星でも愛玩用に人気になりそうだから、増やして売ればいいんだ。ちょっとこれを食べさせてみよう』
宇宙人はそう言うとテーブルの上にいるハムリンの目の前に錠剤を召喚し、美味しそうな匂いがしたのかハムリンはそれをパクッと食べた。
その瞬間、ハムリンは大きさを保ったまま2つに分裂し、私は慌てて元のハムリンと思われるハムスターをつかみ取った。
「ちょっ、ハムリンに何やってくれてんですか!?」
『ああ、そっちが元の個体だから大丈夫だ。この1匹を頂いて、先ほどの動物増殖飼料で倍々に増やして民衆に売るとしよう。売った民衆がまたハムスターを増やして売れば無限に儲かるという訳だ』
「ええ……」
宇宙人はまた会おう、と言うとそのまま憑依したGごと姿を消し、私は二度と来なくていいのにと率直に思った。
その1か月後……
『地球人の少女よ、実はハムスターが増えすぎて母星の環境が大変なことになってしまったんだ。全て集めて植民惑星に移住させようと思うのだが、どうか適切な餌の投与法を教えてうわなにをするやめくぁwせdrftgyふじこlp;@:』
「知らんっ!!」
再びGに憑依して助けを求めてきた宇宙人を、私は容赦なくスリッパで叩き潰したのだった。
(続く)
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